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長引く不況。非正規雇用者やニートの層が減らず、将来、そのほとんどが生活保護を申請せざるをえない事態になると、日本は破綻する
“生活保護”崩壊の恐怖!就職難ニートが受給すれば20兆円必要
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120609/dms1206091451009-n1.htm
2012.06.09 夕刊フジ
年収数千万円を稼ぐお笑いコンビ「次長課長」河本準一(37)の母親に続き、同じ吉本興業所属「キングコング」梶原雄太(31)の母親も受けていたことが発覚、生活保護(ナマポ)制度が社会問題化している。過去最大規模で受給者が膨らむなか、ある重大リスクにも注目が集まっている。就職氷河期世代(35〜44歳)の非正規雇用者やニートらが老後に制度を利用すると、最大で約20兆円が支出されるというのだ。衝撃的な試算の中身は−。
悲惨な「未来予想図」をシミュレーションしたのは、国政などに関する政策提言を行う政策研究機関の総合研究開発機構(NIRA)。2008年4月に発表した『就職氷河期世代の老後に関するシミュレーション』のなかで“ナマポ予備軍”に関する重大リスクを指摘しているのだ。
リポートを手掛けた辻明子主任研究員がこう説明する。
「1993年から10年間続いた就職氷河期で、大規模な雇用調整が行われました。この時期に正社員になれず、不安定な就労状況に置かれる若者を多く生んだのが、現在44歳から35歳の世代。その世代の中で、65歳以降に生活保護受給者になるリスクを抱える人を試算すると、実に77万4000人が『受給予備軍』として浮かび上がってきたのです」
辻氏が、調査対象としたのは、非正規就労を強いられて低収入にあえぐワーキングプアや、仕事にさえありつけないニートたち。その中でも、国民年金も払えず、老後に何の保障も得られる見込みのない人たちだ。
彼らが年金を受給できる65歳になったとき、一斉に生活保護を受給し始めたらどうなるのか。
「彼らの寿命を(65歳から)約20年間後と仮定すると、支払われる生活保護費は、総計で17・7兆円から19・3兆円に達する。試算では、年間8000億円から9000億円が国の財政から支出されることになります。これに彼ら以外の受給額も加算されるわけですから、全体では数倍の予算が生活保護費として必要になってくるわけです」(辻氏)
累計約20兆円もの巨額の財政支出が必要になるとすれば、国家財政に与える影響は甚大だが、怖ろしいのは、現実がこの予想を超えるスピードで進行していることだ。
試算が出されたのは、リーマン・ショック前の08年4月。その後の景気減退を受けて、就職氷河期世代の雇用環境はますます悪化。「65歳に達する前に生活保護に頼る貧困層が確実に増えている」(厚生労働省関係者)。
厚労省によると、今年度予算の生活保護費は過去最大の約3兆7000億円で、受給者は209万7401人(今年2月時点)。試算の対象となった35〜44歳を含む30〜49歳の受給者に目を向けると、07年に22万2567人だったのが、09年には26万5179人となった。
「状況は悪くなる一方です。就職氷河期以降の世代にも多くの『予備軍』が控えている。企業側は雇用調整でコストカットに成功したかもしれませんが、若年層の貧困化が進行したことで、安定した雇用の枠からこぼれ落ちた層が生活保護に流れ込むリスクは高まった。将来的に国が負うコストは、企業が雇用調整によって得た収益よりも重いものになるでしょう」(辻氏)
追いつめられた困窮者にとって、生活保護が「最後のセーフティーネット」として不可欠であることに異論はない。
だが、道義的責任を問われる受給者や、収入を偽って不正に受給する悪い奴らも急増中。制度そのものが破綻する前に、明るい「未来予想図」に書き換えなくてはならない。
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