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緩和効果は「量」で測れないと日銀総裁が強調、「金利」が大事 財政再建不十分なら長期金利上昇  金利上昇は貸し渋り=岡田
http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/310.html
投稿者 MR 日時 2012 年 5 月 24 日 20:26:20: cT5Wxjlo3Xe3.
 

緩和効果は「量」で測れないと日銀総裁が強調、「金利」が大事

5月24日、日銀の白川総裁が金融緩和の効果を測るのは「量でなく金利」だと発信し始めた。写真は2月、都内で撮影(2012年 ロイター/Toru Hanai) [拡大]
 【東京 24日 ロイター】 日銀の白川方明総裁が金融緩和の効果を測るのは「量でなく金利」だと発信し始めた。
 日銀は基金による国債などの資産買入を導入した2010年当初から、基金の「量」が目的ではなく、資産の買い入れで結果的に金利や各種プレミアムを引き下げるのが主眼と説明しており、日銀の姿勢に変化はない。しかし市場や政府・与野党関係者の間では量の拡大による緩和効果を期待する声が多く、総裁の発信意図が注目されている。

 白川総裁は24日午後の衆院社会保障・税一体改革特別委員会で「実質ゼロ金利政策と金融資産の買い入れなどで強力に金融緩和を推進していく」との方針を改めて強調。その上で、ゼロ金利下では日銀が大量に資金を供給しても、資金はそのまま当座預金に預けられる「のれんに腕押し」の状況になっているため、「量では金融緩和の度合いは測れない」と指摘した。総裁は23日の金融政策決定会合後の会見でも、同じ内容の発言を行っている。

 また総裁は24日の衆院特別委員会で、2001年3月から06年3月まで実施した量的緩和政策の経験を踏まえ、「マネタリーベースが増えている時に円高になり、量的緩和解除後にむしろ円安になっている」と指摘、量と為替に明確な相関を見出せないとの認識も示している。

 量的緩和政策について白川総裁は京大教授時代に執筆した著書「現代の金融政策」で、「景気・物価に対する刺激という点で中心的な効果は時間軸効果であり、量の拡大はほとんど効果を発揮しなかった」としている。2010年10月に開始した基金による資産買入を軸とした「包括緩和政策」も、量でなく金利および社債などリスク性資産のプレミアム圧縮に働きかけることを主眼とすることで導入が決まった経緯がある。

 一方、市場や政府・与野党関係者の間では基金の量を緩和効果の目安とみてきたのも事実。これに対し、政府の為替介入と平仄を合わせて追加緩和を実施した昨年8月4日の決定会合では「十分な緩和を行うという日銀の政策姿勢を明確に示す観点から、インパクトのある金額とすることが適当との見解で一致した」(議事要旨)との記述があり、量を示すことが必要という認識が政策委員の間でも共有されていた。

 ここに来て総裁があらためて「量より金利」と強調し始めたのは、1)4月27日の追加緩和以降の長期金利の大幅な低下、2)国債買い入れでの札割れ発生、などで金融緩和の手詰まり感が出ていることが背景と考えることもできる。

 また2月、4月と相次いだ追加緩和で年間での国債買い入れ額が43兆円と2012年度の新規国債発行額44.2兆円に匹敵する水準となっており、「量」を求めて基金の額を増やしていくことが、財政ファイナンス(財政支援)とみなされるリスクを今まで以上に警戒しはじめた可能性もある。

 (ロイターニュース 竹本能文:編集 石田仁志)

2012/05/24 19:56
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE84N05W20120524


財政再建不十分なら長期金利上昇招き、金融機関経営・日本経済に悪影響=日銀総裁
2012年 05月 24日 14:54  
[東京 24日 ロイター] 白川方明日銀総裁は24日午後の衆院社会保障・税一体改革特別委員会で、財政と経済・金融の関係について、財政再建への取り組みが不十分と市場がみれば、長期金利の上昇を招き、国債を大量に保有している金融機関の経営、日本経済に悪影響を与えると語った。菅原一秀委員(自民)の質問に答えた。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPT9E8FQ02J20120524

金利上昇は貸し渋りにつながる、国債の9割が国内保有でも安心できず=岡田副総理
2012年 05月 24日 15:06 JST

 [東京 24日 ロイター] 岡田克也副総理は24日午後、衆院の社会保障・税一体改革特別委員会で、日本国債について「国民が9割を持っているからといって、世界のマーケットから切り離して議論ができるわけではない」と述べた。岡田副総理は、金利が上昇して金融機関が保有する国債に評価減が発生すれば「それは貸し渋りにつながる」と指摘。「9割を日本国民、日本の金融機関が持っているから安心ということにはならない」とした。自民党の菅原一秀氏の質問に答えた。


強力に金融緩和推進、投資家のリスク回避姿勢が為替規定=日銀総裁
2012年 05月 24日 16:51 JST  

人民元が対ユーロで10年ぶり高値、対ドルでは軟調
JTがベルギーたばこ大手を約510億円で買収、海外事業を強化
日経平均小反発、欧州情勢の混迷などで短期筋の売り買い交錯
シャープとソニー、堺・液晶工場の合弁解消で合意
[東京 24日 ロイター] 白川方明日銀総裁は24日午後の衆院社会保障・税一体改革特別委員会で、日銀は実質ゼロ金利政策と金融資産の買い入れなどで強力に金融緩和を推進していく方針と強調し、資産の着実な買い入れよって金融緩和を着実に推進していると語った。

また、為替市場について、現在の為替動向を規定しているのは投資家のリスク回避姿勢と述べ、マネタリーベースと為替動向に明確な関連はない、との見解を示した。菅原一秀委員(自民)の質問に答えた。

日銀は2月と4月の金融政策決定会合で、資産買入基金によるそれぞれ10兆円の長期国債購入増などを柱とした追加金融緩和に踏み切る一方、前日に開催した5月会合では金融政策を据え置いた。欧州債務問題への懸念が強まる中で、もっと積極的に緩和に動くべきとの指摘に対し、白川総裁は「日銀は当面、消費者物価の前値比上昇率1%をめざし、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買い入れなどで強力に金融緩和を推進していく方針を明らかにしている」と姿勢は揺るぎないと強調。その上で、基金を活用した緩和手法について「決定会合を開催する度に、規模を例えば2兆円など徐々に増額していく方法もある」としたが、4月27日の会合において「思い切った増額を決定し、その決定に基づいて現在、金融資産の買い入れを着実に進めている」と語った。さらに総裁は「日銀は、現在の基金の買い入れの下で、デフレからの脱却、持続的経済成長への復帰にしっかり取り組んでいく」と表明した。

また、総裁は、マネタリーベースと金融緩和の効果に関連し、ゼロ金利下では日銀が資金を供給しても、そのまま当座預金に預けられる「のれんに腕押し」の状況になっているとし、「量では金融緩和の度合いは測れない」と指摘。為替動向との関連でも、「量的緩和開始以降の動きをみても一目瞭然だが、マネタリーベースが増えている時に円高になり、量的緩和解除後にむしろ円安になっている」と明確な相関は見出せないとの認識を示した。

総裁は、財政問題について、長期的に財政の持続可能性に対する信認が確保されていることが、物価と金融システムの安定の前提条件とし、「経済の持続的な成長の実現には、財政の持続可能性は非常に重要だ」と強調した。

その上で、財政の持続可能性への信認が低下すれば、将来不安がさらに強まり、「経済の下振れにつながるおそれがある」と述べる一方、「中長期的な財政再建の見通しが明らかになれば、将来負担が軽減され、経済に好影響が考えられる」と指摘。財政再建への取り組みが不十分と市場がみれば、「長期金利の上昇を招き、国債を大量に保有している金融機関の経営、日本経済に悪影響を与える」と語った。

(ロイターニュース 伊藤純夫)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE84N04320120524


#さらに円高にしたいというわけではないだろうが
完全に手詰まりだと告白しているようなもの

 

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コメント
 
01. 2012年5月25日 05:49:50 : sUpHQ8Q75g
> 金利上昇は貸し渋りにつながる、国債の9割が国内保有でも安心できず=岡田副総理

岡田チャン
もういい加減
嘘つくのやめようや

貸し渋りの最大の原因は
売国奴ケケ中の置き土産
金融庁の規制じゃないのかね

こいつを破棄しない限り
日本の中小企業はどんどん潰れてくよ


02. 2012年5月25日 09:10:00 : cqRnZH2CUM

4月の消費者物価は0.2%上昇、予想上回る−3カ月連続のプラス

品を除くコアCPI)は、前年比で3カ月連続のプラスとなった。伸び率は事前予想を上回った。景気は横ばい圏内ながら、持ち直しに向かう動きが明確になりつつあり、コアCPI前年比は当面ゼロ%、ないし小幅のプラスで推移するとみられている。
総務省が25日発表した4月の全国のコアCPIは前年同月比0.2%上昇した。5月の東京都区部は0.8%低下した。ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想中央値は全国が同0.1%上昇、東京が同0.5%低下が見込まれていた。前月はそれぞれ0.2%上昇、0.5%低下だった。
日本銀行は先月27日の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で2012、13年度の見通しを公表。コアCPI上昇率は見通し期間後半にかけて0%台後半となり、その後、日銀が当面の物価安定のめどとする1%に遠からず達する可能性が高いと表明した。日銀の前田栄治調査統計局長は14日のブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、物価情勢に「潮目が変わる兆しも出ている」と述べた。
1−3月の実質国内総生産(GDP)は堅調な個人消費と復興需要の本格化を受けて、前期比年率4.1%増と大幅なプラス成長となった。日銀は23日の金融政策決定会合で、足元の景気について「なお横ばい圏内にあるが、持ち直しに向かう動きが明確になりつつある」、先行きも「緩やかな回復経路に復していく」との判断を据え置いた。
デフレ圧力が和らいできた兆しも
日銀の前田局長はインタビューで、過去10数年、流通部門を中心とした規制緩和や、安価な中国製品などを利用したビジネスモデル拡大、既存分野での価格競争が物価押し下げ要因として作用したが、「こうしたマイナスの価格ショックは少しずつ弱まっているのではないか」と言明。景気の回復による需給バランス改善と相まり、物価は緩やかに上昇していくとの見方に自信を示した。
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「コアCPI前年比は現在、エアコンやテレビの調査対象に価格の高い新機種が入ったことで0.4ポイント押し上げられており、この影響を除けばまだマイナス圏にある」と指摘する。しかし、上下に大きく変動しているものを除いた「刈込平均CPI」など、物価の基調を示す指標は緩やかな改善が続いており、「デフレ圧力が和らいできた兆しも見られる」としている。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2012/05/25 08:35 JST


03. 2012年5月25日 09:12:27 : cqRnZH2CUM

復興需要の成果か 一応、日銀が言うように、結構、上がってきている


ただ欧州不況や中国バブル崩壊の影響が、本格的に出てくれば、また逆戻り


04. 2012年6月01日 01:11:23 : cqRnZH2CUM
http://diamond.jp/articles/-/19396
論争!日本のアジェンダ【第10回】 2012年6月1日
社会保障・税一体改革は一時の止血剤 日本財政に潜む3つのリスク 一橋大学経済研究所准教授 小黒一正氏
国会では消費増税を含む税制改革法案の審議が本格化している。もし、野田総理が「政治生命」をかけると明言する同法案が不成立となった場合、今後10年間で日本財政は相当厳しい局面に突入する可能性が高い。直面するのは、これから説明する3つのリスクである。
おぐろ かずまさ/1997年京都大学理学部卒、一橋大学博士(経済学)。大蔵省(現財務省)入省後、財務省財務総合政策研究所主任研究官、(財)世界平和研究所主任研究員などを経て、2010年8月より現職。内閣府・経済社会総合研究所客員研究員、経済産業研究所コンサルティングフェロー、内閣府・経済社会構造に関する有識者会議 制度・規範WG「世代会計専門チーム」メンバー。専門は公共経済学。著書に、『2020年、日本が破綻する日』、『日本破綻を防ぐ 2つのプラン』(共著)、『人口減少社会の社会保障制度改革の研究』(共著)などがある
 国際通貨基金(IMF)は、日本の地方も含む一般政府の債務残高(対GDP)は2012年には232%、2016年には277%に達すると予測し、『日本の公的債務残高は「持続不能な水準」に膨らんでいることから、「日本や世界経済安定のリスク」になっている』と警鐘を鳴らしている。
 このような中、5%の消費増税を含む税制改革法案の審議がスタートした。だが、デフレ脱却が進まない現状で増税に否定的な意見も多く、政府・与党は政権内のみでなく、野党との政治的駆け引きを含め、難しい舵取りが要求されている。
 野田総理は「政治生命」をかけ、税制改革法案を成立させようとしているが、もし同法案が不成立となった場合、今後10年間で日本財政は相当厳しい局面に突入する可能性が高い。その際、留意すべき要因は以下の3つである。@「改革先送りコスト」、A「利払い費の急増」、B「市場が抱く期待が変化するリスク」である。
次のページ>> 1年間の改革先送りで必要な税率は1%上昇
その1 改革先送りコスト
 まず、第1の「改革先送りコスト」である。そもそも、内閣府が推計した「経済財政に関する中長期試算」(2012年1月)によると、消費税を10%に引き上げても、2020年度には基礎的財政収支(過去の債務に関する元利払い以外の支出と、公債発行などを除いた税収などの収入との収支)が、再び約17兆円の赤字になることが分かっている。すなわち、今回の法案は止血剤に過ぎず、さらなる財政・社会保障改革(「増税」または「社会保障費の削減」あるいはその両方)が不可欠である。では、社会保障費の削減に限界があり、消費税引き上げで対応する場合、最終的な税率はどうなるのか。
 拙著『2020年、日本が破綻する日』(日経プレミアシリーズ)では、財政・社会保障の持続可能性を維持するために必要な最終的な消費税率は25%と試算しているが、最近、海外でも日本財政の持続可能性に関する研究が増えてきている。
 財政の持続可能性に関する分析には様々なタイプがあるが、公的債務(対GDP)が発散経路にある場合(=対GDPでの債務膨張が止まらない場合)は明らかに持続可能でない。このため、シミュレーション分析で確認するタイプでは、公的債務(対GDP)が発散せず、一定値以内に留めるために必要な増税幅や歳出削減の幅をチェックするものが多い。
 この関係では、例えば、アトランタ連銀のブラウン氏と南カルフォルニア大学のジョーンズ教授の研究が注目に値する。この研究では、公的債務(対GDP)を安定化させるために2017年に一気に消費税率を引き上げるとすれば、税率を33%にする必要があると推計している。他方、消費税の引き上げを2017年から22年度に5年遅らせる場合、必要な消費税率は37.5%に上昇すると推計している。
 33%と37.5%の差は4.5%であるから、1年間の改革先送りで、公的債務(対GDP)を安定化するために必要な税率は1%上昇する。債務安定化に必要な税率が上昇する主な理由は単純で、改革先送りは、その間の基礎的財政収支の赤字累積分が債務残高(対GDP)を増加させるからである。これは「改革先送りコスト」と呼ばれているもので、引き上げの時期を遅らせれば遅らせるほど、最終税率が高くなることを意味する。
次のページ>> 2059年まで改革を先送りすると消費税率は90%
 こうした研究で示される数字は、金利や経済成長がどうなるか、という想定によって大きく変化するので、幅をもってみる必要があるが、これらの研究に共通するコンセンサスは、消費税率20%では不十分であり、少なくともそれ以上の税率に増税しないと、財政を持続可能にすることはできないということである。
 なお、平成13年度(2001年度)の経済財政白書でも、上記と似た試算をしている。この試算では、増税を2005年に開始すれば、消費税率23%で済むものの、2020年まで増税を先送りすれば、消費税率は34%、さらには2059年まで先送りすると、消費税率は90%という驚くべき税率が必要となることを推計している。
 もっとも、この試算は財政安定化に必要な財源を全て増税で賄うという仮定に立っており、財政状況の改善は、増税のみならず、社会保障費の削減によっても図ることができる。ただ、急速な少子高齢化の進展で、社会保障費は毎年1兆円以上のスピードで膨張しており、最近は自然増で1.3兆円の伸びである。もしこの伸びが継続する場合、社会保障費は今後10年間で13兆円も増加する。このような状況の中、歳出削減のみでの改革が現実的であるか否かといった冷静な議論も重要である。
その2 利払い費の急増
 第2は「利払い費の急増」である。近年、社会保障費が急速に膨張してきたことから、そちらにメディアの注目が集まる傾向が強いが、これからは「利払い費の急増」も注視する必要がある。これまで公的債務残高が増加しても、利払い費がそれほど増加してこなかった理由は、過去に高金利で発行した国債を低金利で借り換える「金利低下ボーナス」が存在したためである。だが、もはや金利はこれ以上低下しない状況になっており、金利低下ボーナスは終了しており、これから利払い費は確実に増加していく。
次のページ>> 利払い増加のシミュレーション
 具体的には、下の図表のとおり、現在のような低金利1%が継続しても、国債の利払い費はこれから増加ペースを強め、約10年間で利払い費は約8兆円も増加する(日本総研・推計)。
 図表では、財務省(2011)「国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算」(以下「仮定計算」という)との比較を行っている。「仮定計算」では、【ケース@】「試算1」(+1.5%の低成長シナリオ)と【ケースA】「試算2」(+3.0%の成長シナリオ)の2つのケースが分析されているものの、どちらも金利2%(=10年国債の利回り)を想定しているのみである。
 そこで、日本総研(2011)は、感応度分析として、この金利が変化した場合の利払い費を推計している。具体的には、【ケースB】「仮定計算」の「試算1」(+1.5%の低成長シナリオ)で金利1.0%の状態が、平成31年度まで一貫して継続するケースと、【ケースC】「試算2」(+3.0%の成長シナリオ)で金利3.0%の状態が、平成31年度まで一貫して継続するケースの2つである。
 この結果によると、最も甘い【ケースB】を仮定しても、平成21年度に約9兆円であった利払い費は、平成31年度までの10年間で17.3兆円に達すると推計している。つまり、金利がいまのように1%前後で推移しても、利払い費は倍増する。なお、平成31年度における【ケース@】、【ケースA】、【ケースC】の利払い費は、もっと衝撃的であり、それぞれ19.4兆円、23.2兆円、24.3兆円である。
http://diamond.jp/mwimgs/5/b/600/img_5be80370651b68449db0789d41f6f76023830.gif
次のページ>> 市場の期待が変化するリスク
その3 市場が抱く期待が変化するリスク
 以上から、第3の「市場が抱く期待が変化するリスク」が重要となってくる。もし税制改革法案が不成立になると、これから社会保障費や国債の利払い費が急増することから、現在のような低金利1%が継続しても、現在約44兆円の財政赤字は今後10年間で65兆円(=現在の財政赤字44兆円+社会保障費の増加13兆円+利払い費の増加8兆円)に拡大する可能性が高い。
 その際、国債市場における「自己実現的期待」(Self-fulfilling expectation)との関係で、市場の期待が変化するリスクも否定できない。「自己実現的期待」とは、経済的に実現可能な均衡がいくつか存在するとき、どの均衡が実現するかは、人々が将来をどのように予想するかによって異なるとする考え方である。
 1985年頃に発生し1990年をピークに崩壊した、かつての土地・株のバブルも自己実現的な期待形成による面が大きい。そして、現在は国債バブルが発生している可能性がある。なぜならば、現状のままでは財政破綻リスクが高いにもかかわらず、国債は市場で順調に消化され、長期金利は低い値に留まっているからである。
 通説では、「公的債務(対GDP)が急増し、財政破綻リスクが高まると、国債のリスクプレミアムも上昇する」との見方も多いが、ハーバード大学のロゴフ教授らの最近の研究(2012年4月)によると、「政府が過剰債務を抱えていた過去26事例のうち、11事例では、国債金利は過剰債務でない時期と同水準か、それよりも低い状態にあった」(原文:Contrary to popular perception, we find that in 11 of the 26 debt overhang cases, real interest rates were either lower or about the same as during the lower debt/GDP years.)ことを明らかにしている。
 しかし、この事実は、政府がどんなに過剰債務を抱えても、大丈夫であることを示すものでない。ロゴフ教授らも指摘するように、それは市場が金利上昇という形で政府に財政規律を迫る猶予期間を与えているに過ぎない可能性があるためである。
次のページ>> 公的債務の安定化のためには今の改革では不十分
 もし何らかのショックで市場の期待が変化し、現在1%程度の国債金利が4%〜5%に張り付けば、現在約9兆円の利払い費は4倍〜5倍に膨らむ。政府が抱える国債の平均償還年限(デュレーション)は約7年であるから、急に増加することはないものの、それが財政に与えるインパクトは計り知れない。
 以上をまとめると以下のようになる。いま政府が進めている改革は重要であるが、公的債務(対GDP)の安定化のためには不十分であり、さらなる財政・社会保障改革が不可欠である。また、アトランタ連銀のブラウン氏らの試算が妥当であるならば、1年間の改革先送りは、財政安定化に必要な最終的な消費税率を約1%も引き上げてしまう。これが若い世代や将来世代の負担を高めることは明らかであり、世代間の公平性を考慮するならば、できる限り早い改革が望まれる。
 なお、現在のところ、国内の豊富な貯蓄を背景として、安定的な国債消化がなされ、長期金利も1%前後で推移しているが、今後10年間における「利払い費」の予測等をみる限り、その構図が維持できるとは限らない。最悪のケースでは、欧州のような財政危機が日本を襲う可能性も否定できないため、この点でも早期の改革が望まれる。

質問1 財政再建のために消費増税に賛成ですか、反対ですか?


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