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日本国債の発行残高が、919兆円に達した。日本政府の借金はGDPの2倍を越えて増え続けている。
そんな中、なぜか国債の外国人保有率が急上昇している。外資が日本国債を買い進める裏には、いったいどんな思惑があるのか。
欧州危機の下、ユーロ諸国への投資はリスクが高いため、「資金逃避先として、安全な日本国債が買われている」と言われる。
しかし、「それはまったく違う」と、ビジネスブレークスルー大学教授の田代秀敏氏は警告する。
「外国人が本当に日本を評価していれば、中長期債を買うはずです。しかし彼らが買っているのは、三カ月から半年で償還される短期債。しかも、中長期債から短期債への買い替えも進めています。つまり、日本国債のリスクは高いとみて、いつでも売れる態勢をとっているのです」(同前)
逃げの態勢をとっているのは外資だけではない。近年、邦銀は預金が集まるものの投資がが増えず、そのぶん国債を買ってきた。保有額は年々増え続け、大手銀行だけで100兆円を越えているが……。
「中でもメガバンクは、保有する国債を、中長期から短期へ、次々に買い替えています。現在、保有している国債の平均残存年数は、メガバンク三行で、1.5〜3年程度まで短くなっています」(経済記者)
外資も日本のメガバンクも、日本国債のリスクが高まっていると見ているのだ。
問題はそうした中で外国人保有率が高まっていることだ。国債全体の外国人保有率は三月末時点で8.3%、これだけでも高いが、短期債に限れば、実に18.5%まで高まっている。
「日本国の財政は借金の額がGDPの2倍を越え、ユーロ諸国よりはるかに悪化しています。にもかかわらず国債は暴落せず、金利は安定している。それは国民の資産が金融機関を通じて国債を買い支え、金利が低くても安定して買うし、簡単に売らないからです」(同前)
しかし外資は違う。彼らはあくまで投資の利益を重視する。たとえ一時的な投資にせよ、国債の安定を支えてきた構造を壊しかねない。(以下略)
投稿者コメント~
1.「日本国債の発行額が2012年で、172兆円(44兆円といわれているが、それは新発債だけで、借り替え債を含めると172兆円)」(朝倉慶氏の著作より)。つまり、毎日毎日、5000億円近い額の借金をしている状態です。文春記事によりますと、外国人保有額は76兆円、「日本国債は、ほとんどが国内で消化されているから安全」という説明は、すでに神話となっています。外国人売りがトリガーとなって日本国債が暴落する状況が現出しつつあると思います。
2.今回の消費税増税法案の衆議院可決は広く指摘されているとおり、財務省の筋書きどおりだと思います。財務省のホームページ・わが国の財政について」を読み解くと、以下の想定を目論んでいることが容易にわかります。
・最終的に消費税は15〜20%に引き上げる。
・歳出抑制と増税によって、40兆円程度を捻出する。
・2020年までに財政バランスの目処をつける。
(http://www.zaisei.mof.go.jp/movie/zaisei/)
3.上の構想は、あくまで長期金利が現在の水準を維持できた場合の「第一案」ともいうべきものだと思います。財務省の公式見解では長期金利1%アップで5兆円(民間研究所試算では10兆円以上)の財政負担が発生するとのことですから、相当に無理筋だということは当の財務官僚自身がよく承知していると思います。では、「第二案」は? それはタブーというものてしょう。
4.日本国債暴落のトリガーとなりうるケースは、外国人売り以外にも考えられます。前出の朝倉氏は、以下の事例を示して警告を発っしています。
「1987年、タテホ化学が債権先物投資に失敗して300億円の損失を出しました。この出来事をきっかけにして、先行きを懸念した投資家による売りが殺到。10年物国債の利回りが2.5%から6.4%まで急騰。価格は20円以上暴落しました」
300億円は個人のレベルから言えば大金ですが、債権市場から見れば極めて小さい金額です。暴落の発生は巨大地震発生のメカニズムと同じだとする説が有力視されています。つまり、内部エネルギーが充満している場合、小さなヒズミが時として大きな「破局」を招くことは不可避であるということです。タテホショックと名付けられた上の例は、日本経済がバブルの最終局面に至る過程の出来事でしたから短期間で修復しましたが、現下の状況は当時と正反対なのです。
5.防衛策〜
国家規模の大きな危機に直面しているわけですから、残念ながら対策も限定的にしか考えられません。若い人は自分に投資する、資産保全は一定額を資源関連株に投資する、住宅ローンは今のうちに固定金利型に切り替える、私が思いつくことはその程度です。付け加えれば、多額の資産を持つ方はボランティア精神にしたがって可能な限り、個人向け国債やMRFを保有していただきたいと思います(MRFは組み入れの約60%が国債です)。
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