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スペイン大手銀行バンキアの本店前で、同行の救済計画に抗議する男性=24日、マドリード(ロイター=共同)
金融庁、外国銀行“破綻”を警戒!深刻な欧州危機
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20120606/ecn1206060736002-n1.htm
2012.06.06 森岡英樹の金融スクープ 夕刊フジ
欧州債務危機の深刻化で日本に拠点を持つ外国銀行の経営破綻も絵空事ではなくなりつつある。こうした世界的な金融システム危機に日本の金融当局も身構えている。
金融庁は5月29日、金融審議会「金融システム安定等に資する銀行規制等の在り方に関するワーキング・グループ(WG)」の第1回会合を開いた。同WGに諮問されたテーマは、「世界的な金融危機の教訓や金融監督規制をめぐる国際的潮流を踏まえ、外国銀行支店に対する規制の在り方、大口信用供与等規制の在り方、その他の金融システム安定のために必要な措置について検討。あわせて、金融審議会『我が国金融業の中長期的な在り方に関するワーキング・グループ』における議論等を踏まえ、我が国金融業の更なる機能強化のための方策について検討」となっている。
官僚一流の表現で盛りだくさんの課題が列挙されているが、最も重きが置かれているのは「外国銀行支店に対する規制の在り方」である。端的に表現すれば、「日本に拠点を持つ外国銀行が本国で経営破綻するような事態に陥った場合、日本の金融行政としてどのように対応すべきか。そのための環境整備の在り方」ということであろう。
実際、5月6日のギリシャ選挙で連立与党が惨敗。「ギリシャのユーロ離脱という最悪のシナリオも皆無ではなくなった」(米証券幹部)と市場は警戒している。ギリシャがユーロから離脱すれば、危機はスペイン、イタリアなど他のPIIGS(南欧諸国)に波及することは避けられない。特に懸念されるのはスペインで、失業率は24%まで上昇し、若年層は半数が職に就けない危機的な状況にある。5月9日にはスペイン大手銀行のバンキアが実質的に国有化に追い込まれた。
さらにギリシャでは、連立政権樹立に向けた協議が頓挫し、再選挙が行われるが、「ギリシャのユーロ離脱」「通貨ドラクマ復活」が取り沙汰され、預金の引き出しが相次いでおり、「銀行の取り付け騒ぎ」にまで発展している。
欧州銀の破綻懸念は余波が日本の外銀支店にも及ぶ可能性がある。金融庁では外銀支店の円預金について、預金保険の対象に加える方向で検討に入っている。さらに、経営破綻がグローバルな金融システムに悪影響を及ぼさないよう、「秩序だった破綻処理計画」を事前に策定することがFSB(金融安定理事会)で決められている。
冒頭の金融審WGでの議論は、こうした世界的な金融危機が念頭にある。具体的には破綻処理に伴う現地当局の権限やシステム連鎖が懸念されるデリバティブ契約への対応、破綻処理に関する関係国間の協調などが俎上にのぼるとみられる。
5月7日現在、外銀支店は57行、現地法人化した外資系銀行は2行を数える。総資産は合計で35兆6000億円(11年3月末)に及ぶ。1991年7月に特別清算されたBCCI(バンク・オブ・クレジット・アンド・コマース・インターナショナル)東京支店の再現が懸念されている。
■森岡英樹(もりおか・ひでき) 1957年、福岡県出身。早大卒。経済紙記者、埼玉県芸術文化振興財団常務理事などを経て2004年4月、金融ジャーナリストとして独立。
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