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海外で使いものにならなければ“社内失業”?!  アジアの現場から見えてくる仕事流出の現状
http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/602.html
投稿者 MR 日時 2012 年 6 月 21 日 05:53:14: cT5Wxjlo3Xe3.
 


http://diamond.jp/articles/-/19753
ぼくは日本を辞めてシンガポールで働くことにした【第1回】 2012年6月21日杉山嘉信

海外で使いものにならなければ“社内失業”?! アジアの現場から見えてくる仕事流出の現状

かつての日本は、たしかアジアで唯一の「先進国」と呼ばれ、それ以外の国々は「発展途上国」と呼ばれていたはずだ。それがいつしか日本は「衰退国」、アジア諸国は「新興国」と呼ばれるようになっていた。
そんななか、自らの成長機会を求めて積極的に海外に拠点を移す日本人たちも出てきた。いまや世界は狭い。「日本人だからといって日本に住みつづけなければならない理由はない」と肩の力を抜いて考え、自分にとってより望ましい環境を国外に求めるという選択肢はおおいにアリなのだ。
このコラムでは、日本での外資企業勤務経験を経て2008年にシンガポールに渡り、現在は彼の地で財務のコンサルティング業務に携わる杉山嘉信氏に、日本の“外”で起こっている現状を伝えていただく。今後6回にわたり、あなたのキャリアを見つめ直すヒントとなる情報をお届けしたい。
僕がシンガポールに渡ったワケ
杉山嘉信(すぎやま・よしのぶ) 1974年、兵庫県生まれ。34歳のとき、外資系企業での管理職ポジションを辞してシンガポールに移住。現在は、シンガポールで年間約600社にコンサルティングサービスを提供し、企業の経営者、実務担当者と毎日のように海外経営戦略について話をしている。米国公認会計士、通関士。http://www.facebook.com/sugisg3
 2008年当時、僕はある外資系企業で働いていました。
 外資系企業では、世界中の優秀な同僚と仕事をし、部下持ちの管理職にもなりました。自分で言うのもなんですが、けっこう充実したサラリーマン生活を送っていたと思います。
 ただ、気になっていたこともありました。日本のプレゼンスの低下と、アジアのグループ会社の台頭です。たとえばグローバル会議で来年の見通しの話をしていると、日本の販売数量は、どれだけ伸ばしてもせいぜい数パーセント。一方、アジアの国の伸び率は2桁が当たり前です。
 とはいえ、そんな不安を感じるのはせいぜい会議に出席したときくらいで、普段は「対岸の火事」のように思っていました。
 そんなある日、ショッキングな事件が起こります。「会社清算」の話が出てきたのです。理由はいろいろあったのでしょうが、思うに遠因は「伸びない日本市場」にあったのだと思います。外資系ではよくある話ですが、僕は突如、自分の行く末を考えなければならなくなりました。
2007年、シンガポールの1人当たりGDPは日本を抜いた。1杯1000円もする日本のラーメン店に行列ができている。以前は駐在の日本人客中心だったが、現在はローカル客が中心。
 ちょうどそんなとき、伸びゆくアジア=シンガポールでの仕事を見つけ、移住を決意しました。現在は、国際財務、経営戦略に関連したコンサルティング業務のフィールドで、年間約600社のクライアントと仕事をさせていただいています。
 このコラムでは6回にわたり、海外から見える日本の状況と、私たちはそれにどう対応すればよいのかを、主に「キャリア」という視点から考えていきたいと思います。
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残念ながら、日系企業はアジア人に不人気
 まず、日系企業のアジアの動向からお話ししましょう。
 日系企業のアジアビジネスは、報道では景気のいい話が多いのですが、実はこちらでも日本と同じように熾烈な競争が繰り広げられています。特に韓国企業、中国企業との競争は厳しく、必ずしも順風満帆ではありません。
 そんななか、いま日本の経営者が重きを置いているのが「経営の現地化」。要するに、意思決定を含めたいろいろなことを現地で決めて、経営のスピードをアップさせようというものです。そのためには、現地のことをよく知り、マネジメントがうまくできる優秀なローカル人材が必要です。
 ですが、いま日系企業には優秀な人材が集まってきません。日系企業は人気がないのです。なぜなのでしょうか?
 理由のひとつは、これまでの日系企業の現地スタッフの活用方法にあります。おおかたの日系企業は、いままで現地の経営を日本人中心に考え、現地スタッフをオペレーターのようにしか活用してこなかったのです。また、その日本人も5年もすれば日本に帰国し、その後は後任者が一からやり直すということが繰り返されてきました。
 これでは現地スタッフのモチベーションが上がるはずもありません。結果、会社を退職する、あるいは会社にとどまっても一定の範囲の仕事以外は行わない社員が増えてしまいました。
 この状況に危機感を抱いた経営者は、現地人材の本社幹部への登用を真剣に考え始めています。
 ある企業では、現地トップや次期役員候補を外国人に変更しています。トップが外国人ですから、その会社の人たちの考え方や制度は当然、外国企業と変わりません。
 また、別の企業のこんな例もあります。この会社はグローバルの幹部研修をシンガポールなどで行っています。人種に関係なく、世界中から幹部候補生を集めて行われるこの研修の場に参加する日本人の比率は3割程度。まだ始まって間もない制度なので「3割」ですが、将来的にはその比率はもっと下がっていくのではないでしょうか。
 このように、いま日系企業では「アジア人材」の活用を本気で考えており、アジア人の人事評価はインフレ傾向にあります。これは翻って言えば、10年後には「日本人」の幹部ポストが半減する可能性を含んでいるということです。

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 いま日本企業は、本社機能の海外移転も進めています。その目的は、現地ですばやく意思決定を行って、外国勢に負けないスピードで経営を行うこと。いわゆる「グローカリゼーション」と呼ばれているもので、海外にミニ本社を作るようなイメージです。
 具体的には、主要な役員の派遣やその判断をサポートする経営企画、経理、財務、人事といったコーポレート機能を海外に移そうと企画しています。
 また、これと同時に考えられているのは日本本社のスリム化。海外に本社機能を移転すれば、当然のことながら日本に同じ機能を残しておく必要がなくなるからです。
 こうなると、いままで日本の本社から海外子会社を指導する立場にあった人が海外に行くことができなければ、ポジションに見合った仕事をこなすことができず、“社内失業”という憂き目に遭うおそれもあります。
 本社の「機能」のみを海外に移すならまだしも、会社によっては本社そのものを海外に移そうと本気で考えているところもあります。このような傾向は、以前は相続税の問題を控えた中堅オーナー企業に多く見られたものでした。日本は相続税が非常に高いため、節税目的で本社をシンガポールに移してしまおうという考えです。
 ところが最近では、名だたる大企業までもが真剣にこれを検討しています。事業の主軸が海外に移ってしまったため、本社もビジネスの主戦場である海外に移そうというわけです(以下の事例参照)。

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 人口減少や円高などの要因を抱える日本では、以上に述べてきたような動きがいっそう加速するものと予想されます。
 そんな状況下、国内派を決め込んでいた人に突如として海外行きの辞令が出る可能性も日に日に増してきています。また海外に出られない場合は、社内でのポジションが見つけにくくなってきているのです。
※次回は6月28日(木)に配信予定です。
 

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