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取り残される三菱商事株 豪州炭鉱労使問題、早期解決がカギに   日本株、配当利回りには妙味だが
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投稿者 MR 日時 2012 年 6 月 04 日 00:27:13: cT5Wxjlo3Xe3.
 


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取り残される三菱商事株

豪州炭鉱労使問題、早期解決がカギに

2012年6月4日 月曜日 北爪 匡

 2012年3月期、産業界の多くの企業が東日本大震災やタイの大洪水で業績不振にあえいだ中で、メガバンクと並んで好業績に沸いたのが大手総合商社だ。資源高を主因に、各社が軒並み過去最高益を計上する中、1社だけ取り残された商社がある。最大手の三菱商事だ。

 同社の2012年3月期の連結純利益は4538億円と、メガバンクを除けばNTTに次ぐ産業界2番手。しかし、2011年3月期と比べれば2%の減益だった。株価も冴えない値動きが続く。先週末の終値は前日から13円下げて1522円と、3営業日連続で下落した。

 こうした傾向は、ここ最近始まったものではない。2010年1月4日を100とした株価の推移を見ると、6月1日時点の三菱商事株は65.7。利益水準は2010年3月期から上昇しているにもかかわらず、日経平均株価の値動きすら下回る。122.2の伊藤忠商事、109の住友商事など、ほかの商社と比較すれば、著しく低い水準であることが分かる。


 最大の原因は、ほかでもなくオーストラリアの石炭事業における「不運」の連続にある。昨年は豪州を襲った長雨で、売価の高い製鉄用の原料炭を中心に生産水準が低下した。長雨が去った後に訪れたのは、労働条件の改善を求める炭鉱労働者の断続的なストライキだ。

5月末解決のはずが…

 「今月いっぱいが山場だ」。5月10日の投資家向け決算説明会の場で、三菱商事の小林健社長はこう説明した。5月中、ないし6月初めには労使問題が解決し、炭鉱が正常稼働に戻ると半ば「公約」した。

 しかし、現時点で状況は好転していない。労働者側は5月24日にも、1週間のストライキ入りを表明し、その後の労使交渉も妥結には至っていない。一向に解決しないこの問題によって、株も売りが先行している格好だ。この間、三菱商事は合弁相手である英豪系資源メジャー、BHPビリトンと外部労働者を急遽雇い、なんとか6割の稼働率は維持している。しかし、臨時で雇う分のコスト高が、伸び悩む稼働率に加わって、業績の重しとなっている。

 BHPとの合弁である豪州の石炭会社は、三菱商事にとって最大の稼ぎ頭であることは間違いない。こうした不幸に見舞われた12年3月期ですら、1000億円を超える利益配当を同社にもたらしている。これは同社の利益全体の4分の1に相当するだけに、労使問題が業績に与えるインパクトも甚大だ。

 三菱商事は2013年3月期に、純利益で5000億円と、過去最高益を見込んでいる。しかし、長引く労使問題から、市場では「達成できないのでは」という声が広がり、早くも業績予想の下方修正リスクすら取り沙汰されつつある。

資本は増えても利益が伸びない

 もっとも、株価低迷は豪州石炭事業の利益率低下だけが原因ではない。野村証券の成田康浩アナリストは、「ROE(株主資本利益率)が2010年に、業界でも真っ先にピークアウトしたのが三菱商事」と分析する。確かに、同社の2012年3月末時点のROEは13.5%と、1年間で1.6ポイント減少している。

 2012年3月期の年後半から、同社は資源・エネルギー関連を中心に、大型の買収を繰り返している。しかし、「資本が積み上がっている割に、利益が伸びていない」(成田氏)状況に陥っている。高額の資源権益取得に走ること自体は、ほかの商社も同じ構図に当てはまるが、豪州石炭事業の影響が大きいだけに、相対的な業績・株価の低迷につながってしまっている。

 逆を言えば、「株価水準は今がボトム」(アナリスト)との上昇期待も根強い。豪州における労使問題の解決で、世界的な原料炭需給が緩み、価格下落との観測もあるが、「生産水準の回復で利益はカバーできる」(成田氏)とされる。

 また、石炭事業以外の事業では、資源価格が足元で弱含みな中、底堅さを維持している。中でも非資源部門は安定した利益成長を続けており、今期は前期から約2割増の1880億円の利益を生み出す見通しで、商社トップの水準。これは高収益でも変動性の高い資源部門に対し、利益率は低くても業績全体の安定性を保つことを意味する。小林社長も、「非資源でこれだけ伸びることができ、我々の会社も自信を持てた」と胸を張る。財務指標もネットの有利子負債倍率が2012年3月末で1.0と、商社の中でも低く、健全性を保っている。


 業績の変動の激しさから長期保有が敬遠され、割安とされてきた商社株。安定成長の基盤である非資源部門が着実に育ちつつある中で、高収益の源泉である資源部門を上乗せすれば、こうした構図が覆る機運も生まれよう。豪州の労使問題の早期解決は、その一里塚になりうる。


Movers & Shakers

いま、世界と日本の金融資本市場を揺り動かしているのは何か。株式、為替、債券、商品などの市場関係者が最も注目している銘柄やトピックに焦点を当て、それを基軸にマーケットの動きを読み解き、週明け以降を展望する。毎週月曜日に配信し、ビジネスパーソンに役立つマーケット分析・予想を提供するコラム。

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北爪 匡(きたづめ・きょう)

日経ビジネス記者。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120601/232845/?ST=print


日本株、配当利回りには妙味
日本の株式市場
居林 通  【プロフィール】 バックナンバー2012年6月4日(月)1/1ページ
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欧州不安の再燃や円高で、再び調整色を強める日本株。ただ、配当利回りと長期金利との関係では明らかに割安だ。円高の収束などきっかけさえあれば、水準訂正も期待できる。

 日経平均株価の調整が続いている。欧州危機の再燃や米経済の減速など、弱気になる材料は確かに多い。しかし、冷静に考えて、ギリシャ経済が日本にとってどれほどの重要性があるだろうか。米国が本当に、再度の景気後退に陥ってしまうだろうか。株式相場が「織り込むべきもの」と「織り込んでしまっているもの」が異なっており、間違った値付けになっていると見ている。

 株価は割安で、いずれ一定の反動高が期待できると考えるならば、今は投資の好機だ。そして、株式相場の本来の居所を探るうえで注目してよいのが、1株当たりの年間配当金を株価で割って求める「配当利回り」と、長期金利(10年物国債利回り)の関係だ。


 配当利回りは東京証券取引所第1部の今期予想ベースで2.6%にも上る。対して、長期金利は日銀の積極的な金融緩和もあって0.8%台で推移している。配当利回りは長期金利の3倍にも達し、これは過去最高の水準だ。

 大ざっぱな計算だが、配当利回りを国債利回りで除した「配当利回り・国債利回り比率」が昨年末の水準である2.5倍に戻るだけで、日経平均株価は1万円を上回る。長期金利の低下だけでなく、震災からの復旧を終えた企業が次々と増配を表明していることも株価の割安さを際立たせている。

 ちなみに、先進国ではおしなべて配当利回りの方が国債利回りより高くなっている。それでも、上記の比率は米国で1.6倍、英国で2.3倍、ドイツで2.8倍ほどだ。国際比較でも日本株は割安と言えるだろう。

 では、どの程度の水準訂正を期待できるのか。UBS証券のウェルス・マネジメント部では2012年末の日経平均株価を1万1000円と予想している。これには、いくつかの根拠がある。

今期40〜50%の増益も

 まずは企業収益。2013年3月期の日本企業の純利益は、主要500社に限れば40〜50%の増益を見込む。本業の回復に加え、震災やタイの洪水に伴う特損が一巡することが大きい。先入観とは異なり、米経済は家計の過剰債務問題を抱えながらも緩やかな回復が続いている。中国やインドの成長が減速しているのは確かだが、インフレの沈静化に伴って金融緩和の余地が生じていることが緩衝材になるだろう。

 為替相場についても、一方的な円高はそろそろ収束すると考えている。1ドル=80円という水準は購買力平価や実質実効為替レートで見ても適正と言えるレンジにあるし、日本の貿易黒字が大幅に縮小することで円買いの実需が減少していくだろう。日本企業の営業利益率は度重なる円高にもかかわらず5%前後を保っている。これは1ドル=110〜120円だった2007年に比べても2〜3ポイント低いにすぎない。円高の荒波さえやめば、日本企業の利益はV字回復する。株式相場が反転に向かう契機にもなるだろう。

 ただ、日経平均株価が1万1000円を大きく超えて上昇し続けると考えるのは早計だ。ロシアなどいつかの例外を除き、世界中の株式相場はPER(株価収益率)10〜15倍に収斂しつつある。会計制度の違いが少なくなり、投資家や事業会社の活動がグローバルになっていることの表れだ。

 1万1000円はPERで見て15倍ほど。2014年3月期の利益成長の見込みが立たない中では、この程度の反発が精いっぱいだろう。より保守的に考えて9000円割れで買い、1万円で売るのは悪くないアイデアだ。

(構成:張 勇祥)

日経ビジネス2012年6月4日号24ページ
−日本株、配当利回りには妙味− より  

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