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聖火が英国と隣国のアイルランドをリレーされ、7月27日には競技場に到着、めでたくロンドン五輪の開幕だ。
聖火の発進地、ギリシャでは議会再選挙の結果、欧州共通通貨「ユーロ」圏にとどまるべしとする連立政権が成立した。問題解決のボールはユーロ圏の勝ち組代表ドイツに投げられたのだ。そんななか、メキシコでの先の20カ国・地域(G20)首脳会議をはじめ国際会議が開かれるたびに、米国のオバマ大統領らがドイツのメルケル首相に「何とかせよ」と迫るのだが、拒絶されている。
実は、ドイツ-ユーロ-ギリシャ-聖火-五輪は歴史的な因縁の糸でつながっている。そして五輪開催国の英国は、その対極にある。
ユーロ(EURO)の語源はギリシャ神話に登場するエウロパ(ラテン語でEuropa、フェニキア=現在のレバノンあたり=の王女名)である。ギリシャ神話の最高神、ゼウスがエウロパを見初め、白い雄牛に化身して彼女を誘拐し、クレタ島に連れ去った。島に到着するまでにゼウスはエウロパを連れてドナウ川以北を駆け回ったことから、ヨーロッパの名称が生まれた。ユーロはギリシャ文明との同一性をうたう欧州大陸の象徴なのである。
かの聖火を広めたのはナチス・ドイツの独裁者ヒトラーである。ヒトラーはゲルマン民族をギリシャ文明の正統な後継者とし、ユダヤ民族など他民族撲滅を企てた。1936年のベルリン五輪を「民族の祭典」と位置づけ、ゼウスをたたえる古代五輪の舞台となったギリシャ・オリンピアで太陽光から採火した。以来、この行事は今度開催されるロンドン五輪まで延々と引き継がれている。
★2度の世界大戦を経て、ドイツはフランスと手を携え、欧州連合(EU)を結成し、EUを母体にしてユーロを創設した。ユーロが挑戦する相手は基軸通貨ドルである。ドルの本場は米国だが、ロンドンはドル体制のもとにニューヨークと連携して世界最大の国際金融市場の地位をほしいままにしている。これに対し、欧州大陸の盟主ドイツはフランスと組んで大陸通貨を統一する際、ユーロの名で裏打ちして権威づけた。
財政規律が加盟基準を満たすかどうか疑問が残っているにもかかわらず、欧州史の起源という特別な観点からギリシャは2001年にユーロ圏に迎え入れられた。ギリシャが認められるという大甘のユーロ圏拡大の結果が、ギリシャを筆頭とする問題5カ国(ほかにイタリア、スペイン、ポルトガル、アイルランド)の政府債務危機の爆発なのである。
★米英がユーロ危機に際し、ドイツに対して財政負担などでとりわけ厳しく注文をつけ、ドイツが強く反発する底流には、宿命的とも言えるゲルマン(独)対アングロサクソン(米英)の構図があるとみていい。
★ドイツの同盟国フランスは興味深いことに、「成長重視」を掲げて米英にすり寄る。世界最大の対外債権国、つまり貯蓄提供国である日本の野田佳彦首相はといえば、党内の反対勢力を切って捨ててでも自民、公明両党と連携し、26日にも衆院で消費増税採決に踏み切るかまえだ。国内資金需要を抑えてマネーを外に流すので、米英は大歓迎である。
ギリシャ発の聖火がロンドン東部のメーンスタジアムに到着するのを待たず、場外では、ドイツ対米英の激しい通貨攻防が展開され、日本も巻き込まれている。
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