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http://ameblo.jp/eiichiro44/entry-11292128151.html
以前のレポートでは、「目くらまし」の一言で片付けた欧州サミット。
サミットの結果を受けて、意味の無い数字を沢山並べているメディアなど目にするが、大袈裟に報道されている割には、その中身は大した事はなかったように思える。
今回のサミットの声明は報道機関によって、また、出席した各国首脳でさえ、ずいぶん違った解釈をしているようだ。一言でいえば、報道されている見栄えとその中身には、大きな隔たりが存在している。つまり今回も例のごとく「欧州式」が踏襲される事になった。
今回重要なポイントであった、「預金保護の枠組み」に関しては、サミットの最終案の中から、そっくりそのまま文言は削除されている。銀行同盟に関しても、預金保護を視野に入れている、といった事を重債務国首脳が言っているが、あれは個人各々の解釈だと捉えて差し支えないだろう。 さらには、この域内銀行を監督する制度は「年内に合意する方針」、となっている。つまり、アウトライン(大枠)に合意したのみで、何も具体策は決まっていない。
注目されたESMに関しても、市場への影響(一般投資家)を考えた場合、優先弁済を外さざるを得なかった わけだが、優先弁済なくして、ユーロ圏政府保証の下における調達に難はないのだろうか?(そこから重債務国に又貸しされる)
そして、欧州首脳が「スペインの銀行融資の条件緩和、イタリアも同様(条件緩和)」、と言ったとか言わないとか報道されているが、29日のドイツ議会では、メルケルと他ユーロ圏首脳が合意したとされるそれら支援融資の条件緩和については承認されていない。
今回のサミットは、ユーロ圏で大枠が合意されただけで、各国の議会承認が必要になる。ドイツ議会は、ESM活用における拒否権をいつでも行使できると考えているだろう。実際にメルケルは、ESMからの銀行への直接支援に「1年かかる可能性」を示唆している。
ESMからの国債買取についても、貯金箱からお金を出すような簡単なものではない。厳しい条件と監督強化が大前提となっており、「容認された」とはいっても、その部分(厳しい前提)が小さく報道されている。政府支援とて同じ事。前述のように各国政府の議会承認を経なくてはならない。
ちなみに、「1200億ユーロの成長戦略に合意」という話について。 新たに1200億ユーロが沸いて出てきたような印象を与えがちな報道を目にするが、そのうち550億ユーロ、すなわち半分近くは既存の欧州財政ファンドから捻出されるとの事。EFSF/ESMでスペイン救う、という話になっているが、そのうち部分的にはユーロ圏内の中小企業支援にまわされる、という事ではないのだろうか。
揚げ足を取ろうとすれば、沢山出てくる今回の欧州サミット、今回の「有効期限」はどれほどのものだろうか?
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