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【コラム】「富裕政治」に突き進む米共和党
マーケットウォッチ
2012年 6月 27日 19:51 JST
【ワシントン】米大統領選の共和党候補に内定したロムニー前マサチューセッツ州知事は、米国が「金権政治」――金持ちによる政治――に向かっていることを証明したいようだ。いや、それだけではない。彼はそれを隠そうともしない。
支持者に手を振るロムニー氏 (5月、アイオワ州で)
先週末、ユタ州パークシティで開かれたロムニー陣営の「幹部会合」には上位献金者数百人が集まった。ロムニー氏は、自分と同じ億万長者の支持者との居心地の良いひと時を満喫、誰よりもまず富裕層に恩恵をもたらすと思われる政策について語り合った。
それはまさに、「持っているなら誇示せよ(If you’ve got it, flaunt it.)」との言い回しがぴったりのイベントだった。莫大な富と権力を手に入れ、アメリカンドリームの頂点を極めたことを祝うものだった。
2010年の最高裁の判決で「スーパーPAC(政治活動特別委員会)」に対する献金額が無制限となったことから、草の根活動が億万長者の組織的な集金に匹敵するような資金を集めることは困難になる。つまり、この特権階級は、低い税率と小さな政府を確保することができる。
最高裁は今週、条件付きの州法を無効とすることで2010年の判決をあらためて支持、良識ある市民が政治家を自由に選出できるという「幻想」をまたもや打ち砕いた。それどころか最高裁は、政治のリーダーが最も富裕な人々の財力によって賄われると信じる人々に対して、手を差し伸べたのである。
残る唯一の疑問は、何百万人もの米中間層が、この富裕層のルールに協力し、金権政治家に票を投じるのはなぜか、ということだ。
今回の一連の選挙において、民主党が対抗勢力としての存在価値を実質的に失ったことがその一因だ。民主党の政治家は、誰かを当選させるために金持ちが好きなだけ金を使える、といった状況を切り抜けるには、富裕層に迎合し、保守的な政策を取り入れねばならないと感じている。
オバマ大統領は、少々退屈ではあるが極めて効果の高いロムニー氏のイベントに対抗するために、超リッチな芸能セレブを招いて派手な資金集めのパーティーを開こうと焦っているはずだ。
共和党がこれまで進めてきた米国の右傾化により、進歩的な民主党の政治家は絶滅危惧種と化した。
しかし、「保守的な民主党」や「中道派の民主党」は必要なのか。共和党に投票すれば済むはずだ。
オバマ大統領は、再選に向けて受け身の傍観者に回っている。最高裁が彼の医療保険改革について判断を示す時でさえ、見ていることしかできない。
3年間、優柔不断な態度を取り、富裕層と草の根支持者の両方を失望させてきたオバマ大統領は、民主党陣営が思うように資金を集められないことを不思議に思うかもしれない。
数冊のベストセラーで数百万ドルを稼いだことが、なぜ金持ちの権力者と同一視されるのか、大統領はよく考えることだ。若者をはじめ、求職活動しても仕事がみつからない長期失業者、家を手放すまいとする住宅保有者、社会経済上不利な立場にもかかわらず生活の向上を模索する人々の幸福のために、大統領が努力しないのはなぜかを考えた方がいい。
激戦州――そうでない州は、ご存知の通り、古代ギリシャ劇の合唱隊のようなものだが――の有権者は、押し寄せる一方的なメッセージに屈し、政府の機能不全を終わらせるために共和党の議事進行妨害者に負けて投票するかもしれない。
おそらくその後、時計の振り子は、別の方向に揺れ始める。新たな世代の政治家は、もっと気骨があるだろう。彼らは、抑圧された中間層に約束するだけでなく、約束を果たす手段を見つけるだろう。
では、それまでの間、金権政治家に道を譲るとしようか。
記者: Darrell Delamaide
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