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コラム:
今年は「円高の夏」回避か、QE3期待空回りの公算
2012年 07月 9日 19:25
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英中銀副総裁、バークレイズ債のプライシング高いと指摘=メール
楽天が家庭用太陽電池をネット販売、割安さ強調
田巻 一彦
[東京 9日 ロイター] 注目されていた6月米雇用統計の結果をめぐり、市場の一部には米連邦準備理事会(FRB)が8月1日にも量的緩和第3弾(QE3)を決めるとの思惑が出ているが、その期待感は裏切られる公算が大きい。
米経済の成長テンポは決して目覚ましくないが、腰折れするリスクが急激に高まる情勢ではないからだ。過去2年、米金融政策への思惑や追加緩和策でドル安/円高が進んだが、今年はどうやら「円高の夏」を回避できるかもしれない。
<6月米雇用統計、景気失速とは距離>
6月米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比8万人増と予想の9万人増を下回った。民間部門雇用者数も予想の10万2000人増を下回る同8万4000人増となり、市場の一部では、QE3への期待感が強まった。
市場は常に予想比で反応するが、これには陥りやすいワナもある。改定されたデータを踏まえた基調を認識できなくなるという傾向だ。非農業部門の雇用者数は、4月が同8万5000人、5月は速報値の同8万2000人から同10万5000人に改定され、6月が同8万4000人だ。伸びてはいないものの、大きな落ち込みが始まって米景気が急速に減速し、景気後退の淵に立たされている、という状況とは距離がある。
<8月1日にQE3決定の可能性低い>
米ボストン地区連銀のローゼングレン総裁(2013年に米連邦公開市場委員会の投票権を持つ)は9日、バンコク講演での準備原稿の中で、米経済の緩やかな成長ペースは、今後しばらく続く見込みであるとの見解を示した。ハト派の1人である同総裁は、同時に2012年の米経済成長率は、FOMC予想の1.9─2.4%を下回るとし、成長率自体は1%台になる可能性をにじませた。
かなり弱気の見通しだが、逆に言えば、弱気の見通しだとしても、ゼロ近辺やマイナス成長に転落するリスクまでは見ていないということだろう。米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁(2013年に米連邦公開市場委員会の投票権を持つ)は、緩和に向けたより強い措置を取るべきで、MBS購入が望ましいと9日のバンコク講演での準備原稿で指摘した。
ただ、最もハト派に位置するエバンズ総裁の見方が、FOMC内部で多数派を形成する可能性は低いと考える。バーナンキFRB議長は、量的緩和政策には様々なコストとリスクが伴い、安易に着手すべきではなく、必要だという確信がある程度なければならい、との考えを6月20日の会見で示している。
市場におけるQE3への期待感はなお強いようだが、FRBが実施を決断するハードルは相当に高いと考える。足元で2%弱の成長率を押し上げるためにQE3を実施する可能性は低いと指摘したい。支払うべきコストと予想される効果を比較した場合、効果がコストを上回るという明確な結論を導くことは難しい。米金融政策をめぐる市場と当局の認識のギャップは、私の目からは、かつてないほどに広がっているように映る。
<円高回避の公算、欧州危機と米金融政策の見通し絡む>
過去2年、夏になると米金融政策の追加緩和への期待感や、実際の政策発表を受け、ドル安/円高が進むという展開を繰り返してきた。今年の夏も、同じような状況になると予め想定していた市場参加者が、かなりいたのではないだろうか。「円高の夏」は、東京市場関係者の脳裏にくっきりと刻印されているからだ。
だが、今年はやや、状況が違うと指摘したい。欧州債務危機は、6月下旬の欧州首脳会議の直後に「今回ばかりは、状況改善の手が打たれた」という印象を市場に与えたが、7月に入ると実効性に対する疑問が拡大。ユーロ/ドルは、9日の市場で1.22ドルまで下落して推移している。これは見方を変えれば、ユーロの弱さが強調され、ドルの強さが反射的に鮮明となっている構図だ。
円もドルとともにリスクから逃避する通貨として買われやすくなっているが、ドル/円は79円半ばから後半での取引が続いている。市場参加者の大半が、FRBのQE3が8月1日にも決まるとまでは、見ていないためだ。8月1日以降、QE3への期待感は市場に残るだろうが、今は予見できないような大きなショックが発生しない限り、ドル/円のこう着した展開は、当面継続するだろう。
<リスクは米大統領の政治的圧力>
リスクがあるとすれば、オバマ米大統領がバーナンキFRB議長に強い圧力をかけ、9月12、13日のFOMCでQE3が決まるシナリオだ。同大統領は6日、6月米雇用統計発表後に、雇用創出ペースに「満足できない」とコメントしながらも、民間部門の効用情勢は正しい方向に進んでいるとの認識を示した。
11月の投票を前に米大統領選はいよいよ、民主・共和両党の候補による舌戦が本格化してくる。オバマ大統領にとって、失業率が8%台で高止まったままというのは、ロムニー候補に絶好の攻撃材料を与えることになる。しかし、日本の政治家ほどには「金融緩和依存症」にかかっていないように思われ、オバマ大統領からの圧力でQE3に傾くというこのシナリオの実現可能性は、10%以下だろうと予想する。
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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE86805L20120709?sp=true
ECB利下げの銀行間融資促進効果は薄い公算
2012年 07月 10日 04:17
米経済、追加資産買い入れ必要な「きわどい」状況=連銀総裁
[ロンドン 9日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は前週、主要政策金利であるリファイナンス金利を過去最低の0.75%まで引き下げたが、狙い通りにユーロ圏の銀行間融資が活発化する公算は小さいとの見方が出ている。
通常なら利下げは、銀行間融資を促し実体経済への資金供給拡大につながるはずだが、債務危機をめぐる不透明感が利下げの好循環を断っており、大半の銀行は融資への消極姿勢を崩していない。
またECBが下限金利の中銀預金金利をゼロに引き下げたことで、取引コストを補うだけの十分なリターンが得られないとの懸念も阻害要因となっている。
マネー・マーケット・ファンド(MMF)セクターも例外ではなく、JPモルガン・チェース(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)、ブラックロック(BLK.N: 株価, 企業情報, レポート)、ゴールドマン・サックス(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)は、欧州MMFでの新規顧客の受け付けを制限するなどの措置を講じた。
JPモルガンのグローバルアセットアロケーション・代替投資部門マネジングディレクター、ニコラオス・パニギルツグロウ氏は「欧州MMFの資金流出は今後も続く可能性が高い。(中銀預金金利の)ゼロへの引き下げは、MMF業界にとってさらなる打撃となる」と述べた。
資金流出がどの程度まで膨らむか推測することは困難としながらも、2008年以降、米国のMMF資金が合計34%流出していることを例に挙げ、「米国の経験に基づくなら、ユーロ圏ではさらに1500億ユーロ程度が流出する可能性がある」と述べた。
その上で、流出資金の受け皿として、債券ファンドがその恩恵を最も受けるとの見方を示した。高利回りの社債やベルギー、フランスの短期債など、周辺国を除くユーロ圏債券を扱うファンドに資金が集まる可能性が高いという。
ECB利下げによる影響を現段階で判断するのは時期尚早であるものの、アナリストはユーロ圏のレポ取引量が減少する可能性があると予想している。
市場関係者によると、高格付けのドイツ国債を担保として借り入れを行う場合のレポ金利はこの日、全般的にマイナスとなった。つまり融資担保としてドイツ国債を要求する向きは、ペナルティーの支払いを余儀なくされることになる。周辺国国債への信頼感が低下しているため、レポ市場では周辺国国債を担保として受け入れることを敬遠し、現金確保に走る動きが出るとみられている。
コメルツ銀行の金利ストラテジスト、ベンジャミン・シュローダー氏は「レポ市場の流動性が低下する危険がある」との見方を示した。
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http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE86801U20120709
ECB総裁が追加利下げに含み、財政均衡努力の継続求める
2012年 07月 10日 02:07 JST
[ブリュッセル 9日 ロイター] ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は9日、経済統計に基づいて今後の措置に関する決定を行うと述べ、追加利下げの可能性に含みを残した。
また、緊縮財政措置が「社会的な緊張」を高める結果になったとしても、各国政府は財政均衡化に向けた努力を続ける必要があるとの考えを示した。
総裁は欧州議会での証言で、追加利下げの可能性に関する質問に対し、状況を注視する必要があると指摘。「統計や動向を見極めた上で次の行動に関して理事会で決定する」と語った。
ECBは5日、主要政策金利であるリファイナンス金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ過去最低水準となる0.75%とし、下限金利の中銀預金金利もゼロ%まで引き下げたばかり。
この日の証言でドラギ総裁はまた、ECBが銀行に対し民間企業への融資拡大を強制する必要があるとの考えに反対の姿勢を表明。3年物流動性供給オペで供給した総額1兆ユーロの資金の使途を銀行に指図することは不可能であり、望ましくないと述べた。
また、欧州債務危機の初期は、各国政府は歳出削減ではなく増税で対処しようとしていたが、これは誤った政策だったとの考えを示した。
ユーロ圏経済については、年末には回復が始まるとの見方をあらためて示し、インフレ率は2013年にはECBが目標とする2%を若干下回る水準に低下するとの予想を示した。
*内容を追加して再送します。
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ドラギECB総裁の議会証言要旨 2012年7月9日
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ECB総裁、追加利下げに含み
ドラギECB総裁は、経済統計に基づいて今後の措置に関する決定を行うと述べ、追加利下げの可能性に含みを残した。
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米国株:3日続落、スペイン債利回り7%超で欧州懸念高まる
7月9日(ブルームバーグ):米株式相場は3営業日続落。スペイン10年債の利回りが7%台に上昇したことで、欧州債務危機に対する懸念が高まった。主要株価指数は約1カ月で最長の連続安。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価指数は前週末比0.2%安の1352.46。一時は0.6%安となった。ダウ工業株30種平均は0.3%(36.18ドル)下げて12736.29ドル。
ウェルズ・ファーゴ・プライベート・バンクの地域最高投資責任者(CIO)、ジェフ・サベージ氏はスペイン債の利回りについて、「非常に気掛かりだ」とし、「スペインにとって7%の利回りは、持続可能な水準ではない。恐ろしいほどの水準だ。米国の最大の貿易相手の一つ(欧州)が厳しい経済情勢にあり、米国企業の業績に影響しないということはあり得ない」と続けた。
原題:U.S. Stocks Post Longest Slump in 1 Month as SpanishYields Soar(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Rita Nazareth rnazareth@bloomberg.net;ニューヨーク Julia Leite jleite3@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Lynn Thomasson lthomasson@bloomberg.net
更新日時: 2012/07/10 05:31 JST
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