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【コラム】ギリシャのユーロ離脱準備は秘密裏に進めるべし
マーケットウォッチ
2012年 7月 6日 15:24 JST
コンサルティング会社キャピタル・エコノミクスのロジャー・ブートル氏は、かつては考えられなかったユーロ圏解体という概念に関して最も優れた計画を持ち合わせている。少なくとも、7月5日にウルフソン経済学賞を同氏とそのチームに授与することにした審査員たちの目にはそう映ったようだ。
ブートル氏と同僚たちは、どうすれば当局がユーロ離脱を成功させ得るかを概説した案で25万ポンドの賞金を獲得した。
7人で構成されるそのチームの提案は、ユーロ加盟国の中でも弱い立場にある一国、おそらくはギリシャがユーロを離脱し、一夜にして自国通貨を導入するというものだった。ギリシャはユーロ圏の将来に関する大方の議論の焦点となっており、多くのエコノミストたちは同国のユーロ離脱はもはや不可避だという見方を示してきた。しかし、本当に厄介なのは、そうした前例のない移行にいかにして取り組むかという問題である。
ウルフソン経済学賞の審査員たちは400件以上もの応募の中から、キャピタル・エコノミクスによるユーロ離脱の詳細な計画を最も実行可能な案に選んだ。同チームは、そうした離脱の準備は少数の当局者によって秘密裏に進められ、銀行の破綻を避けるためにも迅速に実行されるべきだと提言している。ユーロから自国の新通貨への移行期間中の少額の取引については、ユーロの札や硬貨の使用を認めることで離脱がより円滑に進むとしている。ユーロからの離脱により自国通貨の価値は急落するが、そのおかげで国際市場での同国製品の競争力は高まることになる。
キャピタル・エコノミクスの案がユーロ圏からの離脱を成功させる条件として強調しているのは、その他の欧州連合(EU)加盟国と関係機関の緊密な協力である。欧州危機問題の核心には、膨大な債務に苦しむ国々と北部の中核国との間の緊張関係があり、ユーロ圏内の勢力バランスが変わったという人もいる。北部の中核国は「完全な財政・政治同盟に向け、より迅速な前進を受け入れられざるを得ないかもしれない」とブートル氏のチームは指摘する。
キャピタル・エコミスクスがたどり着いた結論が浮き彫りにしたのは次のような事実である。ユーロの脱退には、離脱していく国、残された加盟諸国の両者にとって多くの先例のない問題が間違いなく伴うこと、しかしそうした困難を乗り越えることができれば、すべての関係各国はより大きな経済的利益を享受するということだ。
ブートル氏の案の受賞は、キャサリーン・ドッブス氏、ジョナサン・テッパー氏、イェンズ・ノードビッグ氏、ニール・レコード氏らライバルたちの案を抑えてのものだった。惜しくも最終選考に漏れたオランダの10歳の少年、ユレ・ヘルマンス君の案ではピザが重要な役割を果たしていた。
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記者: Preeti Upadhyaya
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/node_473286?mod=WSJFeatures
ドイツ、日本の「失われた10年」の教訓受け入れ始める リチャード・クー氏が指摘
マーケットウォッチ
野村総合研究所のチーフエコノミスト、リチャード・クー氏によると、ドイツの政治家たちは、ユーロ圏の債務危機に対処するのに日本の教訓を手本にする必要があるという考え方を受け入れ始めているという。
日本の長期にわたる経済停滞を「バランスシート・リセッション」という造語で説明したことで知られるクー氏は、4日に報道陣に配布したリサーチノートで、ベルリンで行われた最近のプレゼンテーションに触れ、参加していたドイツの当局者が態度を改め、同氏の考え方に理解を示し始めているようだと述べている。
Reuters
会場のムードが1年前とは違っていた。当時のドイツの政策立案者は、債務危機に対する政策アプローチに自信満々だったとクー氏は指摘する。
クー氏はノートで「ドイツの政治家たちは現在の状況を招いた自分たちの強い信念に疑問を抱き始めている」とし、「日本やその他の国が経験したことの研究にもっと時間を費やす必要があると述べた政治家さえいた」と記している。
一方、危機への対処法として構造改革に取り組む前に景気刺激のための支出を行う、クー氏が推奨するケインズ派アプローチを、ドイツの政策立案者が受け入れる準備はできていないだろうとも指摘している。
それでも、ベルリンの参加者たちは、日本が経験したこと、より最近に米国や英国で起きていることに関する同氏の見解に注意深く耳を傾けていたという。
クー氏は、スペイン、ポルトガル、アイルランドが負債デフレに陥ったとの自説を示し、1980年代の終わりに資産バブルが弾けた際の日本に類似していると指摘している。
クー氏は日本の「失われた10年」とも言われる経済停滞を次のように説明した。資産価格が急落すると日本の民間部門は債務削減に努め、ゼロに近い政策金利をもってしても、新規借り入れ需要を掻き立てることはほとんどなかった。
「ドイツの政治家たちは私の考えを理解しているようで、なかには、がんの治療を受けている患者にはときどきモルヒネ注射を打つ必要がある、と言う人もいた」とクー氏は述べている。
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記者: Chris Oliver
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