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ユーロ危機:スペインを救う方法  正念場迎えたラホイ首相  EUへの救済要請に近づくキプロス〜危機が国内銀行を直撃
http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/445.html
投稿者 MR 日時 2012 年 6 月 05 日 09:23:51: cT5Wxjlo3Xe3.
 

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35363
The Economist
ユーロ危機:スペインを救う方法
2012.06.05(火

スペインを救うには、財政赤字の削減ではなく、銀行の立て直しに焦点を合わせるべきだ。

ユーロの未来を左右するのは、短期的にはギリシャの政治かもしれない。しかし、この単一通貨に最大の難題を突き付けているのはスペインだ。ユーロ圏で第4の経済規模を持つスペインは、深刻化する景気後退、溺れかけている銀行、急騰する借り入れコストという絶望的な悪循環に陥っている。

 スペインの企業と銀行は、外国の資金をほとんど受けられなくなっている。5月30日には、10年物国債の利回りが6.6%を超え、ギリシャとアイルランド、ポルトガルが救済を要請せざるを得なくなった時の水準に迫った。

 スペイン政府が、問題を抱える貯蓄銀行バンキアの国有化に失敗してから、国内の預金者は神経質になっている。取り付け騒ぎが発生する可能性は十分ある。6月17日に再選挙を控えるギリシャが、近い将来ユーロ圏からの離脱を余儀なくされるような事態になれば、なおのことだ。

 たとえそうした悲惨な事態を回避できたとしても、スペインの不況は容赦なく、この国を支払い不能へと追い込んでいく。

危機の誤診

 スペインの債務危機を解決するのに使える時間は尽きかけている。スペイン政府は根本的に考え方を改める必要がある。だがそれ以上に再考が求められるのは、欧州連合(EU)首脳とドイツ政府だ。

 スペイン政府には、緊縮財政よりも銀行の健全化に注力する自由を与える必要がある。欧州各国も、共同の救済基金をスペインの銀行に直接注入できるようにして支援すべきだ。

 スペインの問題は、政治家が改革の意思を欠くことではない。マリアノ・ラホイ首相率いる保守派の新政権はここ数カ月、労働市場改革を推し進めてきた。スペイン政府は1年ほど前から、年金を削減したり、憲法に債務の上限を書き加えたりしている。

 スペインの問題は、危機の誤診にある。スペイン政府と欧州の当局者は、主な課題は財政だと診断している。信頼を回復し、借り入れコストを引き下げるためには、2011年に国内総生産(GDP)比8.9%に達した財政赤字を早急に削減しなければならないと彼らは主張する。

スペインの政治家が国内銀行の損失処理をためらってきたのは、公的資金の注入が必要になり、財政をますます悪化させると懸念しているためだ。

民間の債務、公的な痛み

 このように財政にばかり目を向けることは、状況を完全に取り違えている。スペインのお粗末な財政はギリシャと異なり、経済の苦境の原因ではなく症状だ。危機の前、スペインはユーロ圏の財政規則をしっかり守っていた。現在でも公的債務残高はGDP比70%程度で、ドイツより低い。

 スペインの債務問題の根源は、アイルランドと同様、政府ではなく民間にある。家計や企業が借金を重ねた結果、不動産バブルが膨れ上がり、国全体が外国に対して巨額の借金を背負うことになったのだ。

 スペインは対外資産をすべて差し引いた後で、家計、企業、政府を合わせて外国に対して1兆ユーロ近くの借金を負っている。GDP比90%以上に相当する額だ。この対外債務残高比率は、既に危機に見舞われたギリシャ、アイルランド、ポルトガルと同等の水準で、先進国の中で圧倒的に高い。

 こうした過剰な民間借り入れのパイプ役を務めていたのがスペインの銀行で、銀行はバブルの終焉で最も大きな打撃を受けている。

 幸い、銀行危機の長い歴史は、何をしなければならないかを教えてくれている。スペイン政府は、これまでのように後手に回って控え目な対応に終始していてはならない。早急に問題の大きさを認め、できれば不良債権処理によって銀行を整理し、残ったものをつぶすか、資本注入をするか決めるべきだ。

 それには公的資金が不可欠だ。過去の同様の事例を見ると、平均してGDPの10%程度の資金が必要になる。ただしアイルランドなどではもっと巨額の資金が必要だった。先進国は通常、資金を市場から調達する。新興国は、国際的な救済基金に頼るのが普通だ。

 スペインは自力ですべての費用を賄うことができるかもしれない。GDPの10%に相当する1000億ユーロを銀行に注入しても、公的債務はGDPの100%以下にとどまる。しかし、問題の規模がアイルランド並みだったとすれば、支援が必要になる。いずれにせよ、欧州の基金からスペインの銀行に資金を注入する方が、同じ信頼の回復でも説得力がある。

 もしユーロ圏諸国が共同でスペインの銀行に直接資金を注入すれば、スペイン財政への打撃を和らげることができ、しかも銀行の弱体化と公的債務の拡大という悪循環を断ち切ることができる。

 苦境にある銀行を欧州の基金で救済するという考え方は、国際通貨基金(IMF)と欧州委員会からも支持を得ている。しかし、政治的な障害がいくつか立ちはだかる。

政治的な障害

 まず、欧州の救済基金から銀行に資金を注入するには、各国の議会で承認を得る必要がある。ドイツは、銀行に直接資金を注入すれば、見返りとして政策上の改革を引き出す余地が小さくなるという理由から反対している。しかしそうなるとは限らない。

 欧州は、銀行に資金を注入する条件として、スペイン政府に貸し付ける場合と同じように改革を求めることができるだろう。政府への貸し付けと違うのは、共同基金で銀行を処理する計画は、実際に機能する可能性があるということだ。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35366
Financial Times
スペイン危機、正念場迎えたラホイ首相
2012.06.05(火)

重大な決断を迫られるマリアノ・ラホイ首相〔AFPBB News〕

発足して半年足らずの、マリアノ・ラホイ首相率いるスペインの中道右派政権が、一時は回避できると確信していた政治・金融の大惨事の可能性に直面している。

 ギリシャやアイルランド、ポルトガルといったユーロ参加国に既に提供されている、国際社会による屈辱的な救済措置を受ける可能性が浮上しているのだ。

 昨年の総選挙で社会労働党に圧勝してから経済改革プログラムを打ち出した国民党のラホイ首相は、先週末に参加した会合で、不安を募らせている財界人に自信を取り戻してもらおうと次のように語りかけた。スペインは「断崖絶壁の縁に立っているわけではない」「楽な状況ではないが、この世の終わりの前夜というわけでもない」と述べたのだ。

 しかしラホイ首相は今後数週間、場合によっては数日のうちに、スペインの将来の経済的繁栄を守ると同時にユーロ圏内で生き残る方法を選択しなければならない。資本が国外に逃げ出し、スペイン国債の利回りも持続不可能な高水準に近づいている(10年債の利回りは、6月1日には6.5%を超えていた)ことから、時間的な余裕はなさそうだ。

 ラホイ首相の選択肢は主に3つあると考えられるが、スペインが特に喜びそうなものは1つもなく、3つともスペイン、欧州、そして世界の経済をリスクにさらす。しかし、選択された時にもたらされる政治的・経済的な結果は、明らかに異なったものになるだろう。

1)全面的な国際的救済措置

 ラホイ政権は欧州連合(EU)の諸機関や国際通貨基金(IMF)による正式な救済を何としても回避したいと考えている。介入はそれ自体屈辱であり、厳しい緊縮財政を義務づけられる可能性も高いことから、救済を受ければ国民党の信用が失墜し、数十年は政権から遠ざかってしまうという恐怖心があるからだ。

 また、他の欧州諸国もスペインには債券市場にとどまってほしいと考えており、そのようなドラスチックなやり方は歓迎しないだろう。既に救済された3国については介入の必要性を認めていたが、スペインの経済規模はこの3カ国を足し合わせたものよりもはるかに大きい。

 スペインを救済するとなれば、EUの資源を限界まで使うことになる。イタリアやベルギー、さらにはフランスでさえ支援が必要なのではないかとの疑問が生じ、ユーロそのものの存続が脅かされてしまうだろう。

 ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)のアナリストたちの試算によれば、スペイン救済のコスト(苦境に陥った銀行の資本増強、財政赤字の補填、既存のソブリン債務の借り換えなどに必要な資金)は2014年末までの合計で4090億〜4550億ユーロに達するという。

 これに対し、今年7月1日以降に設立される予定の欧州安定メカニズム(ESM)に利用できる資金は計5000億ユーロだ。「イタリアは、事態の推移をはらはらしながら見守ることになるだろう」とRBSはコメントしている。

2)「軽め」の救済措置

 これは最も有力なシナリオで、現在でも様々なバージョンがスペイン政府、EU本部、欧州中央銀行(ECB)、ドイツ政府で検討されている。EUの資金を使ってスペインの銀行の自己資本を増強するのがそのポイントで(現行規則では、資金はスペイン政府経由で分配されなければならない)、ECBによる国債買い入れも併せて再開される可能性がある。

 7つの貯蓄銀行が合併してできた大手銀行バンキアを国有化し、赤字の同行には190億ユーロの資本を追加注入する必要があると発表したスペイン政府は、自国の銀行システムを救う資金を外部から調達する必要があることを認識している。スペインが国債市場でその資金を調達するのは難しくなっているからだ。

 しかし、スペインへの救済パッケージについては、他国で政権を崩壊させている「コンディショナリティー(条件)」が極力課されない状態で合意できるのではないかとスペイン政府は期待している。

 「介入を受けず、トロイカ(欧州委員会、ECB、IMF)から条件を課されずに、資金だけ手に入れるにはどうすればよいかが問題になる」。マドリッド在勤の経済アナリスト、ロレンソ・ベルナルド・デ・キロス氏はこう指摘する。

 この選択肢には利点が1つある。スペインの銀行に必要な追加資本の試算は300億ユーロから1000億ユーロを優に上回る額まで幅広いものの、欧州の資金の短期的な活用は全面的な救済よりも管理しやすいのだ。

 スペインの政府高官らは、無条件のEU基金を要求し、スペインでデフォルト(債務不履行)が生じた場合、最も大きな打撃を受けるのはスペインの債権者、つまりドイツとフランスの銀行だとまでほのめかし、EUとドイツの当局者らを怒らせた。

 EUとドイツの関係者は動じていない様子で、無条件の支援策はないと話している。もっとも、EUは実際には、スペインがまだ行っていないことをいくつも要求することはないだろうとも語っている。

3)何もせず静観

 スペインの財務省は大胆にも6月7日に国債入札を行うと発表した。スペイン政府内には、我慢が大事だと考える向きがある。この見方によると、スペインは銀行改革、労働改革、財政改革をはじめ、長期的に経済を健全な状態に戻すために必要なことはほぼすべてやっており、たとえ資金を借りるために高い金利を払うことになっても、今後数カ月間のために蓄えなければならないという。

 財務省が今年、差し迫った資金需要よりも多めに借り入れを行ってきたことや、輸出業者が堅調なこと、5年前には国内総生産(GDP)比10%の赤字だった経常収支が均衡に向かいつつあることは、助けになるだろう。

 しかし今、この戦略がうまくいくと考えるエコノミストや投資家はほとんどいない。経済があまりに悲惨な状況にあるため、政府はEUと合意した財政目標を達成できそうにないからだ。ベルナルド・デ・キロス氏は、GDP比5.3%を目標としている今年の財政赤字が同7%に達する一方、GDP自体が2%縮小すると予想している。

 失業問題は既に労働人口の4分の1を苦しめており、失業者数は600万人に迫りつつある。6月1日に発表されたマークイットの購買者担当者指数は、5月の製造業の経営環境が、リーマン・ブラザーズ破綻後の危機のどん底だった2009年5月以来、最も急激な悪化を見せたことを示していた。

 ギリシャ、そしてギリシャほどでないにせよアイルランドとポルトガルと同様、成長のない緊縮は、政権の座にある人間にとって政治的に有害であり、財政の安定を取り戻すのに役立つかどうか疑わしい。

By Victor Mallet in Madrid


 


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35369
Financial Times
EUへの救済要請に近づくキプロスギリシャ危機が国内銀行を直撃
2012.06.05(火) 

ギリシャ危機が自国の銀行システムに与えた悪影響に対処するため、キプロスが欧州の支援を要請する可能性が高まっている。キプロス中央銀行のパニコス・デメトリアデス総裁が本紙(英フィナンシャル・タイムズ)の取材で明らかにした。

 デメトリアデス総裁はインタビューで、国内第2位の大手銀行キプロス・ポピュラーバンクの資本増強のために最低でも18億ユーロを捻出しなければならない期限が6月末に迫っていることから、欧州連合(EU)に頼る可能性が次第に高まっていると認めた。

 「明らかに、期限が近づくに従って、その可能性が高まっていく」。総裁はこう述べ、キプロスは「重要な正念場」を迎えていると付け加えた。

 ポピュラーバンクのミハリス・サリス会長も、キプロスには、ほかに選択肢がほとんどないと語っている。会長は本紙の取材で、「キプロスに資金を貸す意欲はもう何カ月も前に尽きている」と指摘し、「欧州でなければ、どこから(資本増強の資金を)得られるのか分からない」と語った。

 EUへの緊急支援要請は、これまで欧州の支援を拒み、むしろロシアから資金を借りてきたキプロスにとって苦々しい方針転換となる。折しもキプロスは来月、EU加盟27カ国を代表する議長国になろうとしているところだ。

自国のGDPを上回るギリシャ向け融資残高

 また、支援要請は、ギリシャ危機からの伝染が続いている状況も浮き彫りにする。キプロスは特に大きな打撃を受けた。同国の銀行は、ギリシャ国債の評価減で30億ユーロ以上の損失を被ったうえ、ギリシャの民間部門に対して220億ユーロ以上の融資残高を抱えているからだ。この融資残高は、180億ユーロ規模のキプロスの国内総生産(GDP)をも上回る額だ。

 先月就任したばかりのデメトリアデス総裁は、民間部門の資金や別の国からの融資など、EUによる支援以外の方法でポピュラーバンクの自己資本を増強する可能性はまだ残っていると話している。ロシアは既に、キプロスの債務返済を助けるために同国に25億ユーロ融資している。

 デメトリアデス総裁は、キプロスが6月30日の期限を8月末まで延期してもらうべく欧州当局と協議していることも明らかにした。だが、総裁はさらに、「バックストップ(安全装置)があり、そのバックストップとは欧州金融安定基金(EFSF)だ。必要とあらば、このバックストップを利用することになる」と付け加えている。


 

 

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE85301620120604?sp=true

G7が欧州危機めぐり5日に電話協議、スペインの銀行問題を懸念
2012年 06月 5日 08:20 JST

ギリシャのユーロ離脱、3分の1の確率=S&P
ユーロ上昇、財政統合強化めぐる期待で=NY市場
スペインが救済基金による直接的な銀行資本増強を模索、独は反対
4月の米製造業新規受注は予想外の減少、全般に需要落ち込む

[トロント/ベルリン 4日 ロイター] 日米欧7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁は、5日午前に電話会議を開き、欧州債務危機について協議する。

金融市場では、スペインの銀行危機や、17日の再選挙がギリシャのユーロ圏離脱につながることが懸念されている。

米ホワイトハウスのカーニー報道官は記者団に「欧州の景気回復を確実にし、危機が深刻化するリスクを取り除くのに、これまで講じられた措置が十分であったかどうかについて、市場はなお懐疑的だ。そのため明らかに一段の対策が必要とわれわれは考えている」と述べた。

カナダのフレアティ財務相は、G7の財務相・中央銀行総裁が、5日に電話協議を行うことを明らかにした。

その上で「一部欧州銀の基盤が弱く資本が不足しているという事実や、他の欧州諸国が銀行の資本不足や適切なファイアウオール構築の問題に対処するために十分な措置を依然講じていないこと」が真の懸念材料だと指摘した。

ドイツ政府の報道官は4日、ドイツがスペインに対し国際支援を求めるよう促したとする報道受け、支援を求めるかどうかを決めるのはスペインだと述べた。

スペインは欧州救済基金からの直接的な銀行の資本増強を可能にする方策を求めているが、ドイツは拒否する構え。

一方ドイツは、フランスをはじめユーロ圏参加国に、「財政同盟」構築に向け財政での主権の譲歩を求めている。

G7筋の1人は匿名で「欧州、特にスペインの状況に強い警戒感がある」と指摘。スペイン銀行に取り付け騒ぎが起こらないか懸念されており、そうなればユーロ圏以外にも影響が及ぶ恐れがあるとの見方を示した。

米国はこれまで欧州に対し、危機に対するより強力な対応を求めてきた。オバマ大統領は、欧州の危機は力不足の米景気回復にとって問題との認識を示している。

ある米財務省高官は「欧州首脳は、危機感を強めているようだ。メキシコでの20カ国・地域(G20)首脳会議も念頭に、今後数週間で欧州の動きが加速することを期待する。欧州の銀行システム強化に向けての動きは特に重要だ」と述べた。

<スペインは7日に国債入札>

10年物国債利回りが6.6%付近に急騰しているスペインは、7日に10億─20億ユーロの10年債入札を実施する予定で、市場の反応が注目されている。

米国は、ユーロ圏の支援につながる国際通貨基金(IMF)への資金拠出増に難色を示しており、IMFが危機封じ込めの一役を担う可能性は低いもよう。

あるブラジル政府高官は「財政面からも刺激策を講じる十分な余地のある欧州諸国が今にも実行するべきだと、われわれは主張している」と語った。ブラジル当局者は、刺激策を強化できる財政余地のある欧州諸国は少ないことを認識していることから、これは主にドイツを念頭に置いた発言とみられる。

欧州連合(EU)は28─29日に首脳会議を開催する。ファンロンパイ大統領は4日、ユーロ圏の経済統合計画について、内容に盛り込む要素や達成方法で6月に合意し、年末までにまとめたいとの意向を示した。

これまでのところドイツは、預金の共同保証や経営難に陥った銀行を救済する共通基金を含む銀行同盟に反対を主張。このような措置は、「財政同盟」構築の最後に考えられるべきとしている。

メルケル首相は、バローゾ欧州委員長との会合前に、システム上重要な銀行を欧州の監督当局下に置くという「中期的目標」を検討する意向を示した。

ただ政治的統合強化のプロセスは複雑で、ロイターが入手したドイツ政府の文書では、欧州の経済政策の調整強化については、来年春まで最終決定はないとの見方を示している。

<中国もギリシャのユーロ離脱を警戒>

3人の関係筋が4日ロイターに明らかにしたところによると、中国政府は中央銀行などの主要関係各局に対し、ギリシャのユーロ離脱リスクに備えた緊急対応策を策定するよう要請した。

緊急策には、人民元の安定維持に加え、国境をまたいだ資本移動の監視や国内経済安定に向けた政策の強化などが含まれる可能性があるという。

ユーロ圏関係者はこれまで、巨額の外貨準備を抱える中国に対して、危機国の債券買い入れによりユーロ圏を支援するよう要請してきた。ただ中国は、リスクや世論の批判を意識して消極的な姿勢を示している。

*内容をさらに追加して再送します。

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01. 2012年6月05日 11:08:35 : 3CNLte9sGM
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[マドリード 4日 ロイター] スペインのラホイ首相は、国内金融セクターをめぐる不安が広がる中、欧州救済基金からの直接的な銀行の資本増強を可能にする方策を求めているが、救済条件の緩和につながるこのような措置に関して、ドイツは拒否する構えを見せている。

関係筋が明らかにしたところによると、スペイン政府は欧州委員会とともに、欧州連合(EU)・国際通貨基金(IMF)による全面的な調整プログラムを回避しつつ、救済基金による銀行の資本増強を行う方策を模索している。

同筋は「喫緊の課題は銀行の問題に対処することだ。介入を避けながら、直接的な資本増強を行う方法について協議が行われている。これはスペインの銀行だけなく、(欧州の)銀行全体に対する制度だ」と述べた。

スペイン政府はこの銀行救済案に関して、欧州委が6月28─29日に開催されるEU首脳会議に提案する可能性があるとみている。

欧州委員会のレーン委員(経済・通貨問題担当)は4日、ESMによる直接的な銀行資本増強の可能性を欧州委として検討してきたことを明らかにしたが、現在の協定の枠組みでは実施できないとの考えを示した。

「こうした構想は現在のESM協定には含まれていないものの、銀行同盟の結成に向けた手段などの議論に着手する中、直接的な銀行資本増強の選択肢を検討することが重要だ」としている。

現在の規則に基づくと、スペインは救済基金から融資を受けることは可能だが、そのためには厳しい支援条件を満たすとともに、EU・IMFの監督を受ける必要があり、ラホイ首相にとっては政治的な代償が大きい。

7月に稼動予定の常設の金融安全網である欧州安定メカニズム(ESM)は、銀行への融資が可能だが、当該国の政府による要請が必要となる。

救済基金の最大の出資国であるドイツは、直接的な銀行資本増強に向けたESM協定の見直しには反対しており、拒否権を有する。各国議会が承認した正式プログラムしか、救済基金の使途をめぐる適切な管理は不可能との立場だ。

ドイツ政府のザイベルト報道官は「条件を伴う救済メカニズムを利用するかどうかは各国の政府次第だ。これはもちろん、スペインにも当てはまることだ」と述べ、ドイツがスペインに対し支援を要請するよう促したとする報道を否定した。

その上でスペインは国内銀行の資本再編に必要な資金の規模を明確にする必要があるとの見解を示した。

ラホイ首相は2日、ユーロ圏が域内各国の財政を管理する新たな機関を設立し、ユーロは後戻りできないというシグナルを市場に明確に示すべきとの考えを示した。

ラホイ首相は欧州中央銀行(ECB)に対し、スペイン国債を買い支えるよう要請したが、これまでのところECBはそうした要請には応じておらず、事態打開に向け、首相は異なるアプローチで臨んだとみられている。

首相の発言をめぐっては、支援要請が必要なことを国民に理解させることが目的との見方がある一方、ドイツに対し友好的な姿勢を示したとの指摘も出ている。

<スペインすでに支援要請は可能>

欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の「金融機関の資本増強に関する指針」に基づくと、スペインはすでに支援を要請するための基準を満たしている。

最後の手段としてシステム上重要な銀行の資本増強のための資金が必要、かつすでに2段階にわたる銀行資産の外部監査に着手している、というのが支援要請の条件だ。

ドイツなど一部EU加盟国やECBには、ポルトガルの救済をめぐる苦い経験がある。当時のソクラテス政権が支援にまつわる汚名を避けようと数カ月も支援要請を拒否し、ECBとEUがポルトガルの背中を押さざるを得ない状況に陥った経緯があり、こうした事態は避けたいのが本音だ。

ECBは当時、流通市場でのポルトガル国債の買い入れを停止した。またポルトガルの銀行も、政府に支援要請を促すため、同国国債の購入を止めると警告する前例のない手段に打って出た。

ポルトガル銀行協会の代表、アントニオ・デ・サウサ氏は当時のロイターとのインタビューで、ECBがポルトガルの銀行に対し、同国国債へのエクスポージャーを減らすよう指示していたと明らかにしている。

<銀行監査>

スペインは前月、国内銀行第4位のバンキア救済を決定した。支援コストは235億ユーロ程度と、当初の想定を大きく上回り、スペイン銀が今後もさらなる評価損の計上を迫られるのではないかとの懸念が高まっている。

政府の要請を受けた外部監査会社は、銀行の資産状況について6月半ばに報告する予定。またIMFは6月11日、スペイン金融システムに関する詳細な報告書を公表する見通しで、スペイン銀行セクターの救済コストがどの程度まで膨らむのか一段と明らかになるとみられている。

これらの報告書で、バンキアが例外であることが明らかになることをスペイン政府や大手銀行は望んでいる。だがバンキア救済をめぐる迷走により、政府に対する市場の信頼感は損なわれており、スペイン銀行セクターの救済コストが明確になっても、それが自動的に信頼回復につながるとは言い難い。

あるスペイン銀行筋は「事態はこれ以上悪化しないとの市場の信頼感を回復するのに、(外部監査が)十分かどうかは不透明だ」と話す。

スペイン政府は、市場からの借り入れを通じてバンキア救済原資を確保する方針を示している。

スペイン指標10年債利回りは6.5%に達しているにもかかわらず、同国政府は借り入れコストの平均は4.07%に低下しており、歳出に占める国債費の割合は2%に過ぎないとして、市場での資金調達が困難な状況にはないと主張している。

政治リスクを専門とするコンサルタント会社ユーラシア・グループは、欧州はラホイ首相の痛みを和らげるために最善を尽くすものの、ラホイ首相は将来の選挙への影響を考慮し、支援をできる限り回避すると予想している。

ラホイ政権が実施した財政再建や経済改革が奏功しなかったと判断されるのを避けたいためだという。ラホイ首相は銀行セクター問題の主因は、前政権および6月10日に退任が決定しているオルドネススペイン中銀総裁の対応がまずかったためだと主張している。

あるスペイン政府関係者は、支援要請を行っても借り入れコストが低下するとの保証がない限り、ラホイ首相に支援を求める動機はないと語った。

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02. 2012年6月05日 11:09:38 : 3CNLte9sGM
独政府、「財政同盟」の最終決定は13年春を想定=政府文書
2012年 06月 5日 10:19

[ベルリン 4日 ロイター] ロイターが入手した文書によると、ドイツ政府は、欧州の経済政策の調整強化に関する最終決定は来年春と考えている。

「欧州のさらなる成長─雇用、投資、イノベーション」と題されたこの文書は全8ページで、メルケル首相が金融市場の信頼回復に欠かせないと主張するより緊密な財政統合へのタイムテーブルが示されている。

ただ独政府は、いわゆる「財政同盟」を見据えた最終決定までに約1年の協議や期間を想定しており、これにより投資家の懸念が強まる可能性がある。

文書は、欧州委員会とファンロンパイ欧州連合(EU)大統領が12月のEU首脳会議で具体的な提案を発表することを想定。これをもとに、2013年春の首脳会議で計画が承認されるとみている。

このタイムテーブルには、米国や欧州各国が懸念を示す可能性がある。米国は、ギリシャのユーロ離脱やスペインによる支援要請へとつながる危機の深刻化回避のため、早急な対策を求めている。

アングル:EU首脳会議で焦点の独主導「財政同盟」、政治的に強い抵抗
2012年 06月 4日 14:58


[ベルリン/パリ 3日 ロイター] ドイツのメルケル首相は、ユーロ圏の財政を中央で所管する当局創設など、欧州委員会、欧州議会、欧州連合(EU)司法裁判所に新権限を与える措置を推し進めようとしている。労働市場や社会保障、税制までも欧州全体で協調することも視野に入れている。

ドイツ当局者によると、これら一連の措置で各国が合意することが先決とドイツは考えており、これらで合意しない限り、ユーロ圏共同債や域内の銀行預金を保証する「銀行同盟」について検討しない方針だ。

6月28―29日に開かれるEU首脳会議では、「財政同盟」に向けた工程表策定に向けた合意を目指している。これを基に、EU協定改定への日程などを今年後半に各国が協議する意向だ。ドイツはこれを統合に向けた重要な過程とみており、各国が欧州化を目指すのか、「ドイツの資金を欲しいだけなのかの試金石になる」(独政府当局者)とみている。

スペインのラホイ首相は、ユーロ圏全体の財政を管理する機関創設に支持を表明した。しかしフランスを含め、他の諸国は主権を大幅に移管することになるため躊躇(ちゅうちょ)している。

フランスのオランド新大統領などが求めていた成長戦略についてドイツが一定の譲歩を示したため、6月末の首脳会議での焦点は「財政同盟」に移った。このためオランド大統領は難しい判断を迫られる。フランスのある高官は「大統領にとって大きな課題だ。(財政統合に向け)大統領自身は支持する用意はあると思うが、右派や左派を問わず国内では政治的に(統合を)支持する状況ではない」と述べた。

ドイツなどは財政同盟への信認ある計画を示せば、債務危機の影響が限定的になると見込んでいる。しかしフランスをはじめ、フィンランドやオーストリアなどの懐疑派からの合意を得ても、各国での多大な調整が必要となる5―10年もの長期計画となるため、投資家の信認回復が現時点で得られるかは未知数。

民主主義の観点から正当性も問題となる。欧州各国では、債務危機などへの対応策でEU官僚への市民からの批判も強く、各国議会ではEUの決定から各国の権利を守ろうとする動きもでている。そのため各国首脳が財政統合に向けて国内世論の支持を得るのは難しい。

この問題に対応するため、直接選挙で選ばれる欧州議会の権限を強める動きもある。欧州機関に勤めるあるドイツ当局者は、支援基金である欧州安定メカニズム(ESM)の監督権限は、各国議会から欧州議会に移行する可能性を指摘した。

またフランスの当局者は、欧州委員会が各行の財政への新たな権限を得れば、欧州議会がこれを監視することになるとの見方を示した。この当局者は「民主的な管理が各国ではなく欧州レベルで行われるということが重要だ。欧州各国の国民ではなく、権力を奪われたくない政治家が問題で、相当な抵抗があるだろう」と述べた。

(Noah Barkin、 Daniel Flynn 記者;翻訳 村山圭一郎;編集 佐々木美和)

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03. 2012年6月05日 22:12:25 : IOzibbQO0w
第13回 スペインの抱える問題とは?!これからのユーロの行方

2012年5月6日のギリシャの総選挙で連立与党が大敗したことから再燃した今回の金融危機は、これまで堅調に見えた米株までを崩落させ、いよいよ世界同時株安の様相を呈してきています。

6 月17 日のギリシャの再選挙に向けて同国のユーロ圏離脱が現実的なシナリオとして意識され始め、この選挙で新政権がこれまでの債権国との合意を反故にするようなら、今後の金融支援はなくなり、ギリシャのデフォルト、そしてユーロ圏離脱につながるという見方がユーロ売りを加速させており、ユーロ/円は先週末(6月1日)1ユーロ95円台にまで下落しました。リーマン・ショックの直前には、1ユーロ169円まで上昇したユーロですが、この先下落は続くのでしょうか。

欧州の問題は、ギリシャだけに留まらずスペインにまで波及してきました。 スペインの失業率は24.3%で、EU域内で最悪。若年層の失業率はなんと51.5%、住宅価格は2008年3月のピークから約2割下落し不動産バブルの崩壊が深刻化しています。先にバブル崩壊に直面したアイルランドの不動産下落率は5割に達していることからスペインも2割で収まると見る向きは少ない状況の中で、スペイン政府は年金を減額し、退職年齢を67歳より上に引き上げる計画を検討しているのだとか。

5月9日、スペイン3位の大手銀行バンキアが膨らむ不良債権に白旗を挙げ、政府が45億ユーロもの公的資金を注入し一部国有化を決めたのですが、バンキアは5月25日にはさらに190億ユーロが必要だと表明、スペインの銀行の金融システム不安が広がったのです。一体いくら必要なのでしょうか?!スペインの銀行は不動産融資関連の不良債権の全貌を覆い隠しているとされ、債務返済能力がなく実質的に破綻している不動産開発業者を融資の借り換えを通じて延命させているとの指摘もあります。

また5月25日、スペイン1裕福な州とされているカタルーニャ州(州都バルセロナ)が資金調達を断念し中央政府に支援要請したことも市場の不安を拡大させました。カタルーニャはスペインGDPのおよそ2割を占める大きな州。銀行不安だけでなく地方財政悪化も大きな問題となったことで市場ではスペイン国債が売られ、10年債利回りは5月30日、6.7%にまで高騰しました。

10年物国債利回りの7%は大きな意味を持っており、この水準を超えると利回りの上昇に弾みがつき、自力で市場から資金調達するのが困難になるとされています。つまりスペインは自国で資金調達ができなくなる一歩手前まで来てしまっているのです。

それならEUやIMFに支援要請をすればいいじゃないかと思われるかもしれませんね。 しかし、スペインのラホイ首相はこれを拒否しています。財政破綻の烙印を押されることとなれば市場からの資金調達ができなくなるだけでなく、これまで以上の厳しい財政緊縮策を課されることとなるためです。スペインはECB(欧州中央銀行)にスペイン国債を買ってもらうことで危機を乗り越えたいと考えているようなのですが、ドイツが猛反対しており、これがこの危機を乗り切る得策とも思えません・・・・。

スペインのGDPは1兆5000億ドル(およそ120兆円)とされ、その規模はオーストラリアに匹敵します。

2013年までにスペインが必要とする資金は6668億ユーロ(およそ65兆円)で、これは3年かけてギリシャを支援する金額のおよそ5倍です。EUは危機を乗り越えるためのセーフティネットとしてEFSF欧州安定化基金を設立していますが、この安全網だけではスペインを救済するには足りないと言われており、いよいよ欧州の問題が「埼玉県程度のGDPのギリシャ」の救済を考えるだけでは終わらないところに来ているのです。

しかし、為替市場というのは一方的にある通貨が下がり続けてゼロになってしまうということはありません。ユーロがゼロになることはないのです。崩壊してドラクマやマルクなど各国通貨に戻ってしまうということがあれば話は別ですが、仮にそうした結論があったとしてもまだまだ先の話だと思います。為替相場というのは2通貨間の綱引き。相対的なものです。大きく下げては戻り、戻っては下げてを繰り返し、最終的に居心地のいい水準に落ち着くもの。ユーロ/円相場は4月20日から1ヶ月以上に渡り下落を続け、先週末の米雇用統計の悪化で大きく売り込まれた水準で長い下ヒゲをつけて反発しています。今週はECB理事会も予定されているため、中央銀行への期待からユーロの反発局面となり、心理的節目である100円前後を目指すものと思っています。しかし戻った後は・・・あまりにスケールの大きな債務問題へと波及していることから再度売られる流れとなるのではないか、と見ています。今、最安値水準にまで下がったところを追いかけて売りこむことのないように。

コラム執筆:大橋ひろこ


04. 2012年6月05日 22:14:00 : IOzibbQO0w

ラホイが降参する確率は50−50か

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