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http://news.livedoor.com/article/detail/6734103/(提供:日刊SPA)
余裕なき組織が現場の人間に課す「ノルマ」という名の“十字架”。そのあまりの重みに耐えかねた悲痛な叫びは、今日もあちらこちらで上がっている。今、あなたのすぐそばでも起こっている、サラリーマンを襲う壮絶なプレッシャーの現実に刮目せよ!
◆非常識な前提条件のノルマ設定によって賞与もフイに……
【ノルマ:新規契約1000万円/月】
田中優斗さん(仮名)25歳・建築
社員100人ほどの建築会社だったのですが、景気悪化のあおりを受けて僕の入社直前に社員数は50人になりました。当然、一人あたりの負荷は増し、月1000万の新規契約というノルマが新人の僕にも……。
業務は、各社が新店舗を建てる際に、必要となる照明やエアコンなどの仕入れ先をセッティングする代理店のようなもの。地方の大型デパートなどの案件が入れば大きな利益になるのですが、そんなことはそうそうないので、普段はタウンページを見て、美容院などに近々新店舗を建てる予定はあるかどうかを、ひたすら電話営業。達成できないと、朝礼でみんなの前で正座をさせられ、「ネクタイの色が気に食わない」と言われたり……。
しかも年収はたった320万。賞与はあるといいつつ、ノルマ未達成を理由に支給されず。月1000万なんて、大型店がポコポコ建つことが前提なのに。
◆10軒の新規開拓と毎朝の自己反省で退職者続出の毎日
【ノルマ:新規顧客10軒/月】
百田陽一さん(仮名)29歳・グルメサイト
ここ数年で、ただでさえグルメサイトが乱立していますよね? ウチは誰でも名前を知っているような大手なのですが、もうすでにこれだけたくさんある状態だと、どの店もすでにどこかと契約しているから、入っていない店を見つけるほうが難しい。にもかかわらず、「毎月新規開拓10軒」というノルマが課せられるんです。
もともと飲食営業をやっていて太いお客さんがいる人は、そこの新規オープンとかでこまめに稼げるんですけど、地盤がない人にとっては本当に地獄。ほぼ、達成できないんじゃないですか? 僕自身、飛び込み営業、電話アポも入れまくりましたが、ノルマが達成できない月ばかり。しかも、毎朝の朝礼で進捗報告しなければならず、契約できてないと「自分の誠意が足りないんです! すみません」などとみんなの前で大声を張り上げ、反省をさせられる。
これが嫌で、会社を辞めた人も結構多くて、僕の同期も入社数か月で半分以上が辞めてしまいました。
◆ツテも力もない新人証券マンに課せられたありえない数字
【ノルマ:新規取扱額1000万円/月】
山岡 亮さん(仮名)27歳・証券
新人の頃、当時の上司の無理難題なノルマは本当にむちゃくちゃでした。本気でやる気があれば何でもできると思っている人で、「月に1000万円のお金を動かしてこい!」が口癖でしたね。
1000万円という額は、取引先のツテがない新人にははっきり言って実現不可能なレベル。新規開拓しようにも、知識も経験も浅い新人証券マンに、お金を預けてくれる企業は当然ながら存在しない。
当時、門前払いは当たり前でした。そこで取扱額の単価は落ちますが、個人に狙いを変えてみました。毎週同じコースを回り、ある程度親しくなってからお金の話をするように工夫もしたんですが……結果は努力のかいもなく、取扱額ゼロ円の月がしばらく続きました。上司にはあたりかまわず「お前は営業力が足りない!」とどやされましたね。ただ、しばらくしてサブプライムローン問題が起きて、ノルマはいつの間にかうやむやになりました。社会や業界、会社にとっては大変な事態だったかもしれませんが、僕にとっては完全に不幸中の幸いでした。
◆過去の栄光を突きつけられ無謀な予算を要求
【ノルマ:前年比売上高200%】
寺島悟史さん(仮名)40歳・小売
大手ディスカウントストアなのですが、ただでさえ全店舗で売り上げが落ちているのに、前年比で倍の数字の3000万円で出せと言われました。
店長という僕のプライドもあって、達成が難しい多めの1700万円の予算で出したのにですよ。そもそも商品の実数を考えても絶対に達成できない数字! それでも売り場の配置を工夫したり、商品を買ってもらえるようにポップをつけたりして、出した予算の110%も達成したのにもかかわらずです。
だから頭にきて、その予算を達成できる根拠がないと上層部に直談判したのに、「昔は3000万円くらい余裕で売れていた」とか、「気合があれば売れるはずだ」なんて言われる始末。売り場を拡張できるわけでもないし、仕入れの実数しか売ることができないのに! 実際、前年比60%の店舗もありました。でもさらに許せないのが数字を出さなくてもイエスマンは優遇され、自分のように利益を出しても、直談判した人間は冷遇されることです。
◆3食抜きの日々もザラ! 銀行マンの過酷なノルマ
【ノルマ:貸出残高350億円/年】
高岡俊介さん(仮名)31歳・メガバンク
銀行員のノルマは、基本的にお客さんにいくら貸し出したかの貸出残高の額なんです。
僕の場合、企業営業なので、一年のノルマを総合するとだいたい貸出残高350億円ぐらい。いくら企業相手だからとは言っても、金額的にはかなり大きいので、半年に1回ある期末にはノルマ達成のためにお客さん回りに事務処理に、食事もできないぐらい忙しいです。
毎晩深夜残業だし、朝は遅くても8時には出社しないといけないので、夜、気がついたら一食も食べてない日もザラですね……。しかも先輩のベテラン行員たちが利益の多く出る企業を先に持っていってしまうので、若手は残った弱小企業から稼がなければならない。ノルマの達成率は評価にもかかわるのでなんとかしたいんですが、入社9年目なのに、僕のノルマ達成率はやるだけやっても80%ぐらいで、若手の多くがそんな感じです。
昇進に露骨に響くし、達成できないとわかっているノルマのために奮闘するのは、本当に苦しいです。
◆莫大なノルマとリストラに怯えストレスが蓄積
【ノルマ:10億円/年】
大岡 徹さん(仮名)32歳・リース
ウチの会社はOA機器を中心に扱うリース会社なんですが、例年一人あたりの売上目標額は6億〜7億円ぐらい。扱う案件は一件100万円ぐらいから数千万円ぐらいまで幅が広いんですが、とはいえ、やっぱり不況なので数千万円の新規案件がすんなり取れるなんてことはなかなかない。
これまでもそんな状態だったのに、ここ1〜2年でいきなりノルマが10億円になってしまって。社員もみんな戸惑ったんですけど、最近、会社の業績が悪いらしく30代でも平気でリストラされるので……。
毎回、得意先に無理を言ってお客さんを紹介してもらったり、接待合コンを用意したりしてますが、それでも取引先の景気次第で手の打ちようがないことのほうが多い。達成できないとボーナスは大幅に減額。しかもチームの連帯責任制なので、一人でも達成できないとチーム全員が迷惑をこうむるという事態に……。毎日「僕が足を引っ張るんじゃないか」と心理的なストレスがたまりっぱなしです
●ひどすぎノルマはリストラ勧告!? 大手企業でも一般化するワケ●
****新田 龍氏
会社のノルマがキツすぎて、心身共に疲れ果て、あげくの果てには過労死や自殺……。一聴するとどこのブラック企業の話かと思うかもしれないが、企業アナリストの新田龍氏は、「近年、どんな企業でもあり得る話」だと指摘する。
「ここ数年、不況の影響からか、ノルマがキツすぎて、超過労働でサービス残業は、当たり前の時代になりました。大手の企業ですら、こうした過剰なノルマが増えています。最近は、『ノー残業デー』などといって早く社員を帰そうとする傾向もありますが、仕事時間が少なくなっても結局、仕事の総量は変わらない。そこで、家に持って帰ったり、早朝出社したりして作業する人も増えていますよね」
****今野 晴貴氏
さらに、労働問題の相談に無料対応するNPO団体「POSSE」代表である今野晴貴氏は「ここ数年でノルマのあり方に大きな変化が出てきている」と語る。
「リーマンショック以降、正社員からの問い合わせが格段に増えました。会社側から重いノルマが課せられるのには、いくつか理由があるんです。ひとつは、『使い捨て目的で、ノルマをたくさん課して社員を使い倒す』。もうひとつ、最近増えているのが、ノルマが『リストラしたい社員への嫌がらせの道具』になっている点。さらに、多くの企業で社員のケア目的の“カウンセリング”が行われていますが、これがくせもの。ノルマ未達成の社員にこの“カウンセリング”を受けさせ、圧力をかける。延々と反省文を書かせるなどして冷静な判断力を奪います」
****石井 琢磨氏
実際、そうした会社側の仕打ちにストレスを感じ、心身を病む人も少なくない。弁護士の石井琢磨氏も「ここ10年間で、精神障害などを理由にした労災が4〜5倍に伸びています。ほかの労災の件数に比べて、この数は異常だと思います。実際、過労自殺など、仕事の負荷が原因で死に至るケースも増えていますから」と続ける。
もはや人を殺しかねないノルマの脅威は対岸の火事ではない
★ブラック企業を生み出す「ブラック消費者」という問題
「いい会社」とは、「誰にとっていい会社」なのか、じっくり
考える必要があるのだ。 顧客にとっていい会社であっても、
社員にとっていい会社とは限らない。 また、顧客が本当にいい
サービスを期待するなら、記事にもあるとおり「適切な」支払い
をすべきなのだ。
「リーズナブル」というコトバの日本語訳は「安い」ではない。
「合理的で納得できる」という、本来の意味で使われるべきだ。
★「会社訪問でブラック企業を見抜く」
会社訪問や面接は、会社の実態を垣間見る貴重な機会だ。たとえば、
オフィスに「標語やスローガン、棒グラフが所狭しと貼られている」
という場面を目にしたとしよう。
当然ながらその会社は、目標達成へのプレッシャーが強い可能性が高い。
ここで注意すべきは、グラフではなく「標語」や「スローガン」である。
「足で稼げ」
「気合だ やる気だ」
「訪問件数○件目標」
などと書かれていたら要注意。
おそらくそのような「気合」を重視する会社では、「行動量」のみに
価値がおかれ、営業戦略がなく、行動分析ができていない可能性が高い。
営業統括者、もしくは経営者は、セールスについて精神的、感覚的な
判断しかできない可能性が高いため、売れなかった場合に
「会社の仕組み」ではなく「営業マンの能力」が問題だなどと
言い出しかねないわけだ。これはもっとも報われないパターンである。
ブラック企業の兆候は細部に宿る。会社訪問や面接の際は、
ぜひ注視して頂きたい。
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