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株式日記と経済展望
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オランド仏大統領はバーナンキ議長やメルケル首相と異なり「失われなかった
日本の20年」に従って「恐慌に陥らない為の無駄な財政出動」を求めている。
2012年5月28日 月曜日
◆「日本の失われた20年」に従うオランド(仏)大統領 5月28日 増田俊男
http://www.chokugen.com/opinion/backnumber/h24/jiji120528_732.html
◆先進国は今、、
今週中にお送りする「小冊子」(Vol.36)の冒頭で述べていることがある:
「今後先進国の経済成長は低迷したままで伸びることはない」。
高成長を続けてきた中国、インド、ブラジル等「新興国の経済成長は今や天井を打って下降線である」。つまり「今日まで続いてきた人類の経済成長の歴史は終わり低成長時代になってきた」のである。
先進国(民主国家)の政治は民意迎合、ポピュリズム志向に陥り高福祉国家を目指さざるを得ず、結果いずれの国も恒常的債務過剰国家になっている。
◆欧州債務危機の原因
欧州連合諸国、中でも南欧諸国の債務問題の原因の第一は政治の福祉志向。
第二はドイツやフランスと生産性と競争力が著しく異なる欧州諸国が同じ通貨(ユーロ)で10年有余同じ市場で競争を続けてきた事実である。
ドイツ、フランス以外の国は今後経済主権を放棄してEUに財政統合しなければ経済破綻する運命にある。メルケル首相が主張する財政規律を高失業率とマイナス成長(不況)に苦しむ南欧諸国に強制すれば、経済はさらに疲弊し、財政悪化スパイラルの悪循環に陥ることは自明である。オランド大統領の主張する成長と雇用の促進には財政出動が不可欠である。しかるに過剰負債、高失業率、不況下での財政出動は欧州経済存亡にかかわる「バクチ」である。しかしメルケル首相の財政規律一点張りは債務危機救済どころか財政崩壊必至。ならば欧州の選択肢はオランド大統領の「バクチ」しかないことになる。
◆ギリシャの運命は欧州の運命
ギリシャがEU(欧州連合)から与えられた第二次金融支援の70%が年内に実行されることから6月17日の選挙後の新政権は何としても年内はユーロに留まり課せられた財政規律を守ることとし、かつオランド大統領が主張する(既存の金融支援に加えて)財政支援を求めることになるだろう。しかし来年になるとギリシャは過酷な財政規律条件を到底実行で出来なくなるので国債デフォルト危機が再々燃する。
来年は「仏の顔も三度」は無く、EUもIMF(国際通貨基金)もギリシャ支援は出来ない。結果ギリシャはユーロ離脱、新ドラクマ通貨採用に追い込まれる。しかしギリシャのユーロ離脱で世界の市場に波乱は起きない。何故なら来年までにギリシャもEUも世界市場もギリシャのユーロ離脱、新ドラクマへの切り替えの準備を終えているからである。ギリシャは他の南欧諸国のモデル・ケースである。
◆日本の「失われた20年」は「失われなかった20年」であった!
2008年9月15日のリーマン・ブラザーズ・ショックの直後、米FRB(連邦準備理事会)のバーナンキ議長は「日本の失われた20年を轍にして、、」と言って日本が1990年代のバブル崩壊後、財政支出(無駄な公共投資と言われて批判された)を繰り返したが低成長のままで長期にわたってデフレに陥ったことを「日本型モデル」と称し、注意をしなくてはならないと警告した。
白川日銀総裁は、最近の講演で「日本型モデルは間違っていたとは考えていない」と発言、さらに金融政策の限界に振れ、「金融緩和は時間を買っているに過ぎない」と述べている。90年代に日本が無駄な財政支出を続けていなかったら間違いなく日本経済は恐慌に陥っていただろう。就業者数減少、高齢者増大という成熟社会の構造下で低成長を維持するにはゼロ金利と無駄な公共投資の連続しかなかったのである。
やがて日本のような成熟社会になるアメリカや欧州は「日本の失われなかった20年」に従うべきである。にもかかわらずFRB議長バーナンキ氏は、すでに成長時代が終わっているにも関わらず「何とかの一つ覚え」で白川日銀総裁の言う「時間を買うに過ぎない」金融緩和を何度も繰り返している。我々はバーナンキFRB議長よりはるかに優れた見識を持つ白川日銀総裁を誇るべきである。
今欧州もアメリカ経済も丁度90年代のバブル崩壊と同じ状況にある。FRBとECBは相も変わらず金融緩和で債務危機の先送りを続けている。
オランド大統領はバーナンキ議長やメルケル首相と異なり「失われなかった日本の20年」に従って「恐慌に陥らない為の無駄な財政出動」を求めている。
今先進国が、実体経済に顕在需要が無い中で無駄な財政出動に踏み込めば企業と国民の懐に余分なカネが流れ込み、企業は無駄な設備投資を、国民は無駄な消費に走るから必ず景気は良くなり、結果財政バランスシートは改善される。
市場活性化の為の金融緩和はカネが中央銀行と市場の間を空回りするだけで、一部の金融プロはとてつもない儲けをするが、企業も国民も恩恵を受けることはなく、やがて財政はさらに悪化する。不況から脱出する時はバランスシート等と言う財務省の書類のことは忘れることが肝要である。無駄な財政支出が必要になっている時、消費税・増税に「政治生命を掛ける」等という首相は殺人をも厭わぬ麻原彰晃(財務省)の愛弟子のようなものだ。
欧州債務危機はメルケル首相の財政規律とオランド大統領の財政支出の歩み寄りや折衷案では解決不能!欧州債務危機は財政悪化を恐れぬ徹底的な財政出動による無駄な公共投資しかない!成長が止まった時、成長を期待するには「無駄」を期待するしかない。資本主義経済においては常に「無駄は美徳」なのである。
(私のコメント)
世界的な経済大変動が目前にまで迫っているのですが、日本では消費税増税論議ばかりで欧米のことには無関心だ。経済問題はテレビ向きの話題ではないから報道番組でもNHKが少しやる程度で、マクロ経済のことは経済学の基礎が分からないと見当もつかなくなる。財務省の官僚も野田総理もマクロ経済が分からないから財政再建には増税しかないと考えるようになる。
国家財政を家計に例える話がありますが、これはマクロ経済が分かっていない証拠のようなものだ。家計では通貨を発行することは出来ないが国家財政では通貨を発行することが出来る。通貨の価値とは経済力であり労働力であり生産力のことであり、ゴールドが通貨の価値を保証しているのではない。日本の円が高いのは経済力があり優秀な労働力があり国際競争力のある生産力があるからだ。しかし問題になっているギリシャには観光業しか産業が無い。
世界経済マクロから言えば、日本やアメリカのような経済力のある国が通貨を発行して世界にばら撒いていかないと世界経済が回らなくなる。日本とアメリカはゼロ金利で資金を世界に融資している形になりますが、世界中も債務の返済に一生懸命だから、なかなか資金需要が出てこない。昔なら戦争をして清算したのでしょうが核戦争の時代ではそれも出来ない。
財務省やマスコミは1000兆円の国債で大変だと騒いでいますが、戦争をして失われる経済価値に比べれば比べものにならない小さな金額だ。日本国内でも資金需要がなくなり公共投資で日本経済を回してきましたが、政府は橋や道路を作ることには熱心でも、新エネルギー開発とか海洋資源開発などには票にならないから熱心ではなかった。政府はこのような方面に使っていればエネルギー問題や資源問題も違っていたはずだ。
原子力エネルギーは、福島第一原発災害に見るように危険なエネルギーであり、再生可能なエネルギー開発に金を使うべきであった。日本政府は原子力開発一本やりで来ましたが、核燃料サイクルは50年先になっても目処が立たない状況になっている。いったん事故が起きれば国土が取り返しのつかない状態になり、原爆より危険な原発を建設して来た。
民間需要が低迷している状況では、国家が金を使わなければ世界的にデフレ経済になってしまう。新興国も資金需要はありますが、ギリシャのように返せないほど借りてしまうと問題が起きる。昨日は中国の事について書きましたが、中国もバブルが崩壊すれば巨大なギリシャになる可能性がある。中国は世界の工場と言われるほど経済大国になりましたが、資本も技術も外資頼みで競争力は豊富な労働力と人民元の安さだ。
人民元が為替の自由化がされていないから実態がつかめないのですが、今まではアメリカやヨーロッパが輸出市場で外貨を貯めてきましたが、欧米市場は今までのようなわけには行かなくなる。アメリカの輸入よりも輸出を伸ばさなければならないから中国市場を当てにしてきたのでしょうが、人口が多いだけで豊かな人は2,3億人だ。
ユーロを発行するにしてもドイツが反対するから上手く行きませんが、フランスが景気刺激政策を進めようとしている。ヨーロッパではドイツが通貨発行余力がありますが、PIIGSを全部救っていたらドイツがパンクする。それくらいならドイツがユーロを脱退して新ドイツマルクを発行したほうがすっきりするだろう。とにかくドイツもフランスも財政を拡大して経済を回さなければならない。
昔なら戦車や軍艦や軍用機をを作って「消費」して経済を回して来た。現代では通貨がその代わりになっていますが、インフレ覚悟で公共投資を拡大していかなければ世界経済は長期のデフレ不況に陥る。日本は原発政策で大転換を迫られていますが、天然ガスをつなぎにして再生可能なエネルギー開発をしなければなりません。日本は大規模な国家プロジェクトで金をばら撒いて経済を回す必要がある。
「株式日記」では、藻によるバイオ燃料生産を提言していますが、農業対策にもなりエネルギー対策にもなる。石油価格も1バレル=100ドルから200ドルに上がっていくだろう。そうなればバイオ燃料が外国にも輸出できるようになり日本は産油国になる。藻によるバイオ燃料は水と太陽が豊富で雑菌などの管理も大変だから作れる国は限られる。海底資源もレアメタルやメタンハイドレードなど海洋大国として開発すべきなのでしょうが、そのような国家プロジェクトは手が付けられていない。
とにかく財務省は消費税増税しか興味が無く、緊縮財政や増税はマクロ経済が分かっていない御用経済学者のたわごとだ。フランスの大統領選挙は緊縮財政よりも景気拡大派の勝利であり、経済力の強い国は金をばら撒いて公共事業を拡大して行かなければならない。公務員の給与が高いのも問題であり、優秀な人材が公務員に偏ることは国力を損なうことだ。公務員はケースワーカーなどの不足が問題になっている。緊縮財政だからと福祉関係の公務員が減らされて、高給取りのエリート公務員を減らして福祉関係の公務員を増やすべきなのだ。
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