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ユーロ圏の銀行から資金を引き揚げるファンド スペイン情勢への懸念が高まり、資産売却を急ぐ動きも
http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/384.html
投稿者 MR 日時 2012 年 5 月 30 日 00:36:48: cT5Wxjlo3Xe3.
 

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35325

Financial Times
ユーロ圏の銀行から資金を引き揚げるファンドスペイン情勢への懸念が高まり、資産売却を急ぐ動きも
2012.05.30(水)

ユーロ圏の金融市場がまた荒れている。スペインの株式市場は9年ぶりの安値に沈み、スペイン国債の利回りは急上昇している。そして同じくスペインの大手銀行の一角は、百億ユーロ超の資金を投じる国有化計画が政府から発表された後、株価を30%近く下げている。

 市場のボラティリティー(変動性)が非常に高く、不透明感も強いことを受けて、ファンドマネジャーたちはユーロ時代の「周縁国」への投資を急速に減らしたと話している。また、銀行への投資についても投資先をかなり厳しく選別しているという。

最大の不安材料は「伝染」

 彼らが警戒しているのはスペインだけではない。ギリシャは政治が行き詰まり、ユーロを早々に離脱する公算もあることから、ユーロ圏のほかの国に伝染する恐れこそが最大の不安材料だとストラテジストたちは述べている。

 「もしギリシャがユーロを離脱したら何が起こるか、誰にも分からない。ただ、本当の問題はギリシャじゃない。その1段階、2段階先が問題だ」。ケルンキャピタルの最高投資責任者(CIO)、アンドリュー・ジャクソン氏はこう指摘する。

 嵐の中心はスペインの銀行システムだ。5月25日には大手銀行バンキアに190億ユーロの資本が注入されるとの報道が流れたが、多くのファンドマネジャーから見ればこのニュースは、価値の下がった不動産ポートフォリオに対する銀行の引当金は過少で、政府には過大な負担がのしかかる恐れがあるとの懸念を際立たせたにすぎなかった。

 ファンドマネジャーたちがそう考える背景には、国債を発行する政府と銀行との結びつきがある。欧州のとある大手資産運用会社は、スペイン第2位の銀行バンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)の株式をここ数週間ですべて売却した。伝染の懸念があることと、スペインをギリシャの混乱からしっかり守ってくれそうな防火壁が存在しないことがその理由だ。

 ユーロ圏周縁国の企業の株式への投資をこの1年間ずっと減らしてきた同社のポートフォリオマネジャーは、本社が違う国にあったらBBVAは間違いなく「買い」だと話している。

 しかし、スペインには経営難に陥っているカハ(貯蓄銀行)が複数あり、政府がそれらの買収を大手銀行に強制するのではとの懸念があるため、これを大きなリスクだと考えて大手銀行株を売却しているという。

 また別のポートフォリオマネジャーは、BBVAやサンタンデールより信用力で劣ると考えられるスペインの銘柄はいずれも魅力がないと述べている。ただ、債券市場の取引が非常に細っており、債券を売りたくても売れない状況にある投資家もいるという。

 株式や債券のポートフォリオのリスクを減らしつつあると話すファンドマネジャーもいる。欧州では先日、欧州中央銀行(ECB)が期間3年の低利融資というやり方でユーロ圏の銀行システムに1兆ユーロの資金を注入するのに成功したが、それでも彼らはユーロ圏の銀行への投資を減らしている。

 あるファンドは、しばらく前に周縁国の銀行への投資を全額引き揚げ、現在は中核国の銀行への投資が少量あるだけで、それもオランダのラボバンクなど、安定感のある銘柄に的を絞っていると言う。

ドイツの銀行にもかかるプレッシャー

 プレッシャーはドイツの銀行にも及んでおり、一部の資産運用会社は、危機がベルリンにも飛び火しかねないと警告を発している。インベステック・アセット・マネジメントの債券部門の責任者、ジョン・ストップフォード氏はこう語る。「危機の拡大を防ぐためにドイツが資金を出し始めなければならないかもしれない。そうなると、偶発負債が計上される恐れがある」

 「全般的に言えば、我々はリスク回避的な姿勢を維持している。状況は悪い方向に変化し続けており、ブレーキを踏んで問題解決に取り組む政治的な意思があるのかどうかもはっきりしないからだ。したがって、ユーロ圏の金融機関への投資は避けている」とストップフォード氏は付け加える。

 そうした懸念が的外れでないことは、スペインとイタリアの大手銀行の株価からもうかがえる。スペインの最大手サンタンデールと、それに続くBBVAの株価は3月半ばから約30%下落している。イタリアでも最大手ウニクレディトは約40%、第2位のインテサ・サンパオロは35%値を下げている。

 フランスの銀行の中では、クレディ・アグリコルがクレジット・デフォルト・スワップ(CDS、デフォルトに備える保険の一種)や社債の利回りで打撃を受けている。同社は傘下のエンポリキ銀行を通じ、ギリシャで事業を展開しているからだ。

 英国の大手金融機関に勤めるファンドマネジャーは言う。「個々の銀行がどの程度強いかはこの際問題じゃない。ユーロ圏の危機が深刻化すれば銀行の株価は下がるだろうし、銀行の債券の利回りは上昇するだろう。ユーロ圏の金融機関への投資は非常にリスキーだ。避けた方がいい」

格付け会社フィッチによれば、米国のマネー・マーケット・ファンド(MMF)はこの1年間でユーロ圏の銀行への投資残高を63%減らしている。またレポ取引(銀行が証券を担保に差し入れて短期資金を借りる取引)など、担保付きの債権の保有を大幅に増やしているという。

 しかし、楽観的な見方をする向きもある。欧州第2位の規模を誇る資産運用会社アムンディでグローバル債券部門の代表を務めるエリック・ブラール氏は、1種類の資産クラスに偏らない分散型のポートフォリオにすることが大事だと話している。「我々のシナリオでは、ユーロ圏の解体を想定していない。だが用心はしており、事業を国際的に多角化した企業への投資を増やしている」

 アムンディは金融機関への投資を続けているが、欧州北部の銀行や周縁国でナンバーワンの座にある銀行に的を絞っているという。

 「危機になっても苦しまない、あるいは比較的苦しまない銘柄を選んでいる・・・イタリアからは撤退していないし、スペインへの投資も限定的だが続けている。ただギリシャ、ポルトガル、アイルランドからは手を引いた」とブラール氏は話している。

投資のチャンスも

 ケルンキャピタルのジャクソン氏は、投資の機会は存在しており、金融機関や事業会社の劣後債や、米国と欧州の資産の差異をピンポイントで狙っていると述べている。

 「投資家のユニバースは様々で、同じ出来事にもいろいろな反応を見せるから、そこで資産価値に差異が生じる。フランスの銀行が発行したドル建て債券などは、その一例かもしれない」

By Mary Watkins and David Oakley


 
 

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コメント
 
01. 2012年5月30日 01:16:50 : 3CNLte9sGM

ギリシャ危機再燃で浮上するユーロ圏銀行間決済のリスク

 ギリシャ問題が深刻化するにつれ、ユーロ圏の銀行間の大口決済システムであるTARGET2に絡むリスクに注目が集まっている。
 ギリシャの自動車販売会社がドイツのメーカーから自動車を輸入したケースを単純化して考えてみる。そのギリシャ企業は、ギリシャのA銀行に、自分の口座から自動車購入代金を引き落として、ドイツのB銀行にある自動車メーカーの口座に送金するように依頼する。A銀行がTARGET2にその送金を指示すると、ギリシャ中央銀行にあるA銀行の当座預金が引き落とされる。ギリシャ中銀はその資金を送金するのではなく、手元に置いておく。
 一方、ドイツ中銀はTARGET2の指示に従い、信用創造を行って、その額に相当する資金をB銀行に払う。事実上、ドイツ中銀はギリシャ中銀の金を立て替える。その後、B銀行はそれを自動車メーカーの口座に入金する。
 この一連の送金によって、TARGET2に対してギリシャ中銀は債務を、ドイツ中銀は債権を持つことになる。このような資金決済を続けていくと、ユーロ圏内で経常赤字の国は債務が、経常黒字の国は債権が、それぞれ累増していく。となると、これは長期的な維持が困難になる奇妙な決済システムに見えてしまう。
 しかし、金融市場が通常通り機能し、かつユーロ域内の銀行の信用力に問題が起きなければ、インターバンクの資金貸借市場では、資金余剰となっている域内経常黒字の国の銀行から、資金不足にある域内経常赤字の国の銀行に、資金が自然と貸し出されていく。
次のページ>> 預金流出が始まればTARGET2への債務は一層拡大する
 その結果、後者の国は資本収支では黒字になり、TARGET2に対する債務が減る。ギリシャ問題が深刻化するまでは、TARGET2に大きな問題が起きていなかった理由はそこにある。
 だが最近は、ユーロ圏問題国の銀行はインターバンク市場で資金を借りにくくなっており、不均衡が急膨張中だ。ギリシャのように預金流出が始まれば、TARGET2への債務は一層拡大する。
 今、ギリシャのユーロ離脱が起きれば、ドイツを筆頭に巨額の債権を回収できない中銀が出てくる。その場合、ユーロ加盟国中銀で案分して損失を負担、最終的にはそれぞれの国で納税者負担が発生することになる。
 本来、信用力に問題がある銀行は決済システムに参加し続けられないが、ECBの巨額資金供給や担保基準緩和、加盟国中銀の緊急流動性支援が問題を先送りさせてきた。EU首脳はギリシャの“わがまま”に怒り心頭だが、彼らをなだめざるを得なくなっている。
(東短リサーチ取締役 加藤 出)


02. 2012年5月30日 15:03:07 : 3CNLte9sGM

ユーロ離脱なら生活大幅悪化、所得半減に物価急上昇も=ギリシャ大手銀
2012年 05月 30日 11:31 JST

株式下落、ユーロ/ドルは1年11カ月ぶり安値=アジア市場
小沢元代表が野田首相と会談、消費増税「賛成とはいかない」
製造拠点が米国内に移ることを希望=米アップルCEO
サムスン電子、新たなクラウド音楽サービス開始
[アテネ 29日 ロイター] ギリシャの銀行最大手、ナショナル銀行(NBGr.AT: 株価, 企業情報, レポート)は29日、ギリシャがユーロ圏を離脱した場合、国民の生活水準は大きく悪化し、国民所得が半分以下に落ち込み、インフレ率と失業率は急上昇するとの見通しを示した。

同行はギリシャのユーロ圏残留の是非を問う6月17日の再選挙を前に発表した報告書で、ギリシャのユーロ離脱リスクはもはや論理的可能性にとどまらないと指摘し、離脱が現実となった場合には劇的な副次的影響が伴うと警告。「ユーロ圏離脱はギリシャ国民の生活水準を深刻に落ち込ませる」としている。

報告書によると、ギリシャのユーロ離脱により、同国の1人当たり国民所得は少なくとも55%減少。ユーロに代わる新通貨は対ユーロで65%下落、リセッション(景気後退)が現在より22%深刻化すると予想。さらに、現在22%前後の失業率は34%に上昇し、インフレ率については現在の2%から30%に急上昇するとしている。


03. 2012年5月30日 15:03:41 : 3CNLte9sGM
焦点:スペイン中銀、総裁交代を機に信認回復なるか
2012年 05月 30日 14:20

[マドリード 29日 ロイター] スペイン中銀のオルドネス総裁が、任期満了を待たず6月10日に退任することとなった。銀行の財務悪化で信認が失墜した中銀は、総裁交代を機に不信感の払拭を目指す。

スペインでは銀行の不良債権が膨らんでおり、政府が救済に乗り出す事態となっている。さらに、スペイン政府は先週、欧州連合(EU)からの圧力に屈する形で、国内銀行の監査のために外部の監査会社を起用することで合意した。これは、スペイン中銀による監査では信用できないということを認めたことになり、中銀にとっては屈辱的な出来事だ。

こうしたなか、与党で中道右派の国民党(PP)出身の政治家や閣僚からは、オルドネス総裁の責任を問う声が高まっていた。総裁は、議会で弁明する機会を求めていたが、与党はその要請を却下。総裁は6年の任期が切れる7月12日を待たずに、退任に追い込まれた形となった。

総裁退任を受け、ラホイ首相は数日中にも新総裁を任命する見通し。

コンサルタント会社ユーラシア・グループの政治アナリスト、アントニオ・バローゾ氏は、新総裁候補について「政治的な立場よりも経験が重要だ。ECB(欧州中央銀行)と交渉ができ、メディアとも話ができる人物、ブリュッセルで尊敬を集められる人物が必要だ」と述べた。

<新総裁は誰に>

次期総裁がまず取り組むべき課題は、国際的な信認の回復だろう。

政府は25日、中銀で以前、ゼネラルディレクターを務めていたルイス・マリア・リンデ氏を理事会メンバーに指名。同氏が総裁候補なのではないかとの観測が浮上した。ただ、中銀の規定では総裁は70歳が定年のため、同氏は6年の任期をまっとうできず、3年で退任することになる。

近く任期が切れるゴンザレス・パラモECB専務理事も有力候補だ。

そのほか、スペイン中銀で現在、規制担当ディレクターを務めているホセ・マリア・ロルダン氏、ECBの弁護士であるアントニオ・サインス・デ・ビクーニャ氏、バネスト(スペイン信用銀行)の理事会メンバーであるベレン・ロマナ氏ら各氏も、新総裁の候補と目されている。

国際通貨基金(IMF)の資本市場部門を率いるホセ・ヴィニャール氏の名前も挙がっている。同氏は、バンキア(BKIA.MC: 株価, 企業情報, レポート)の資本不足を警告したことで注目を集めているが、以前の社会党政権が中銀副総裁に指名した経緯があるため、総裁指名の可能性は低いとの見方もある。

(Nigel Davies記者;翻訳 吉川彩;編集 田中志保)

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04. 2012年5月31日 03:57:06 : Wg3S07Yplk
電通仲間たちの・・長々の馴れ合いコメントで景気づけ?

この記事・・別に「フィナンシャル」が指摘するまでもなく市場の常識でしょ!
要するに・・「投資は危機のなかにある]の格言の二番煎じ!

「JBプレス」記事は見出しだけが仰々しいだけで、内容は「ふ〜ん」で終わり!

ね〜そうでしょ。
元「sci」「ts」さん?


05. 2012年5月31日 14:21:08 : 3CNLte9sGM

スペインのラホイ首相の債務危機対応に疑問も−発足から半年
2012年 5月 31日 11:19 JST

 【マドリード】スペインのラホイ首相は、昨年11月の総選挙でスペインに信頼と安定を取り戻すと公約して勝利し、保守政権を率い6カ月たったが、公約だった信頼も安定ももたらせないのではないかとの疑念が強まっている。

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Reuters
空港労働者が行った抗議行動(30日、バルセロナ)
 一部のアナリストは、ラホイ政権は債務危機への対応が余りに遅く、主要な政策について過ぎた公約をし、その実行が中途半端だと批判している。また、同首相は具体的で難しい決定を下すよりも政治的な利益を優先しているようだとの批判もある。

 こうしたことのすべてが、ユーロ圏第4の経済国スペインに対する信頼の危機を増幅しており、国債利回りが過去最高水準に上昇し、ラホイ首相の選択肢を狭める一因となっている、とアナリストたちは言う。信頼低下を示す徴候が預金の流出だ。欧州中央銀行(ECB)は30日、個人・企業預金が4月に2%近く減少して16兆2000億ユーロ(約1600兆円)になったと発表した。

 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のルイス・ガリカーノ教授(経済学)は、「スペインにとって今が正念場だ」と述べ、ラホイ政権は幾つかの重要な施策で対応しているが、それらは「基本的に海外で信用されていない」と指摘。それは「統一的なプランが全くないからで、施策がすべて行き当たりばったりにみえる」ためだと述べた。

 これに対し、ラホイ首相の広報担当者は、昨年12月に政権の座に就く前の昨年の予想以上の財政赤字と、借金漬けの経済が信頼の危機を醸成したと反論した。

 確かに、ラホイ首相が受け継いだのは、欧州連合(EU)域内で最高の失業率や、縮小し始めた経済、そして不動産部門の不良債権の解消にあえぐ銀行部門などだ。

 ユーロ圏で義務付けられている予算削減により、ラホイ首相はスペインの経済縮小に対抗する力がそがれている。またスペインはユーロを使用しているから、競争力強化のための通貨切り下げもできない。そしてドイツやその他欧州諸国はスペイン債務の保証を嫌がっている。その結果、スペインは国債など債券投資家に対して借金を返済できると説得するすべがない。

 ラホイ政権は、雇用促進を目標とする労働市場改革を履行したと欧州から称賛された。

 また欧州委員会は30日、スペインに増税を求めつつも、財政赤字目標達成のための期限延期を検討していると述べた。これはスペインにとって朗報だ。

 ラホイ首相は政権発足直後、多くの難題に対処する決意を具体的に示していた。例えば、昨年の財政赤字が予想以上になることが判明したのを受けて、同首相は昨年12月末、それまでの選挙公約を破り、約60億ユーロの増税を発表した。また、金融改革計画策定に着手し、銀行に不動産を赤字覚悟で売却するよう促した。

 しかしラホイ政権には、政治的な関心事を優先しているのではないかとの疑念も投げ掛けられた。財政赤字目標達成に必要とされる大幅予算削減案の提出を3カ月間待ったことがその一例だ。ラホイ首相がこの削減案を提出したのは、スペイン最大のアンダルシア自治州で地方議会選挙が3月に行われた直後だった。批評家たちは、ラホイ首相が予算削減案を遅らせたのは、同首相率いる国民党の地方選挙見通しを危うくするのを恐れたからだったと述べている。それにもかかわらず国民党はアンダルシア州議会で過半数を得られず、この地域の支配権を失った。

 ラホイ政権の閣僚が多くの主要な争点についてばらばらで相反する発言を行ったことも要因だ。例えばスペインが付加価値税を今年引き上げるのか、中央政権が地方の財政運営支援の一環として債券を発行するのかなどだ。ラホイ首相はどの争点にも口出ししなかった。

 首相をよく知る人物は、彼が沈黙しているのは、権力を他者に委託し、スポットライトを浴びるのを避けるという、控えめな指導スタイルの反映だと指摘している。

 投資家たちは、銀行部門の問題に対処するスペイン政府の努力もその信頼性を損なったと言う。最近まで前政権の「ゆっくり行こう路線」をおおむね踏襲したためだ。スペインが経営難のバンキア銀行の救済を開始したのは今月に入ってからで、政府は190億ユーロ資本注入を約束した。

 しかし、こうした急激なシフトは海外の投資家を動揺させた。スペインが銀行救済のための資金繰りの能力があるか懸念しているためだ。

 スペインの調査会社ソシオ・ポリティカル・アナリスツ社のヘッド、ビクトル・ペレス・ディアス氏は「スペイン政府当局者は、管理不可能に近い問題が山積していることを発見したのだ」と述べた。
 

記者: Ilan Brat、Jeffrey T. Lewis

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06. 2012年5月31日 14:23:01 : 3CNLte9sGM
ユーロ圏分裂で、ロンドン高級住宅の価格半減も=調査
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[ロンドン 31日 ロイター] 英不動産開発業者のディベロップメント・セキュリティーズ(DSC.L: 株価, 企業情報, レポート)が31日発表したロンドン中心部の高級住宅に関するリポートによると、ユーロ圏の分裂が現実となれば、価格が半値まで落ち込む可能性がある。

英ポンドに安全資産としての魅力がなくなるほか、欧州の通貨安で他の域内諸国での住宅価格が割安になることが背景で、世界的な株安が発生した場合も購入者が英国以外の欧州諸国で住宅を購入する可能性を指摘している。

欧州経済情勢の悪化と北アフリカ・中東の政情不安から、資産保全を目的とした投資家の住宅購入につながり、ロンドンの高級住宅価格は急上昇している。

不動産コンサルタント、ナイト・フランク氏によると、高級住宅の価格は過去3年間で44%上昇し、ロンドン全体の上昇率の2倍以上となっている。

ディベロップメント・セキュリティーズのマークス最高経営責任者(CEO)は「過去数年のロンドン中心部の高級住宅市場は、市場の法則に反していたようだ。しかし不動産業界はこの状況が永遠に続かないと考えている」と述べた。

リポートによると、最も高額な高級住宅を購入しているのは東欧と旧ソビエト諸国の購入者で平均価格は620万ポンド(970万ドル)。次に中東からの購入者で400万ポンドとなっている。

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[ロンドン 30日 ロイター] ギリシャのユーロ離脱観測が高まるなか、証券各社は想定される市場の反応や投資判断に関するリサーチノートを出している。以下、主要証券会社によるリポートをまとめた。

<野村証券>

◎ギリシャのユーロ離脱は「可能かというよりもむしろあり得そうなことのようだ」。現在の政治トレンドを踏まえるとユーロ離脱は「主観的確率」で50%を若干上回る。(5月29日リサーチノート)

◎市場が迫り来るユーロ離脱を織り込み始めたら、償還までが5年以下の独連邦債の利回りはマイナスになり、独10年債利回りは1%を割り込む。(5月29日)

◎選挙後にギリシャがユーロ圏から離脱すれば、2012年下半期にユーロ/ドルは1.15ドル、ユーロ/円は90円に下落する。(5月17日)

<シティグループ>

◎ギリシャのユーロ離脱の確率は50─75%程度。(5月23日)

◎ユーロ離脱は管理可能だが、周辺国への影響を避けるには、ECBの長期流動性オペの金利引き下げ、政策金利引き下げ、緊縮財政措置の緩和、追加支援、ECBによる追加債券購入、救済基金拡大など、かなりの措置が必要になる。

◎米ドルの一段安を見込む投資家は、日本のディフェンシブ銘柄(ヘルスケア、通信、生活必需品、ユーティリティー)などを選好すべき。

◎クレディ・アグリコル(CAGR.PA: 株価, 企業情報, レポート)とバンコ・ポピュラール・エスパニョール(POP.MC: 株価, 企業情報, レポート)は影響が他に及んだ場合に「アンダーパフォーム」する。

◎売上高の15%以上を欧州で稼ぐ米国の景気循環株(素材、自動車、耐久消費財、資本財)などへの投資は慎重になるべき。通常ディフェンシブ銘柄だが欧州へのエクスポージャーがある銘柄(食品、飲料、タバコなど)も影響を受ける可能性。

<ソシエテ・ジェネラル>

◎「秩序立った」ギリシャのユーロ離脱ではユーロSTOXX50種.STOXX50Eは最大10%下落。(5月25日)

◎「無秩序の」離脱によりユーロ圏企業は2年間減益となり、債券利回りは上昇する。ただ、景気後退(リセッション)への警戒感から利回りの上昇はある程度抑えられる。株式リスクプレミアムも上昇する。ユーロSTOXX50種.STOXX50Eは「50%近く」下げる可能性。

<ゴールドマン・サックス>

◎ギリシャが一方的にユーロから離脱し、旧通貨ドラクマを復活させれば、「かなりの」対応策が講じられたとしてもユーロ圏成長率は最大2%ポイント押し下げられる。(5月28日)

◎米10年債利回りは1.5%に、独連邦債10年物利回りは1%にそれぞれ低下する。

◎米国債と独連邦債の利回りが一時的にオーバーシュートする可能性が高い。ソブリンスプレッドは短期債を中心に明確な政策ターゲットになる可能性。

◎ギリシャ国内で銀行取り付け騒ぎが起こるなど、最悪のシナリオ下でストックス・ヨーロッパ600指数は2009年につけた158まで下げる可能性がある。

<JPモルガン>

◎ドラクマ復活によりユーロ/ドルは1.10ドルに下落。(5月18日)

◎混乱したギリシャのユーロ離脱となれば、株価やクレジットは下振れ、株価下落率は2ケタに達する可能性。

<モルガン・スタンレー>

◎ユーロ離脱は基本シナリオではないが、確率は25%から35%に上昇、起こり得る時期は、向こう5年間から12─18カ月に迫った。最も影響を受ける国は、イタリア、スペイン、ポルトガル、アイルランド。(5月24日)

◎影響が拡大する可能性は40%で、その場合Euribor/OISスプレッドは100ベーシスポイント(bp)に拡大し、政策対応により30bpにタイト化する。

ユーロ/ドルは1.10ドルを割り込み、その水準が「数年」続く。株価は20%下落。

◎より規模の大きい周辺国、もしくは、複数の周辺国がユーロ圏から離脱すれば、国債利回りは日本国債利回りに近づく。 Euribor/OISスプレッドは銀行の損失により拡大する。ドルは幅広く上昇する。

◎より規模の大きい主要国、もしくは、複数の主要国がユーロから離脱すれば、ユーロ圏にとどまる国の国債利回りは、対独連邦債でスプレッドが拡大する。離脱する国のLibor/OISスプレッドは当初拡大する。ユーロ/ドルは0.80ドルに下落する。

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日本株続落、欧州情勢や円高警戒し景気敏感業種が安い−8500円割れ (12:01)
午前の東京株式相場は続落し、日経平均株価が節目の8500円を1週間ぶりに割り込んだ。ギリシャやスペインなど欧州情勢への不安に加え、円高進行も嫌気され、電機や自動車など輸出関連株が下落。鉄鋼など素材関連、鉱業といった景気敏感業種の下げが相対的に目立ち、不動産や証券株も売られた。
記事全文
JPモルガン:CIOと投資銀部門とでスワップ価格にかい離−関係者 (10:39)
ゴールドマン松井氏:日本株は夏に上昇転換、米経済加速や業績堅調 (11:03)
米シティグループ:日本国債40兆円保有の地銀にヘッジ商品販売−金利上昇リスク (12:48)
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[東京 31日 ロイター] 欧州懸念がさらに強まり「質への逃避」が一段と進んでいる。株式や高金利通貨、商品の価格が下落する一方、日米独の国債の利回りはさらに低下。ドイツの2年物国債は初めてゼロ金利にまで低下した。

スペインと、その金融問題の支援に及び腰な欧州連合(EU)や欧州中央銀行(ECB)との「溝」は深いと受け止め、先行き不透明感を嫌った投資家が安全資産への資金逃避を加速させている。

<安全資産は「宝物」>

ドイツの2年物国債は「シャッツ(Bundes Schatz)」と呼ばれる。「Schatz」とはドイツ語で「宝」や「財宝」の意味だ。その2年債の利回りは低下を続け、30日の市場ではついに0.002%まで低下、史上初めてほぼゼロ金利となった。

ほとんど利息がつかない水準まで買い進める投資行動の背景には、ギリシャやスペインなど欧州問題への恐怖感がある。「先行きがあまりに不透明。金利はいまや関係ない」(国内投信)。現在のマーケットで「安全」は「宝物」だ。

欧州債務問題はギリシャだけでなくスペインやイタリアにも広がっている。「ギリシャだけなら欧州金融安定ファシリティー(EFSF)など現在の安全網で対応可能だが、スペインはユーロ圏第4位の大国。イタリアなどにも問題が広がればとても対応できない」(T&Dアセットマネジメントのチーフエコノミスト、神谷尚志氏)。

スペイン10年債利回りは6.74%まで上昇しており、自力で国債を発行し資金調達することも難しくなっている。

また、支援が期待されるEUやECBとスペインの「溝」が深いと受け止められていることも、マーケットの不安材料だ。市場ではスペインの金融問題が深刻化すれば資金は足りず、国際支援に頼るしかないとみられているが、ラホイ首相は支援は必要ないという強硬な姿勢を崩さない。EUやECB側からもスペイン支援には積極的な声が聞かれない。

市場では「日本の金融危機には日銀、米国のリーマンショックにはFRBがいた。しかしECBはユーロ共通の中央銀行であり、スペイン一国の危機に積極的に対応してくれるか不透明だ」(国内証券)と、不安が募っている。

欧州委員会はスペインが信頼の置ける2013・14年の財政計画を提示すれば、財政再建目標の達成期限を2013年から1年延ばす用意があるとしたほか、常設救済基金の欧州安定メカニズム(ESM)から銀行への直接資本増強を検討する必要があるとの考えを示した。

しかしロイズ銀行の市場ストラテジスト、チャールズ・ディエベル氏は「欧州委が検討しているESMによる銀行支援は実現までには程遠く、合意にも至っていない」と指摘。「欧州当局者の協調対応が欠乏していることを再び露呈する格好となっており、利回りは上昇を続け、(スペインの)財政状況を悪化させている」と語っている。

<商品市場からも資金流出進む>

海外株安と円高を嫌気し主力輸出株への売りが強まり、TOPIX.TOPXは年初来安値を更新。日経平均.N225は1週間ぶりに8500円を割り込んだ。「円高に対する当局の対応策が出る兆しもなく、キヤノン(7751.T: 株価, ニュース, レポート)、ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)など為替連動性の高い銘柄が売られ、指数を押し下げている。国内系とみられる押し目買いも入っているが戻りは鈍い」(大手証券)という。

リスクオフの動きはコモディティ市場でも強まっており、原油など19商品の先物相場で構成されるロイター/ジェフリーズCRB指数.CRB終値は275.05と2010年9月以来の低水準となった。「金はこれまでのリスク資産的性格から一転して資金の逃避先となったが、商品全体ではリスクオフ傾向が続いている」(ばんせい投信投資顧問・商品運用部ファンドマネージャーの山岡浩孝氏)という。

一方、円債市場は堅調だ。10年長期金利は一時0.810%と日銀の量的緩和時の2003年7月以来の水準に低下した。欧州信用問題の深刻さが増したことで、安全資産の日本国債に逃避マネーが流入。年金勢などインデックスプレーヤーによる月末の年限長期化の買い需要も加わった。「グローバル的にリスク資産を売って、キャッシュまたはいつでもキャッシュ化が可能な資産を保有する動きが強まっている」(国内金融機関)という。

<期待される追加金融緩和>

リスクオフが加速し、実体経済への影響も懸念される中、市場では6日のECB、20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で何らかの政策が打ち出されるとの予想も出始めている。

ドイツ証券・チーフ金利ストラテジストの山下周氏は「ユーロの弱材料が出ているにもかかわらず、政策対応が無さすぎた。今後数カ月も現在の状況が政策当局から放置されるとは考えにくい。政策対応が不透明で市場が想定できないため、政策対応があればユーロにとってポジティブサプライズとなるだろう」と話す。

IGマーケッツ証券の為替担当アナリスト、石川順一氏は「6月のECB理事会での利下げに関しては、今のところ市場コンセンサスとなっていない」としたうえで「域内経済の減速懸念に加えて、スペインの金融不安まで台頭してきた現状を考えると、今後、市場はECBの利下げを意識する可能性が高い」と指摘する。

欧州銀行間取引金利(Euribor)をみると、3カ月物は0.671%、6カ月物は0.949%と約2年ぶりの水準まで低下しており、利下げを織り込むムードが強まっているという。

ただ欧米の追加緩和観測は円高圧力につながるため、日本株にとってはネガティブな面もある。午前の外為市場でドル/円は仲値付近までは輸入企業の買いで下げ渋ったが、その後はリスクオフムードの中、円買いの動きが強まった。ドル/円は78.71円と約3カ月半ぶりの安値、ユーロ/円は97.36円と約4カ月半ぶりの安値をそれぞれつけている。

(ロイターニュース 伊賀大記;編集 田中志保)

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10. 2012年5月31日 15:38:48 : 3CNLte9sGM
ECBの利下げ観測再浮上、スペイン・イタリア国債利回り上昇で=欧州短期金融市場
2012年 05月 31日 02:29  
 [ロンドン 30日 ロイター] 欧州短期金融市場では、欧州中央銀行(ECB)が来週の理事会で政策金利を引き下げるとの観測が再浮上している。スペインとイタリアの国債利回りが急上昇していることが背景にある。 

 ギリシャのユーロ離脱やスペインの銀行セクターをめぐる懸念から、投資家はイタリア、スペイン国債を売っており、両国債利回りは、持続不可能とされる水準に近づいている。 

 今月発表されたユーロ圏の経済指標も弱い内容となっており、ECBが現在1%となっている政策金利を近いうちに25ベーシスポイント(bp)引き下げるとの見方を裏付けている。 

 

 モルガンスタンレーの金利ストラテジスト、エライン・リン氏は、ユーロ圏翌日物無担保金利加重平均(EONIA)先物市場が織り込む利下げの確率は6月が約10%、7月は20―30%程度にとどまっているが、今後数日間で上昇すると予想している。 

 主要政策金利に加え、現在0.25%となっている中銀預金金利も引き下げられれば、期近物のEONIA先物は、20bpに向かって5―10bp低下する可能性があるという。現在は、9―10月限が20bpとなっている。 

 BNPパリバの金利ストラテジスト、マッテオ・レヘスタ氏によると、2012年限月でレートが最も低いのは12月限の16bpで、これは、中銀預金金利が半分に引き下げられる確率を80%織り込んでいることを示している。 

 

 ECBの緩和観測は、欧州銀行間取引金利(EURIBOR)先物価格の上昇にも表れている。 

 EURIBOR先物12月限FEIZ2は、ギリシャで総選挙が行なわれた5月6日以降下落したが、その後、下落幅の大部分を取り戻している。同限月は30日、前日比3.5ティック高の99.46となった。これは5月半ばにつけた安値を約15ティック上回っている。

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11. 2012年5月31日 15:40:19 : 3CNLte9sGM
ユーロ圏分裂で、ロンドン高級住宅の価格半減も=調査
2012年 05月 31日 13:58 JST

[ロンドン 31日 ロイター] 英不動産開発業者のディベロップメント・セキュリティーズ(DSC.L: 株価, 企業情報, レポート)が31日発表したロンドン中心部の高級住宅に関するリポートによると、ユーロ圏の分裂が現実となれば、価格が半値まで落ち込む可能性がある。

英ポンドに安全資産としての魅力がなくなるほか、欧州の通貨安で他の域内諸国での住宅価格が割安になることが背景で、世界的な株安が発生した場合も購入者が英国以外の欧州諸国で住宅を購入する可能性を指摘している。

欧州経済情勢の悪化と北アフリカ・中東の政情不安から、資産保全を目的とした投資家の住宅購入につながり、ロンドンの高級住宅価格は急上昇している。

不動産コンサルタント、ナイト・フランク氏によると、高級住宅の価格は過去3年間で44%上昇し、ロンドン全体の上昇率の2倍以上となっている。

ディベロップメント・セキュリティーズのマークス最高経営責任者(CEO)は「過去数年のロンドン中心部の高級住宅市場は、市場の法則に反していたようだ。しかし不動産業界はこの状況が永遠に続かないと考えている」と述べた。

リポートによると、最も高額な高級住宅を購入しているのは東欧と旧ソビエト諸国の購入者で平均価格は620万ポンド(970万ドル)。次に中東からの購入者で400万ポンドとなっている。

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12. 2012年5月31日 23:08:00 : cqRnZH2CUM
欧州首脳、ユーロのビジョンを明確にする必要=ECB総裁
2012年 05月 31日 22:36 JST  

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[ブリュッセル 31日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は31日、ECBは政策当局者の対応不足を補うことはできないとし、欧州首脳らはユーロ圏の将来をめぐる懐疑的な見方を払しょくするため、ユーロのビジョンを早急に明確にする必要があるとの考えを示した。

来月の欧州連合(EU)首脳会議を前に大胆な政策を求める圧力が強まる中、ドラギ総裁はユーロ圏首脳の対応を厳しく批判し、小出しの政策により債務危機を結果的に2年以上も長引かせている悪循環を断ち切るべきとの考えを示した。

総裁は欧州議会での証言で「ECBは各国政府の対応不足を補うことができるだろうか。答えはノーだ」と述べた。

また「数年後のユーロ圏はどのような状況になっているであろうか。今後数年後の同盟のビジョンをどのように思い描いているだろうか。できる限り早期の具体化が望ましい」と指摘した。

総裁は、国家主権の一部を放棄することを政府に義務付けることが必要と考えており、ユーロや財政統合に向けた計画を打ち出すべきだとの考えを示した。

<銀行同盟(banking union)>

債務危機の震源がスペインの脆弱な銀行セクターへと移る状況の中で、総裁はユーロ圏の銀行同盟には中央監督制度が必要で、預金保険制度や清算ファンドの設立も必要との考えを示した。

総裁は「金融危機でリスク回避姿勢が劇的に強まっている」と発言。「すべての政府は次のことを肝に銘じてほしい。小出しにし過ぎて失敗するよりも、最初に大規模な対策を打ち出し過ぎて失敗するほうがいい」とし、「銀行の資本再編、銀行の必要性の評価では、高く見積もり過ぎて失敗するほうがいい」と述べた。

ドイツはこれまでのところ、欧州銀行セクターの共通の清算・預金保証制度といった構想に反対しており、当該国がEU/国際通貨基金(IMF)が求める緊縮プログラムに応じない限り、救済基金による銀行救済についても認めない立場を示している。

これに対しドラギ総裁は、中央監督制度や預金保険制度、清算ファンドの3つの柱からなる「銀行同盟」は、どの国の銀行であろうとも、ユーロ圏が銀行支援で団結しているとの重要なメッセージを発信することになり、これが財政統合に向けた象徴的な第一歩となると確信している。

<銀行の預金流出>

総裁はこの日、欧州の金融システムを監督する欧州システミック理事会(ESRB)代表として議会で証言を行ったが、質問やそれに対する総裁の回答は通常、ECBの役割に集中する。

スペイン政府は、時間的猶予を確保するため、ECBに対し債券買い入れを再開するよう求めたが、これまでのところECBはスペインの要請には応じていない。

ただECBは深刻な信用収縮を回避するため、昨年12月以降、1兆ユーロを越える資金を低利で提供している。

ユーロ圏の経済統合構想は長期にわたって議論されているが、スペインが銀行セクターや自治州の財政問題で支援要請を余儀なくされるとの不安がこのところ高まっており、ここにきて背中を押される格好で再び議論が活発化している。

また来月行われるギリシャの再選挙で緊縮財政反対を掲げる政党が勝利する可能性もあり、同国がユーロ離脱を余儀なくされるリスクもくすぶる。ギリシャがユーロ離脱となれば、その他の国でも預金の取り付け騒ぎが起きるとみられている。

銀行の取り付けリスクについて質問されると、総裁は「支払い能力のある銀行の預金流出は回避する。欧州の預金保険基金を設立すれば、預金者は保護される。確実に保護されるだろう」と述べた。

*内容を追加して再送します。

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13. 2012年5月31日 23:08:20 : cqRnZH2CUM
ユーロ存続のため政治統合への明確な道筋を=イタリア中銀総裁
2012年 05月 31日 22:16 
[ローマ 31日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビスコ・イタリア中銀総裁は31日、単一通貨を存続させるため、ユーロ圏は政治統合に向けた明確な道筋を示さなければならないと述べた。

総裁は年次総会における講演で、政治の停滞と政策決定のまずさにより、「欧州という巨大機構全体」がリスクにさらされたと指摘。ユーロ圏は政策決定プロセスにおいて「ペースの変更」が必要だと主張した。

総裁は「欧州のガバナンス改革や、単一通貨の存続に向けた各国の結束力や能力に対し、投資家のなかで疑念が増している」と指摘。ユーロ圏の銀行について、共同で監視したり、預金を保護したりするメカニズムの創設などを求めた。

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[ブリュッセル 31日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は31日、ユーロ圏が直面している経済上の課題に対処するには、銀行の資本増強や監督強化のための信頼に足るメカニズムが必要、との認識を示した。総裁は、主要な課題は、影響波及の阻止だと述べた。

欧州システミックリスク理事会の理事長として欧州議会で証言した。

ユーロ圏の債務危機は、スペインが銀行の財務悪化や借り入れコスト高騰に見舞われ、新たな局面を迎えている。欧州委員会は30日、ユーロ圏救済基金からスペインの銀行への直接資本増強について提言した。

総裁はさらに、ECBは、銀行が担保付資金調達を増やしている傾向に懸念している、との認識を示した。

また、規制改革により、金融の活動が規制の比較的緩い分野にシフトする可能性があると指摘。「欧州では、金融セクターは伝統的に銀行を中心に形成されていたが、一部の活動は今後数年、恐らく規制が緩い分野にシフトする可能性がある」と語った。


15. 2012年6月01日 00:07:52 : 3CNLte9sGM
Financial Times
スペインの古典的な銀行危機昔からある不良債権の教訓を思い出せ
2012.06.01(金) 

スペインがどうやって、問題を抱えた貯蓄銀行の集合体であるバンキアを190億ユーロ規模の混乱から救い出すかは神のみぞ知るところだ。だが、2007年から進展してきた危機の中で、今回に限っては、問題がどのようにして起きたか誰でも理解することができる。

 スペインの問題の大きさにもかかわらず、今回の危機は新鮮な変化だ。何しろ今回の危機には、大口預金や債務担保証券(CDO)、ストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV)が絡んでいないし、投資銀行さえかかわっていない。これは決まって銀行を破滅に追いやる類の大失敗だ。

米国のS&L危機の繰り返し

 バンキアやスペインのその他のカハ(貯蓄銀行)が抱える問題は、1000億ドルのコストを要した四半世紀前の米国の貯蓄貸付組合(S&L)危機の繰り返しだ。「不動産融資が流行し、その時代の『新しい』銀行の考え方になっていた」。連邦預金保険公社(FDIC)の総裁としてS&L危機に対処したウィリアム・シードマン氏は後にこう振り返った。

 どこか聞き覚えはないだろうか?

 あるはずだ。なぜなら、S&L危機はそんなに昔の話ではないし、過剰なレバレッジ(借り入れ)、商業不動産バブル、お粗末な監視、慢心という今と似た要素が絡み合っていたからだ。危機はお馴染みのものだったし、避けられたものでもあった。金融の錬金術にくるまってもいなければ、保険会社の一部門の中に隠されてもいなかった。

 金融危機のこの局面から新たな教訓を得ようとする必要はない。古い教訓が完璧に通用するからだ。申し出があればどんな融資でも受ける不動産デベロッパーに過剰な貸し付けを行うな、パーティーがひどい結末を迎える前に資金を引き揚げろ、そして過去のことを覚えておけ、ということだ。

 規制当局と各国政府は主に、2008年の危機の不快なほど革新的な側面に焦点を当ててきた。デリバティブ(金融派生商品)や規制緩和がいかにして、不良債権がリテール銀行業務と投資銀行業務の間のかつての境界線を超えるのを可能にしたのかとか、モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスといったウォール街の金融機関がどのようにして大きすぎて潰せなくなったのかといった点だ。

 従業員が自分たちに高額な給料を払っていたリスクの高い金融機関の崩壊によって、突如、納税者が負担を負わされることになった不快な状況は、ティーパーティー運動やウォール街占拠運動につながった。我々がまだそこから抜け出せずにいるのは、恐ろしい話だ。


JPモルガン・チェースやUBSなどの金融機関でリテール銀行部門と投資銀行部門が混在しているのも同じように問題だ。20億ドルの損失を出した、JPモルガンのロンドンでのクレジット・デリバティブの複雑な取引は、自己勘定取引を制限するボルカー・ルールを批判する同社の信用を損ねた。

 だが、アイルランドの危機に続くスペインの危機は、リテール銀行業務が決してリスクの低い業務でないことを改めて思い出させる有益な出来事だ。伝統的にリテール銀行業務は、巨額の資金を失うには、投資銀行業務やトレーディング業務と同じくらい効果的な方法だった。実際、投信銀行などよりもっと効果的だ。 

 だが、それが繰り返されるからと言って、避けられないわけではない。スペインやアイルランドでその可能性があったように、銀行経営者や監督当局がもう少し慎重だったら、わずかな介入で大きな違いを生み出すことができる。

 アイルランドを救済しなければならなかった国際通貨基金(IMF)は、2006年に両国を検査した時は楽観的だった。IMFはクレジット(信用)の拡大に警鐘を鳴らしていたが、スペインの銀行は「非常に競争力があり、自己資本が充実し、収益性が高いため・・・大きなショックがあってもシステミックな危機なしに損失を吸収できるだろう」と判断していた。

 事態がどうしようもないほど悪い方向に向かうはずはないという自信は、信用ブームの時にはよくあることだ。

ありきたりの不動産バブル、当局が警報を鳴らしているべきだった

 「あれは、貸し出しの異常な集中によって悪化した、ありきたりの不動産バブルだった」。クラウス・レグリング氏とマックス・ワトソン氏はアイルランドの危機に関する2010年のリポートの中でこう書いていた。監視当局による分析は本来「大きな音で警報を鳴らしているべきだった」という。

 スペインに関する1つの警鐘は、同国の貯蓄銀行とS&Lが類似していたことだ。後者は、州と国の認可が混ざり合った状態の下で監督されていた協同組織の地方銀行で、規制緩和によって急激に商業不動産融資に手を伸ばした。1980年代半ばには、S&Lの資産の半分が不動産融資だった。

 スペインの銀行も同じような規制上の混乱状態を利用していたし、中には地方政府によって融資を行うように強要されたところもあった。ムーディーズの試算では、昨年はスペインの民間部門向け融資の23%が不動産と建設関連の融資だった。

 不動産融資への過度の集中を避けることは、米国だけでなくスカンジナビアや英国でも見られた1990年代前半の危機の主な教訓だった。大半の銀行は、再びこの罠にはまるのを避けるために、リスク管理を改善するよう懸命に努力した。ところが、この教訓はすぐに忘れ去られてしまった。


 スペイン銀行(中央銀行)は、特に締め付けの緩い規制当局というわけではなかった。レグリング氏とワトソン氏は、スペインの銀行が貸付債権を移し変えるために「自己資本の少ない」簿外のSIVを設立するのを中銀が拒否したことを称賛している。バンキアのバランスシートは悪い状態にあるが、問題ははっきりと目に見えているようだ。

 それでも、スペイン銀行は他の規制当局と同様に、2000年代初めのバブルが手に負えない状態になるのを止めなかった。大半の規制当局は、危険については警告するが、介入すべきではないという米連邦準備理事会(FRB)のアラン・グリーンスパン前議長の考え方を受け入れていた。

アジアの銀行規制当局に学べ

 規制当局は今後、預金を集めて融資を行う銀行の活動を制限する際に統制経済的になることを恐れないアジアの銀行規制当局のように行動することが必要だ。例えば、香港金融管理局は、不動産バブルを和らげるために、地方銀行が住宅ローンを行える融資比率を調整している。

 「世界中で金融機関の混乱を招いている非常に重要な要因は、ほぼ一様に3つの英単語から成る言葉で表現することができる。不動産融資(real estate loans)だ」。1990年代の危機についてシードマン氏はこう話していた。だが10年後、監視当局は、不動産のリスクにどれだけ身をさらすかは銀行自身が最良の判断を下せると確信するようになった。

 バンキアは、不動産価格が上昇する中で仕事を得るために競争している銀行に自制能力がないことを明らかにしている。この教訓が学ばれなければ、同じことが繰り返し起きるだろう。

By John Gapper


16. 2012年6月01日 09:51:12 : 3CNLte9sGM
メルケル独首相の孤立深まる−伊首相とECB総裁からも圧力 

  5月31日(ブルームバーグ):ドイツのメルケル首相は欧州債務危機の泥沼化をめぐる批判にさらされ、孤立を深めている。31日にはイタリア首相と欧州中央銀行(ECB)総裁がともに、ユーロ圏経済の安定化に向けたより大胆な措置をメルケル首相に迫った。
イタリアのモンティ首相とECBのドラギ総裁は、欧州の救済基金が経営難銀行に資本を直接注入することへの反対をドイツが撤回するように訴えた。モンティ首相は共同債発行へのロードマップも求め、ドイツ側を逆なでした。
モンティ首相はこの日ブリュッセルでの会議で、自らをドイツ的な財政規律の信奉者と呼んだ上で、安定した経済についてのメルケル首相のビジョンが「危機波及に歯止めをかけるために必要な仕組みの整備の遅れによって損なわれるリスクがある」と論じた。
金融市場はユーロ売りとドイツやフランス国債への資金逃避で、2年以上にわたる危機のストレスを浮き彫りにしている。
恒久的な救済基金である欧州安定化メカニズム(ESM)による銀行への資本注入とユーロ共同債導入へのロードマップ作成を呼び掛けた欧州連合(EU)欧州委員会の30日の提言はドイツの拒否に遭った。
メルケル首相は31日の発言で、危機との闘いに「タブーはない」とする一方で、経済力や財政運営がまちまちの諸国で構成する通貨同盟の瑕疵(かし)を修復することは「5−10年」をかけた取り組みだと付け加えた。
盟友失う
メルケル首相は今月、危機と闘う上で大切な盟友を失った。フランスの大統領選で現職だったニコラ・サルコジ氏が社会党のフランソワ・オランド氏に敗れたためだ。モンティ首相は30日、オバマ米大統領を交えた電話会議でオランド新大統領とともにメルケル首相に対応を迫った。
31日にはモンティ首相とイタリア中銀のビスコ総裁、ドラギECB総裁がそろって、ESMによる銀行直接支援を認める欧州委の案を支持するよう訴えた。
ドラギ総裁は「銀行の資本増強にESMを活用し得る方法がないか、実際に検討している人々がいる」と述べた上で、「問題はESMの資金を銀行の資本増強に使えるかということよりもむしろ、政府を通さずにこれを直接行えるかどうかだ」と語った。
銀行の資本増強問題に加えて、ギリシャが来月の選挙で救済合意を支持する政府を誕生させるように働き掛けることや、それができない場合の対応も課題だ。ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫相)はこの日、ギリシャの財政調整プログラムについて、期間を1年間延長する必要があるとの考えを示した。欧州各国はスペインにも赤字削減の目標達成までさらに1年の猶予を与えることを検討する。
原題:Merkel’s Isolation Deepens as Draghi Knocks Anti-CrisisStrategy(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ブリュッセル James G. Neuger jneuger@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:James Hertling jhertling@bloomberg.net
更新日時: 2012/06/01 02:30 JST


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