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水増しは当たり前…中国統計の信頼獲得、なお道遠し
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120628/biz12062807090008-n1.htm
2012.6.28 06:59 産経新聞
中国の景気指標が下振れをみせている。4〜6月期(第2四半期)の国内総生産(GDP)は8%の大台を割るとの観測も出ており、エコノミストたちは欧州の信用不安に続き中国経済の動きに神経をとがらせる。(フジサンケイビジネスアイ)
梅雨空のような経済情勢だが、22日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、地方当局が省レベルの経済指標を1〜2ポイント水増しして北京に報告していると、香港発で報じた。指標の操作について、同紙は「極めて悪い経済のニュースを並の悪さに見せかける効果は十分だろう」とコメントした。
現下の経済情勢下にも負けず、地方の指導者が経済手腕を誇示することが、統計操作の狙いである。中国共産党大会をこの秋に控え、どの地方書記も出世レースに躍起なのだ。
その党大会で出世が確実視される李克強副首相(党内序列7位)が、中国のGDP統計が「人為的」で信用できないと、中国駐在のラント米国大使(当時)に語ったという2007年の話は、ウィキリークスのすっぱ抜きで米国務省の庁舎から世界に広がってしまった。
経済評価のためには、GDPよりも「電力消費」「鉄道貨物量」「銀行融資」に注目すべきだ、という李氏のアドバイスは傾聴するとして、ここで気になることがある。水ぶくれのデータ処理や指標の操作を迫られる統計の専門家、すなわち中国国家統計局の官僚たちは、プロとして自分たちの仕事の現状をどうとらえているのだろうか。
国家統計局の馬建堂局長は、昨年8月の講話で中国の統計指標に向けられる国内外の疑念に言及して、「統計処理の能力、データの質、政府統計への信用度を高めることが急務だ」と訴えた。現状が改善を要するという認識はよく伝わってくるのだが、「統計に携わる者は、数字で歴史を刻んでいるのだ。歴史は真実であってこそ貴い」という精神論を聞くと、「では現状は?」と突っ込みたくなる。むしろ、国家統計局内で昨年行われた業務に関する職員のアンケート調査が興味深い。統計のプロが相手とあって、回答率は95%の高率だったという。
「いま統計の改革を妨げている要因はなにか?」という質問に対して、複数回答で次の3項目が上位を占めた。
(1)基層統計の力が弱い=53.8%(2)統計の独立性が乏しく、ひどい干渉を受ける=52.7%(3)統計の管理体制が遅れている=44.7%。最多回答のあった基層統計の問題とは、現場や地方で収集されるデータとその処理自体がすでに信頼を置けない可能性を示している。2番目の回答は、冒頭で挙げたニューヨーク・タイムズ紙がまさに伝えたような統計の水増し操作の要求にほかならない。
中央集権国家が誕生して以来、国家統計の重さはおそらく変わらない。その重責以上に、中国の統計係官が抱える悩みは大きいのではないだろうか。(産経新聞東アジア室長 山本秀也)
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