http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/632.html
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http://www.mmc.co.jp/gold/market/toshima_t/list.html
スペインに10年カネを貸すとして、貸し倒れのリスクを考えると金利が6%では合わない。7%なら考える。
これが今のマーケットの気持ちである。
実際に国債市場では、スペイン国債に7%の金利で買い手がついている。
では、いったい誰が買っているのか。
7%の高金利に惹かれた個人投資家ということも考えられるが、欧州債務危機悪化の中で敢えて逆張りに出るのは、やはりヘッジファンドであろう。
そして、新たに有力な買い手候補が昨晩浮上した。
EFSF(欧州金融安定化基金)である。
その可能性を示唆する報道が市場に流れたタイミングが、図らずも(或いは図ったのかもしれないが)、FOMC声明発表直後であった。「ツイスト・オペ、年末まで延長」というほぼ事前予想通りの内容で、市場が淡い期待を抱いていたQE3の文言は今回も見当たらず。株式市場では失望感からダウが急落。金価格もストンと落ち1600ドル割れ。そこに、搦め手から、「メルケル首相、スペイン・イタリア国債購入計画に前向き」の報道が流れ、ダウが一気に急騰したのだ。金価格も1610ドル以上へ急反発。
当のメルケル首相は「私の知る限り、そのような具体的計画はない。」と否定。「然し、二次流通市場で国債を購入する可能性はある。」と報道陣にコメントしている。
なお、EFSFのガイドラインには「EFSFは、例外的措置として、厳格な条件つきで、国債発行市場へ介入できる」と明記されている。
★このガイドラインにヘッジファンドは注目し、利回り7%のスペイン国債を買っているのだ。もし、スペインの銀行・財政危機が更に悪化すれば、EFSF(或いはESM)が出動して買い支えてくれるという読みがあるのだろう。
★筆者が冒険投資家ジム・ロジャーズ氏と対談したときに、「ユーロも敢えて買っている。ドイツがついているからね。」と語っていたことを思い出す。同じ発想であろう。
なお、南欧国債買い取りにEFSFの名前が挙がるのは、金融政策の本尊であるECB(欧州中央銀行)が、国債買い取りの量的緩和政策に慎重な姿勢を崩さないからだ。
米国の中央銀行であるFRBも、追加的金融緩和(QE3)という切り札を温存しているのは、「これ以上、カネをばら撒いても、経済成長をもたらすような生産的経済活動にカネが廻ってゆかない」という強い批判を意識してのことであろう。
それでも市場がQE3にこだわるのは、「10万円、或いは1000ドルを手にしても、その殆どは貯蓄されるだろうが、それが100万円、1万ドルとなれば、さすがに一部は消費に廻るであろう」という淡い期待があるからだ。
しかし、消費されずに銀行で貯蓄されるマネーが、結局、国債で運用されるような実態を見ると、何とも切ないものだ。(抜粋/豊島逸夫)
■欧州債(22日):スペイン債が大幅上昇、危機封じ込めを期待http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M60ZNI6K510C01.html
6月22日(ブルームバーグ):22日の欧州債市場では、スペイン10年債が大幅上昇。週間ベースでは1月以来で最大の上げとなった。欧州各国が債務危機封じ込めへの措置を講じるとの期待から、高利回り債を求める動きが強まった。
ドイツ10年債相場は下落。欧州中央銀行(ECB)がオペ担保の条件を緩和したことが手掛かり。 メルケル独首相はこの日、フランスとイタリア、スペインの首脳とローマで協議した。ユーログループのユンケル議長(ルクセンブルク首相)は、スペイン向け融資の主体は当初、ユーロ圏の暫定的な救済プログラムである欧州金融安定ファシリティー(EFSF)だが、恒久的な救済基金、欧州安定化メカニズム(ESM)の発足後は後者に移管されることを明らかにした。
ウニクレディト・グローバル・リサーチ(ミラノ)のシニア債券ストラテジスト、ルカ・カツラーニ氏は「ECBの措置は金融緩和策と同様、リスクテークに対してプラスに作用し、リスク取引を高めるだろう」と指摘、「スペイン国債を目先、押し上げる」と続けた。
(関連記事)
★スペイン:銀行劣後債保有者に損失負わせる案検討中−関係者
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M60UEE6JIJW401.html
6月22日(ブルームバーグ):スペインの政策当局者らは銀行のエクイティと劣後債務を保有している投資家に、債務再編の際に損失負担を求める案を検討している。計画について知る関係者が22日明らかにした。
関係者が匿名を条件に述べたところによると、このような投資家関与は、スペインの銀行向けの1000億ユーロ(約10兆円)規模の救済をめぐる欧州連合(EU)との交渉で示された条件の一つ。優先株などの劣後証券を購入した預金者には、部分的に損失を免れさせる補償プランが検討されているという。
アイルランドは同国の銀行救済で、劣後債保有者に負担を共有させる手法を取った。これを可能にする法律を2010年に制定した。優先債については欧州中央銀行(ECB)が同様の方法を認めなかった。
スペインのデギンドス経済・競争力相は22日、当局は債券保有者に損失を負わせることは検討していないと言明。欧州連合(EU)財務相会合後にルクセンブルクで記者団に「そのようなことは全くない」と述べた。
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