http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/540.html
Tweet |
以下の報道は、何を意味しているのか。
中銀の独立性が損なわれると同時にバランスシートを膨らませ、膨大な不良債権の山を築こうとしている。
この行き着く果ては、何か?
そう、中銀は公的機関へ変貌するのだ!
一民間企業から政府の機関となるのだ。
中央銀行の大再編が行われようとしている...。
●際限ない量的緩和、主要中銀の独立性「全盛期」は終了か
http://jp.reuters.com/article/vcJPboj/idJPTYE85D02C20120614
日米欧4カ国の中銀は2008年以降、量的緩和や国債買い入れなどを通じてなどバランスシートを総額6兆ドル以上増やしたが、市場では欧州債務危機などを背景に今後も追加緩和が繰り返され、これまで独立性を維持してきた中銀と政府の関係に変化が生じるのではないかとの見方が出ている。
米連邦準備理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(英中央銀行)、日銀の「4大中銀」は、すべて次回の政策決定会合で追加緩和の是非を議論するとみられている。
バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのゲイリー・ベイカー氏は「市場は何があっても量的緩和があるというムードだ」と指摘。同社の最新のファンドマネジャー調査によると、回答者の4分の3はECBが10月まで追加の流動性供給を実施すると予想。FRBについても約半数が10月までの追加措置を予想している。
日銀は今年すでに追加緩和を決定。英中銀でもハト派のポーゼン委員が今週、国債とともに中小企業向けローンを買い取るべきだと主張している。HSBCによると、4大中銀のバランスシートは過去4年間で3倍以上に拡大、計9兆ドルに達したが、自律的な景気回復には至っていない。今後の課題は、どこまで副作用を出さずに追加緩和を継続できるかだろう。中銀は当面、金融政策の運営に加え、国債管理や金融・銀行システムの安定でも役割を期待されるとみられている。
市場では、中銀が政府の「エージェント(被使用者)」として市場の安定や銀行監督で行動する場面が増えているとの懸念が浮上。景気回復時の緩和解除は技術的に難しくなく、特に大きな問題にはならないが、政府から引き続き財政赤字のファイナンスを求められた場合に中銀が拒否できるかが懸念要因だとの指摘が出ている。
国際決済銀行(BIS)は報告書で「金融政策と政府の債務管理の境界が急速にあいまいになってきている。政策交流の変化は理解しがたい」と指摘。HSBCのエコノミスト、カレン・ウォード、サイモン・ウェルズ両氏も、量的緩和で最も影響を受けたのは中銀の独立性だと指摘。財政赤字が解消されず経済成長が阻害されれば、高い代償を払い続けることになるとの懸念を示した。両氏は「中銀の独立性が支持された全盛期は終わりに近づきつつある」と分析している。
ヘッジファンド・マネジャーのスティーブン・ジェン氏は、量的緩和について、短期的なメリットよりも、財政健全化の遅れなどデメリットのほうが大きいと指摘。「ある時点で利益とコストのバランスが逆転するだろう」との見方を示した。
●世界最大のヘッジファンドになったFRB
http://agora-web.jp/archives/1464520.html
バーナンキ米FRB議長は、2007年のサブプライムローン問題により住宅バブルが崩壊すると、当初は金利を引き下げて対応していたが、実質的にゼロ金利に到達し、その後の2008年9月のリーマン・ショックからは、さらなる金融緩和を目指して、金融機関から膨大な非伝統的資産を購入した。
このようにアメリカの中央銀行であるFRBのバランス・シートは膨張を続け、現在は3兆ドル弱になっている。現在のFRBは、250兆円ものリスク・アセットを抱える、世界最大のヘッジファンドになっているのだ。
世界の最大規模のヘッジファンドが1兆円から数兆円程度なので、この大きさは桁外れである。
さて、中央銀行をヘッジファンドと見ると、いくつかの違いがある。一番の違いは、ファンディング・コストだ。ヘッジファンドが資産を買う場合は、その分の現金を用意する必要があり、その際に金利などのファンディング・コストが生じる。しかし、中央銀行は自分で金を刷れるので、ファンディング・コストがゼロだ。
二つ目の違いは、ヘッジファンドの顧客は、富裕層や年金基金などだが、中央銀行の顧客は政府そのものだということだ。利益も損失も政府、つまり納税者に帰することになる。
自分でお金を刷れるからといって、それがそのまま利益になるわけではない。中央銀行がやることは、マーケットで一プレイヤーとして、金融商品を買うか、売るか、貸すか、借りるかの四つをやるだけで、これらの取り引きはその時点では常に等価交換である。そして、刷った金は、負債として計上される。
★バーナンキが運用するこの世界最大のヘッジファンドだが、パフォーマンスは絶好調だ。リーマン・ショック直後の大バーゲン・セールの時に、非伝統的資産を買いまくった。そして、それらは大幅に値上がりし、莫大な金利や配当を支払い続けている。2010年には、790億ドルのもの利益をアメリカ政府に納め、2011年にも770億ドルの利益を稼ぎだしている。
もし、バーナンキが通常のヘッジファンドの2・20(マネジメント・フィーが2%で成功報酬が20%)で運用を引き受けていたとしたら、報酬は年間1兆円を軽く超えることになる。それにしても、外資系投資銀行もヘッジファンドも厳しい市場環境で苦戦を強いられる中、年収2000万円程度と、ウォール街の連中よりはるかに薄給のバーナンキが、高いパフォーマンスを出し続けている、それもこれだけ大きなポジションでパフォーマンスを出し続けているのはなんとも面白い。もちろん、ヘッジファンドをやって利益を上げるのがFRBの仕事ではないのだが・・・
(参考記事)
★グリーンスパン氏:欧州危機は改善する前に悪化に向かう
6月13日(ブルームバーグ):グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は13日、欧州危機について、改善する前に悪化するとの見通しを示した。モントリオールの会合で企業関係者に発言した。
(http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M5KZNL6KLVR501.html)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。