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http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M6ZU886K513P01.html
7月11日(ブルームバーグ):買い物かごに何を入れたかを見れば、その人が分かる。ダンビサ・モヨ氏によれば、国も同じだ。国が購入するものの内容はその国が何を必要とし、何を欲しがっているかを描き出す。
中国の近年の買い物はペルーの山中に眠る何トンもの銅、20年分のロシア産原油、アフリカと南米の肥沃な土地などだ。
これほどあからさまな征服のパターンはない。中国は「商品十字軍」を旗揚げし、金属から食糧までさまざまな商品を買いあさるようになったと、モヨ氏は新著「Winner Take All(仮訳:勝者が全てを手に入れる)」で指摘する。著名投資家のジム・ロジャーズ氏が必読と絶賛する一冊だ。
この長い嘆きの書で驚くべきは、食糧やエネルギー、水を中国がせっせと囲い込んでいることではない。それよりも、他の国がこれら物資が不足することをさほど心配せず、特に行動していないことの方が不可解だ。人口急増と富の拡大が今、地球の資源に未曾有の圧力をかけているというのに。
「中国は狙いを定め、実行力と先見性をもって、運命の瞬間に向けて着々と準備を進めている」と、元ゴールドマン・サックス・グループのバンカーのモヨ氏は論じる。「一方、世界の他の国・地域で的を絞った協調した取り組みがなければ、何億という人間が飢饉(ききん)や紛争、あるいはもっとひどい運命に見舞われるだろう」という。
人口100億人
「Winner Take All」は「人口論」のトマス・マルサスと同じ視点に立つ。マルサスは1798年に著した同書で、人口は食糧よりも速いペースで増えると論じた。それがもたらす結果は戦争であり飢饉であり疫病だ。人類は今までのところマルサスの描く大変動を免れているが、モヨ氏が著書の巻頭で紹介する世界の需要と供給に関するデータはこの恐怖が去らないことを示す。
同書によれば、世界の人口は2050年までに100億人に達する可能性があり、増加は富が最も速いペースで拡大する地域に集中する。ベルギー人のようにリッチな食事をし、ドイツ人のように速い車を運転し、米国人のようにどんどん買い物をする人が世界中で増える。地球はこのための食糧や水、エネルギー、その他の商品を生み続けられるだろうか。
ロジャーズ氏絶賛
著者は統計や図表を使って供給に限りがあることを示す。需要については中国の都市化の流れや同国政府が国民の生活水準を引き上げる必要性を指摘。中国がアフリカや南米諸国のインフラ整備プロジェクトに資源確保だけでなく、雇用創出、友好関係構築をうまく結び付けていることを紹介。一方で、中国が商品の独占的な買い手になるリスクにも言及する。
ジョージ・ソロス氏とともにクオンタム・ファンドを創設したジム・ロジャーズ氏は、「今日の世界の現実を理解するために必読の一冊だ」とし「米欧は目を覚ますのが遅すぎて未来に備えられないのではないかと心配だ」と言う。
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