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負のフィードバックループからの脱却=ローレンス・サマーズ
2012年 06月 4日 23:26
トップニュース
ギリシャのユーロ離脱、3分の1の確率=S&P
ユーロ上昇、財政統合強化めぐる期待で=NY市場
スペインが救済基金による直接的な銀行資本増強を模索、独は反対
4月の米製造業新規受注は予想外の減少、全般に需要落ち込む
ローレンス・H・サマーズ
[3日 ロイター] 弱い内容となった米雇用統計、欧州での金融状況の緊張の高まり、中国からのネガティブなニュースなど、過去1週間の展開を踏まえると、世界経済は健全な成長軌道に戻りつつあるという見方は、かなり非現実的になっているようだ。
むしろ、所得の減少によって信頼感が低下し、支出の減少につながり、さらに所得が減少するというように、負のフィードバックループが再び形成されている可能性が高い。金融状況の緊張は特に欧州で、実体経済に打撃を与え、すでに存在する緊張をさらに高めている。そして輸出に依存する新興国市場が、先進国経済の鈍化によって苦しんでいる。
問題は、現在の政策進路が容認可能かどうかではなく、何をすべきかだ。実行可能な解決策を打ち出すには、多くの先進諸国の金利水準に注目すべきだ。米政府は名目上、約0.5%で期間5年の借り入れが可能だ。期間10年では1.5%、期間30年では2.5%だ。名目金利はドイツではさらにかなり低く、日本はもっと低い。
インフレ連動債の金利はもっと注目に値するだろう。世界の投資家は、米国に5年間資金を投資しておくのに実質ベースで100ベーシスポイント(bp)以上、10年間では50bp以上を支払う姿勢を示している。満期が20年以上でなければ、インデックス債の金利はプラスにならない計算だ。
ドイツ、日本では実質金利もさらに低い。前週、英国が実施した期間50年のインフレ連動英国債の入札では実質利回りが4bpとなった。
長期債にまで見られているこうした低金利は、長期借り入れコストを低水準で確定させる機会を市場が提供していることを意味する。例えば、米国では期間5年の資金を政府が借り入れる場合、今後5年間の名目金利は約2.5%、実質金利はほぼゼロになる。
このことは、マクロ経済政策については何を意味するのか。欧米では、長期金利の押し下げに向け、追加量的緩和が必要との見方が大勢だ。現在の弱い経済状況を踏まえると、政策をまったく取らない方が、取り過ぎるよりもリスクが大きいため、追加緩和は適切かもしれない。
しかし、異例の低金利環境で投資が手控えられるなか、さらに25bpや50bpの利下げをしたらどうなるかを考える必要がある。実質金利が60bpのマイナスで不採算と判断される事業が、それよりもさらにマイナスの実質金利で実施されるかも考えなければならない。極めて低い実質金利がさまざまな資産バブルを引き起こさないかも検討する必要があるだろう。
量的緩和観測の再燃には奇妙な点もある。そのような政策の重要な目的は、公的セクターが保有あるいは発行する債務の短期化だ。分別のある民間セクターの最高財務責任者(CFO)であれば、中央銀行と反対のことをして、債務のデュレーションを長期化し、低金利を確保する機会と受け止めるだろう。米財務省の債務管理政策に関する議論ではまさにこのことが強調されている。だが、中央銀行があらゆる債券市場で積極的に行動する場合、債務の期限をコントロールするのは財務省だけではなくなる。
では、何をすべきか。各国政府は、すでに低い金利を押し下げることに注力する代わりに、低水準の借り入れコストを利用し、借り入れを増やし、将来の財政状況改善に投資することで、信用力を向上させることが可能だ。
そうすることで、必要なメンテナンス事業が促進される見通しだ。メンテナンスコストが全般的なインフレ率と同じペース、あるいはそれを上回る水準で上昇すると想定すれば、債務の発行は国を貧しくするのではなく、裕福にする。
わが同僚のマーティン・フェルドシュタイン氏が指摘しているように、これは軍用品の代替サイクルを早める際に用いられる原則だ。これと同様に、政府が国債を発行し、現在借りている場所を買うことは、財政状況改善につながる。借入金利が、物件価値に対する賃貸料率を下回っている限りそういうことになる。
こうした例は実質的な裁定となり、まず考えてみるべきだろう。政府はより安いコストで同じサービスを提供することが可能となる。ゼロを大幅に上回る実質リターンが見込まれる公共投資プロジェクトが多くないとしたら驚きだ。国内総生産(GDP)に対し実質ベースで恒久的に年4セントを生み出す1ドルのプロジェクトの例を考えてみよう。このプロジェクトは、1ドルの支出に対し、少なくとも年1セントの収入を新たにもたらすことになるだろう。実質金利が1%を下回る状況では、そのプロジェクトはケインズ効果を考慮する以前にそれ自体が有効であることがわかる。
このロジックは、低コストで長期の借り入れが可能で安全とされる国は、この機会を利用するべきということを示している。債務危機が懸念される国が共有すべき考え方だ。なぜなら、将来の借り入れ能力に対する懸念が大きければ大きいほど、現時点での長期の借り入れに有効であると考えられるためだ。
もちろん、さらなる借り入れが政府の信用度への懸念を増幅させるのではないかという疑問はある。ただこれは、調達資金が将来の歳出を減らしたり歳入を増やすために使用される限り当てはまらない。
合理的なビジネスリーダーなら、今のような状況を債務の条件決定に大いに利用するだろう。先進国の政府もそうすべきなのだ。
(ローレンス・H・サマーズ氏はハーバード大学教授。元米財務長官)
*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています
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ダウ・S&P横ばい、欧州債務危機や米指標が重し
2012年 06月 5日 06:43 JST 記事を印刷する | ブックマーク | 1ページに表示 [-] 文字サイズ [+]
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トップニュース
ギリシャのユーロ離脱、3分の1の確率=S&P
ユーロ上昇、財政統合強化めぐる期待で=NY市場
スペインが救済基金による直接的な銀行資本増強を模索、独は反対
4月の米製造業新規受注は予想外の減少、全般に需要落ち込む
[ニューヨーク 4日 ロイター] 4日の米国株式市場は、ダウとS&P総合500がほぼ横ばいで引けた。欧州債務をめぐる懸念や弱い米経済指標が引き続き相場の重しとなった。
世界経済減速の兆候や欧州債務危機の悪化を背景に、市場ではリスク資産を手放す動きが加速している。
この日横ばいで終了したダウは前週末1日、予想を大幅に下回る米雇用統計を嫌気し2%を超える大幅な下げとなり、年初来の上昇を帳消しにした。S&P500は年初来の上昇率が1.6%となっており、調整の領域に近づいている。
D.A.デービッドソン& Co.の首席市場ストラテジスト、フレッド・ディクソン氏は「相場の下落は急激かつ大幅で、前週末の雇用統計に対する市場の反応はやや行き過ぎだった可能性がある」と指摘。目先については「欧州から何らかの明るい材料が出てくるまで、じりじりと値を下げる展開になる」との見方を示した。
この日発表された4月の製造業新規受注は季節調整後の前月比で0.6%減と、予想外に減少した。減少は過去4カ月で3度目。アナリスト予想は0.2%増だった。
ダウ工業株30種.DJIは17.11ドル(0.14%)安の1万2101.46ドル。
ナスダック総合指数.IXICは12.53ポイント(0.46%)高の2760.01。
S&P総合500種.SPXは0.14ポイント(0.01%)高の1278.18。
欧州債務危機へのエクスポージャーが最も大きい金融株が売られ、S&P金融株指数は1%安。景気動向に敏感なS&P工業株指数も1%下落した。
ドイツのメルケル首相は、ユーロ圏の財政を中央で所管する当局創設など、欧州委員会、欧州議会、欧州連合(EU)司法裁判所に新権限を与える措置を推し進めようとしており、進展すれば抜本的な危機対策を求める市場の追い風になる可能性がある。
一方、スペインのラホイ首相は、国内金融セクターをめぐる不安が広がる中、欧州救済基金からの直接的な銀行の資本増強を可能にする方策を求めている。欧州委員会はこの構想を支持する考えを示しているが、救済条件の緩和につながるような措置に関して、ドイツは拒否する構えを見せている。
一方、ナスダック.IXICは上昇。アマゾン・ドット・コム(AMZN.O: 株価, 企業情報, レポート)やスターバックス(SBUX.O: 株価, 企業情報, レポート)がともに3%程度値を上げ、上昇をけん引した。
モルガン・スタンレー (MS.N: 株価, 企業情報, レポート)は2.9%安でこの日を取引を終了。3月下旬以降の下落率は41.9%に達した。同社に関しては格下げ観測が浮上しているが、実際に格下げが実施される以前から市場は同社の債券をジャンク級(投機的等級)として扱っており、借り入れコストが上昇している。
フェイスブック(FB.O: 株価, 企業情報, レポート)は3%安。取引時間中には26.44ドルまで売られ、上場来安値を更新した。
ニューヨーク証券取引所、アメリカン証券取引所、ナスダックの3市場の出来高は約71億5000万株と、年初来の1日平均の68億5000万株をやや上回った。
(カッコ内は前営業日比)
ダウ工業株30種(ドル).DJI
終値 12101.46(‐17.11)
前営業日終値 12118.57(‐274.88)
ナスダック総合.IXIC
終値 2760.01(+12.53)
前営業日終値 2747.48(‐79.86)
S&P総合500種.SPX
終値 1278.18(+0.14)
前営業日終値 1278.04(‐32.29)
*情報を追加して再送します。
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関連ニュース
米国株式市場=ダウとS&Pは横ばい、欧州債務危機やさえない米指標重し 2012年6月5日
米株続落、S&P500は月間で昨年9月以来の大幅下落 2012年6月1日
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M5314807SXKX01.html
危機再来織り込むTOPIX、円高追い打ち−割安効かず83年来水準
6月5日(ブルームバーグ):日本株市場で、TOPIXが3年前の世界的金融危機の渦中に付けたバブル経済崩壊後の最安値を更新した。ギリシャに始まる欧州危機への警戒、世界経済をけん引してきた米国、中国経済の減速懸念から投資家の間でリスク資産圧縮の流れが止まらず、ここへきて再度の円高トレンドも追い打ちをかける。
4日のTOPIXは前営業日比2.4%安の692.18 まで下げ、2009年3月12日の日中安値(698.46)を更新。終値では1.9%安の695.51と、1983年12月13日以来の安値水準に落ち込んだ。
BNPパリバ・インベストメント・パートナーズの清川鉉徳執行役員は、「短期筋も中長期の投資家も皆がリスクアセットを減らす一環で、世界的に株式を売っている」と指摘。欧州危機が米国や中国の経済にも悪影響を与え、「世界大恐慌に発展することまでマーケットは織り込みつつある」との見方を示した。
17日に再選挙を控えるギリシャではユーロ離脱懸念がくすぶり、スペインでは大手銀行バンキアの救済をめぐる混乱をきっかけに、金融システム不安が強まっている。西欧の国債15銘柄のCDSスプレッドから成るマークイットiTraxx・SovX西欧指数は、5月末時点で323ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、3月16日に付けた年初来最低の221bpから46%上昇した。
さえない米中統計
米国で1日に発表された5月の雇用統計は、 非農業部門の雇用者数が前月比で6万9000人の増加と、エコノミスト予想の中央値(15万人増)の半分以下の伸びにとどまった。雇用者数の伸びは2カ月連続で10万人を下回り、雇用回復の鈍さを示す結果となった。米国内総生産(GDP)の約7割を占める個人消費への悪影響が懸念される。
また中国では、5月の製造業購買担当者指数(PMI)が前月比2.9ポイント低下し50.4と昨年11月以来、半年ぶりに前の月を下回った。ブラジルの1−3月期GDPは前期比0.2%増にとどまるなど、新興国でも経済指標の弱さが顕著になっている。
日本企業にとっては世界経済の暗雲に加え、再度加速し始めた為替の円高進行も逆風だ。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、今期想定レートを1ドル=80円、1ユーロ=105円とする企業が多く、「足元の為替水準が続けば採算悪化は避けられず、業績下方修正の雰囲気が出てきてしまっている」と言う。1日の欧米市場では1ドル=77円66銭、1ユーロ=95円60銭まで円高が進んだ。
日本経済団体連合会の米倉弘昌会長(住友化学会長)は4日、東京都内で記者団に「こんな急速な円高はわれわれにとってとても耐え切れるものではない。政府・日銀には、臨機応変にいろいろな緩和策を、単独介入も臨機応変にやってほしい」と語った。
高値から2割下落、バリュエーション効かず
TOPIXは3月27日に付けた年初来高値(872.42)から20%下落し、弱気相場入りした。海外の主要株価指数の直近高値からの騰落率(1日時点)と比べても、米S&P500種株価指数は10%安、独DAX指数は16%安、中国上海総合指数は4.2%安、MSCI世界株価指数は13%安で、日本株の弱さが際立つ。
ブルームバーグ・データによると、TOPIXの株価純資産倍率(PBR)は4日時点で0.82倍と、理論上の会社解散価値に当たる1倍を大きく下回る。予想株価収益率(PER)は11.7倍と、米S&P500種株価指数の12.2倍よりもやや低水準。また、株式売り・債券買いの動きが強まった結果、TOPIXの予想配当利回りから日本の10年国債利回りを引いた値は4日にプラス2%と、ブルームバーグ・データで確認できる06年以降で最高を記録した。
投資指標で見ると割安感は強いが、BNPパリバ・インベストメントの清川氏は「欧州債務問題のテールリスクを警戒し、バリュエーションでは異常に割安だと分かっていても、投資家は買いの手を伸ばせない」と説明。今は理屈で動いているマーケットではなく、「バリュエーションの議論をしても仕方がない」としている。
政策催促
三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケットストラテジストは、欧州債務危機をきっかけにグローバルなリセッション(景気後退)に陥らないよう、「下支えする政策」を待たなければならないと強調した。
いちよしアセットの秋野氏は、「スペインのバンキアを中心とした資本不足の銀行に欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)などがしっかり資金を投入し、金融システムを守る姿勢を示せば、センチメントは良い方向に変ってくる」とみている。足元で悪化している投資家心理が好転すれば、「現状の質への逃避が逆回転を起こし、日本株も反発に転じる」と同氏は予想した。
TOPIXが年初来高値を付けた3月27日から6月4日までの東証1部33業種の騰落率を見ると、全業種が安く、下落率上位は証券・商品先物取引(35%)、鉄鋼(31%)、保険(31%)、海運(29%)、パルプ・紙(28%)。TOPIX採用銘柄の同期間の下落率上位はルネサスエレクトロニクス、アルバック、田崎真珠、日本板硝子、グリー、上昇率上位は明和産業、コナカ、ルック、アーク、あらただった。
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更新日時: 2012/06/05 00:00 JST
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