http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/692.html
Tweet |
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE85R03G20120628?sp=true
焦点:英国で広がるEU離脱論議、実現なら影響力失い孤立か
2012年 06月 28日 14:25
1 of 1[Full Size]
トップニュース
日経平均が8800円台回復、米株高や機関投資家の買いで
中国共産党機関紙、米大統領選候補のオバマ・ロムニー両氏を批判
焦点:鉄鋼業界のダンピング批判合戦、新たな通商紛争の火種にも
米グーグルの眼鏡型ネット端末、2年以内に一般向け発売へ
[ロンドン 27日 ロイター] 英国は単独で生きていくための首尾一貫した計画も立てないまま、欧州連合(EU)からの無秩序な離脱という、この時代で最大の戦略的行動へと漂いながら向かっているのかもしれない。
キャメロン首相は英国のEU残留を望んでいる。しかし統合強化によって存続を図ろうとするEU内にとどまることについて国民投票が実施された場合、英国民が「ノー」と答えることを世論調査は示している。
政治家が国民投票を避け、EUと英国との関係について再交渉を試みた場合でも、EUの盟主であるドイツからの支持は得られそうもない。
英国は興奮に任せて清水の舞台から飛び降りかねないが、地上で何が待ち構えているかについて現実的な感覚は持ち合わせていない。
欧州改革センターの親欧州派ディレクター、チャールズ・グラント氏は「われわれは後先の戦略をまったく立てずに出口へと滑り落ちている。オズボーン(財務相)とキャメロン首相は実際、EU内に留まりたがっているため、『プランB(予想外の事態を想定した計画)』のような策は用意していないだろう。戦略は存在せず、欧州懐疑派は何を成すべきかについて合意できない」と述べた。
かつてはEU離脱など荒唐無稽だった。英国首脳が欧州単一通貨への加盟時期について議論していたのはわずか10年前のことだ。EU離脱について語るのは、保守党、労働党双方とも欧州懐疑派の傍流議員の専売特許だった。
しかしユーロ圏が債務危機を受けて政治統合強化に進む可能性が見えてきたことで、より冷静な人々の間でも英国がEU離脱に向かう危険性が認識されるようになった。
ある銀行幹部が24日、英首相府での朝食会を終え、「仮に英国がEUを離脱した場合の金融街シティへの最大の脅威は」と記された書類を携えて出てくる姿が撮影されるところまで、こうした懸念は高まっている。
クレッグ副首相は今週、英国はEUのその他大勢になるか、離脱に追い込まれる可能性があると警告を発した。
欧州に対して懐疑色の強い保守党と、クレッグ党首率いる親欧州派の自由民主党は2010年、欧州統合問題では前進も後退もせず停止姿勢を保つとの合意に基づき連立政権を樹立した。
しかし間の悪いことにEUそのものが停止しておらず、政治・経済統合の深化に向かおうとしている。
<核兵器を保有するスイス>
島国版スイスとしての将来像、あるいはロンドンを中国人民元とロシアのオイルマネーの世界取引センターにするというドンキホーテ的な夢想は、大英帝国崩壊後、世界の政治を操るという地位に執心してきた英国エリートのお気に召さないだろう。
ブレア元英首相はBBCで「欧州の理論的根拠はもはや平和ではなく、権力になった。欧州統合構想は好むと好まざるとにかかわらず前進しようとしている。わが国がその一員であることは重要だ。なぜなら人口6000万人の小さな島国であるわが国が影響力を行使したければ、部分的には同盟関係を通じて行使するほかなく、その1つはEUだからだ」と述べた。
米国、あるいは弱々しい英連邦諸国と特別な関係を維持していると信じることによって欧州統合をヘッジするという、60年間続いた戦略を葬り去れば、英国の国際的な影響力は損なわれるだろう。
経済規模世界第6位の英国がEU加盟国でなくなれば、英国に対する米国の関心は薄れるだろう。EUの後ろ盾を失えば、中国との貿易交渉や天然ガスをめぐるロシアとの交渉に際し、英国指導者の立場は弱まるかもしれない。
英政府首脳らに近い筋は、EU離脱が差し迫っているというのは誇張であり、英国は「ヘッジ」を続けると話す。同筋によると、EUの改革後の姿がはっきりした時点で、英国はEUとの関係の再定義を模索するという。
この筋は「わが国は財政統合には加わらないが、その場合どうするか。EU離脱ではなく、違った形の、恐らくはユーロ危機の結果もたらされるより緩やかなEUの一員となることを検討している」と語った。
<貿易の舞台>
欧州懐疑派のシンクタンク、「オープン・ヨーロッパ」は「貿易の場所:EU加盟は英国の貿易にとって依然最良の選択肢か」と題した論文で、形を変えてEU内に留まる選択肢が最良だと主張。英国が単一市場と関税同盟の恩恵を維持しつつもEUの政策を独自に取捨選択できるようにする新たな「英国モデル」を掲げる。
こうしたアプローチは他のEU加盟国に受け入れられ難いだろうし、対立の火種にもなりかねない。特に国民投票の結果、英首脳が国民から実現不可能な要求を突き付けられた場合にはそうだ。英国は既に1度、加盟条件を再交渉している。
キャメロン首相がそうした失態を演じた場合、さらに欧州懐疑色の強い首相対立候補に対して劣性に立たされる可能性がある上、選挙では英国のEU離脱を掲げる英国独立党からの脅威にさらされかねない。
首相はシティの財界人らに対する演説で「(EUの)外に出れば、わが国は結局ノルウェーのように、ブリュッセルで決まる単一市場の規則すべてに従いながらもその規則を策定することはできなくなるだろう」と訴えた。
欧州懐疑派は、EU全域での金融規制統一や銀行同盟構想により、既にシティが脅威にさらされていると言う。
EU域外に出れば、ロンドンは低税率のオフショア取引センターとなり、世界の富裕層に遊び場を提供するかもしれないが、税収により十分な福祉を提供してほしいと望む英国民にはアピールしないかもしれない。
シティで取引する銀行の多くは、英国外で決まった規則の順守を義務付けられるだろう。EU市場への踏み台として英国を使う外国人投資家にとって、英国の魅力はずっと衰えるかもしれない。
英国は広い海の中でひとりぼっちになってしまう。
(Guy Faulconbridge記者)
© Thomson Reuters 2012 All rights reserved.
関連ニュース
英伊首脳会談、EUに成長促進策の重視を主張 2012年1月19日
ユーロは加盟国の財政統合強化案で状況改善=英財務相 2011年12月12日
欧州は金融取引税提案で混乱、世界の賛同得る可能性は低い=英首相 2011年11月8日
WRAPUP3: ギリシャ内閣、支援策めぐる国民投票実施を支持 国内外から困惑や批判の声 2011年11月2日
英景気回復、ユーロ圏債務危機受け一段と厳しい状況に=オズボーン財務相 2011年11月1日
ポジティブ・サプライズの可能性
欧州利下げ期待と米指標改善で市場心理は幾分回復。市場では「ポジティブに反応しやすい環境になってきた」との声も。
記事の全文 | 特集ページ
90年代再現のユーロ相場=高島氏
グーグル眼鏡型端末、2年内に発売へ
トイレットペーパー製の花嫁衣装並ぶ
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。