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焦点:
経済危機のギリシャ、国の未来を蝕む「心の傷」
2012年 06月 3日 13:21
5月の米自動車販売は年率1400万台割れ、予想下回る
米株市場は大幅続落、雇用統計を嫌気
監視委が米SECに協力要請へ、増資インサイダーで海外調査も本格化=関係筋
独2年債利回りが一時マイナス、スペイン利回り高止まり
[ロンドン 31日 ロイター] 経済危機に見舞われているギリシャのような国では、自ら命を絶つ人が1人いれば、その20倍の自殺未遂者がいるとされる。また専門家らは、実際に自殺を図る人の背後には、うつ病やアルコール依存症、不安障害など多くの精神疾患も潜んでおり、経済の混乱がもたらすそうした人的被害は、若年層を中心に危機収束後も長く影響が残る可能性があると警告している。
英ケンブリッジ大学の社会学者デービッド・スタックラー氏は「緊縮(財政)によって、危機は伝染病に変わり得る」と指摘。欧州各国の歳出削減策が市民の精神衛生に与える影響を研究している同氏は、「失業は、うつ病や深刻な精神疾患に人を追い込むリスクがあり、適切なケアが得られない場合は特にそれを食い止めるのは難しい」とし、後になればなるほど治療はさらに困難になると述べた。
<リスクの蓄積>
ギリシャの若年失業率は50%を超え、市民の不満はますます表面化している。首都アテネの路上では、不法薬物を使って現実逃避する若者の姿も珍しくなくなっており、生活苦を訴えて自殺する人も出ている。
ギリシャ経済は5年目のリセッション(景気後退)に突入し、多くの市民にとって将来の見通しは暗い。エコノミストらは、緊縮策に取り組むギリシャの景気がすぐに回復する可能性は低いとみている。
仕事を持っている人も給料カットや賃金凍結にさらされ、失業の恐怖におびえている。専門家はこうした根深い不安感は、他のどんなことよりも精神的ダメージが大きいと警告。英リバプール大の臨床心理学教授、ピーター・キンダーマン氏は、今回の経済危機が心の健康に与える影響は急激かつ甚大だと述べた。
2011年に世界保健機関(WHO)向けに作成された統計資料によると、欧州連合加盟国では、生産性低下などとなって現れる精神衛生上の問題が経済に与える影響は、平均で国内総生産(GDP)の3─4%に相当するという。また、精神疾患は若年期に発症することも多いため、生産性の損失は長期的な問題になりかねないと専門家は懸念する。
<すでに臨界点か>
ギリシャでは、すでに自殺率が急激に高まっており、医学誌ランセットが昨年発表した統計によれば、2011年上期の自殺件数は前年同期比で40%増となった。
臨床心理学教授のキンダーマン氏は「一部の人は(経済危機で)非常に深刻な影響を受け、極めて長期にわたって精神的に落ち込むことになる。不況の犠牲者の中には、世界観の根本的な変化を経験する人もいる」と危機感を示す。
英イースト・アングリア大学で社会政策を専門とするピーター・ロイド・シャーロック教授は、歴史の教訓から学ぶべきだと提言。1999年から約3年にわたって深刻な経済危機を経験したアルゼンチンでは、2002年には精神医療施設での診察件数が4割増えたほか、抗うつ剤の処方も急増したという。
過去の研究では、失業や貧困状態に陥った人は、精神衛生上の問題を抱えるリスクが大幅に高まり、特に男性は苦境に陥った場合、精神疾患や自殺、アルコール乱用のリスクが高まることが分かっている。WHOの報告書では、負債の額が多い人ほど、精神疾患を患う可能性が高まるとも指摘されている。
<社会保障で明暗>
しかし一方で、不況が必ずしも精神疾患を増やす直接的原因になるとは限らない。一部の公衆衛生専門家は、スウェーデンやフィンランドを例に挙げ、そうした国では、不況の打撃を受けた人が立ち直るきっかけとなる雇用促進策に力を入れることで、精神疾患や自殺の増加を回避できたと指摘する。
スウェーデンは1990年代初頭に深刻な金融危機に見舞われ、失業率も急上昇したが、当時の自殺率に目立った変化は見られなかった。対照的に、スペインが1970年代と80年代に経験した金融危機では、失業率の上昇に伴って自殺件数も増えた。
専門家は、スウェーデンとスペインで明暗が分かれた最大の要因は、失業手当や医療サービスなど、社会保障にどれだけ予算が割かれたかにあると指摘する。
前述のキンダーマン氏は、経済危機によって長期にわたり精神的問題に悩まされる人が出てくるリスクはあるが、景気の見通しさえ明るくなれば、大抵の人は元気を取り戻すことも研究では示されていると指摘。「政治家へのメッセージは経済を立て直せということだ。そうすればわれわれは再始動できる」と語った。
(原文執筆:Kate Kelland、翻訳:宮井伸明、編集:伊藤典子)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE85200L20120603?sp=true
米雇用統計:識者はこうみる
2012年 06月 1日 23:29 JST
[ワシントン 1日 ロイター] 米労働省が1日発表した5月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が6万9000人増と、昨年5月以降で最も低い伸びとなったほか、失業率は8.2%に上昇、昨年6月以来の悪化となり、米連邦準備理事会(FRB)に対する金融緩和圧力が今後強まる可能性もあるとみられている。
市場関係者の見方は以下の通り。
●世界的な景気減速が顕著に、FRBの行動強く促す
<RBCキャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の首席米国エコノミスト、トム・ポーチェリ氏>
海外市場で発表された5月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値が悪化したこともあり、今回の雇用統計の結果は明らかに望ましいものではない。世界的に景気減速期の真っ只中にあることが次第に顕著となってきている。
統計内容は米連邦準備理事会(FRB)による行動を強く促し、FRBとしても対応せざるを得ないと感じる公算が大きい。これまで株価動向がFRBの行動を阻んできたが、他のすべての要件が満たされるなかで、FRBの政策行動にとり最後のハードルだった株価も足元下落している。
●米経済も他地域と同様に減速
<スチュワート・キャピタル・アドバイザーズ(ペンシルバニア州)の社長兼最高投資責任者(CIO)、マルコム・ポリー氏>
悪い内容で、景気減速を示しているようだ。米国経済は、中国の景気減速や欧州問題とは無関係と信じる向きもあるが、そうした見方は近視眼的なものだろう。米国経済も世界の他地域と同様、減速している。
●次回FOMCで金融緩和される確率高まる
<ジェフリーズのマネーマーケット・エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏>
雇用者数の伸びは弱く、前回4月の内容も下方修正されたほか、時間当たり賃金は低迷、週間労働時間は縮小した。インフレが現時点で目標を下回っていることを考え合わせると、米連邦準備理事会(FRB)が今月19─20日の連邦公開市場委員会(FOMC)で金融緩和に踏み切る確率は高まったとみられる。
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欧州情勢、FRB高官の発言が焦点 一部でQE3観測も
マーケットウォッチ
2012年 6月 3日 10:23 JST
【サンフランシスコ】ユーロ圏の先行き不透明感や5月の米雇用統計の悪化を受けて、今週の米国株式市場では欧州情勢と米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言が焦点となりそうだ。
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「われわれは依然として欧州関連ニュースの人質だ」とジャニー・モンゴメリー・スコットの首席投資ストラテジスト、マーク・ルスチーニ氏は述べた。
今月下旬の欧州連合(EU)首脳会議に先立って、週明け4日にはベルリンでドイツのメルケル首相と欧州委員会のバローゾ委員長の会談が予定されている。
ギリシャのユーロ圏残留を巡る動きにも注目が集まりそうだ。最近の世論調査によると、ギリシャの有権者は金融支援の条件緩和を求めており、ユーロ圏にとどまることを希望している。ギリシャでは、先月の議会選挙の結果を受けた連立協議が不調に終わり、今月17日に再選挙が行われる。
5月の米株市場は大幅下落。1カ月の下げ幅はダウ工業株30種平均が6.2%、S&P500種指数が6.3%、ナスダック総合株価指数は7.2%に達した。
1日の取引でも主要株価指数は2%を超える下げを演じた。投資家は安全とされる資産に逃避、米国の10年債利回りは1.5%を割り込んで過去最低を更新した。
国際金融市場では先週、スペイン情勢への不安が高まった。スペインでは国営化が決まった大手銀バンキアを巡って、政府関係者が資本増強計画の策定に動いている。また、スペイン銀行(中央銀行)総裁は任期まで1カ月を残して辞任すると発表した。
格付け会社イーガン・ジョーンズによるスペイン国債の格下げによってスペインへの懸念に拍車がかかった結果、スペインの10年債利回りは6.5%に急騰した。イーガン・ジョーンズは1日、今度はイタリア国債を「BB」から「B+」に引き下げた。
米雇用統計悪化でQE3の出番か
1日発表の5月の米雇用統計によると、非農業部門の就業者数の増加幅は1年ぶりの低水準となり、失業率は8.2%に上昇した。これを受けて、米株市場は大きく下げた。
ジャニー・モンゴメリー・スコットのルスチーニ氏は雇用統計が悪化したことで、FRBは量的金融緩和策の検討を始めやすくなったと述べた。
ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は先週、経済指標が過去数カ月にわたって悪化しているため、追加的な金融緩和は是認されるとの見方を示した。
ルスチーニ氏はFRB高官は今週、経済指標が不安定であることを認める以上の発言をしないとみる一方、1日の米国市場での債券高、株安、金先物相場の反発はむしろ「金融緩和第3弾(QE3)の警鐘だ」と述べた。
1日の金先物市場は中心限月が前日比57.90ドル(3.7%)上昇し、1オンス=1622.10ドルで取引を終えた。5月は6%以上下落していた。
プランド・ファイナンシャル・サービシズの社長兼上級アドバイザーのフランク・ファントッツィ氏によると、今週は経済統計の発表が比較的少ない中で、週次の米新規失業保険申請件数の発表とバーナンキFRB議長の議会証言が重なる7日に注目が集まるという。
ファントッツィ氏によると、このところ経済指標が悪化していることから、バーナンキFRB議長は議会証言でQE3についての議論開始を示唆する可能性があるという。バーナンキFRB議長は上下両院合同経済委員会で経済見通しと金融政策について証言する。
また、タルーロFRB理事が6日に金融規制改革法(ドッド・フランク法)に基づいて上院銀行委員会で証言する。イエレンFRB副議長は6日の夕方にボストン・エコノミック・クラブで経済見通しと金融政策について講演する。
FRBは6日に地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表する。
4日に4月の米製造業新規受注、5日には5月のISM非製造業景況指数が発表される。第1四半期の米労働生産性・労働コストの改定値は6日に、4月の米貿易収支と4月の米卸売在庫は8日に発表の予定。
決算発表シーズンはほぼ終了し、S&P500社の中で今週、第1四半期決算を発表する企業は数社のみ。米大手蒸留酒メーカー、ブラウン・フォーマンと、ろ過・浄化製品大手のポールは6日に、米食品大手JMスマッカーは7日に決算を発表する。
今週はマクドナルドの5月の既存店売上高の発表も予定されている。
記者: Wallace Witkowski
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