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いきなりですが、貴方に質問です。 VaRショックは、起きると思いますか?
まあ、こんな難しい質問にすぐ答えることができる人は殆どいないでしょう。できるとすれば、日経新聞を丹念に読んでいる人か、牛さん熊さんのブログを読んでいる人くらいでしょう。
「VaRって、どう読むの?」
VaRという言葉が敬遠されるのは、そもそもそれをどう読んでいいのか分からないということにもあるのです。
さあ、これは何と読んだらいいのでしょう?
バー? そう読む人は英語の発音に自信がある人でしょうか。ネットで調べていると、VaRは、バリュー・アット・リスクとあるので、バリュー・アット・リスク・ショックと言うべきなのでしょうか。
また、VaRは、ブイ・エイ・アールと読むのだと解説してあるサイトもあるのですが、まあ英語式に
発音すれば、ヴィー・エイ・アーとなるところでしょう。
まあ、読み方はそれ位にして、ではVaRショックとは何を意味するのか?
その前にVaRとは何か?
実は、VaRというのは、バリュー・アット・リスクの略であり、一定期間に一定確率で発生する最大損失想定額、なんて説明されているのです。
では次に、VaRショックとは何か?
これ、説明するのはちょっと難しいのですが、これを理解するためには、このショックが襲った2003年にまで遡らなければならないのです。
ところで貴方は、10年物国債の利回りがボトムを付けたのは何時で、その水準は幾らかご存知でしょうか?
これについては、このブログで先日ご紹介したところですが、実は、10年物国債は、2003年6月に
0.43%まで下がっているのです。
ご記憶でしょうか? あの当時の経済状況。今年こそは景気が良くなって欲しいなどと皆が望みながらも、景気は良くなるどころか悪化の一途を辿っていた感があったあの当時。銀行の不良債権問題もなかなか改善の兆しを見せない、と。そんな状況で、日経平均は2003年4月には7607.88円のボトムを付けてしまうのです。まあ、株価に反映されるとみてもいい実体経済がそれほど不調であれば、資金は自ずから安全と目される国債に流れて行くしかなく、10年物国債の利回りは、2003年6月にはなんと0.43%という未曾有のレベルにまで落ち込むのです。
では、その後はどうなったのか?
しかし、世間では、いろいろ言われるのですが、その後は悪抜けをしたかのように株価が回復し、
そして、実体経済の方も少しずつ回復を始めるのです。
つまり、実体経済の環境が急変するものだから、国債へ向かっていた資金の流れも急変し、10年物国債の利回りは、一気に1.4%台まで高騰してしまうのです。
でも、何故そこまで金利が急に上がったのか?
それは、VaRの手法で管理していた国債の損失拡大を防ぐために、大手の銀行などが一斉にロスカットに動いたために、益々国債の価格を押し下げてしまったというのです。
これが、専門家の間でVaRショックと呼ばれる出来事なのです。
そして、今再び10年物国債の利回りが大きく低下するなかで、こうしたVaRショックが再来するのではないかと、噂されているというのです。
貴方はどう思います?
「どう思うって言われても‥それに、現在の10年物国債の利回りは0.8%程度だから、2003年6月の0.43%に比べるとまだ高いし‥」
そうなのです。
「でも、そもそもどうして今VaRショックが改めて意識されているの?」
私にもその辺の経緯がイマイチ分からないのですが、少なくても本日の日経新聞にはVaRショックが大々的に取り上げられているのです。「超低金利に反転リスク」がある、と。そして、2003年には
金利が急上昇したVarショックが起きた、と。
★日経には、こんなことまで書いてあるのです。「与野党の社会保障と税の一体改革論議が不調に終われば、日本の財政不安が意識され金利が反転するリスクもあり、市場は消費税政局を注視している」
では、金利が急上昇するとどんな不都合があるかと言えば‥「日銀は金利が1%上昇すると大手銀・地銀に合計6兆円の含み損が発生すると試算する」
さあ、如何でしょう? ここまで来ると、日経の本日の記事に少しばかり違和感を感じてしまうのです。
確かに2003年6月にVaRショックという出来事が起きたのはそのとおりで、銀行の経営者は、絶えず金利反転のリスクについても十分注意しておく必要がある、と。もっと言えば、個々の銀行が国債の暴落に伴う損失を損切りしようと一斉に動けば、そのことが却って損失を膨らませる原因になってしまう、と。
では、損切りは控えた方がいいのかと言えば、一行だけ損切りに出ないようにすれば、その銀行だけ多大な損失を被るということになり‥どう行動していいかが大変難しいのです。
★いずれにしても日経新聞は、消費税の議論が不調に終わらないようにと、この記事を通じて訴えているようにも思えるのですが‥でも、仮に消費税の議論が不調に終わったとしても、そのことが原因で一気に長期金利が1%ポイントも上昇するようなことはないと考えていいのではないでしょうか。
というのも、2003月のVaRショックの原因の一つは、株価が大きく反転したという事実にあるからです。つまり、この先再び金利の反転があるとするならば、その前提として株価が急回復するようなことが起きていることが必要でしょう。それに、ユーロを巡る環境もこの先どうなるのか不確かであるのですから、なおさら今金利反転が起きる可能性は小さいと思うのです。(小笠原誠治)
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