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アングル
量的緩和は江戸時代の藩札制度か、紙幣「紙くず化」も
2012年 06月 25日 15:49
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[東京 25日 ロイター] 日米欧の中央銀行が推し進める事実上の量的緩和は、疑似紙幣を大量に増刷した江戸時代の「藩札(はんさつ)制度」と重なる。当時は金や銀の裏付のない「ペーパーマネー」の氾濫で、紙幣は紙くずとなった。
危機対応と景気刺激を目的に大量の資金を供給している今回も、世界的に貨幣価値の劣化を示す兆候がみられており、これ以上の緩和政策を危ぶむ声が出ている。
<紙幣の紙くず化>
江戸時代の日本では、通貨が不足すると各藩が独自に領内で紙幣(藩札)を発行し、財政難の解消を試みた。しかし藩札は金銀に裏打ちされておらず、各藩の財政をもとに信用創造された紙幣だった。乱発した結果、価値が幕府発行の貨幣に対して著しく低くなり、インフレを招くケースが多く見られた。
日米欧各国が推し進める量的緩和は、藩札の乱発と同じ効果をもたらす可能性がある。現在の量的緩和は銀行に対し流動性を供給し、間接的にリスクマネーの拡大を期待する仕組みだが、国債などに集中している多量の流動性が貸出や投資を通じて市中に広がれば、ハイパーインフレによって紙幣は「紙くず化」しかねない。
日銀の白川方明総裁は4月に米ワシントンで講演し、「中央銀行の膨大な通貨供給の帰結は、歴史の教えに従えば制御不能なインフレになる」と警鐘を鳴らしている。
これまでは「紙幣が紙くずになる前にバブルが発生し、バブルによって緩和政策にブレーキを踏む機会が与えられてきた。だが、現在のバブルは株や不動産などの万人にわかりやすい指標ではなく、過去最低利回りを更新する各国の国債に潜んでいる」と東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満氏は話す。国債は利回りが低下しているのでデフレ的だという認識に陥りやすいが、既発債の価格から判断すれば明らかにバブルだという。
<債券バブル>
実際、日米独の国債利回りは歴史的な低水準を記録している。米財務省証券10年物利回りは6月1日に1.4420%と過去最低を更新した。独国債10年物利回りも同日1.1270%と過去最低水準まで低下。日本国債10年物利回りは6月4日に0.790%と9年ぶりの低水準をつけた。
現状では、現在金融危機の真っただ中にあるユーロ圏をはじめ、米国も日本も資金が銀行に滞留し、実体経済はバブルもインフレも無いとの認識が広がっており、ブレーキどころかさらにエンジンをふかす準備をする中央銀行もある。
しかし、白川総裁は今月4日「最適なスピードを超えてアグレッシブに国債買い入れを行うと、金利が反転上昇することも起こりうる」と国債価格の下落リスクを指摘している。
債券価格以外にも紙幣価値の劣化を表す指標がある。今年5月まで100ドル台の高値圏にあった石油価格は、金の価値を基準とする(金価格で割る)と2009年3月以降は大きな変動が無く安定的に推移している。石油や金価格の上昇は、こうした商品相場の値上がりではなく、紙幣の価値が低下したとみなすことができる。
<異常な超過準備>
世界的な「藩札制度」の影響は、国債価格のバブルのみならず、各国で異常な水準に達している超過準備(金融機関が中央銀行に保有する預金のうち所要準備を超える部分)にも現れている。世界金融危機以降、民間の信用創造機能がまひし、流動性が安全を求めて国債や中央銀行預金という究極の安全資産に集まるためだ。
2008年9月のリーマンショック以前は10億―20億ドルだった米銀の超過準備は、過去最高の1兆6000億ドル(約129兆円)まで膨れ上がっている。ユーロ圏銀行の超過準備も7765億ユーロ(約78兆円)と過去最高水準に達している。日銀の当座預金残高は25日に42兆6000億円と過去最高を更新する見込みだ。
「もしもFRBが超過準備を放置すれば、過剰流動性はいずれ実体経済に流れ込みインフレを招くだろう。しかし、急激に吸収すれば、金融機関はバランスを崩し、自己防衛のため貸し剥がしに走るだろう」とスタンフォード大学のジョン・テイラー教授は3月29日付ウォールストリートジャーナル紙で予想した。同様の混乱は日本が2000年のゼロ金利解除後に通った道だ。
<暴走するペーパーマネー>
これだけ刷ってしまった紙幣をどう始末するのか。ペーパーマネーの世界では、一度規律が緩むと引き締め直すのが難しい。1971年のニクソンショック以来、金という裏付を失った紙幣は発行に制御が効きづらく、いつ紙くずになるかわからないというリスクを背負っている。
「基本が紙なので、金融危機や財政難に遭遇すれば、結局は刷ればいいということになって、どうしても極端なところまでいってしまう」と、ある外国銀行のアナリストは指摘する。
前出のテイラー教授は、ペーパーマネーの弱点を踏まえ、規律に基づいた政策運営が最重要と主張する。FRBは80年代から90年代、物価安定という明確な目標の下、予想可能なルールに基づいた政策を運営してきたものの、2003―05年に金利を引き下げ過ぎ、緩和を長引かせすぎた(too low for too long)という。それが過剰なリスク志向を生み、住宅ブームを煽動したと、同教授は批判する。「(最近になって)FRBは裁量権を乱用し、再びtoo low for too longの領域に足を踏み入れている」。
(ロイターニュース 森佳子;編集 伊賀大記)
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増税論議― 誰の言うことが正しいのか?
2012/06/25 (月) 10:50
民主党が割れようとしています。
それに対する私の感想は、あの黄門様の言うとおり、そうなればすっきりしていい!
ただ、誤解のないように言っておきますが、それは、総理の意見が正しいのか小沢氏の意見が正しいのかは別にして、そこまで意見が違うのであれば同じ党にいること自体がおかしいので、割れた方がいいと思うのです。
では、何故民主党が今割れようとしているかと言えば‥増税に賛成するかどうかで意見が分かれているからなのですが‥では、どちらの言う方が正しいのでしょう?
どう思います?
まあ、人々の声は、こんな時に増税は認められないという意見もあれば、増税はいずれ避けられないのだろうから‥という意見まで様々。そして、政治家の意見も、それを反映するかのように様々。
ただ、いずれにしても私は、信念を持って意見をいう政治家にはシンパシーを感じるのです。その反対に、本当は確たる意見はないにも拘わらず、受け狙いや計算で増税反対と大声を出すような政治家や、また、ただ総理に従うという政治家は、如何なものかと思ってしまうのです。
いずれにしても、全然議論が足りない。というか、論点が全然煮詰まっていない。だから、国民は、何がどうなっているのか分からない。
国民の立場からして、増税に賛成するかと言われれば、対GDP比で200%を超えるほどの長期債務残高を抱える日本としては、もう待ったなしではないかと思う反面、増税されれば生活が苦しくなるのは必至であり、できれば避けてもたいたい、と。
ただ、だからと言って、このまま借金を増やし続けていいのかと言えば、やっぱりそれはよろしくないであろう、と。
だったら、どうすべきなのか?
国民は、だから優れた政治家に登場してもらい、誰もが納得する話を聞きたいと思っているのです。
しかし、肝心の総理は、「不退転の決意で‥」などと抽象的なことを言うばかりで、何故今増税なのか、今後増税はどれほど必要になるのか、そもそも今増税をしないとどういう不都合があるのかについて、具体的な話はしないのです。ただ、増税なしでは社会保障制度が持たないだろう、と。
では、小沢氏などが言っているように、今は増税をすべきではないのか?
でもだからと言って、小沢氏を支持したいと思う国民は、彼の特定の支持者を除けばそれほどいないと思うのです。そもそも小沢氏は、あの細川元総理に福祉税構想をぶち上げさせた張本人ではないですか?
つまり、小沢氏は、かつては財務省(大蔵省)と緊密な連携を保って、増税を実現しようとしてきた張本人である、と。で、その張本人が、最近では反対のことを言っている訳なのです。
もちろん小沢氏の言うとおり、民主党はマニフェストでは増税をするなんて一言も言っておらず、また、野田総理自身、3年前までは、増税が必要であるというどころか、その前にシロアリ退治が必要だなんていっていたくせに、総理になったら急に増税が必要だなんて言いだしているのです。
その意味でも野田総理は、とても説明責任を尽くしているとは言えないのです。
国債、つまり国の借金が増えることは何故いけないのか?
そんなこと、敢て問う必要もないくらいなのですが、それでも基礎に立ち戻って改めて考えてみることも有意義なのではないのでしょうか?
何故ならば、その答え如何によって、野田総理が今実現しようとしている増税に対する考え方が整理されるからです。
何故、借金が増えることはいけないのか?
まあ、常識的に考えれば、そんことをしていると、いつかは破綻してしまうからだ、と。
では、日本国政府の借金がどれほどのレベルに達すると、ギリシャのように財政破綻の現実味が帯びてくると言えるのか?
私は、そうしたことに野田総理がしっかり答えるべきだと思うのです。もう大変に危機的ラインに迫っているのか? それとも後5〜6年は大丈夫だと言えるのか、と。
そして、逆に今増税など必要でないし、むしろ増税は悪影響があると言う人々は、借金はあとどの程度続けることができるのかについて納得のいく説明をすべきだと思うのです。
しかし、小沢氏を含め増税に反対する政治家の殆どは、将来のことなど何も言及することなく、先ずは経済回復が先決だ、なんて恐らく実現しそうもないことを言っているだけなのです。
何故、皆、このことについて議論を煮詰めることをしないのでしょう。
そう言えば、新聞社の論説も、このままでは財政は持たないという極めて抽象的な意見ばかりで、そのことについて言及する社はないのです。
それから、一番責任があると思われるのは、財務省。
財務省は、財政赤字が増える最大の弊害を何と言っているのか(「日本の財政関係資料」による)と言えば、
(1)利払い負担が増える
(2)金利が高騰する
(3)世代間の不公平を生じる
と言っているのです。以前だったら、借金ばかりしていると、インフレになることが必至だから‥なんて議論が専らだったのが‥最近では、インフレの議論は吹っ飛んでいるのです。これ、デフレが長く続いているから、インフレになるといっても、余り説得力をもたなくなったということでしょうか?
では、利払い負担が増えるという主張はどうなのでしょうか?
ご承知のように、その意見は一般論としてはそのとおりなのですが、しかし、昨今のように日本の国債の利回りが低下するような状況が続くと、その主張もそれほど説得力はないのです。
それから、将来の世代に借金返済の義務を押し付けることになると言う議論については、将来の世代には国債の保有者、つまり債権者の地位も譲る訳だから‥と言われると、これまたそれほど説得力はない、と。
要するに、財務省が挙げている財政赤字の弊害の理由には、一番大事なものが抜けてしまっているのです。
つまり、一番怖いのは、このまま借金を続けていると、いつかは誰も日本国債を引き受ける人がいなくなり、そうなると日本政府が破綻してしまう、と。
だったら、何故そのことについて政府はもっと説明しようとしないのでしょうか?
そのことについて十分議論をすることなくして、増税に賛成か反対か、或いはどの程度の増税が必要かという結論が出てくることはないのです。
以上
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