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ドイツの財政同盟提案で相場は大転換か(6月11日付・株式新聞コラム記事、「山本伸の株式調査ファイル」より)
http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/497.html
投稿者 元長岡京・豊 日時 2012 年 6 月 10 日 01:34:06: NkKAYPobvEifw
 


 先週火曜日のG7財務相緊急電話会議では具体的な材料は何も出なかったが、株式相場は世界的に大きく反転した。これはおそらく、同じ日にロイター通信が報じた「ドイツが来年3月までに財政同盟に道筋をつけるという政府文書を入手した」との報道が決定打になり、相場の流れを激変させたのではないかと考えられる。

   ◆負のループ◆

 欧州債務危機を沈静化する手段として、これまでユーロ圏共同債の発行や金融安定化基金のさらなる増額、預金保険などを共通化する「銀行同盟」などが検討されてきた。しかし、それらにことごとく反対してきたのがドイツである。
 放漫財政を続ける国を救済するのに、ドイツに負担が集中するのは納得がいかないというのが主な理由だが、ドイツがそれらの提案に反対し続ければ、ギリシャだけでなく、スペインやイタリアまで国債が発行できなくなり、財政破綻に追い込まれる恐れがある。
 このドイツの原理主義的な反対姿勢がヘッジファンドや投資銀行などの投機筋を勢いづかせ、重債務国の国債がさらに売り込まれて、欧州債務危機が深刻化するという「負のループ」からユーロ圏は抜け出せないでいた。
 しかし、先週になってやっとドイツの目的がユーロ圏共同債などの場当たり的な対策ではなく、いわばそれらを超越して各国の財務省を一つにし、予算を共通化する「財政同盟」を結ぶことにあったことが判明したのは大きい。というのも、これは欧州債務危機の強力な「出口」に直結するからだ。ドイツは欧州債務危機を自らあおり、危機をテコにすることで、よりハードルの高い財政同盟まで一足飛びに向かおうとしているのだろう。

   ◆売り崩しから買い戻しへ(ヘッジファンドの換金売りがほぼ終了)◆

 ただ、一口に財政同盟と言っても、ユーロ圏17カ国が同意して、各国が議会の承認を得るまでに最低1〜2年はかかる。それまでヘッジファンドや投資銀行からの売り仕掛けにユーロ圏や世界経済が耐えられるかどうかがポイントになる。
 もっとも、過去2カ月以上にわたる世界同時株安がヘッジファンドなどによる一方的な売り崩しが主因だったため、しばらくは彼ら売り方の買い戻しが優勢になりそうで、場合によっては昨年12月22日の欧州中央銀行によるLTRO(3年もの資金供給)のように、先週が相場の大転換期になった可能性があると言えるだろう。
 しかも、先週末は日本のメジャーSQ(特別清算指数)で、今週は米国もメジャーSQを迎える。この日米のメジャーSQとともにヘッジファンドの6月中間決算に向けた換金売りはほぼ終了するとみられている。つまり、材料面でも先週が相場の転換点になった可能性は大きい。

   ◆先物主導が鮮明に(ボルガー・ルール厳格適用へ)◆

 当欄では4月からの世界同時株安の原因について、欧州債務危機よりも7月からの「ボルガー・ルール」導入のほうが、はるかに大きいと書いてきた。実際、株価が急落した4月、5月の2カ月間で、外国人投資家は日本株を2700億円しか売っていない。
 昨年夏から秋にかけて欧州債務危機が深刻化した際、外国人投資家は日本株を3カ月間で1兆6000億円以上も売っている。つまり、今回の株価急落は、先物やオプションの売り崩しによるところが非常に大きいのである。これは明らかに7月からの「ボルガー・ルール」導入に備えた米投資銀行や、その傘下にあるヘッジファンドの先物・オプションの解消によるものとみてよい。
 この「ボルガー・ルール」に関連して、米議会では先週からJPモルガンの巨額損失問題に関する公聴会が始まり、今週も13日、そして来週19日にも関係者や規制当局者の議会証言がある。先週の公聴会ではFRB(米連邦準備制度理事会)理事や通貨監督局の幹部が「ボルガー・ルール」の厳格適用を訴えており、世論もそれに完全に同調している。一時はウォール街の執拗なロビー活動により「ボルガー・ルール」の骨抜きに動こうとした議会も、厳格適用の方向で動かざるを得ない情勢になってきた。これで、7月以降、株式相場にかなり平和が戻ってくるだろう。

 投稿者コメント〜
 日本株は、すでにファンダメンタルから見ても売られ過ぎていると思います。現物買いなら下値不安は小さい水準です。5月31日の日経平均終値8295円が今年の最安値となる可能性が高く、まもなく中間反騰入りするのではないでしょうか。

   

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コメント
 
01. 2012年6月10日 05:20:14 : TuB3Er34dE
各国の財務省を一つにし、予算を共通化する「財政同盟
ーーーーーーーーーーー

こんな情報どこに有るの???

これじゃユーロ諸国が統一されるのと同じじゃない。
主権者は? 統治するのは誰?

現実的に出来る話ではない
ポジショントーク???


02. 2012年6月10日 09:33:42 : D1ObvRtmzL
>>01
通貨を統一しておきながら財政を統一するのが遅れたから、今のユーロ危機が発生した
わけなんですけどね。

通貨が1つだと為替相場による調整弁が働かないから、富める国はますます富み、
貧しい国はますます貧しくなる。同じ国内ならいろんな方法で富の再分配を図れるが、
国が違えばそれは無理。そこを何とかしようという話だよ。


03. 2012年6月10日 12:13:24 : EszHBBNJY2
ドイツの政治家って勇気あるよな。それとも官僚が優秀なのか?
省益にこだわる日本の官僚とは雲泥の差。
だって、国益も飛び越えてユーロ圏の財務省をひとつにするなんて
英断は、超越した感覚。これしかない。っこれしかないけど、普通は頭で
理解できても感情や感覚的に難しい問題。とても難しい問題に果敢に
向かっていく勇気はすばらしい。

日本の政治家や官僚では絶対に対処不可能な問題。


04. 2012年6月10日 13:40:20 : zEe221xX9o

 投稿者より〜
 以下は、「田中宇の国際ニュース解説」の見出し部分です。有料記事につき、本文内容の転載はできませんが、山本伸氏と若干の視点の違いはあっても、今回の欧州債務危機をテコにして、EUは統合強化の方向にすすむという見方では共通しているように思います。

 ◆ユーロ危機と欧州統合の表裏関係
 【2012年5月17日】 ギリシャ政治危機でユーロが解体するかもしれないと言われている。だがよく見ると、危機のどさくさ紛れにEUが統合を促進するという、以前からの動きと同じものが今回も行われている。EUは、財政協約によって緊縮方向の財政決定権を各国から奪い、成長協約によって拡張方向の財政決定権を各国から奪って、EUの政治統合を進めようとしている。


05. 2012年6月11日 15:39:10 : vOnOLDMO7o
コストヘッジをユーロで取り込んだんだから最後まで面倒見なきゃだわな

06. 2012年6月14日 15:16:43 : sgolhP60mA
01さん と同じ疑問を持ちました。
「財政同盟」の情報も初耳です。「思いつき」として聞いたことはありましたが。

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