★阿修羅♪ > 経世済民76 > 837.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
焦点:中国、2014年にもレアアースの輸入国になる可能性
http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/837.html
投稿者 MR 日時 2012 年 7 月 11 日 18:03:22: cT5Wxjlo3Xe3.
 

焦点:中国、2014年にもレアアースの輸入国になる可能性
2012年 07月 11日 16:56

中国の利下げ、2013年の銀行利益に打撃も=S&P
五輪=IOCが中国企業とスポンサー交渉、14年までに締結も
日銀会合待ちで小動き、現状維持でも緩和観測は消えない見通し
焦点:マイクロソフトなど米大手ハイテク企業、業績悪化は不可避

[北京 11日 ロイター] 世界最大のレアアース(希土類)生産国である中国が、早ければ2014年にもレアアースの輸入国になる可能性がある。素材のまま国外に輸出するのではなく、国内のハイテク産業で消費することを促しているからだ。

中国政府はレアアースの輸出規制措置を環境保全のためと説明しているが、最大の産出国よりも最大の消費国になる道を選ぶ方針も明確にしている。

レアアースに関して川上から川下までの包括的な産業体制を築こうという中国政府の意向は、世界のレアアース供給の90%以上を独占する中国が、今では生産の65%を国内で消費していることに表れている。10年前には、国内消費の比率は25%だった。

米コロラド州に本社を置く鉱業会社、モリコープ(MCP.N: 株価, 企業情報, レポート)のマーク・スミス最高経営責任者(CEO)はロイターのインタビューで「2014年ないし2015年に、中国はおそらく一部のレアアースの純輸入国になるだろう」と発言。「需要があれば、そこに供給が向かわざるを得ない。世界で生産される磁石の80%以上が中国で生産されており、年を追ってその傾向は強まっている」と指摘した。モリコープは今年、中国に拠点を持つカナダのネオ・マテリアル・テクノロジーズNEM.TOを買収し、中国に本格進出した。

厳しい輸出規制は米国、日本、欧州との通商摩擦を生んでいるが、中国政府の意図は供給の制限と価格の支配だけにあるのではなない。磁石のようなレアアースの下流部門の支配も目指している。

<負担を分け合う>

米地質調査所(USGS)は中国が世界のレアアース資源の約半分を握っていると指摘する。資源の量は中国が5500万トン、ロシアが1900万トン、米国が1300万トンという。これに対し中国は、比率は25%に近いとし、世界の90%を供給し続けることは不可能だと主張している。

レアアース生産で中国最大手の包鋼稀土高科技(600111.SS: 株価, 企業情報, レポート)の李忠・副社長によると、国内消費は今後数年間、少なくとも年率10%の伸びが見込まれ、中国政府の生産制限の下では、国内需要の増加は輸出の削減あるいは輸入によって満たすしかない。

中国政府の政策によってレアアースの価格が上昇し、米国、カナダ、インドのような採掘を停止していた国々での生産再開を促している。加工処理も採算性が向上しており、オーストラリアのライナス(LYC.AX: 株価, 企業情報, レポート)はマレーシアの工場建設で同国政府の正式承認を求めている。

<ハイテク産業への恩恵>

中国政府にとって、付加価値の低いレアアースの鉱石を輸出することは、環境コストをすべて中国が負担する一方、ハイテク製品への利用から恩恵をまったく受けられないことを意味する。生産制限と輸出規制は、保有する資源から最大の見返りを引き出すというひとつの戦略の構成要素なのだ。

米ワシントンにある戦略国際問題研究所(CSIS)のジェーン・ナカノ氏は「レアアースをめぐる産業のサプライチェーンを確立するのに必要な時間を稼ごうとする限り、中国にとって世界的なレアアース生産の管理は重要だ」と指摘した。

下流部門を整備する方策の一環として、内モンゴル自治区の包頭のようなレアアースの生産拠点が、銅山から出発して大規模なハイテク複合企業を誕生させた日本の日立を見習うよう促されている。

ひとつの重要な産業分野が、再生可能エネルギーや衛星、MRI、ガス採掘などに利用される磁石だ。烟台正海磁性材料(300224.SZ: 株価, 企業情報, レポート)などの中国企業が世界の80%以上を生産している。また先月の政府統計によると、発光体、水素貯蔵材料、ガラス研磨材でも70%以上を中国が生産している。いずれもレアアースが使われている。

中国政府は、レアアースをめぐる川下の技術がまだ遅れていることを認める一方、追いつくために輸出制限は重要な役割を持つと指摘。外国企業が安いレアアースを求めて中国に技術を持ち込むことを促している。

中国のレアアースを使っている米ハイテク素材メーカー、アメリカン・エレメンツのマイケル・シルバーCEOは「さまざまなガラス工場に供給していて、かつてはそうした企業は米国に大きな生産基盤を持っていたが、実質的にそのすべてが中国に移ってしまった」と語った。

<輸入国に>

アナリストは、中国が世界最大の輸出国から最大の輸入国に転身したコークス用炭(原料炭)での経験が、レアアースの前例になると指摘する。かつて中国は原料炭を欧州や日本に大量に輸出していた。しかし、鉄鋼産業の大規模な拡充に伴って輸出規制に踏み切り、2008年までに純輸入国となった。現在、中国が消費する年間5億5000万トンの原料炭の5分の1を輸入が占めている。

ランタンやセリウムのようなライトレアアース(軽希土類)に関しては、内モンゴルに豊富な資源を持つ中国が輸入国になる可能性は低い。しかし、ヘビーレアアース(重希土類)とミディアムレアアース(中希土類)は供給不足に陥る可能性がある。あるレアアース磁石生産企業関係者は「需要の増大に伴って、中国がいずれ一部のヘビーレアアースの輸入国になることは十分あり得る」との見方を示した。

(David Stanway記者)

© Thomson Reuters 2012 All rights reserved.

関連ニュース
インタビュー:南ア、豪企業と合弁事業を協議=中国レア・アース・グローバル会長 2012年3月26日
米エクソン、事実上の日本撤退を30日にも発表=関係筋 2012年1月29日
米エクソンが事実上の日本撤退へ、東ゼネに株式・事業売却で調整 2012年1月4日
米エクソン・モービル、日本から事実上の撤退へ=関係筋 2012年1月4日
工業製品の生産チェーンに依然価格上昇圧力=ECB 2011年12月15日

現実味増す「11月解散」説
民主党分裂が、政界再編の引き金を引いた。小沢新党への期待度は低い一方、野田政権は「野党頼み」を強いられている。
記事の全文 | 特集ページ
シニア消費、日本経済支える切り札に
上野動物園の赤ちゃんパンダ死ぬ
オスプレイ、複数の国が購入に関心

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE86A04Z20120711?sp=true

現在の重要課題は投資の促進=中国首相 (16:12)
 中国の温家宝首相は10日、現在の重要課題は投資の伸びを促進することだと発言した。これは、中国が今や成長モデルの転換という長期的な目標よりも、成長促進を優先事項と見なしていることを示唆するものだ。


中国、輸出減速の公算大=ウエストパックエコノミスト
2012年 7月 11日 17:11 JST
 オーストラリアの銀行、ウエストパック・バンキングの国際シニアエコノミスト、ヒュー・マッケイ氏は、欧州や米国、一部新興国市場の景気低迷が続いていることから、中国の輸出の伸びがしばらくの間停滞または減少する可能性さえあるとの考えを示した。


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2012年7月12日 11:19:25 : 3CNLte9sGM
コラム:中国も年金危機、高齢化で「時限爆弾」
2012年 07月 11日 1 
コラム
コラム:南欧危機というユーロ圏統合深化のきっかけ=武田洋子氏
コラム:今年は「円高の夏」回避か、QE3期待空回りの公算
コラム:円高問題に「アジア通貨同盟」は有効か=河野龍太郎氏
コラム:「働きアリ」ドイツのユーロ離脱リスク=熊野英生氏
By Wei Gu

[香港 9日 ロイターBreakingviews] 経済成長の続く中国では現在、世界の先進国が直面する「高齢化」の問題も同時進行している。国連の推計によれば、中国の60歳以上の人口は、2010年からの40年間で2倍以上に増え、2050年には4億3800万人に達する。

高齢化で中国の国際競争力は今よりも弱まり、国内の社会問題もより複雑化するだろう。中国国務院(内閣に相当)は年金基金の積み立て不足解決の1つの方策として、定年退職年齢の引き上げを検討している。国民受けは悪い政策だが、それ以外に選択の余地はほとんどないだろう。

中国の年金水準は決して高い訳ではないが、それでも所得との比較ではかなり手厚いと言える。当局の統計によると、北京で暮らす年金生活者の1カ月の平均受給額は360ドルで、平均的労働者の月収の半分に相当する。

年金基金には、企業が従業員の給与の20%、従業員本人が給与の8%を積み立てるよう定められている。一般的な定年退職年齢は男性60歳、女性50歳となっており、これは就業年数より長い期間にわたって年金を受給するケースもあることを意味する。

こうしたことを踏まえれば驚くには値しないが、中国の年金制度は危機に直面している。中国人民銀行の調査によれば、純現在価値で試算した年金の積み立て不足額は、向こう70年で3兆ドルに達するという。米国の社会保障年金の積み立て不足などに比べれば額はまだ小さいものの、中国がまだ若く、米国ほど豊かでないことを考えれば、問題は深刻だ。

高齢化には別の問題もある。現在は現役世代(15─59歳)5人で1人の高齢者(60歳以上)を支える構図となっているが、2040年までには、現役世代2人で1人を支えるようになるとみられる。1970年代後半に導入された「一人っ子政策」と平均寿命の伸びにより、中国の人口ピラミッドには歪みが生じている。

こうした人口問題の「時限爆弾」が爆発するのを防ぐための選択肢は、西側諸国で検討されている政策とそう異なるものではない。定年退職年齢の引き上げもその1つであり、そしてこの考えに対しては、フランスなど他の国と同様に国民からの反発は強い。重慶の新聞が行った調査では、定年退職年齢の引き上げには9割以上が反対している。男性と女性の定年退職年齢を同じにし、早期退職者の年金受給額を減らすのも年金危機解決の選択肢だ。

ドイツ銀行の試算によると、定年退職年齢を7年引き上げると、就業人口は25%増え、年金受給人口は28%減る。他の条件が何も変わらないと仮定した場合、こうした変化により、年金不足額の対国内総生産(GDP)比は、現在の20%から2050年までに10%に縮小するだろう。

名目上は共産主義国家である中国では、国民は依然として、政府が「ゆりかごから墓場まで」面倒を見てくれることを期待している。一方で中央政府は、年金の積み立て不足が国民の不満を誘発することを懸念し、年金財政を完全には透明化していない。年金制度の改革には時間がかかり、困難な道でもある。しかし、本格的な高齢化社会が到来する前に着手することが喫緊の課題であることは間違いないだろう。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイター Breakingviewsのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

© Thomson Reuters 2012 All rights reserved.

関連ニュース
欧州危機は懸念要因、米金融政策は適切=米セントルイス地区連銀総裁 2012年7月10日
中国、景気支援に向け政策の微調整が必要=温家宝首相 2012年7月9日
中国、景気支援に向け政策の微調整が必要─温家宝首相=新華社 2012年7月9日
中国、流動性押し上げるため預金準備率を引き下げるべき=中国証券報論説 2012年7月3日
焦点:世界の年金基金で積み立て不足深刻化 低利回りと高齢化で 2012年3月16日


02. 2012年7月12日 12:25:19 : 3CNLte9sGM
鈍化傾向を強める中国の原油需要
2012/07/12 (木) 12:00


 中国税関総局の発表によると、同国の6月の月間原油輸入は2,172万トン(日量530.7万バレル)でした。その一方で輸出量が11万トンと発表されているため、同国の原油の純輸入量は2,161万トンとなります。

 この輸入量は前月に記録した2,530万トンを14.6%と大きく下回るだけではなく、昨年12月以来、最も少ない量となります。

 原油の輸入量は需要と必ずしも一致しているわけではありません。というのも、輸入量は需要量と保管能力の両方を合わせた数量を示していると考えられているからです。そのため、6月の月間輸入量の減少が需要の減少を直ちに示しているわけではない、と見ることも出来ます。

 中国のここ数ヶ月間の原油輸入量を振り返ってみましょう。1月〜6月間の累計輸入量は前年同時期に比べると10.9%増と二桁の伸び率を記録して1億4,006万トンを示現しています。

 また、第2四半期の輸入量について前年同期に比べると10.6%増加した6,946万トンを記録しました。なかでも、5月に記録した2,530万トンという原油純輸入量は過去最大量となります。

 とはいえ、前述のように"月間輸入量の減少が需要の減少を直ちに示しているわけではない"のと同様に、このような原油輸入量の増加=中国の原油需要が旺盛を示しているわけでもありません。

というのも、中国の原油輸入量の増加は今年第1四半期までに総計8,000万バレル規模の戦略備蓄基地が完成したことを受け、戦略備蓄在庫を確保するためにこれまで積極的な原油輸入が行われてきた、と見られるからです。

 また、過去最大を記録した5月の輸入に関しては、5月当初には105ドル前後で推移していたNY原油が5月下旬にかけて90ドルを割り込む軟調な足取りを展開していたことを好機とみて、大量の買いつけが行われた可能性も否定できません。

 なお、5月の原油輸入が価格下落を背景にして通常ではない規模まで膨らんだと考えれば、6月の原油輸入量が減少したことは必ずしも弱気とは言えないでしょう。しかしながら、実際には、6月の原油輸入量の減少は前月の輸入規模が異例とも言える水準に達していたことだけが理由だけではないようです。

ここで注目したいのが、今年初めを筆頭にして中国国内の原油処理量が減少している点です。

国家統計局の発表によると、今年初め、中国の国内原油処理量はおよそ935万バレル/日を記録していました。その後も原油処理量は3月にかけて過去最大となる高い水準を記録していたものの、4月に入ってから急激に減少に転じ、5月の処理量は1日当たり約916万バレルにとどまっています。

さらに注意したいのが、原油処理量が減少しているにもかかわらず、同国の石油製品輸入量が減少している点です。

中国税関総局によると、6月の石油製品輸入量は前年同月に比べて13.8%減少した293万トンにとどまっています。さらに、今年1月〜6月間の累積輸入量に関しても、前年同期に比べて3.8%減少した2億トンとなっているのです。

なお、国際エネルギー機関(IEA)では、中国の石油需要は今年下半期に回復するとの見方を示しています。しかしながら、この需要の増加も、中国政府が経済を活性化させるための政策を実施すること、が前提となっており、無条件での需要の回復を期待させるものではありません。

前年度との比較で見ると輸入量の増加が報告されていることもあり、輸入量の減少が中国の需要減少を直接示しているとは言えない側面もあります。

しかしながら、輸入量の増加が備蓄施設の完成に伴うものであったという一面や、価格の下落が備蓄確保の動きを促したに過ぎないとも考えられること、そして石油製品の需要が減退傾向にある、という面から見ると、この中国の輸入量の減少は同国の石油需要の減少を示唆している可能性もある、として注目する必要があるように思われます。

【ご注意】本ブログに掲載されている情報の著作権は株式会社日本先物情報ネットワークに帰属し、本ブログに記載されている情報を株式会社日本先物情報ネットワークの許可無しに転用、複製、複写することはできません。


中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。


03. 2012年7月13日 14:33:05 : 3CNLte9sGM
第2四半期の中国GDP、3年ぶり低水準:識者こうみる
2012年 07月 13日 13:13 JST

トップニュース
アングル:パート賃金上昇でデフレ緩和に期待感、消費好調持続が焦点
ドル79円前半、中国GDPで豪ドルやユーロが一時上昇
上半期の成長率は予想範囲内、不動産規制は緩めず=中国国家統計局
日経平均は小幅続落、円高やイタリア格下げなど嫌気

[北京 13日 ロイター] 中国国家統計局は13日、2012年第2・四半期の国内総生産(GDP)伸び率が前年比7.6%になったと発表した。2009年第1・四半期以来3年ぶりの低水準で、市場予想と一致した。

中国経済の減速傾向が続き、通年の伸び率が1999年以来の低水準になるとの見方を裏付ける内容となった。

市場関係者の見方は以下の通り。

●第3四半期から安定的な成長へ

<GUOTAI JUNAN SECURITIES(上海)のアナリスト、JIANG CHAO氏>

7.6%成長は市場でほぼ織り込み済みだった。成長率が7%を割り込むという懸念はある程度和らいだ。ただ、政府がボーダーラインとみている7.5%に近いことから、景気支援に向け政府は追加緩和に向けた取り組みを強める可能性がある。

前日に発表された融資統計では妥当な伸びが示された。第2・四半期に景気は底入れし、第3・四半期から安定し始めるだろう。

●さらなる鈍化懸念和らぐ、第2四半期に底打ち

<申銀万国証券のエコノミスト、LI HUIYONG氏>

GDP成長率は市場の予想範囲内で、中国経済がさらに鈍化する恐れがあるとの不安が和らいだ。

国内消費の鈍化が中国経済を圧迫しているが、第2・四半期に景気が底を打った模様で、第3・四半期には安定すると予想している。第4・四半期には回復に向かう見通しだ。政策の微調整や政府による投資促進策が功を奏している。

金融政策については、下半期にもう1度の利下げと2度の預金準備率引き下げが行われると予想している。

●投資に加速の兆候

<IHSグローバル・インサイトのエコノミスト、XIANFANG REN氏>

投資の伸びは予想の範囲内だが、6月が比較的強かったことがわかる。加速の兆候がみられ、今後数カ月で工場生産が徐々に押し上げられるだろう。

ただ鉱工業生産の伸びは弱含み、小売売上高も弱い。懸念されるのは家計部門だ。

中国経済は第3・四半期には上向くと思うが、もし今後数カ月で好転しなければ工場労働者のレイオフは避けられず、雇用を直撃するだろう。

工場はすでに構造的な余剰問題に直面しているが、景気が回復した時の採用は容易ではないとの懸念からレイオフに踏み切れずにいる。

●年間成長目標は達成可能

<クレディ・アグリコルCIB(香港)のエコノミスト、DARIUSZ KOWALCZYK氏>

上半期の成長率は7.8%となった。これにより、下半期の成長率が7.2%を下回らない限り、年間で7.5%という政府の成長目標は達成可能だ。最近の景気刺激策からみると、下半期の成長がそれほど悪いとは考えにくい。

われわれは、今月以降150ベーシスポイント(bp)の預金準備率の引き下げ、あるいはさらなる融資・財政措置があると予想している。

財政や金融の措置により下半期の成長率は8.2%に達し、年間成長率は8%になるとのわれわれの見通しは変わっていない。景気減速への過度の懸念は誇張されている。

●最悪期終了か、緩和策の効果出始める

<HSBC(北京)の中国担当エコノミスト、SUN JUNWEI氏>

前期比の成長率は1.8%で、第1・四半期の1.6%からやや回復している。

6月の統計では、鉱工業生産が唯一予想を下回ったが、投資と小売売上高はかなり良好だった。6月の統計から判断すると、少なくとも景気の減速ペースが落ち着いた兆しがみられる。

先の緩和措置の効果が出始めた初期の兆候がみられる。

おそらく最悪期は過ぎ、次の四半期には成長率が安定もしくは改善さえするのではないか。

追加緩和の規模に左右されるが、当局は景気の減速に積極的に対応するだろう。輸出が急激に悪化しない限り、緩やかな景気の回復が進む可能性が高い。第2・四半期が底だった可能性が高い。

●さらなる緩和措置を予想、不動産規制の強化はない

<バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(香港)のエコノミスト、TING LU氏>

中国政府は今後、さらなる緩和措置を講じるとみている。年間の新規融資は8兆5000億元と予想する。銀行の預金準備率は近く50ベーシスポイント(bp)引き下げられ、年末までに計3回の50bpの引き下げがあると予想している。また、25ベーシスポイント(bp)の利下げも2回ある可能性がある。

中国政府は一段と積極的に新規プロジェクトの企画や既存プロジェクトを進め、低所得層向け住宅対策にも一段と真剣に取り組むだろう。不動産市況は最近回復しているが、不動産規制を強化することはないと予想する。

© Thomson Reuters 2012 All rights reserved.

関連ニュース
第2四半期の中国GDP伸び率は前年比+7.6%、3年ぶり低水準 2012年7月13日
中国指標こうみる:第3四半期から安定的な成長へ=GUOTAI JUNAN SECURITIES 2012年7月13日
中国の成長率7・6%に減速 2012年7月13日
第2四半期の中国GDP伸び率は前年比+7.6%に鈍化、予想と一致 2012年7月13日
第2四半期の中国GDP伸び率、09年第1四半期以来の低水準 2012年7月13日


04. 2012年7月17日 10:25:20 : 3CNLte9sGM
中国株、不気味な沈黙が示すもの ソフトランディングに死角はないか
2012年7月17日(火)  伊藤 正倫
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120713/234459/?ST=print

 早くも折り返し地点を過ぎた2012年の株式相場。4〜6月期の決算発表を前に、投資家は売買を控え気味になる時期ではあるが、このところの東京市場の沈滞ムードはやや気がかりだ。日経平均株価は12日まで6日続落。年初来安値を付ける銘柄も増えてきた。マイナス材料にことさら反応する、東京市場の悪い癖が目立つようになっている。投資家が特に注視するのは隣の大国。明るい話題が少なくなった中国だ。
豪州の雇用悪化で売られるワケ
 そんな市場のセンチメントが如実に現れたのが12日。きっかけは午前10時過ぎに発表となった6月のオーストラリアの失業率だった。平時なら、ほとんど無視されるような統計で、失業率は5.2%と前月からわずか0.1%悪化したにすぎなかったが、発表後に日経平均は下げ幅を拡大していった。
 豪経済の減速が嫌気されたのではない。投資家は豪失業率の悪化から、中国の変調を改めて意識したのだ。「豪州の雇用が悪化したのは、鉄鉱石や石炭など資源輸出に陰りが出てきたからではないか。仮にそうなら、最大輸出国の中国景気が鈍化しているに違いない。投資家の間でこのような連想が働いたのだろう」とSMBC日興証券の西広市・株式調査部部長は解説する。
 この解説を裏付けるように、12日は中国への収益依存度が高い銘柄で売りがかさんだ。代表例がコマツで株価は前日比3.7%安、ファナックは3.2%安で取引を終えた。売買代金はともに170億円超と、東京証券取引所第1部で4、5番目の多さとなった。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120713/234459/graph001.jpg
 上のグラフにあるように、ここのところ中国関連株の代表格であるコマツとファナックの株価下落がきつい。春先には日経平均をはるかに凌ぐパフォーマンスを見せていたが、12日にはついに、両銘柄とも昨年末を基準とした株価水準で日経平均を下回った。
 これに対して、業績は今のところ底堅い。特に、コマツは2013年3月期に売上高営業利益率で過去最高を見込む。コマツは中国での建機売上高(油圧ショベル)が、昨年5月から前年割れを続けている中で策定した業績予想で、「中国は控えめに見積もった」(同社)。背伸びをして作った数字ではなく、投資家が悲観的になりすぎている可能性はある。
 とは言っても、中国経済の先行きが読みづらいのは確かだ。現地の代表的な株価指数である上海総合指数の値動きは、そのことを端的に示す。この半年間、同指数は昨年末比で1割超上げる場面もあったが、基本的には横ばい圏で推移。コマツやファナック株はおろか、日経平均と比べても値幅の小ささは目を引き、膠着状態と言える。中国株の不気味な沈黙は、日本に限らず世界中の投資家が中国の行く末を見極めかねていることの表れだろう。
 13日に中国国家統計局が発表した4〜6月期の実質GDP(国内総生産)成長率は7.6%。ほぼ事前の市場予想通りだったため、株式市場はほとんど反応しなかったが、かつて10%超えの成長率を連発していた頃と比べると、明らかに減速感が出ている。主因は、欧州債務危機を受けた輸出の失速だ。
 一方で、今秋には10年に1度の共産党指導部の交代を控える。スムーズな政権交代のため経済のさらなる落ち込みだけは避けたい政府は、6、7月と連続で基準金利を引き下げ、金融緩和を加速している。また、エアコンなどの省エネ家電やエコカーの購入に補助金を出し、より直接的にも消費を喚起。政府には円滑に輸出主導から内需主導の経済へ移行させる狙いがある。
 第一生命経済研究所の西浜徹・主任エコノミストは「減速したとはいえ経済は力強く、緩やかな金融緩和を続ければ、政府が掲げる年率7.5%のGDP成長率目標に沿って経済を運営することは難しくはない」と指摘する。
 過熱気味だった景気を落ち着かせ、持続的で安定した経済に移行させる「ソフトランディング」は中国政府の長年の課題だったが、7%台の成長率はその“落としどころ”としては悪くない。2008年のリーマンショック後には4兆元(約50兆円)の大型経済対策を打ち出したが、不動産価格の高騰など副作用も大きかった。政府はこの教訓を踏まえ、慎重に経済のてこ入れを進めているということだろう。
ソフトランディングは新たな戦いの始まり
 だが、そもそも中国全体を立て直すような大型の経済対策は打ちづらくなっているとの見方も出ている。
 国内鉄鋼メーカー幹部は「中国がこれまでのように資源を“爆食”することはもうないだろう」と予想する。経済発展が遅れる内陸部にインフラ整備の余地を残しているが、中国は既に先進国並みの鋼材消費国になっているからだ。年間1人当たりの鋼材消費量を見ると、中国は400kg強。この10年でほぼ4倍となり、日本と同水準だ。既に、米国を上回っている。
 同幹部は「この状態で大型の景気対策を打っても、落ち着きつつあるインフレ率を再び上げ、国民の不満を高めるだけだろう」と指摘する。インフレは格差拡大を助長する。
 アジア開発銀行は4月、中国を含むアジアで経済格差が深刻化していると警告した。中国の所得格差を示すジニ係数は直近で43と1990年代前半の32から大幅に上昇した。中国共産党にとって、経済格差の放置は支配体制の崩壊につながりかねない。
 つまり、中国は好むと好まざると、ソフトランディングせざるを得ないわけだ。そして、安定成長への移行に伴って新たなリスクとなるのが、高度成長期の遺産となる過剰設備だ。
 前述の鉄鋼メーカー幹部は「中国では今でも製鉄設備の余剰が深刻化している。かつての日本と同じように、規模縮小に迫られるだろう」と話す。
 現在、日本の鉄鋼メーカーですら、中国の過剰生産のあおりを受けた鋼材価格の下落に悩まされている。中国の鉄鋼業界でも採算が急速に悪化していることは想像に難くない。その先に待つものは、やはり日本がたどった不良債権の膨張ということだろう。
 しかも、中国は2000年以降、鉄鋼生産を一気に増やして世界一の鉄鋼生産国となった。急速な経済成長を遂げた分、“老化”も早そうだ。ソフトランディングと言えば聞こえはいいが、それは、不良債権との長い戦いを告げる号砲なのかもしれない。

伊藤 正倫(いとう・まさのり)
日経ビジネス記者。



Movers & Shakers
いま、世界と日本の金融資本市場を揺り動かしているのは何か。株式、為替、債券、商品などの市場関係者が最も注目している銘柄やトピックに焦点を当て、それを基軸にマーケットの動きを読み解き、週明け以降を展望する。毎週月曜日に配信し、ビジネスパーソンに役立つマーケット分析・予想を提供するコラム。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民76掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民76掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧