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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35521?page=3
***一体誰が
過去4年間というもの毎年、国債発行額よりも税収が少ない政府に対する債権を持ちたいと思うだろうか? また、国の経済規模の2倍以上に上る公的債務の山の一部を所有したいと思う人がいるだろうか?
実のところ、大勢いる。外国人投資家は、かつてない勢いで日本の国債市場に押し寄せている。日銀の発表によれば、今年3月の年度末時点で、海外投資家の国債保有高は国債残高全体の8.3%を占め、過去最高を記録した。
***外国人の保有比率が過去最高に
それ以降、外国勢の保有比率はほぼ確実に上昇している。ギリシャとスペインを巡る不安の再燃で、世界中の資金が日本国債に逃げ込んでいるためだ。
ゴールドマン・サックスのエコノミスト、馬場直彦氏(東京在勤)は、シャープレシオで見た場合、30年物日本国債のリスク調整後の利回りは同じ30年物の米国債の約3倍、ドイツ国債の4倍の高さだと指摘し、日本以上に安全な避難先はないと主張する。
「この市場には、有効な一時的避難所になれるだけの規模と流動性がある」と馬場氏は言う。
だが、日本国債に対する外国人投資家の関心の高まりは、2つの大きな問題を提起するとアナリストらは指摘する。新規参入組は今より高い利回りを求め始めるのか? また、もし外国人が撤退したら、市場に害が及ぶのだろうか?
最初の問いについては、少なくとも当面は、答えは恐らくノーだろう。その他の先進国市場のイールドカーブが日本のそれに近づくに従い、投資家はあまりえり好みしなくなっている。
***マイナス利回りのドイツ国債よりまし
例えば、マイナス利回りのドイツ国債と比べると、1年物の日本国債の9ベーシスポイント(bp、1bp=100分の1%)という利回りは「十分に良い」とバークレイズの債券・金利トレーディング部長、永井秀樹氏は言う。
さらに、ユーロ圏のソブリン債務危機に起因する世界的なドル資金不足は、通貨スワップを利用した場合の日本国債の利回りを押し上げた。為替ヘッジした日本国債の対米国債の金利上乗せ幅は現在、3カ月物で47bp、1年物で55bpとなっている。
JPモルガンの債券ストラテジスト、山下悠也氏は、ユーロ危機が続く限り、「資金力がある実需の投資家は、ドルポートフォリオの利回り拡大のために、マイナスの通貨スワップを利用するだろう」と話している。
***短期債から長期債へシフトする外国人投資家
一方、外国人の撤退が日本国債に害を及ぼすかどうかについては、その答えは恐らくイエスだ。この1年半の大半を通じ、外国人による日本国債の購入拡大は短期国債に集中しており、短期債の外国人保有比率は今年3月末時点で18.5%と、2年前の10.6%から大きく上昇している。
短期国債は市場全体の中で、残存期間が3年以下の国債を数兆円分購入することを確約している日銀が最も大きな影響力を持つ部分だ。
しかし最近、外国人投資家がイールドカーブをじりじり上昇させ始めている。国内金融機関から国債を買い取りながら、今度はより高い利回りを求めて保有国債の残存期間を長くしているのだ。
例えば過去2カ月間で外国人は比較的長期の日本国債を約9000億円買い越しており、今年4月には、超長期国債(残存期間が10年以上の長期債)は突如、6000億円もの大幅な買い越しとなった。2007年以来初めてのことだ。
日本の国債市場は安定しているとはいえ、外国人主導の売りの影響を全く受けないわけではない。例えば2008年春には、海外のヘッジファンドが円のスワップスプレッドに対する賭けで大損を出し、国内の保険会社が買いに入るまで、3カ月間で10年債利回りが50%近く高騰した。
***市場の不安定化要因にも
今年3月には、トレンドを追う投機筋が日本国債先物を大量に売ると、現物債の利回りが一時的に跳ね上がった。
アナリストらは、2010年秋のいわゆる「小沢ショック」も覚えている。財政改革を掲げた当時の菅直人首相を相手に小沢一郎氏が民主党代表戦に挑み、投資家が怖気づいた時のことだ。
バンクオブアメリカ・メリルリンチの債券ストラテジスト、大ア秀一氏(東京在勤)は、外国人投資家が価格に対してより強い影響力を持つようになった今、財政の失策に対する積極的な「チェック」役を果たすようになるかもしれないと言う。
財務省で国債管理政策を担当する野田恒平氏は、新たな需要源は理論上は良いことだが、リスクも伴うと認める。「外国人の参加率の上昇が、外因性の要因が日本国債市場に持ち込まれるリスクを高めることは否定しない」と同氏は言う。
外国人の買いで価格が上昇したのなら・・・
もちろん、市場には多くの安定化要因がある。支援姿勢を強める日銀に加え、銀行は預金と融資の大きな溝を埋めるために国債を買い続けなければならない。
だが、外国人投資家が価格を上昇させたのだとすれば(野村によると、ファンダメンタルズ=経済の基礎的条件=だけからすると、日本国債の利回りは現行水準より20〜30bp高くあるべきだという)、彼らは同じくらい容易に価格を再び下落させることもできるはずだ。
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