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先進国のぜいたく消費は1.4兆ドル超 欧米で拡大する体験型
2012年 6月 6日 18:59 JST
ハンドバッグや高級車はもう古い。世界の富豪は今やスパでのエステや高級レストランでの食事にもっとお金を費やすようになっている。
米経営コンサルティング大手ボストンコンサルティンググループ(BCG)が公表した新たなリポートによると、先行き不透明な経済情勢にもかかわらず、世界で最も裕福な12カ国の2011年の高級品・サービスへの総支出額は1兆4000億ドル(約110兆円)を上回った。その半分以上(55%)は、高額なモノではなく、リゾート地への旅行やワインを味わうために費やされている。
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南仏の高級リゾートホテル、オテル・デュ・キャップ・エデン・ロック
従来の高級品への消費は、そうした娯楽や趣味にお金を使う「体験型」消費に急速に取って代わられつつある。欧州では、09〜11年の高級品への消費は4%の伸びであるのに対して、体験型消費の伸び率は6%だ。また、米国ではそれぞれ6%と9%だ。
高級品市場が急成長している中国でさえも、同期間の体験型消費の伸び率は28%と、宝飾品やブランド衣料品への消費の伸び率22%を上回っている。だが、中国の消費者は欧米の消費者と比較して、依然モノにお金をかける傾向があるようだ。高額消費全体に占める体験型消費の割合はわずか40%と、欧州の61%や米国の51%と比較して少ない。
こうした消費の変化に既に対応している高級ブランドもある。ルイヴィトンやマークジェイコブズなどのブランドを傘下に持つフランスの高級ブランドグループ、LVMHモエ・ヘネシー・ルイヴィトンは、「シュヴァル・ブラン」のブランド名でホテル開発を行っている。シュヴァル・ブランという名前は同社がフランスのボルドー地方に所有するトップワイナリーの1つから取ったもの。現在フランスのスキーリゾート地クールシュベルで1軒運営しているほか、モルディブやパリ、オマーン、エジプトの島にもオープンする予定だ。
BCGのリポート作成者は、成熟した欧米市場でこうした体験型消費へのシフトが進んでいる大きな理由は人口動態にあると話す。BCGによると、裕福なベビーブーム世代は、退職が近づくにつれ、モノを買うことへの興味が薄れつつある。一方、中国の消費者は高級品を身近に感じ始めて比較的まだ間もないため、靴や自動車などにまだ関心がある。
中国でもスパや旅行などのサービス市場は急速に成長しつつあるが、その背後にある動機は欧米とは異なる、とBCGのパートナー、ビンセント・ルイ氏は話す。「欧米では自身が楽しむことが目的だ。だがここ中国では、高級レストランでの食事は人を招くことや見られることを意味する。つまり富を見せびらかすことが目的であり、それがステータスなのだ」
さらにルイ氏は次のように話す。「高額旅行市場は成長しているが、旅行の内容を見ると欧米とは違う。欧米人はツアー旅行をあまり利用しないが、中国人はまだ利用している。ニューヨークのバーニーズへのプライベートツアーやプライベート・ファッション・ショーの観覧などを含む、超富裕層を対象とした招待者のみが参加できるツアーだ。しかもそうしたショーの合間に不動産を買い求めたり、子供を通わせる私立学校を見学したりもする」
中国の長者番付を行っている胡潤リポートが今週初めに公表した中国の富豪を対象にした調査によると、中国人高額旅行者は団体ツアーを利用しており、ツアーの平均人数は9人。また、調査対象者の85%が自分の子供に海外で教育を受けさせたいと答えており、3分の1が海外に不動産を中心とした資産を既に保有していると回答している。
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【オピニオン】
金融コングロマリットの時代は終わった
ヘンリー・カウフマン
2012年 6月 6日 19:34 JST
巨大金融コングロマリットの時代はもう過ぎた。
近年、有力金融機関が勢力を拡大し、収益性を増していることを考えると、この見方は意外かもしれない。すでに1980年代、90年代に本格化していた金融機関の寡占傾向は、2008年の金融危機でさらに加速。この間、弱体化した企業は、勢力を急拡大したほんの一握りの生き残り企業に吸収された。
危機を経て頂点に残った企業は、難攻不落と思われた。
現在、金融資産の全運用額の75%がわずか10社の金融コングロマリットに集中している。大き過ぎて潰せないという理由だけでなく、2010年に成立した金融規制改革法(ドッド・フランク法)が意図された通りに機能すれば、そういったコングロマリットの経営はさらに安定するはずだ。
このため、予見できる将来も巨大企業による寡占が続くとみる向きは多い。
果たしてそうだろうか。主要な金融機関数の減少を招いた先の危機では、金融機関がはらむ多くのもろさも露呈した。
業容を多角化した巨大金融機関は、市場の両面、つまりポートフォリオの運用・機関投資家としてバイ(買い)サイド、引き受け・ディーラーとしてセル(売り)サイド、金融アドバイザーとしてはバイとセルの両方の立場で業務を行っている。この矛盾は、企業の構造や戦略・意思決定に組み込まれ、公共との利害対立を生むこともある。
また、金融コングロマリットは、上級幹部が効果的に問題に対処しにくいという構造的弱さを抱えている。中間管理職の権限が強まっているが、彼らには、さまざまに取り決められた報酬など、時には無責任なほどのリスクを取る動機がある。企業の最高幹部は、リスク全体を適正に評価し管理するために、そういった報酬の難解な取り決めや拡大した海外事業をよく見極めなければならない。その見極めに時間を割けず、手段を持たない幹部は、他人の評判に頼らざるを得ない。
金融規制改革法には、巨大金融機関の無謀な行動に歯止めをかける目的でさまざまな規制が盛り込まれているものの、規制は解決方法ではない。同法は、大手金融機関を「大きすぎて潰せない」と神聖化する一方で、命令・禁止事項の長大なリストを課している。しかし、良い金融システムとは、手の込んだ規制事項でこと細かに管理されるものではないはずだ。そういった傾向が続くと――巨大な金融コングロマリットが常に厳しい監視の下で経営されると――彼らは金融の「公共事業会社」になるだろう。と同時に、金融機関が金融市場で果たす競争的信用配分という重要な役割は、縮小傾向に向かうだろう。
こうした大型金融機関に自己資本の積み増しを強制することも、方法としていかがなものか。自己資本の積み増しによって先に述べたような利害の対立が解消されたり、縮小されたりするだろうか。そうは思わない。実際、自己資本の積み増し義務がさらなるリスクテイクを後押しする場合もある。
また、他の意味においても、大手金融コングロマリットのパワーは先細り傾向にある。以前、彼らは、新たな金融商品や新技術を導入するといった創意工夫で何十年も規制当局の先を行っていた。今、その差が縮まりつつある。監督当局は当初から証券化の影響に気づくのが遅く、急速なデリバティブの成長への対応が遅れたとはいえ、今はかなり状況がはっきりしている。2008年の危機を経て、当局者も投資家もこうした新手法がリスクを分散する確実な方法だとはみていない。大手金融機関は、規制当局に受け入れられる新たな信用拡大方法の開発に懸命に取り組む必要があるだろう。
かつては大手金融コングロマリットを助けていた情報技術(IT)は、今や規制当局の味方だ。近い将来、信用フローについての情報――取引、ローン、投資、債務の変動といった情報――が、金融機関から規制当局に瞬時に流れる場面を想像するのは無理なことではない。
さらに先に行けば、要求払い預金の全機能が「クラウド」のコンピューターネットワークを通じて政府に取って代わられる可能性もある。一世代経たないうちに銀行の支店業務が時代遅れとなることも十分考えられる。新し物好きだけでなく一般の人々が、銀行手続きをすべて携帯端末で済ませる。マクドナルドやスターバックスなど小売りチェーンが銀行の支店をのみ込む事態だ。
寡占についてさまざまな方面から挑戦を受ける有力金融機関の現職幹部たちが、その圧力にうまく対応しようとする可能性は極めて低いようだ。現職の幹部にとって、変革は好ましくない。株主が行動を求める必要がある。
株主が主張すべき最も重要な方策は、事業規模の縮小である。金融コングロマリットは、事業の一部を売却し、主力業務に専念する必要がある。そうすることは企業だけでなく、我々の金融市場にも経済にも大きなメリットをもたらす。事業規模の縮小は、金融機関のオペレーションをコントロール可能な水準に引き下げ、「大きすぎて潰せない」との概念は崩れ去る。市場における政府の役割も低下するだろう。相互にメリットが働き、株主価値は大幅に上昇する。巨大金融コングロマリットの没落を嘆く必要がないのは、こうした理由があるからだ。
(ヘンリー・カウフマン氏は、ヘンリー・カウフマン・アンド・カンパニーのプレジデント。『The Road to Financial Reformation: Warnings, Consequences, Reforms』の著者)
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サンデル教授、韓国で大人気 プロ野球始球式にも登場
2012年 6月 6日 12:19 JST
【ソウル】米ハーバード大学のマイケル・サンデル教授(政治哲学)の講義は、同大学で最も人気のある講義の一つだ。同教授は韓国でも大人気で、先週末にプロ野球の始球式に参加したほどだ。
韓国では偉大な教師が尊敬されるが、この国でのサンデル教授の著名人としての地位は、大きく急速な変化の力によって形作られている。それは現在の韓国経済の不透明さだ。
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延世大学の屋外劇場で聴衆参加型のディスカッションを行うサンデル教授(1日、ソウル)
サンデル教授が韓国で最初に注目を集めたのは、米国で2009年に放映されたハーバード大学の「正義」に関する一連の講義を昨年韓国のテレビ局が放送したときだった。視聴率は同テレビ局の平均の2倍に上昇した。そのため番組は再放送された。
米国で2カ月前に出版された同教授の最新刊「What Money Can't Buy: The Moral Limits of Markets (邦訳「それをお金で買いますか―市場主義の限界」)はすぐに韓国語に翻訳された。同教授が先週、本の宣伝のためにソウルを訪れた際には、大勢の群衆が集まった。
1日にソウルにある延世大学の屋外劇場で開催された倫理をテーマとした聴衆参加型のディスカッションには1万5000人が集まった。その夜には、韓国3大ネットワークの一つが放映した同じテーマを扱った生放送番組のスタジオに1000人が集まった。本のサイン会には何百人もの人々が訪れた。3日にはソウル最大の野球場で行われたLGツインズの試合で同教授が始球式を務めた。
ソウル市の新市長、朴元淳氏さえも、一部の政策についてサンデル教授に意見を求めた。同教授は医療保険制度には同氏が認識している以上のトレードオフ(代償)が伴うと指摘した。
同教授はあるサイン会後のインタビューで、「驚いたし、圧倒された」と話した。同教授は最近東京やロンドンを訪れた際もかなりの群衆が集まったが、延世大学での様子は「想像以上だった」と語った。
サンデル教授は2時間にわたり、学生や一般の人々が韓国で論点となっている話題について議論を交わすのを取り仕切った。例えば教育費のほか、収入格差の拡大や韓国の徴兵制度の公平性に関する問題だ。
同教授は「これほど大人数でこれほど高いレベルのやりとり、議論、話し合いができたことは素晴らしい」と述べた。
韓国人は、それ以外の国の人々と同様、08年の経済危機からの曲折した回復を経験した。それと同時に、富裕層がますます裕福になっているとの見方が広まるにつれて、人々は平等や機会均等に関して大きな疑問を抱くようになった。
同国ではここ1年にわたり、産業界やメディア界の一部の人物が平等をテーマに取り上げて人気を得ている。ソフトウエア会社を立ち上げ、現在大学の教授を務めている安哲秀氏は、同国の政治や経済の政策を率直に批判したことで人気を集め、今年12月の大統領選挙で有望な候補者になると目されている。
サンデル教授は「目を見張るほどの経済成長期を経て、韓国人は一歩下がり、価値観に関する大きな問題についてじっくり考えるようになった。何が平等な社会を作るのか、物質的支配の外側でお金や市場はどういった役割を担うべきなのかといったことについてだ」と述べ、「現在、こういった問題について考え、公の場で議論する欲求が非常に高まっているようだ」と付け加えた。
シンクタンクの峨山政策研究院が先月、サンデル教授が出した質問について調査を行ったところ、全体の74%は韓国社会が不平等だと回答した。
サンデル教授のサイン会に出席したユー・ミュンジョンさんは、「韓国は急速な発展を遂げたため、お金と物質的なモノを高く評価する状況が長く続いていた。現在は感情や倫理を重視するようになっている。そのため、教授の本や質問は非常に役立つ」と語った。
1日の同教授の講義に参加した大学生キム・スンワンさんは、「お金が一番大事だと考える人が多いが、他の価値観についても考える必要がある」と話した。
峨山政策研究院の調査結果は、韓国人は平等を望む気持ちが強いかもしれないことを示唆している。少なくとも米国人よりはそうだ。調査によると、韓国人の93%は政府が社会的・経済的な不平等を解消すべきだと回答したが、米国人でそう回答したのはわずか56%だ。
また遊園地で行列を回避するためにカネを支払うというのは公平か、という同教授が最新刊で挙げた問題を尋ねたところ、容認できると回答した韓国人がわずか18%だったのに対し、そう回答した米国人は42%に上った。
サンデル教授の魅力の一つは、同教授の講義の番組の中で、米大学で行われている双方向スタイルの講義が垣間見られることだ。韓国では高校卒業後、85%が大学に進学している。しかし、大学の講義は教授の言うことをノートを取りながら静かに聞くスタイルで、教授が質問に答えたり、学生に発言を求めたりすることはほとんどない。
延世大学のイベントに参加した会社員ヤン・ハイウォンさんは、「サンデル教授はディスカッションを継続させ、終わった後、人々に何かを気付かせてくれる」と話した。
記者: Evan Ramstad
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