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ギリシャが先進国に分類され、韓国と台湾が新興国に分類される不思議 空帳簿の総額は約23兆円規模、中国の年金問題
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投稿者 MR 日時 2012 年 6 月 29 日 06:48:29: cT5Wxjlo3Xe3.
 

【コラム】ギリシャが先進国に分類され、韓国と台湾が新興国に分類される不思議
マーケットウォッチ
2012年 6月 28日 17:33 JST
 【ニューヨーク】ギリシャは、機能不全に陥った財政の見本となり、過大に膨張した資産市場が破壊的な「調整」を経験すると世界的な競争力のない国はどうなってしまうのかを示す好例となった。


Associated Press
 それとは対照的に、付加価値技術の分野でリードしてきた韓国と台湾は世界経済における列強となっている。両国の外貨準備高を合わせると7000億ドルにもなり、債務の国内総生産(GDP)比を見ても韓国で40%、台湾で34%と無理がなく、両国のバランスシートはかなり健全な状態にある。

 そうしたこともあり、株価指数を算出している米MSCIが今頃になってようやくギリシャの市場分類を「先進国」から「新興国」に引き下げる方向で検討しており、韓国と台湾の「新興国」からの格上げが見送られたという先週の記事には少し驚かされた。

 経済開発の水準はMSCIが指数ランキングを決める上での1つの判定基準でしかなく、その国の経済規模、株式市場の流動性、外国投資家にとってのアクセスしやすさなども重要である。引き続き検討されるとはいえ、韓国や台湾の格上げが何度も見送られてきた背景には、こうした問題がある。またMSCIによると、ギリシャの市場分類が見直されたのは、債務危機やユーロ圏離脱の可能性に対する懸念というよりも、ギリシャ当局が他の先進国の基準に沿った規制を株式市場に設けることに幾度も失敗していることが大きいのだという。

 とはいえ、ウォール街関係者やあらゆるタイプの資産マネジャーたちによって繰り返されるこのように矛盾した格付けは、現実社会にも影響を及ぼすことになる。MSCIの国際株価指数のような時価総額加重平均方式を厳密に採用している金融機関は少ないが、その格付けはファンドへの流入金や投資業界の内部構造、さらには通貨にも重大な影響を与え続けるだろう。

 つまり、国際投資の株価指標が急速に変わりつつある世界経済の実態に追いつくにはまだ時間がかかるということだ。投資家が直面する最大の脅威は欧州の「先進国」に潜み、健全で長期的な成長の望みがアジアや南米の「新興国」に託されている現在、ポートフォリオの構成やトレードデスク編成の基礎となっている市場分類はかつてないほど独善的に思える。

 しかし、変化も起こっている。たとえば債券の投資家は、より一般的な時価加重(債券発行体による発行額が増えれば増えるほど比重が高まる)型ではなく、発行額よりも経済の規模を反映したGDP加重型インデックスというアイディアを受け入れ始めている。前者にはギリシャやアルゼンチンのように危険なほど債務が膨らんだ国により多くの資産配分が促されるという予想に反した効果があることに気付いたからだ。ところが投資の古い習慣は、人生のそれと同じでなかなか捨てられないもので、いまだに莫大な資金が時代遅れの市場分類に基づいて投資されている。

 ユーロ圏の統一――そして今では分裂の可能性――のせいで国の分類作業はより複雑化した。ユーロ加盟国には膨大な資金を有する近代的な第一世界の中央銀行という後ろ盾がある。そうした状態がずっと続くと考えていた人には――ユーロ圏を離脱する国が出るかもしれないと想像した投資家は最近までまれな存在だった――加盟国によって違った分類をするという概念がそもそも生まれづらいだろう。

 評価基準に基づいた「新興国」、あるいは「先進国」という分類が単純に古かったり、偏ったものであったりする可能性も高い。分類の評価基準として、証券に関する規制は、その国の生産性、技術的進歩、財政の健全性などと同様に重視されるべきなのだろうか。

 こうした分類には、知らぬ間に自己達成してしまう要因も存在する。ある国がひとたび「新興国」に分類されると、「先進国」に向かうのとは違うタイプの資金が集まるようになる。新興国は本質的に、好調なときは素早く投資し、危険な兆候が出始めるとすぐに逃避しがちな、リスク志向の投機的な投資家を引き付ける。これにより資本の逃避の可能性や市場のボラティリティの高さが増し、それが新興国やその通貨の特徴になるという悪循環を生んでしまっているのだ。

 ところが、立ち遅れてはいるものの、さまざまな国のリスクに対する投資家の考え方には大転換が起きている。いずれこれが「新興国」「先進国」という分類のやり直しにつながっていき、特定の通貨への資本の流出入にも変化が出てくるだろう。

 韓国と台湾が新興国を卒業して先進国になるときが来たら、韓国ウォンと台湾ドルの上昇にも弾みがつくはずである。

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記者: Michael Casey

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空帳簿の総額は約23兆円規模、中国の年金問題

定年退職年齢と年金受給開始年齢の引き上げは必須

2012年6月29日 金曜日 北村 豊

 2012年6月5日、中国政府「人力資源・社会保障部」(以下「人社部」)は社会保険の諸問題に関するネットユーザーからの質問に対して発表した回答の中で、「定年退職年齢の引き上げは必然的な趨勢であり、“基本養老年金”(以下「基本年金」)<注1>の受領開始年齢を弾力的に引き上げる法案を適時国に提出する」と明言した。このニュースが報じられると、それが庶民の老後の生活に直結する問題であることから大きな反響を呼び、世論は事の是非を巡って沸騰した。

<注1>“基本養老年金”とは端的に言えば、日本の「厚生年金」に相当するもので、“基本養老保険”に15年以上加入することにより受給資格を得る。

94.5%が定年退職年齢の引き上げに反対

 全国紙「中国青年報」のネット版“中青在線”は6月12日付で「定年退職年齢引き上げ問題」に関する独自のインターネット動向調査の結果を発表した。それによれば、6月5日から12日午後3時までの間にネット上に掲載された当該問題に関するスレッド、ブログ、ニュース、“微博(マイクロブログ=中国版ツイッター)”の総数は1万8120件であり、その閲覧回数は1668万1099回、ネットユーザー間で提起された質問に対する回答数は39万8973件に及んでいた。この結果は定年退職の年齢引き上げに対する庶民の関心がいかに高いかを示していた。

 一方、全国紙「人民日報」のネット版“人民網”がネットユーザーを対象として実施した調査によれば、回答者176万人のうちの94.5%が定年退職年齢の引き上げに反対を表明した。実は、この定年退職年齢の引き上げは2010年9月にも人社部の副部長が実施の方向で検討している旨を表明したことがあった。当時、ポータルサイト“騰訊網(QQ.com)”がこの問題に関するアンケート調査を実施し、約100万人のネットユーザーが回答したが、その結果は反対が91%を占め、賛成はわずか9%に過ぎなかった。

 中国の“法定退職年齢”は1978年5月に法制化されたが、1999年の法改正を経て、現行の男子:60歳、女子管理職:55歳、女子(管理職以外):50歳と規定されている。ただし、地下、高温、高所、重度の肉体労働、あるいは健康を害する仕事に従事する場合は、男子:50歳、女子:45歳となっている。中国では、法定退職年齢に達しない人口、すなわち男子:16〜60歳、女子:16〜55歳の人口を“労働年齢人口”と呼ぶが、中国は世界最大の労働年齢人口を持つ大国で、その労働力資源の総量は10億人以上を誇っている。しかしながら、現在の平均退職年齢は53歳前後であり、各地で“用工荒(労働者不足)”が出現しているにもかかわらず、多数の地域で法定退職年齢前の早期退職希望者が増大しているのが実情である。

 人社部が定年退職年齢引き上げの理由としたのは、「社会経済の発展と平均寿命の延長に伴い、定年退職年齢の延長は必然的なものであり、それは人口のバランス、労働力の供給、社会保障基金の収支などさまざまな要素によって左右される」というものであり、論理的には至極まっとうなものであった。ところが、世論の圧倒的な反対の声に押された人社部は、6月19日に関係責任者が声明を発表して、「一部のメディアは定年退職年齢が65歳、あるいはそれ以上に引き上げられる」と報じているが、直ちに定年退職年齢が延長されることはないし、年金の受領開始年齢引き上げの即時実施もないと明言し、国民の不安を鎮静化させて事態の収拾を図った。

年金に約2億2000万人が未加入

 人社部が2012年6月5日に発表した『2011年度人力資源・社会保障事業発展統計公報』によれば、中国の「基本養老年金保険」(以下「基本年金保険」)の実情は以下の通りとなっている。

【1】2011年末における都市部の基本年金保険加入者は2億8391万人で前年比2684万人増。そのうち、企業基本年金保険加入者は2億6284万人で前年比2650万人増。

【2】基本年金保険基金の2011年の総収入は1兆6895億元(約20兆8450億円)で前年比25.9%増。このうち、徴収した保険収入は1兆3956億元(約17兆2220億円)であり、各種の財政補助は2272億元(約2兆8000億円)であった。総支出は1兆2765億元(約15兆7500億円)で前年比20.9%増。2011年末における基本年金保険基金の累計残高は1兆9497億元(約24兆600億円)であった。

 国家統計局の統計によれば、2011年末における全国の人口総数は13億4735万人であり、このうち都市部人口は51.3%の6億9079万人で、初めて農村部人口を上回った。一方、都市部の「労働年齢人口」の数字は公表されていないので、公表されている全国人口の年齢別統計から推測すると約4億8200万人となる。<注2>本来ならば、この4億8200万人が全て基本年金保険に加入していなければならないが、未だに約2億2000万人が未加入の状態にあり、労働年齢人口の基本年金保険加入率は約54.5%に過ぎない。ただし、2011年も2650万人が新規に加入しており、加入率が年々上昇していることは間違いのない事実である。

 <注2>全国の年齢別統計では、15〜59歳が9億4072万人で全体の69.8%を占めているので、都市部人口6億9076万人に同じ比率を適用して計算すると、都市部の15〜59歳の人口は約4億8200万人となる。労働年齢人口は16〜60歳を指すので、15〜59歳とでは上下に1歳ずつ違いがあるが、誤差の範囲と想定した。

 一方、上記【2】から見れば分かるように、基本年金保険基金の2011年の収支は4130億元(約5兆950億円)の黒字であり、各種の財政補助を除いた純粋な収支でも1191億元(約1兆4700億円)の黒字となっている。さらに2011年末における基本年金保険の累計残高が1兆9497億元ということは、中国の基本年金保険制度は順調に運営されているように思える。実際に2012年3月7日に“全人代(全国人民代表大会)”の会議終了後に行われた記者会見に臨んだ人社部の尹蔚民部長は、上記の数字を挙げて、基本年金保険の健全な運営振りを強調し、中国には年金の不足問題は存在しないと述べた。

 それほどに基本年金保険の運営が健全であるならば、定年退職年齢の引き上げも、基本年金の受給開始年齢の引き上げも必要ないのではないのか。ちなみに、人社部は2012年1月1日付で基本年金の支給額を10%引き上げ、全国平均で月額1531元(約1万9000円)とした。これは7年連続の支給額引き上げであった。

個人口座年金を基礎年金の給付に流用

 1997年に導入された中国の基本年金保険制度は2006年の改正を経て現在に至っている。基本年金保険は「基礎年金」と「個人口座年金」の2本立てで構成されており、その内容は以下のようになっている:

【A】基礎年金
 基礎年金は事業主から徴収されたものが各地域の社会保険管理基金によって蓄積・運用されるのと同時に基礎年金の給付に充当される。保険料率は保険者の賃金総額の20%(全額事業主負担)である。ただし、基本的には全国統一だが、上海市のように22%のところもあり、地域によって保険料率が異なる。

【B】個人口座年金
 個人口座年金は保険者本人の口座に積み立てられて運用され、将来的に保険者個人の年金として給付される。保険料率は保険者の平均賃金の8%(全額従業員負担)である。

 基本年金制が導入された1997年以前には、現役時代の80%もの高率給付を保証する国有企業の企業内年金が存在していた。この高水準の給付率を大幅に引き下げることを前提に導入されたのが基本年金制であり、年金の給付率は1997年の基本年金制導入により60%に引き下げられ、さらに2006年の改正を経て45〜50%に引き下げられた。しかし、基本年金制の導入時点では既に多数の年金受給者が存在していたため、基礎年金の蓄積が乏しい地域では財源不足が生じ、必然的に個人口座年金の積立額が基礎年金の給付に流用された。このため、保険者の年金口座の帳簿には積立額と利息が記帳されているが、実質的には現金がない“空帳(空帳簿)”が発生したのであった。

 ある統計によれば、基本年金保険導入の翌年の1998年には既に全国の半数以上の地域で基礎年金の支払いに支障が生じ、その結果として個人口座年金の流用が始まったという。こうして2005年には個人年金口座の空帳簿の総額は8000億元(当時のレートで約10兆7800億円)にまで膨らみ、その後毎年1000億元(当時の平均レートで約1兆5000億円)の規模で増大した。こうして2010年には基本年金の個人口座年金の累計積立総額は1兆9596億元(当時のレートで25兆4700億円)であるはずが、実際には2039億元(同レートで2兆6500億円)しかなく、1兆7557億元(同レートで22兆8200億円)が空帳簿と化したのだという。

 世界銀行の試算では、中国の基本年金の空帳簿は2001年から2075年までの累計で総額9兆元(約112兆円)になるとしている。さらに、先ごろ中国銀行とドイツ銀行の研究チームが共同で執筆した報告書『“化解国家資産負債中長期風険(国家資産負債が持つ中長期リスク解消のための方策)”』は、2013年には中国の基本年金の赤字は18兆3000億元(約227兆円)に達すると述べており、その赤字額は世界銀行の試算を遥かに凌ぐものであるとしている。

役人による基本年金資金の流用事件が多発

 基本年金資金の赤字は、個人口座年金の積立額の基礎年金給付への流用だけに止まらない。2006年に上海市で摘発された「社会保障基金の私的流用事件」は、基本年金基金32億元(当時のレートで約470億円)が株式や高速道路などへの投資に流用されたものであった。資金流用の主犯は「上海市労働・社会保障局局長」の“祝均一”であったが、この事件に連座して当時中国共産党中央政治局委員で上海市党委員会書記の“陳良宇”が失脚したことは記憶に新しい。これ以外にも1999年までに広東省で10億元、2003年には山西省太原市で8609万元、2009年には安徽省で1億2900万元という形で社会保障局の役人による基本年金資金の流用事件は多発しており、基本年金資金の減少を加速している。

 中国の人口統計によれば、2011年末時点の60歳以上の人口は1億8499万人で全人口の13.7%を占めている。仮にこの比率を都市部人口の6億9079万人に適用して計算すると、都市部の60歳以上の人口は9464万人となり、あと一息で1億人の大台に到達する。既に高齢化社会に突入している中国は、60歳以上の人口は今後継続的に増大し、2050年には4億人に達するものと思われるが、その時点における都市部の60歳以上人口は2億5000万人に達しているものと予測される。

 こうした将来を踏まえて基本年金の健全化は中国政府にとって焦眉の急であるが、それでは目先の問題である基本年金の赤字状態を解消するにはどうすればよいのか。人社部によれば、定年退職年齢を65歳まで徐々に引き上げれば、1歳引き上げる毎に基本年金総額は40億元(約500億円)ずつ増大し、基本年金の赤字は200億元(約2500億円)ずつ減少できるのだという。

一人っ子政策による若年労働力の減少で問題拡大

 世界保健機構(WHO)が2011年5月に発表した世界の国別寿命ランキングによれば、中国人の平均寿命は73歳(男:71.3歳、女:74.8歳)で世界82位であった。ちなみに世界1位は日本の82.6歳(男:79歳、女:86.1歳)であり、世界の平均は67.2歳(男:65歳、女:69.5歳)であった。中国人の平均寿命は中華人民共和国成立直後の1950〜1955年は40.8歳(男:39.3歳、女:42.3歳)に過ぎなかった。それが1970〜1975年には63.2歳(男:62.5歳、女:63.9歳)となり、2000〜2005年には71.6歳(男:69.8歳、女:73.3歳)となった。

 現行の中国の定年退職年齢は1951年に制定された「労働保険条例」と1955年の一部改定に基づくもので、当時の平均寿命を遥かに上回っていた。しかし、平均寿命が73歳となった現在では、上述したように53歳前後が平均退職年齢であるというのはあまりにも実態とかけ離れている。平均寿命は今後もさらに伸びていくのである。

 中国政府は国民を納得せしめることにより定年退職年齢の引き上げと、年金受給開始年齢の引き上げを早急に実施すべきだと思う。平均退職年齢が53歳前後というのが、職場の強制によるものか、あるいは自己の意思によるものかは不明だが、前者であればその是正を図り、後者であれば勤労意欲を喚起して、平均退職年齢を延長させることにより基本年金の健全化を促進すべきであろう。一人っ子政策により若年労働力の減少が徐々に顕著なものとなっている中国では、定年退職年齢の引き上げによる労働力の確保は今後ますます必須なものとなって行くだろう。

 2012年3月20日、“全国社会保障基金理事会“は、広東省政府の委託を受けて、広東省の基本年金1000億元を運用して国債などの元本保証の投資を行うと発表した。

(北村豊=住友商事総合研究所 中国専任シニアアナリスト)

(註)本コラムの内容は筆者個人の見解に基づいており、住友商事株式会社及び株式会社住友商事総合研究所の見解を示すものではありません。


世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」

日中両国が本当の意味で交流するには、両国民が相互理解を深めることが先決である。ところが、日本のメディアの中国に関する報道は、「陰陽」の「陽」ばかりが強調され、「陰」がほとんど報道されない。真の中国を理解するために、「褒めるべきは褒め、批判すべきは批判す」という視点に立って、中国国内の実態をリポートする。

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北村 豊(きたむら ゆたか)


住友商事総合研究所 中国専任シニアアナリスト
1949年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。住友商事入社後、アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、2004年より現職。中央大学政策文化総合研究所客員研究員。中国環境保護産業協会員、中国消防協会員

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120626/233842/?ST=print  

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コメント
 
01. 2012年6月29日 14:30:47 : 3CNLte9sGM
国際金融センター目指す上海、なれなかった東京との共通点
China Real Time Report
2012年 6月 28日 14:09 JST

 上海はロンドンやニューヨークと並ぶ国際金融センターに至る道を模索しているが、見本になるのは東京かもしれない。少なくとも避けるべき条件については。

 今日の上海と同様、1980年代の東京は世界2位の経済大国の中心として、国際金融センターを目指していた。銀行は資金でふくれあがり、世界中に触手を伸ばした。外資系金融機関はアジア本部を東京に置き始めた。貯蓄率の高い国民の預金を当て込み、日本が将来的に世界の投資家になると見込んだ動きだった。

画像を拡大する

Associated Press
上海浦東地区の建設工事現場
 年次金融会合「陸家嘴フォーラム」開幕を来週に控えた上海は最近、当時の東京と同じような関心を集めている。中国政府は上海が国の金融センターとしてふさわしいとの政策を2009年から掲げており、20年までにその国際的地位を高める意向だ。

 26日に上海の米商工会議所が発行したリポートは、この政策が続く可能性を分析しており、楽観に傾いているものの組織的な障害をいくつも認めている。

 JPモルガンの投資銀行部門出身で現在は米ブルッキングス研究所に在籍するダグラス・エリオット氏は同リポートの中で、東京の経験を教訓にするよう書いている。

 日本が金融面で期待に沿うことはなかった。リポートは「東京には、国際金融センターとなるための多くの優れた点があり、潜在性を持ちながら、政策、企業の全体的な構造、政府のために真に国際的な地位を得られなかった例のように思える」としている。

 東京が強みを生かせなかった理由としてエリオット氏が挙げた特性の多くが、上海にもある。

 エリオット氏によれば、日本の監督当局と政治家は欧米型の金融商品が国内に持ち込まれないようにし、主に国内市場に適した日本的な解決策を生み出した。外国人にとってややこしいことに、そうした動きは国内法と日本語に支配されていた。

 上海を国際的な金融と貿易のセンターにするとの政策を受け、既に世界有数の大手銀行や保険会社数社が、同市の浦東新区に引きつけられている。ここには証券取引所や商品取引所のほか、ウォール街の近くにあるのに似た雄牛のブロンズ像もある。

 さらに重要なのは、中国証券監督管理委員会(CSRC)はインサイダー取引への規制を強化、外国人投資家が参入しやすくした。

 しかし、国際金融センターを「1つの中心地に凝縮したさまざまな金融機関の集合体」と定義するエリオット氏からみた本当の国際金融センターはロンドンとニューヨークだけだ。

 同氏は、上海が主要金融センターとなり、アジアの有力な金融センターになることは「実質的に確実」とみている。既に大きな金融市場が拡大しつつあり、機能的な先物市場や都市の活力といった優位性があるためだ。

 ただ、それ以上に障害があるとも考えている。上海を取り巻く保守的な規制、あいまいかつ遠くで行われる意思決定、世界が取引時に中国法に従いたがらないこと、支援機能の不足−これらがすべて旧来の金融センターに有利に働いているという。エリオット氏はリポートで、「機能全体の半分ないし4分の3が非常に優れているだけでは十分とはいえない。すべてが効率よく運ぶロンドンあるいはニューヨークを代わりに選ぶのは比較的簡単だ」と説明している。

 一方、香港は、人民元国際化の主要センターとして浮上しており、中国に軸足を置く金融専門家を低い税金で引き寄せているが、今回のリポートは香港やシンガポールには上海と並ぶほどの重要性はないとしている。

 同リポートは、米商工会議所に関連する中国拠点のバンカーらが執筆した中国金融市場に関する考察で補完されている。

 このグループは、国内の商品開発や不透明な政策を批判しているが、上海証券取引所が売買代金で世界4位につけていることなどが上海のチャンスを高めると評価。こうした実績から、上海は国際金融センターに向かって進む権利を有するにとどまらないとしている。

 20年前には東京にもその権利があった。

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