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6月下旬からECBのバランスシートは過去最高の3.1兆ユーロに拡大している。
銀行への融資が増加しているわけだが、ただしこれは予想された事。
「バランスシートが大きくなった」、と報じられれば、「FRBやECBは日銀と違い国債を買いまくっている」、などといった短絡的な意見が、エセ経済評論家からすぐさま出てくる傾向にある。もしくは「通貨安政策」といった浅はかな意見だ。 しかし当ブログの閲覧者の方は、そのような意見は是非スルーして頂きたい。
バランスシートが大きくなっているECB、今現在リスクとして問題になっているのはこちらだ。以下、リンク先より抜粋。(ロイター)
ECB、政府保証付き銀行債の担保利用を制限
ECBは「課税権限を有する(欧州の)公共セクターによる保証を付与された銀行債券を発行するカウンターパーティーは、ユーロシステムの信用オペの担保として、こうした債券や関連機関によって発行された類似の債券を、差し出し済みの当該債券の額面を越えて提出することはできない可能性がある」としている。
新規則は即刻実施としているが、異例の状況下ではECB理事会からの事前承諾を条件に、政府保証付き銀行債の担保利用を増やすことが可能になるとしている。(ロイター)
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前段の方は、「建前」に関して長々と説明されている。しかし重要なのは、後半部、端的にいえば、「条件付きで担保利用が可能」といった箇所。つまり、建前上、厳格な事を宣言し続ける欧州だが、「但し書き」が日増しに拡大している。
ECBのバランスシートの項目の中では、ECBが公表していない「隠れ印刷の項目」が今現在、急騰している。欧州得意の「例外条項」の下、ユーロは隠れてドカドカ印刷されているわけだ。当然ながら、LTROなんかではない。その結果、ECBのバランスシートは増加し続けている。
本日、利下げか否か、が注目されているが、それはもはやあまり意味をなさないように思える。たしかに、M3増加率は増加傾向にあるものの、
プライベートセクター、民間部門への融資は、ここ3ヵ月で減少、ECBによれば3月・4月・5月と+0.6、+0.2、−0.1%と、5月にはついにマイナス圏に落ち込んでいる。
ECBはもともと、FRB同様、財政ありきの金融政策を主張していた。先日の欧州サミットでは、少なからず「ECBからの要望」に応える姿勢がとられた。さらには上記のように、民間部門融資はマイナス圏に落ち込んだ。それらを考えれば、ECBも立場上、何らかのアクションを起こさざるを得ない現状に陥っている。
しかしながら、但し書き、「例外的措置」は秘かに進行、繰り返しになるが、ECBのバランスシートは危険なベールに包まれたまま秘かに拡大している。それを考えれば、今回注目されている「利下げ」はさしたる意味をもたない。「利下げ」が、実際の経済成長に何らかの保証を与えるかといえばそんな事はないのではないか。
なぜなら「危ない銀行群」はすでに例外措置によって救われている。欧州のリスクは「蓄積するマグマ」そのものだ。
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