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メルケル首相の黄昏  日銀の金融政策はどのように行なわれるか 歴史が語る、公的債務がGDPの90%を超えた時に起こること
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投稿者 MR 日時 2012 年 7 月 05 日 01:09:49: cT5Wxjlo3Xe3.
 


メルケル首相の黄昏

EU首脳会議で敗北したドイツ、勝利したイタリア・スペイン

2012年7月5日(木)  熊谷 徹

 6月28〜29日にブリュッセルで行われたEU(欧州連合)首脳会議の結果を受けて、日本では一時的に株価が回復した。ユーロに対する円高傾向も、やや弱まった。しかし欧州では、この傾向は長続きしないという観測が強まっている。それだけではない。EUの一部の政府や企業は水面下で、「ユーロ圏崩壊」という最悪のシナリオを想定。これが現実化した時の、経済への悪影響について検討を進めている。

独メルケル首相がイタリア、スペインに譲歩

 今回の首脳会議での合意内容は、ユーロ危機に対する戦いの中で、一つの分水嶺となるかもしれない。ドイツ政府が、南欧諸国に対する支援を拡大することに同意する姿勢を見せたからだ。条件付きとはいえ、それまで固執していた原則を破った。メルケル首相は、他国からの圧力に抗しきれなくなったのだ。ドイツに対して、欧州諸国からだけでなく米国からも批判が高まっていた。「緊縮策だけに固執するのをやめて、南欧諸国を真剣に支援するべきだ」。

 だが同時に、ドイツ国民の間ではメルケル首相の譲歩について、批判的な声が高まっている。EU最大の経済パワーであるドイツでは、今回の合意内容をめぐって、「通貨同盟は今後、ドイツにどれほどの負担を求めてくるのか?」という不安感が一段と高まるだろう。

 それでは、この2日間の会議で各国首脳たちが何を決めたのかについて、分析してみたい。

 EU首脳会議が終わった後は、どの国の首脳も「勝利宣言」を行なうのが慣例となっている。共同声明が発表されると、首相や大統領たちは自国のジャーナリストたちの前で「国益を守った」とか「わが国の主張が受け入れられた」と言って「成果」を強調する。

 6月29日、ブリュッセルでの徹夜の首脳会議を終えて、記者団の前に立ったドイツのメルケル首相も、「我々は、ドイツが主張してきた原則を貫いた」と語り、微笑を見せた。しかし首相の笑顔には、まるで仮面でもかぶったような、ぎこちなさが感じられた。

 その理由は、ドイツがこの首脳会議で最大の「敗者」となったからである。メルケル首相は欧州金融安定メカニズム(ESM)をめぐる議論で強硬な姿勢を初めて崩し、他国に対して譲歩した。EU各国の首脳は、29日に発表した共同宣言の中で、「ユーロ圏全体を監視する銀行監督官庁が設立されるなど、一定の条件が整えば、ESMは経営難に陥った銀行に直接融資することができる」と発表した。

 フランスのオランド大統領は「他の国に妥協させるための最善の道は、自分が妥協することだ。今回のサミットでは、全ての国が妥協した」と述べた。ドイツを名指しすることを避けながらも、同国がESM改革について反対姿勢を弱めたことを、前向きに評価した。

ESMによる銀行への直接融資が焦点に

 今回の首脳会議で焦点となったESMは、ギリシャのように債務危機に陥った国を援助する、緊急融資機関だ。EUが2010年に創設した欧州金融安定基金(EFSF)を永続的な機関とするために作った。

 スペイン政府はEUから緊急融資を受けると、公的債務比率(GDPに対する債務の比率)がさらに上昇する。するとスペインは国債を売る際にこれまで以上に高い金利を払わなくてはならなくなる。資金の調達がますます困難になる。EUが「銀行と国債の悪循環」と呼ぶ事態である。

 今回のサミットでは、この悪循環を打破することが最大の課題となった。打開策のカギとなるのがESMである。スペインとイタリアは、銀行危機が将来さらに悪化する事態に備えて、ESMが銀行に直接融資できるように、制度を改革するよう求めていた。フランスのオランド大統領もこの路線を支持していた。

 EUはこれまで、EFSFとESMが銀行に直接融資することを禁止していた。このため、各国政府が運営する銀行救済基金などに融資しなければならなかった。☆スペインでは、不動産バブルの崩壊後、銀行が多額の不良債権を抱えている。このためスペイン政府は6月25日、銀行を支援するための緊急資金援助をEUに対して要請した。その直後、格付け機関のムーディーズは、スペインの28の銀行の信用格付けを引き下げた。

 これまでドイツは、ESMによる銀行への直接融資に強硬に反対してきた。彼らは「ESMが銀行に直接融資するということは、ESMへの出資者である各国政府が、経営難に陥った民間銀行の“投資家”になることを意味する。その銀行が倒産した場合、各国政府、さらには納税者が損失を受ける」と主張している。ドイツは、銀行救済のためにESMが不良債権をしょいこみ「バッド・バンク」に変質することを恐れた。

 ドイツが、ESMによる銀行への直接融資に反対するのは、EU最大の経済パワーであるために、加盟国の中で最も巨額の負担を強いられるからだ。ドイツのESMへの貢献額は2480億ユーロ(24兆8000億円・1ユーロ=100円換算)に達している。ドイツの経済学者や議員の間では、「ESMによる銀行への直接融資は、債務の支払い責任を加盟国間で共同化することへの一歩となる」と危惧の念を示す人が多い。

ドイツが懸念する債務の共同化

 彼らが懸念しているのは、ドイツ語で「Gemeinschaftshaftung(ゲマインシャフツ・ハフトゥング)」と呼ばれる「共同化された債務」だ。他の国が払えなくなった債務を、他の国が肩代わりすることを指す。これは、ドイツ人が最も恐れているシナリオの一つだ。彼らは、通貨同盟が債務同盟に変質するのではないかと考え、戦々恐々としている。

 欧州通貨同盟の法的基盤であるマーストリヒト条約とリスボン条約は、債務の共同化を禁じている。「加盟国は他の加盟国の債務を肩代わりしてはならない」と明記した「no bail out clause(救済禁止条項)」を定めている。ドイツ市民が約20年前に、ユーロを導入するという政府の方針にしぶしぶ同意したのは、「この条項があるのだから、ドイツが、イタリアやギリシャの債務を背負わされることはあり得ない」と政府が説得したからだ。ドイツ国民にとって、戦後の経済成長のシンボルであるマルクを廃止することには大きな抵抗があった。多くのドイツ人にとって、ESMによる銀行への直接融資は、この債務共同化への入り口であり、no bail out clauseを無効にするものに映る。

銀行同盟は、財政規律同盟が前提

 スペインの銀行危機をきっかけに、「銀行同盟」を作るべきだという意見が南欧諸国の間で急速に浮上している。具体的には、ユーロ圏全域を監督する「欧州金融庁」を作った上で、ユーロ圏全域をカバーする預金者保護基金を創設することを求めている。現在、銀行が倒産した場合に市民の預金を保証する制度は、各国がそれぞれに設けている。各国の銀行は、EU法に基づく国内法によって、破綻した際に預金者1人につき最高10万ユーロ(1000万円)まで預金を返還することを義務づけられている。スペインやイタリアは、この制度を、ユーロ圏全域の銀行を包括する一つの基金に統合することを求めている。だがドイツの銀行、政府ともこの提案に猛反発している。

 「欧州預金保護基金」ができると、たとえばスペインの信用組合が破綻した場合、ドイツの銀行まで負担を迫られることになる。南欧に比べるとドイツの銀行が破綻する危険は低いので、ドイツの銀行が負う負担は相対的に重くなる。ドイツ人は「銀行の破綻リスク」が共同化されることを恐れている。

 このためメルケル首相は、「銀行同盟」の創設は、ユーロ圏の政治統合がさらに深まらない限り行うべきではないという立場を取っている。たとえばメルケルが考えているのは、次のような状態だ。ユーロ圏加盟国は歳出・歳入に関する決定権を欧州の中央政府に委譲し、国債を発行して資金を調達したい国は、まず「欧州財務大臣」の許可を得なくてはならない。欧州財務大臣は、ユーロ圏加盟国の予算を厳しく点検し、必要があれば予算案の修正を求めることもできる――――。

 各国が、そこまで財政権をEUに譲り渡すことに同意するのならば、銀行同盟に同意してもよい、というのがドイツ人の主張なのだ。つまり彼らにとっては、「財政規律同盟」の完成が、銀行同盟の前提なのである。ただし、各国が予算に関する主権をあきらめるレベルにまでEUの政治統合を深めるには、相当の時間がかかる。

 EU首脳会議でドイツの立場に理解を示したのは、オランダとフィンランドだけだった。フランスをはじめとする他の国々はおおむね、スペインとイタリアに共感を示した。フランスのサルコジ前大統領がブリュッセルに来なかったことは、ドイツにとって大きな痛手だった。サルコジ前大統領は、メルケル首相と共同歩調を取っており、その連携は「メルコジ」と呼ばれた。しかし、今年の大統領選挙で敗れてしまった。

 さらにスペインとイタリアは、ブリュッセルでの首脳会議で、成長促進策を“人質”にとってドイツへのプレッシャーを強める作戦を取り、メルケル首相を譲歩に追い込んだ。「ESMによる銀行への直接融資を認めなければ、ユーロ圏の経済成長を促進するための提案に同意することを拒否する」。こうしてドイツは他国の圧力に負けて、ESMによる銀行への直接融資に初めて同意したのだ。

 EUは共同宣言に「ESMによる銀行への直接融資は、ユーロ圏全域の銀行を監督する官庁が創設されてから」という文言を挿入している。ドイツに配慮してのことだ。しかし欧州金融庁がどのような組織になるのかについては、まだ具体的な計画がない。

スペインとイタリアが勝利

 共同宣言は、「欧州中央銀行(ECB)が監督官庁に関与する」としている。だが、この点について、加盟国の間で議論が尽くされていない。ECBの本来の使命は、通貨・金利政策によってユーロ圏内の物価上昇率を抑え、通貨の安定性を維持することだ。現在各国の金融監督庁が行っている業務は、ECBの本来の業務ではない。ECBが銀行監督を兼務することが妥当なのかどうかについては、今後激しい議論が行われるだろう。

 さらに、今回の共同宣言は、ESMが銀行に資金を注入する際に、銀行に対して具体的にどのような条件を課すのかについて言及していない。

 ESMによる銀行への直接融資は、南欧諸国にとって大きな「うまみ」がある。スペインとイタリアの政府が、ESMによる銀行への直接融資にこだわった最大の理由は、EUと国際通貨基金(IMF)が課す厳しい緊縮政策を避けることだった。

 両国では、EUとIMFが課す緊縮策に対する不安が強まっている。彼らは、ギリシャがEUの「拘束衣」に身体を締めつけられて苦しむ様子を目の当たりにしたからだ。ギリシャ政府は、EUとIMFから多額の融資を受ける代わりに、歳出の削減、年金額のカット、公務員の大量解雇などを含む緊縮策の実行を約束させられた。その結果、同国は深刻な不況に陥り、市民の不満は高まった。

 外国人支配に対する怒りを爆発させたギリシャの有権者は、5月6日の国民議会選挙で、緊縮策を実行していた連立与党を大敗させた。連立与党は6月17日の再選挙でかろうじて議席の半数を占めることができたものの、もしも緊縮策を拒絶する政党が政権を奪取していたら、ギリシャの無秩序な破綻やユーロ圏からの脱退が現実化する可能性があった。

 これに対し、ESMが銀行に直接融資できるようにすれば、銀行はEUの管理下に置かれることはあっても、国全体がギリシャのような緊縮策を強制されることはない。スペイン政府がEUの緊急援助を要請した際に、その目的を銀行救済に限ったのも、ギリシャが課されたような厳しい緊縮策を避けるためだった。その意味で、スペインとイタリアはブリュッセルでの徹夜の首脳会議で、ESMによる銀行への直接融資という「勝利の栄冠」を手にしたのだ。

 EU首脳会議の第1日目が開かれていた6月28日、ワルシャワで行なわれたサッカー欧州選手権の準決勝で、ドイツはイタリアに敗北した。ドイツの金融界では「ドイツはワルシャワだけでなく、ブリュッセルでもイタリアに負けた」という声が出た。

 メルケル首相がこれまでの主張を取り下げて、条件付きとはいえ、ESMによる銀行への直接支援を認めたことは、ユーロ危機がいかに深刻化しているかを示している。ドイツでは、「銀行がESMから直接融資を受けられるようになれば、スペインやイタリアで痛みを伴う構造改革を真剣に行おうという意欲が下がる。これによって、債務危機はさらに悪化するかもしれない。メルケルは、このような譲歩をするべきではなかった」という声も出ている。

ユーロ圏が崩壊すると何が起こる?

 こうした中、EUの一部の政府や企業は、「もしもユーロが廃止されて、旧通貨が再び導入された場合、欧州の経済はどの程度の損害を受けるか」についての試算を秘かに行っている。ある銀行が行った試算によると、ユーロが廃止された場合、この通貨圏のGDPは最初の2年間で12%も減少する。これは金額にして約1兆ユーロ(100兆円)にのぼる。

 輸出大国であるドイツが受ける損害は、特に大きい。ユーロを導入する前のドイツでは、イタリアのリラやスペインのペセタに対するマルクの交換レートが高くなったために、製品の価格競争力が弱まり、輸出が減ったことがあった。ユーロ導入によって、こうした為替リスクは、ユーロ圏との貿易においては皆無になっていた。ドイツにとって、フランスやイタリアへの輸出は、国内取引とほぼ同じになったわけである。だがユーロを廃止してマルクを再導入すると、ドイツの製品価格は相対的に高くなるので、ドイツ企業の輸出にブレーキがかかる。ここ数年ドイツの製造業界が全世界に誇示している競争力は、またたく間に弱まる。

 このためドイツではユーロ圏が崩壊すると、最初の2年間でGDPが9.2%減少し、失業率が現在の2倍近い9.3%に達すると予想されている。ドイツでは勤労者の3人に1人が、国際的なビジネスに関わっているため、輸出額の激減は雇用にも深刻な影響を与えるのだ。

 またフランスでもGDPが11.6%減り、失業率は15.9%に達すると予想されている。南欧諸国は、ユーロ圏を離脱した途端に激しいインフレに襲われて、市民の購買力が大幅に低下する。たとえばギリシャが旧通貨ドラクマを導入した場合、最初の2年間の物価上昇率は18.6%に達し、GDPは15%も減るとみられている。同国にとって、ユーロ圏脱退は決してバラ色のシナリオではないのだ。

 またドイツ連邦財務省の推計によると、ユーロ圏が崩壊した場合のドイツのGDP減少率は、最初の1年で最悪の場合10%減少し、現在300万人を割っている失業者数が、500万人に増える。正に「悪夢のシナリオ」である。

 これらの予測値は、ユーロ圏崩壊の悪影響が、リーマンショックを上回る可能性を示している。

 ドイツ人にとって「債務の共同化」は恐ろしいシナリオだが、ユーロ圏の崩壊も、彼らが戦後営々と築き上げてきた繁栄に大きな影を落とす危険がある。ドイツ連邦銀行の総裁だったアクセル・ヴェーバー氏の「ユーロ危機の解決には、少なくとも10年かかる」という言葉が、ますます現実味を帯びてきた。

不動産購入に走るドイツ人

 ユーロが廃止された場合、この通貨で表示されている有価証券や生命保険証券などは、価値が減少する。また、物価上昇によって金融資産の価値が現在に比べて下がる可能性もある。

 このため現在ドイツ人の間では、不動産投資が盛んになっている。私が住むミュンヘンでは、2007年からの5年間で、アパートの平均購入価格(1平方メートルあたり)が39%上昇した。不動産関連のサイトとして人気が高い「イモビリエン・スカウト24」では、2007年以降、不動産を購入したいという利用者の数が500%増加した。投資アナリストやファイナンシャル・プランナーたちが、物価上昇による金融資産価値の目減りに備えて、不動産の購入を勧めているからだ。

 2009年末にギリシャの債務危機が深刻化して以来、ドイツのメルケル首相はユーロ防衛戦の先頭に立ってきた。しかし彼女がブリュッセルで行った譲歩を、ドイツ市民が「政府が進めるユーロ防衛戦略の破綻」と見なして、メルケル首相に対する支持率が一段と下がる可能性が高い。

 ドイツでは来年、日本の衆議院選挙にあたる連邦議会選挙が行なわれる。この選挙では、社会民主党と緑の党の連立政権が誕生し、メルケル首相が率いる保守中道政権は崩壊すると予想されている。メルケル首相にとって「神々の黄昏」が近づいている。社会民主党と緑の党はメルケル首相と異なり、南欧諸国への支援を拡大するべきだという立場を取っている。仏オランド大統領が取る路線に近い。

 サルコジ前大統領に次いでメルケル首相も欧州政治の表舞台から去った時、ユーロを守るための戦いの行方は、どのように変わるのだろうか。今後も、欧州情勢から目が離せない。


熊谷 徹(くまがい・とおる)

在独ジャーナリスト。1959年東京都生まれ。早稲田大学政経学部経済学科卒業後、日本放送協会(NHK)に入局、神戸放送局配属。87年特報部(国際部)に配属、89年ワシントン支局に配属。90年NHK退職後、ドイツ・ミュンヘン市に移住。ドイツ統一後の変化、欧州の安全保障問題、欧州経済通貨同盟などをテーマとして取材・執筆活動を行う。主な著書に『ドイツ病に学べ』、『びっくり先進国ドイツ』『ドイツは過去とどう向き合ってきたか』『顔のない男―東ドイツ最強スパイの栄光と挫折』『観光コースでないベルリン―ヨーロッパ現代史の十字路』『あっぱれ技術大国ドイツ』『なぜメルケルは「転向」したのか――ドイツ原子力四〇年戦争』ほか多数。ホームページはこちら。ミクシィでも実名で日記を公開中。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120703/234064/?ST=print


 
野口悠紀雄の「経済大転換論」

【第25回】 2012年7月5日
野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

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日銀の金融政策はどのように行なわれるか
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 日本銀行による金融政策が、これまでどのように行なわれてきたかを振り返ってみよう。

公定歩合操作から公開市場操作へ

 かつての日本では、市中金利は「公定歩合」と連動するように規制されていた。公定歩合は、日本銀行が民間銀行へ貸し付けを行なう場合の基準金利である。日銀はこれを操作することで金融政策を行なってきた。

 1994年10月、市中金利は完全に自由化され、公定歩合によって市中金利を操作することはできなくなった。

 そこで、日銀は、公開市場操作によって市中金利をコントロールする方式に転換した(注1)。

 公開市場操作とは、日銀が金融市場で有価証券を売買する操作だ。売買の対象は、CP(コマーシャル・ペーパー)、手形、国債である。「オペレーション」あるいは「オペ」と呼ばれることもある。

 公開市場操作を実行する際に目標とされたのは、短期金融市場の金利だ。具体的には、無担保コール翌日物の金利である。現在、日本で「政策金利」という場合には、この金利を指す。

 なお、「コール市場」とは、金融機関同士が短期資金の貸借を行なう市場である。無担保コールでは、短資会社が資金の出し手と取り手を仲介している。

 アメリカで「政策金利」という場合には、「フェデラル・ファンド金利」(FF金利)を指す。「フェデラル・ファンド」とは、アメリカの民間銀行が連邦準備銀行に預託する無利子の準備金であり、この預託金額を維持するために銀行が資金を調達する短期金融市場の金利が「フェデラル・ファンド金利」である。

「買いオペ」は中央銀行が銀行から国債などを買う操作だ。購入代金は、銀行が日銀に設けている当座預金の口座に振り込まれる。これにより、銀行の日銀当座預金残高が増える。

 すると、コール市場で資金を調達する必要が少なくなる。このため、コール市場での資金需要が減り、コール金利は下がる。

 なお、債券の売買に応じるかどうかは民間金融機関の自由であり、金融機関の申し込み金額が入札予定額に達しない場合には、「札割れ」となる。

(注1)公定歩合から政策金利へ

日銀は2000年8月にゼロ金利政策を解除したが、金融不安が高まるのを防ぐため、01年2月に「ロンバート型貸出制度」を導入した。これは、担保さえあれば、日銀が無制限で民間銀行に公定歩合で融資する制度である。

01年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件で金融不安が高まったため、日銀は公定歩合を史上最低の0.1%まで下げた。06年7月にゼロ金利政策が解除され、公定歩合は0.4%となった。その後、07年には0.75%まで引き上げられたが、現在では0.3%となっている。

なお、日本銀行は06年8月に、公定歩合という名称は使わず、「基準割引率および基準貸付利率」と呼ぶこととした。

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「ゼロ金利政策」

 1999年2月、日本銀行は、無担保コール翌日物金利を史上最低の0.15%に誘導することを決定した。これは、「ゼロ金利政策」と呼ばれる。

 なおレートそのものがゼロでなくとも、レートが非常に低い場合には、取引を仲介する短資会社へ支払う手数料を差し引くと、実質的な金利はほぼゼロになる。
無担保コール翌日物の誘導目標の推移は、【図表1】のとおりである。


 ゼロ金利は2000年に一時解除されたが、01年2月末には、無担保コールレートが0.25%から0.15%に引き下げられた。3月には、つぎに述べる量的金融緩和が開始され、無担保コールレートは実質的にゼロになった。これは、06年まで続いた(その後、08年12月に日銀が無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.1%に設定することを決定し、ゼロ金利政策が再び実施されることとなった)。

「ゼロ金利」というと、金利の機能や金融政策がまったくなくなってしまったような印象を受ける。しかし、もちろんそうではない。ゼロに近い金利になったのは最も低い金利である無担保コール翌日物の金利であり、それより期間の長い金利はプラスであるからだ。

「量的緩和政策」

「量的緩和政策」とは、金融政策の目標を、コールレートではなく、日銀当座預金残高に置く政策のことである。

 日銀当座預金残高の増加は、前回述べたように、マネタリーベースの増加を意味する。銀行貸し出しに対する需要が強い場合には、これが増えれば、前回述べた信用創造の乗数過程が起こり、その結果、マネーストックが増加すると期待されるわけだ。

 この政策は、日本では2001年3月19日から実施され、消費者物価上昇率が安定的にゼロ以上になるまで継続することとされた。導入された背景には、ITバブル崩壊による景気後退がある。06年3月9日に、この条件が満たされたとして解除された。

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 アメリカでも、金融危機後に、量的緩和が実施された。すなわち、QE1(2008年11月〜2010年3月)、QE2(2010年8月〜2011年6月)がそれである。
 なお、過去においても、マネーサプライが金融政策の目標とされたことがある。1970年代末期から1980年代初めにかけて連邦準備制度理事会(FRB)が行なった「新金融調節方式」では、インフレ率を引き下げることが目的とされて、マネーサプライの伸びが抑制された。金利は政策目標ではなくなったため、急上昇した。
リーマン後の金融政策
 2008年のリーマンショック後、世界各国で金融緩和政策が行なわれた。日銀の金融政策を中心に見ると、つぎのとおりである。
(1)政策金利の引き下げと超過準備への付利
 2008年10月に、政策金利の誘導目標が、0.3%に引き下げられた(【図表1】参照)。
 このとき、超過準備に0.1%の金利を付利することが決定された。これは「補完当座預金制度」と呼ばれる。「超過準備」とは、民間銀行が日銀に預け入れを規定されている額を上回る準備金だ。
 これにより、銀行は、余剰資金を0.1%より低い金利でコール市場に出してしまうよりは、日銀当座預金に預けておけばよいと考えるようになる。つまり、コール市場での金利は、0.1%以下には下がらなくなるわけだ。
 アメリカでは、2008年12月16日にFRBが政策金利(FFレート)の誘導目標を年0〜0.25%に設定し、事実上のゼロ金利政策を取った。
 この3日後の12月19日、日銀は政策金利を0.1%に引き下げた。

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次のページ>> 包括緩和政策

(2)資産購入と資金供給

 リーマンショック後、金融市場が混乱し、企業がCPや社債などを市場で発行しにくくなっていた。大企業が銀行借り入れを増やしたため、規模の小さい企業は銀行からも借りにくくなり、資金繰りが悪化した。

 これに対処するため、日銀はコマーシャルペーパー(CP)の買取りオペを時限的に導入し、企業金融の円滑化支援を行なった。

包括緩和政策

 2010年10月5日、日銀は「包括緩和政策」を導入した。これは、つぎの3つの内容からなる。

(1)政策金利の引き下げ

 政策金利の誘導目標を、0〜0.1%に引き下げた(【図表1、2】参照)。

 ただし、補完当座預金制度の適用利率は0.1%に据え置いた。

(2)時間軸効果の明確化

 物価安定が展望できる情勢になったと判断するまで、実質ゼロ金利政策を継続するという姿勢を明確化した。

(3)資産買い入れ基金の創設

 資産買い入れのための基金をバランスシート上に創設することとした。それまで購入していたのは国債、CP、社債などであるが、新たに、ETF(指数連動型上場投資信託)や、不動産投資信託(J-REIT)なども購入することとした。

 この推移については、すでに説明した。


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歴史が語る、公的債務がGDPの90%を超えた時に起こること

過剰な公的債務は経済成長を抑制する

2012年7月5日(木)  小黒 一正

 民主党・自民党・公明党の3党合意が成立し、6月下旬、一体改革関連法案が衆院を通過した。もし、このまま、一体改革関連法案が参院を通過すれば、消費税は2014年4月に8%、15年10月に10%に引上げられる可能性が出てきた。

 しかし、今回の改革は「止血剤」にすぎない。社会保障関係費は毎年1兆円以上のスピードで膨張する。現在の低金利のままでも国債の利払い費は10年間で約8兆円増加する。実際、内閣府が推計した「経済財政に関する中長期試算」(2012年1月)によると、消費税を10%に引き上げても、2020年度には基礎的財政収支が再び約17兆円の赤字になる。

 このため、さらなる財政・社会保障改革(「増税」「社会保障費の削減」)が不可欠であることは明らかである。日本の公的債務(対GDP)は200%に達し、先進主要国中で最悪の状態にある。もし追加の改革を行わない場合、公的債務が今後も膨張していく可能性が高い。

公的債務は、GDP比90%を境に、経済成長を抑制する可能性がある

 このような状況の中、最近、公的債務と経済成長の関係について、欧米を中心に興味深い研究が増えている。そこで、今回のコラムでは、その内容を簡単に紹介する。

 まず、最初に注目されるのは、『国家は破綻する−金融危機の800年』(日経BP社)で有名なハーバード大学のケネス・ロゴフ教授やメリーランド大学のカーメン・ラインハート教授らの研究である。この研究では、日本を含む先進20か国のデータ(1790年−2009年)を利用し、公的債務(対GDP)と実質GDP成長率の関係を分析している。

図表1:公的債務(対GDP)と実質GDP成長率の関係
公的債務(対GDP) 30%以下 30ー60% 60ー90% 90%以上
平均値 3.7 3.0 3.4 1.7
中央値 3.9 3.1 2.8 1.9
観測数 866 654 445 352
(出所)Reinhart and Rogoff (2010) “Growth in a Time of Debt”から筆者が作成

 図表1は非常に興味深い。公的債務(対GDP)が90%未満の場合、実質GDP成長率の「平均」は3.0−3.7%である。これに対して、公的債務(対GDP)が90%を超えると、実質GDP成長率の「平均」は1.7%にまで急低下する可能性を示す。また、実質GDP成長率の「中央値」も、同様の傾向が見てとれる。公的債務(対GDP)が90%以下の場合、実質GDP成長率の「中央値」は2.8−3.9%であるものの、公的債務(対GDP)が90%を超えると、実質GDP成長率の「中央値」は1.9%にまで急低下する可能性を示す。

 すなわち、公的債務(対GDP)=90%を閾値として、実質GDP成長率の「平均」は約1.7%(=3.4%−1.7%)、「中央値」は0.9%(=2.8%−1.9%)低下する。

 以上は、先進20か国の1790年−2009年のデータ(2世紀分)に基づいている。ロゴフ教授らは先進20か国の1946年−2009年(半世紀分)に限ったケースでも分析を行っている。

 このケースでは、公的債務(対GDP)=90%を閾値として、実質GDP成長率の「平均」は約4%、「中央値」は1%低下することを示している。このように「公的債務(対GDP)=90%を閾値として、経済成長率が急低下する可能性」を、最近「ロゴフ仮説」と呼ぶことがある。公的債務が経済成長を抑制する可能性については、拙著『2020年、日本が破綻する日』でも指摘している。

「欧州中央銀行の研究」でも同様の結果

 次に、欧州中央銀行の研究(Checherita and Rother, 2010)も興味深い。彼らは、上記のロゴフ仮説を念頭に、欧州域内の12か国のデータ(1970年−2011年)を使って、公的債務(対GDP)と経済成長率の関係を精緻に分析した。具体的には、以下の関係を推計している。

1人当り実質GDPの成長率
= 定数 + α×公的債務(対GDP)+β×公的債務(対GDP)2 + その他の変数 …※

 この関係式(※)は、横軸に「公的債務(対GDP)」、縦軸に「1人当り実質GDP成長率」をとると、2次関数になる。例えば、βが負の値をとるときは、以下のグラフになる。

図表2:※のイメージ

 この時、図表2のグラフでは、1人当り実質GDP成長率は青色の部分で低下するため、公的債務(対GDP)の閾値は赤色の部分になる。※の関係式から、この閾値は、簡単な計算で「−α/(2β)」と計算できる。

 以上を前提に、欧州中央銀行(Checherita and Rother, 2010)が分析した結果の一部が以下の図表3である。「gov_debt」が関係式※のα、「gov_debt_sq」が関係式※のβを示す。詳しい説明は省略するが、彼らは推計の頑健性をチェックするため、6つのモデル(model 1−model 6)を推計している。

 このうち、「model 1」を見てみよう。「gov_debt」の値が「0.1198」、「gov_debt_sq」の値が「−0.0006」なので、「1人当り実質GDP成長率」と「公的債務(対GDP)」の関係は、図表2のような形状となる。

 ここで、図表2の閾値「−α/(2β)」を計算すると、図表3の下段「97.8」を求めることができる。これは、公的債務(対GDP)が97.8%以上になると、「1人当り実質GDP成長率」が低下していくことを意味する。これは、ロゴフ仮説の閾値「公的債務(対GDP)=90%」に近い値である。

図表3:公的債務(対GDP)の閾値
FE models Annual growth rate Cumulative 5 year overlapping growth rate Cumulative 5 year non-overlapping growth rate
Variables model 1 model 2 model 3 model 4 model 5 model 6
gov_debt 0.1198***
(.0410) 0.1291***
(.0412) 0.5236***
(.1294) 0.4066**
(.1649) 0.6462**
(.1396) 0.5032**
(.2095)
gov_debt_sq -0.0006***
(.0001) -0.0006***
(.0002) -0.0025***
(.0006) -0.0020***
(.0008) -0.0031***
(.0008) -0.0026**
(.0011)
debt turning point 97.8 103.1 104.5 99.9 104.6 98.2
(出所)Checherita and Rother(2010)から抜粋

 同様に、「model 2」から「model 6」の推計結果を見ると、1人当り実質GDP成長率が低下する公的債務(対GDP)の「閾値」は、概ね98.2%−104.5%となっている。いずれもロゴフ仮説の閾値「公的債務(対GDP)=90%」に近い値である。

 以上の研究は、「財政再建」と「成長促進」という2つの政策目標を達成するにあたって、重要な論点を提起する。財政再建と成長戦略はトレード・オフの関係にあるとの指摘が多いが、過剰な公的債務(対GDP)は経済成長を低下させるメカニズムを持つ。

 日本の公的債務(対GDP)は200%に達することから、ロゴフ仮説の閾値「公的債務(対GDP)=90%」をはるかに超えている。したがって、過剰債務が経済成長を低下させる影響についても議論を深める必要がある。


小黒 一正(おぐろ・かずまさ)

 一橋大学経済研究所世代間問題研究機構准教授。1974年生まれ。京都大学理学部卒業、一橋大学大学院経済学研究科博士課程終了(経済学博 士)。大蔵省(現財務省)入省後、財務省財務総合政策研究所主任研究官、世界平和研究所主任研究員などを経て、2010年8月から現職。経済産業 研究所コンサルティングフェロー。専門は公共経済学。著書に『人口減少社会の社会保障制度改革の研究』(共著)、『世代間格差ってなんだ』(共著)などがある。


子供たちにツケを残さないために、いまの僕たちにできること

 この連載コラムは、拙書『2020年、日本が破綻する日』(日経プレミアムシリーズ)をふまえて、 財政・社会保障の再生や今後の成長戦略のあり方について考察していきます。国債の増発によって社会保障費を賄う現状は、ツケを私たちの子供たちに 回しているだけです。子供や孫たちに過剰な負担をかけないためにはどうするべきか? 財政の持続可能性のみでなく、財政負担の世代間公平も視点に入れて分析します。
 また、子供や孫たちに成長の糧を残すためにはどうすべきか、も議論します。
 楽しみにしてください。もちろん、皆様のご意見・ご感想も大歓迎です。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20120702/234012/?ST=print  

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01. 2012年7月05日 10:50:25 : 3CNLte9sGM
独首相、イタリアに経済改革に耐えるよう呼びかけ
2012年 07月 5日 06:21 JST 記事を印刷する | ブックマーク | 1ページに表示 [-] 文字サイズ [+]

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[ローマ 4日 ロイター] イタリアを訪問しているドイツのメルケル首相は4日、経済改革の成果は数カ月では表れないが、ドイツの経験からすると耐える価値はあると述べた。

メルケル首相はイタリアのモンティ首相との共同記者会見で、失業率を引き下げ、景気を上向かせるため、ドイツも年金支給開始年齢の引き上げなど、国民に不人気な厳しい改革を実施してきたと説明。

「こうした経験、また、経済が機能していなかったために消滅した(自身の出身である)旧東独の経験から、競争力、つまり製品を売る能力のみが雇用創出につながる」と述べた。

そのうえで、時間はかかるものの、イタリアも成功すると述べた。

イタリアでは前月、モンティ首相主導の下、労働市場改革法案が議会で成立。ただ、今週発表予定の公的支出削減案に対し労働組合が抵抗を示すなど、前途は多難だ。

モンティ首相は、イタリア政府は財政の無駄を引き締め、効率を改善することを目標としているとし、「非生産的な公的支出を削減する事が経済成長を阻害するとは考えていない。逆に、生産的な雇用の機会拡大につながる」との考えを示した。

両首脳は過去2週間の間に3回会談。ただこの日は、前週の欧州連合(EU)首脳会議で合意された救済基金による銀行への直接資本注入などに関する踏み込んだ議論は行われなかった。

© Thomson Reuters 2012 All rights reserved.

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02. 2012年7月05日 11:47:26 : 3CNLte9sGM
ECBと英中銀、ゼロ金利の世界へ一層踏み込むか−BN調査

  7月5日(ブルームバーグ):低迷する景気の下支えを目指す欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中央銀行)は、世界の金融政策をゼロ金利と非伝統的手段の一層深いところへ導くことになりそうだ。
ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査によると、ECBは5日の政策委員会で政策金利を0.25ポイント引き下げ、過去最低の0.75%とする見通し。予想通りなら初めて1%を下回ることになる。中銀預金金利も0.25%からゼロへの引き下げが予想されている。
別のエコノミスト調査では、41人中30人が英中銀は同日の金融政策委員会(MPC)で資産買い取り枠を500億ポンド(約6兆2400億円)拡大し3750億ポンドにすると予想。8人が750億ポンド拡大を見込んでいる。50人を対象とした調査では、49人が政策金利を過去最低の0.5%に据え置くと予測している。
JPモルガン・チェースのグローバルエコノミスト、ジョセフ・ラプトン氏(ニューヨーク在勤)は「世界経済の大半が相当行き詰まっており、各中銀は再び緩和姿勢に入っている」と指摘。「恐らく金融緩和の効果が小さくなりつつある局面にあるだろうが、いくらか助けになるとは言えるだろう」と語った。
英中銀はロンドン時間正午(日本時間午後8時)に金融政策を発表する。ECBはフランクフルト時間午後1時45分(同8時45分)に発表。その45分後にドラギ総裁が記者会見を開く。
原題:Draghi, King May Delve Deeper Into Zero-Rate World to AidGrowth(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Simon Kennedy skennedy4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Craig Stirling cstirling1@bloomberg.net
更新日時: 2012/07/05 10:43 JST


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