http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/659.html
Tweet |
http://ameblo.jp/eiichiro44/entry-11287132062.html
少し前にはロシアへの新たな支援要請が取り沙汰されていたキプロスだが、同国ソブリンはフィッチからついにジャンク債扱いとされた。 そのキプロス政府が遂に、EUに正式な支援要請をするとの事。
キプロス、EUに金融支援要請の意向
支援(要請)の規模的には、60−70億ユーロ。キプロスGDPの3−4割との事で、人口100万人にも満たないこの国の小さな支援要請額によって、EFSFやESMが揺らぐ事は、まず無い。
ただし、ロシアから金を借り続け、外部(EU)からの財政主権介入を避け続けてきたキプロスにとっては大きな転機となってしまった。なぜならキプロスがEUに支援要請するという事は、それはすなわちトロイカからのコンディショナリティを受け入れることを意味するからだ。
すでに報道されているように、キプロスの金融セクターはギリシャに大規模なエクスポージャーを抱えている。問題なのは、キプロスの銀行システムが、キプロスGDPを遥かに超える規模に膨れ上がっている事であり、結果、ギリシャからの大きな余波を受ける事になった。キプロスは、最終的に避けたかったEU(EFSF/ESM)からの支援に頼るしか道がなくなってしまったわけだ。
要請規模を考えれば、欧州財政ファンドを揺るがす事は無い、と言ったが、キプロスの金融支援で問題になるのは、そのような数値(支援額)ではなく、各国政府の心理的側面になるだろう。スペイン銀行セクターの問題で揺れていた矢先に17ヵ国中5番目、加盟国のうち3分の1近くが被救済国という、土砂崩れのような状態の中、ドイツやオランダといった北部の債権国の頑なな態度はまた一歩、硬化するのではないか。心理的側面、というのは政策緩和ではなく、政策硬化を意味する。
EFSFの融資限度額の基盤となってきたトリプルA国は減少し、被救済国は増加する。救い手が減り、助けて欲しい国は増加するわけだ。
2年前、EFSFが合意された当初から、破産国家を救ったために破産国家に近付くミイラ取りの構造、と欧州財政ファンドを形容してきたが、今現在北部の債権国は大きく揺れている。
今回5カ国目の被救済国が登場した訳だが、問題はやはりギリシャだ。スペイン銀行問題が軟化したとしても、★ギリシャには報道されない厄介な問題が隠されている。
ギリシャは実は欧州から、EU/IMFの財政基金以外からも(返済不可能な)借入を増加させている。「報道されない手段」によってギリシャは救われ、ユーロ紙幣は隠れて印刷されている。今現在、欧州で問題になっているのは実はこれだ。
どちらにしてもユーロは泥人形と化しつつある、ECBにしても各国政策当局にしても、現在の状態のままであれば、「のちのちのリスク」に怯えたままだろう。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。