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Financial Times
カリフォルニア州で相次ぐ自治体破綻
2012.07.13(金)
(2012年7月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
カリフォルニア州の広大なインランドエンパイア地域にある比較的大きな都市の1つ、サンバーナーディーノは、恵まれた気候と緑に覆われた景観、そしてチャック・ベリーの1961年のヒット曲「(ゲット・ユア・キックス・オン)ルート66」に名前が出てくることでよく知られている。
だが、破産申請することを宣言した今、サンバーナーディーノは、この数週間で債権者からの保護を求めるカリフォルニア州内3番目の都市になったことで評判になっている。
ストックトン、マンモスレイクスに続きサンバーナーディーノも破産申請
サンバーナーディーノは、北部カリフォルニアにあるストックトンとマンモスレイクスの仲間に加わり、もはや債務のすべてを返済する余裕はないと当局者たちが結論付けた後に破産保護を求めることになった。
暗い雇用見通しと住宅市場の崩壊によって悪化した縮小する税基盤が、サンバーナーディーノを立ち直る手立てのない状態に追い込んだ。
カリフォルニア州と全米各地でさらに多くの都市が後に続くと見られている。「共通するテーマは、過度に楽観的な歳入見込みに基づいた歳出計画だ」。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)アンダーソン経営大学院のエド・リーマー教授はこう言う。「これらの都市は自分たちにできる唯一の事をやっている。それが破産による債務削減だ」
リーマー教授は、税収が減少する一方でどんどん膨らんだ年金・医療債務に取り組んでいない市や地方自治体の「カスケード効果」を挙げる。「これは市や州にとって大問題になるだろう・・・何しろ、あらゆるレベルの政府が守れない約束をしていた」
州の当局者たちはこの問題を注意深く見守っている。1つには、投資家が動揺すると、ある都市の経験がすぐに別の都市で再現されかねないからだ。
「カリフォルニアは金融の生態系であって、1つの都市で起きたことが、別の都市で起きることに影響を与えかねないということを我々は理解しなくてはいけない」。カリフォルニア州の会計監査官、ジョン・チャン氏はこう話す。
「ストックトンがリース収入に基づく特定財源債を返済できなくなった時、他の管轄区域でも(債券市場の)スプレッドが拡大した。これを伝染と呼ぶつもりはまだないが、大きな懸念がある。重要な問題は、この先、転換点があるかどうかだ」
最も大きな財政難に直面している都市は、サンバーナーディーノがあるインランドエンパイアや、ストックトンがあるセントラルバレーに集中している。比較的景気のいいカリフォルニア沿岸地域よりもはるかに失業率が高い地域だ。
サブプライムローンが残した傷跡
サンバーナーディーノなども、サブプライムローンの割合が高かった〔AFPBB News〕
「これらは米国の他地域よりもサブプライムローンの割合が高かった地域だ」とカリフォルニア州財務局の副局長、HDパーマー氏は言う。「こうした地域では、回復に長い時間がかかっている」
これらの地域では、住宅ローンの貸出基準が「甘かった」とUCLAアンダーソンのリーマー教授は付け加える。「また、これらの地域は次第に売上税に対する依存度が高まっているが、人々はかつてのようにモノを買わない」
サンバーナーディーノは、減少する歳入だけでなく、ずさんな会計にも苦しんでいる。当局者たちは市議会で、過去16年間のうち13年間で、改竄された予算書が提出されていたことを聞かされた。
「資料は、市がこれら16年間のうち13年間で赤字だった時に、黒字だったことを示していた」と同市の検事、ジェームズ・ペンマン氏は言う。
サンバーナーディーノは4500万ドルの財政赤字に直面しているが、カリフォルニア州のほかの都市と同じように、主な財源の急減に見舞われている。売上税の税収が過去4年間で15%近く減少する一方、固定資産税は17%近く落ち込んでいる。
サンバーナーディーノは既に市の職員を20%減らしている。だが、当局者たちは、治安に影響していたに違いないさらなる人員削減よりは、破産の方が好ましいと話している。
「市は限界点に達している」。市政代行官のアンドレア・ミラー氏は市議会向けの分析の中でこう書いていた。「この悲惨な状況を是正するためには、中身のある早急な対策が必要だ」
自治体の破綻はまだまだ続く?
歴史的な低金利はサンバーナーディーノのような都市のためになっていない、と無党派のシンクタンク、ミルケン・インスティテュートの調査部長、ペリー・ウォン氏は言う。
「市場のリターンが高い時には、年金の給付義務を果たすことができる。だが、今のように金利が低い時には、各都市は義務を履行するために、より多く支出しなければならない。我々は間違いなく、もっと多くの都市が破産するのを見ることになる・・・恐らく、少なくとも十数都市は破綻するだろう」
By Matthew Garrahan in Los Angeles and April Dembosky in San Francisco
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35660
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