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昨日(6月15日)の朝日新聞朝刊より。以下は私のブログに書いた文章です
17日今日のギリシャ再選挙を前にして、各国中央銀行が、臨戦態勢を取り、一斉に資金供給を準備したと報道されていた。
その準備とは15日の金融政策決定会合後、記者会見した日本銀行の白川総裁は欧州危機を「最大のリスク要因」と強調…いざというときには大量のお金を市場に流し込む用意がある考えを示した。
それはギリシャの再選挙の結果によってはギリシャのユーロ圏離脱が現実味を帯び、ユーロの急落、スペインやイタリアなど南欧諸国の国債暴落、世界同時株安といった混乱が広がりかねない。中略 リーマンショックのような事態の再来が恐れられている。
こうした事態に備え、日米欧6カ国・地域の中央銀行は、銀行に無制限でドル資金などを貸し出す仕組みを作っている。各国はこれらを活用して「不安を鎮めていく」(白川総裁)
上記の記事は何を意味するのか、単なるギリシャ一国の問題ではなく、ユーロ圏全体の不安から世界経済の混乱が起こり得るという事態を想定している。
白川総裁が話した上記の「いざというときには大量のお金を市場に流し込む用意がある考えを示した」これは日本国内の事態にも対処していくという表明にほかならない。平和な日本においてもユーロ問題は我関せずというわけにはいかないようだ。
もう一つの記事を紹介しよう。これも朝日新聞の6月15日の朝刊。
止まらない預金流出 ギリシャ
「ギリシャの銀行にお金を貸してくれるのは、欧州中央銀行(ECB)だけ。預金が引き出されているので、資金繰りは非常に苦しい」ギリシャの民間銀行、ピレウス・バンクの副頭取はそう明かす。中略 中央銀行によると、ELA(緊急流動性資金)ECB(欧州中央銀行)からの融資は1200億ユーロ(約12兆円)を超える。
一方で、国民は自らの資産を守るため銀行からユーロを引き出している。中央銀行の統計では、今年4月末時点の預金は1660億ユーロ。この2年間で約620億ユーロも減った。地元の報道では、5月だけで60億ユーロ、再選挙を控えたここ数日で5億から8億ユーロが引き出されたという。ECBから借りたお金も信用不安から次々と引き出され、「穴の開いたバケツ状態だ」 中略 大手銀行の頭取はこうこぼした「国の信用がなくなるということは、金融が機能しなくなるということだ。ユーロ圏からの離脱に追い込まれれば、ギリシャは完全に崩壊する。
朝日新聞の記事から抜粋引用。
この記事から言えることは現在のギリシャの状況とは「ECBから借りたお金も信用不安から次々と引き出され、「穴の開いたバケツ状態だ」というように市民が銀行から預金を引き出しているということが最大の原因になるようだ。そして国債の金利が高くなるということは、国債を手元に置きたくないと云うことから売りが膨らんでいるということであり、国債よりも現金を於いておこうとする動きが起きているということになる。
ユーロ圏の失敗とはこの市民たちの行動から始まり、拡大して行くのかもしれない。つまりギリシャがユーロ圏から離脱すれば 〉〉かつてのギリシャ通貨「ドラクマ」が復活するが、通貨を売買する為替市場で、ドラクマの相場の暴落は避けられない。通貨の価値はそれを使う国の実力を反映する。ユーロはドイツやフランスの経済力、信用力を反映して高い値段で取引されているが、ドラクマはギリシャの経済力が弱いうえに、債務危機の震源地として信用力もなく、低い評価は避けられない。〉)http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120519/fnc12051902180000-n1.htm 産経mSNより。
ここに問題点がある。つまり現在ギリシャ市民がユーロと言う通貨を銀行預金から引出している状態とは、やがて離脱すればドラクマという通貨は暴落する。そうなれば手持ちのユーロはドラクマに変えるとき差額分が預金者の手元に転がり込む。市民の自己防衛とはいえこの状態を予測できなかったのはユーロ圏自体が甘い考えの元経済圏を作ったと言える。
やがては銀行からユーロという通貨を引き出そうとする動きは、スペイン、イタリア諸国にも拡大して行くだろう。いくらユーロ通貨は安全だといってもここに落とし穴があったということになる。
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