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http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2012/pdf/index.html
1 自殺者数の推移
⑴ 警察庁の自殺統計に基づく自殺者数
の推移
警察庁の自殺統計原票を集計した結果(以
下「自殺統計」という。)によれば(第 1 - 1
図)、平成23年の我が国の自殺者数は 3 万651
人であり、10年以降、14年連続して 3 万人を
超える状態が続いている。
自殺者数は、昭和58年及び61年に 2 万 5 千
人を超えたものの、平成 3 年には 2 万1,084
人まで減少し、その後 2 万人台前半で推移し
ていた。しかし、10年に前年の 2 万4,391人
から8,472人(34.7%) 増 加 し て 3 万2,863人
となり、その後、15年には統計を取り始めた
昭和53年以降で最多の 3 万4,427人となった。
最近では、21年から22年、23年と若干ずつで
はあるが減少しており、23年は前述のとおり
3 万651人で前年に比べ1,039人(3.3%)減少
している。 3 万 1 千人を下回るのは、10年の
急増以降初めてのことである。
⑵ 厚生労働省の人口動態統計に基づく
自殺者数の推移
厚生労働省の人口動態統計(以下「人口動
態統計」という。)により自殺者数の長期的
な推移を見ると(第 1 - 2 図)、第二次世界大
戦後は、昭和30年前後(29年〜35年)に自殺
者が増加しており、33年の 2 万3,641人をピー
クとする最初の山を形成した後、40年代前半
の高度成長期には 1 万 4 千人台前半まで減少
し た。 そ の 後 は 増 加 傾 向 と な り、50年 以 降
は、 2 万人前後で推移していた。
次いで、昭和57年の 2 万668人から58年の
2 万4,985人に増加した後、61年の 2 万5,667
人をピークとする二つ目の山を形成した。平
成 3 年には 1 万9,875人まで減少したものの、
1 0 年 に 前 年 の 2 万 3 , 4 9 4 人 か ら 8 , 2 6 1 人
(35.1%)増加して 3 万1,755人となってから
は、 3 万人前後の状態が続いている。22年は
2 万9,554人となっている。
これら 3 つの山の要因について見ると、昭
和30年前後の最初の山については、戦後の社
会の混乱が残っていた時期であったことが挙
げられる。この時期に自殺者数が最も多かっ
たのは15〜24歳、次いで25〜34歳の若者であ
るが、戦前の価値観からの急激な転換など、
社会経済的に大きな変化により悩みを抱えて
いる人が多かったからではないかとする説
や、青年期に受けた戦時体験が最も強く当時
の青年層に現れたためとする説もある。昭和
60年前後の二つ目の山については、中高年男
性の自殺が多く、プラザ合意による円高誘導
政策によるドルショック、円高不況が要因で
あるとの説がある。平成10年の急増について
は、バブル崩壊による影響とする説が有力で
あるが、その後14年も変わらず高水準で自殺
者数が推移していることについては定説はな
く、今後の分析の課題となっている。
3 年齢階級別の自殺者数の推移
年齢階級別の自殺者数の推移について男女
別 に 見 る と、 人 口 動 態 統 計 に よ れ ば( 第
1 - 6 図)、男性については、昭和30年前後に
15〜34歳の階級が、60年前後に35〜54歳の階
級が、平成10年以降に45〜64歳の階級がそれ
ぞれ大きな山を形成している。女性について
は、昭和30年前後に15〜34歳の階級が山を形
成した後は、男性のような大きな変動はみら
れない。
昭和30年前後は男女とも15〜24歳及び25〜
34歳の階級で自殺者数が増加しており、先述
したとおり戦後の社会の価値観の変化や戦時
体験の影響とする説もある。昭和60年前後は
男性のみが増加しており、中でも35〜64歳の
働き盛りの中高年世代の自殺者が多く、円高
不況が原因という説もある。
平成10年の急増では、特に男性の25〜74歳
の各階級で大きく自殺者が増加しているが、
その後は25〜34歳の階級は横ばい、35〜44歳
の階級は増加する傾向にあるのに対し、45〜
54歳の階級は15年を境に大きく減少し、55〜
64歳 の 階 級 も15年 か ら 減 少 傾 向 に あ る。 ま
た、65〜74歳の階級は横ばいである。なお、
75歳以上の階級は10年の際にもあまり急増せ
ず、一貫してなだらかに増加している。自殺
統計を見ると(第 1 - 7 図)、近年30歳代はや
や増加傾向にある一方、50歳代は15年を境に
減少傾向にあり、年齢階級の設定が人口動態
統計とは違うものの、おおむね同様の傾向を
示している。
平成10年前後での年齢階級別の自殺の動向
を更に詳しく見るため、自殺統計により各年
齢階級の平成10年の自殺死亡率を100とした
推移を見ると(第 1 - 8 図)、全体的には20歳
代及び30歳代で自殺死亡率が高まる傾向にあ
る の に 対 し、40歳 代 以 上 で は 低 下 傾 向 に あ
る。また、20歳代未満では14年にいったん大
きく減少したものの、その後上昇傾向にあ
る。さらに男女別に見ると、男性は、20歳代
が10年以前から一貫して上昇しており、30歳
代は15年にさらに高まった後、そのまま高止
まりしている。40歳代以上の各年代は15年を
ピークに低下している。19歳以下の年代は14
年以降上昇傾向にある。女性は50歳代以上は
減少しているが、その他の年代では上昇傾向
にあり、特に20歳代〜40歳代で著しい。
以上より、自殺者数は平成10年に急増しそ
の後も高止まりしているものの、その要因は
「中高年男性の自殺の増加」だけで説明でき
るものではなく、変化があることが分かる。
即ち、10年の急増の主な要因となった中高年
男性の自殺は依然として多いものの、傾向と
しては減少傾向にあり、男性・女性とも若い
世代の自殺が増加傾向にあることが見て取
れる。
我が国における若い世代の自殺は深刻な状況 に あ る。
年 代 別 の 死 因 順 位 を 見 る と( 第
1 - 9 表)、15〜39歳の各年代の死因の第 1 位
は自殺となっており、男女別に見ると、男性
では20〜44歳という、若手社会人として社会
を牽引する世代において死因順位の第 1 位が
自殺となっており、女性では15〜34歳のさら
に若い世代で死因の第 1 位が自殺となってい
る。
こうした状況は国際的に見ても深刻であり
(第 1 -10図)、15〜34歳の若い世代で死因の
第 1 位が自殺となっているのは先進国 7 ヵ国
では日本のみで、その死亡率も他の国に比べ
て高いものとなっている。
自殺対策トップ 自殺対策白書 平成24年版自殺対策白書 全文(PDF形式)
平成24年版自殺対策白書 本文(PDF形式)
表紙(PDF形式:53KB)
目次(PDF形式:195KB)
第1章 自殺の現状
1 自殺者数の推移(PDF形式:352KB)
2 自殺死亡率の推移(PDF形式:347KB)
3 年齢階級別の自殺者数の推移(PDF形式:457KB)
4 職業別の自殺者数の推移(PDF形式:366KB)
5 原因・動機別の自殺者数の推移(PDF形式:290KB)
6 平成23年の自殺の状況(PDF形式:445KB)
7 同居人・配偶関係別の自殺の状況(PDF形式:308KB)
8 自殺未遂の状況(PDF形式:330KB)
9 国際的に見た自殺の状況と外国人の自殺の状況(PDF形式:342KB)
第2章 自殺対策の基本的な枠組みと動向
第1節 自殺対策基本法及び自殺総合対策大綱
1 自殺対策基本法の概要(PDF形式:286KB)
2 自殺総合対策大綱による取組 1/3(PDF形式:452KB)|2/3(PDF形式:387KB)|3/3(PDF形式:471KB)
〈COLUMN 1〉地域における自殺対策の取組事例集について(PDF形式:197KB)
3 自殺総合対策大綱の見直し(PDF形式:238KB)
第2節 自殺対策に関する意識調査
1 調査の概要(PDF形式:206KB)
2 意識調査の結果(PDF形式:405KB)
3 今後の対策への示唆(PDF形式:228KB)
特集 自殺統計の分析
第1節 はじめに(PDF形式:222KB)
第2節 平成23年の自殺者数の動向について(PDF形式:487KB)
1 概況
2 まとめ
第3節 自殺者数の動向全般について(PDF形式:454KB)
1 ライフステージと自殺の原因・動機の変化
2 高齢化の影響
3 まとめ
第4 節 今後の課題(PDF形式:223KB)
第3章 自殺対策の実施状況
第1節 自殺の実態を明らかにする取組(PDF形式:217KB)
1 実態解明のための調査の実施
2 情報提供体制の充実
3 自殺未遂者、遺族等の実態及び支援方策についての調査の推進
4 児童生徒の自殺予防についての調査の推進
5 うつ病等の精神疾患の病態解明及び診断・治療技術の開発
6 既存資料の利活用の促進
第2節 国民一人ひとりの気づきと見守りを促す取組(PDF形式:332KB)
1 自殺予防週間の設定と啓発事業の実施
〈COLUMN 2〉キャンペーンによる取組(PDF形式:214KB)
2 児童生徒の自殺予防に資する教育の実施
3 うつ病についての普及啓発の推進
第3節 早期対応の中心的役割を果たす人材を養成する取組(PDF形式:222KB)
1 かかりつけの医師等のうつ病等の精神疾患の診断・治療技術の向上
2 教職員に対する普及啓発等の実施
3 地域保健スタッフや産業保健スタッフの資質の向上
4 介護支援専門員等に対する研修の実施
5 民生委員・児童委員等への研修の実施
6 地域でのリーダー養成研修の充実
7 社会的要因に関連する相談員の資質の向上
8 遺族等に対応する公的機関の職員の資質の向上
9 研修資材の開発等
10 自殺対策従事者への心のケアの推進
第4節 心の健康づくりを進める取組(PDF形式:229KB)
1 職場におけるメンタルヘルス対策の推進
2 地域における心の健康づくり推進体制の整備
3 学校における心の健康づくり推進体制の整備
第5節 適切な精神科医療を受けられるようにする取組(PDF形式:186KB)
1 精神科医をサポートする人材の養成等精神科医療体制の充実
2 うつ病の受診率の向上
3 かかりつけの医師等のうつ病等の精神疾患の診断・治療技術の向上【再掲】
4 子どもの心の診療体制の整備の推進
5 うつ病スクリーニングの実施
6 うつ病以外の精神疾患等によるハイリスク者対策の推進
7 慢性疾患患者等に対する支援
第6節 社会的な取組で自殺を防ぐ取組(PDF形式:433KB)
1 地域における相談体制の充実
2 多重債務の相談窓口の整備とセーフティネット融資の充実
3 失業者等に対する相談窓口の充実等
4 経営者に対する相談事業の実施等
5 法的問題解決のための情報提供の充実
6 危険な場所、薬品等の規制等
7 インターネット上の自殺関連情報対策の推進
8 インターネット上の自殺予告事案等への対応等
9 介護者への支援の充実
10 いじめを苦にした子どもの自殺の予防
11 報道機関に対する世界保健機関の手引きの周知
第7節 自殺未遂者の再度の自殺を防ぐ取組(PDF形式:449KB)
1 救急医療施設における精神科医による診療体制等の充実
2 家族等の身近な人の見守りに対する支援
第8節 遺された人の苦痛を和らげる取組(PDF形式:125KB)
1 自殺者の遺族のための自助グループの運営支援
2 学校、職場での事後対応の促進
3 遺族のためのパンフレットの作成・配布の促進
4 自殺(自死)遺児へのケアの充実【再掲】
第9節 民間団体との連携を強化する取組(PDF形式:134KB)
1 民間団体の人材育成に対する支援
2 地域における連携体制の確立
3 民間団体の電話相談事業に対する支援
4 民間団体の先駆的・試行的取組に対する支援
〈COLUMN 3〉東日本大震災発生に伴う内閣府の取組(PDF形式:241KB)
〈COLUMN 4〉岩手県における東日本大震災こころのケア対策について(PDF形式:340KB)
〈COLUMN 5〉宮城県における東日本大震災後の自殺対策について(PDF形式:234KB)
〈COLUMN 6〉福島県における東日本大震災・原発事故後の心のケアの取組(PDF形式:499KB)
資料編
資料1 自殺対策基本法(平成18年法律第85号)(PDF形式:195KB)
資料2 自殺総合対策大綱
(平成19年6月8日閣議決定、平成20年10月31日一部改正)(PDF形式:480KB)
資料3 自殺対策加速化プラン(平成20年10月31日 自殺総合対策会議決定)(PDF形式:340KB)
資料4 いのちを守る自殺対策緊急プラン
(平成22年2月5日 自殺総合対策会議決定)(PDF形式:410KB)
資料5 自殺対策推進会議における意見(PDF形式:337KB)
資料6 自殺対策関連予算等調
(平成22年度〜平成24年度 平成22年度決算額を含む)(PDF形式:321KB)
資料7 自殺総合対策窓口一覧(各府省、都道府県・政令指定都市)(PDF形式:310KB)
資料8 自殺総合対策大綱における施策の実施状況(PDF形式:416KB)
資料9 自殺対策に関する参考統計資料 1/3(PDF形式:151KB)|2/3(PDF形式:469KB)|3/3(PDF形式:391KB)
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