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http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/2729487/
民主、自民、公明が「社会保障と税の一体改革」と銘打ちながら、内実は消費増税率を10%まで引き上げる増税法案で合意し、21日に採決する情勢だ。筆者はこれまで少数派ながら、多くの媒体で「デフレ下の消費増税は国を滅ぼす」と論じてきた。手応えは十分あり、各種世論調査も以前とは違って「今は増税すべきではない」という声が多数を占めるようになった。が、政治のほうはまるで魔物に魅入られたようだ。
メディアの多数派もそうで、大手紙の論説委員の大半は消費増税すれば、日本はギリシャ化を免れると固く信じている。いわゆる社説というものは、いったん展開してしまうと、その線上からブレてはいけない、というのが決まりになっている。企業の場合、主力製品の性能や評判が悪いとなると、さっさと取り下げるか、設計を変更しないと生き残れないのだが、新聞社というのは航路を間違えてもそのまま突き進む体質があると、認めざるを得ない。
「3党合意」成立を受け、「首相は消費増税の実現へひるむな」と叱咤した日本経済新聞の6月16日付社説はその典型例である。
日経に限らず、メディア界では何でも増税の路線がまかり通る。増税法案を成立させなかったら、日本国債は信用を失墜し、ギリシャのそれみたいに投げ売られるだろうという財務官僚の恫喝(どうかつ)に屈したからだ。
もし、そう恐れるなら、国債の焦げ付きリスクを表すCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)市場を見ればよい。増税法案が成立しようとしまいと、CDSは日本国債は財政優等国ドイツよりもリスクが少ないと判定している。米欧の投資家にとって日本の消費増税は円高デフレの持続に伴う日本国債の金融資産価値上昇を確実にする意味がある。日本国債への人気はさらに上昇し、円高デフレが高進する。家計は疲弊し、企業は海外脱出の駒を進めるしかない。税収はさらに激減し、財政収支悪化に歯止めがかからなくなる。
ギリシャの財政破綻はばらまき政策が元凶だ。欧州連合(EU)の基準に沿って付加価値税(消費税に相当)率を引き上げては、年金など社会保障支出を増やしてきた。足りないカネはユーロの信用をテコに海外から借り入れた。政府の対外債務比率が7割に達したところでリーマン・ショックの余波を受け、海外の投資家が逃げ出した。
上記の日経社説は興味深いことに、後半部分では社会保障制度の抜本改革の先送りを指摘し、「これでは穴の開いたバケツに水を注ぐようなものだ」「増税だけが際限なく膨らむ恐れがある」と吐露している。
そう、増税主義の日経ですら、3党合意はギリシャ化の道になるのではないか、と頭の片隅では心配し始めている。なのに、早く増税せよと騒ぎ立てるのは、財務省による刷り込みのなせる技なのだろう。
●言いたいことを言い続ける野田総理と日本経済新聞へ〜責任を伴うことを忘れてもらっては困ります
http://opinion21c.blog49.fc2.com/
「政治家なのだから言いたいことがあれば言えばよい。ただ、それには責任を伴うことを忘れてもらっては困る」
21日付日本経済新聞は、「造反には毅然と対処せよ」という「小沢一郎元代表を支持する議員らは消費増税に反対する姿勢を変えていない」ことを激しく非難する社説を掲載した。
一方、消費増税法案の今国会成立に「政治生命を賭ける」と強調し続けてきた野田首相。その期限となった21日にとったのは、「衆院は21日午後の本会議で、今国会の会期を79日間延長させる与党側の提案について採決し、民主党などの賛成多数で議決した。参院が否決した場合でも、規定で衆院の議決が優先するため、9月8日までの延長が確定した」。
「不退転の決意」だの、「政治生命を賭ける」だの、これまで散々「言いたいこと」を無責任に発言し続けて来た野田総理。「責任を伴うこと」を忘れていなければ、「毅然と」消費増税法案を廃案にし、辞任するなり「対処」をするところだが、国会の会期延長で「責任を伴うこと」は先送りした格好。「79日の会期の延長」は、「言いたいことを無責任に言い続けてきた総理の延命」でしかない。
「シロアリ発言」など、何度も「責任を伴うこと」など都合よく忘れて来た総理の「責任」を追及することなく、マニフェストを反故にする消費増税に反対を言い続ける「小沢一郎元代表を支持する議員ら」に「責任を伴うことを忘れてもらっては困る」という日本経済新聞の言い草には、呆れるばかり。
消費増税法案に関して日本を代表する経済紙を自認する新聞の報道内容は、少し前まで繰り返していた「政局よりも大局」というスローガンを忘れてしまったかのように、「造反議員が何人でるか」といった類の「政局」の話ばかりである。「造反には毅然と対処せよ」という社説でも「衆院での関連法案採決の際、民主党からどれだけの造反者が出るかが政局の次の焦点だ」と、「政局」を前面に押し出す報道姿勢を見せている。日本を代表する経済紙を自認するこの新聞の目指している報道の在り方は、所詮「経済報道は一流、政治報道は二流」といったところなのかもしれない。
この新聞の本質は、下記の記事を新聞紙面で報じていないところに現れている。
「超党派の国会議員でつくる活字文化議員連盟(会長・山岡賢次前国家公安委員長)は20日付で、消費税が引き上げられる場合、新聞・書籍には軽減税率を適用し、現行税率を維持するよう求める声明を発表した。国会で消費増税を含む社会保障と税の一体改革関連法案が議論されていることを踏まえたものだ。
声明は『新聞・書籍の公共性は極めて高い。新聞・書籍に対する消費税率引き上げは、国民の活字離れを加速させる』と危機感を示した上で、『日本の文化と民主主義の基盤を守るため、新聞および出版物の消費税率引き上げには断固として反対し、現行税率の維持を求める』とした」
この記事は、日本の大手新聞社がこぞって消費増税を強烈に支持する影で、「新聞および出版物の消費税率引き上げには断固反対し、現行税率の維持を求める」という、国民をバカにしたような姑息な行動をしていることを明らかにするもの。「国民の活字離れを加速させる」のは、こうした都合の悪い記事を隠蔽することによって、新聞報道に対する信頼が低下しているからである。
こうした事実を紙面で報道しないということは、「新聞・書籍の公共性は極めて高い」という自らの主張を否定するもの。都合の悪い事実を報道しないところに「公共性」などは存在しない。自ら、自らの「公共性」を否定する新聞に、現行税率を維持させる合理性はない。現行税率を維持したいのであれば、消費増税に反対するべきであるし、「公共性」を維持して現行税率を維持したいのであれば、都合の悪い記事を隠蔽するような行為をやめるべきである。再販規制や独禁法などで守られている自分たちだけは、消費増税の悪影響を受けないことを前提にした新聞社による、消費増税推進論に何の説得力はない。
「マスコミなのだから言いたいことがあれば言えばよい。ただ、それには責任を伴うことを忘れてもらっては困る」
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