★阿修羅♪ > 経世済民76 > 305.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
関西電力 原発依存が招いた過去最大の赤字 火力増強“後回し”のツケが表面化 
http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/305.html
投稿者 MR 日時 2012 年 5 月 24 日 12:01:34: cT5Wxjlo3Xe3.
 

http://diamond.jp/articles/-/18490
関西電力】
原発依存が招いた過去最大の赤字
火力増強“後回し”のツケが表面化 
大飯原子力発電所3、4号機の再稼働問題に揺れる関西電力。同社が再稼働の必要性を訴える理由は電力の「安定供給」だけではない。経営そのものが原発に「依存」していることが背景にある。
「過去最大の赤字決算となりました」──。関西電力の八木誠社長は4月27日の2012年3月期決算会見で淡々と述べた。
 経常利益が2655億円の赤字、純利益も2423億円の赤字。すでに発表されている東京電力を除く電力9社の連結決算では、中国電力と沖縄電力以外の7社が赤字となったが、関電はその中でも最大の赤字幅だ。

 電力各社が軒並み赤字に陥ったのは東電福島第1原子力発電所の事故後、発電コストが安い原発が軒並み停止し、燃料費が高騰している火力発電で代替しているためだ。関電の赤字額が大きくなっているのは、電力会社の中でも突出して原発比率が高いことが背景にある。

 10年度の発電量で見ると、原発の占める割合は原発17基を保有していた東電が31.8%なのに対し、原発11基の関電では50.9%と半分以上にも上っている(図(2))。関電は福島第1原発事故まではCMなどで、「関西の電力の半分は原子力」とPRしていたが、逆に言うと「原発の開発に熱心なあまり、火力の増強は後回しだった」(経済産業省関係者)ことが完全に裏目に出た形だ。
次のページ>> 原発停止による燃料費増大は全電力会社が抱える問題
 実際、図(3)に示したように、2000年代初頭には9割を超えたこともある原子力設備利用率は東電の不正問題の影響もあり04年度から70%台を推移 した後、11年度に37.6%まで急落。代わりに燃料使用量は増大し、燃料油では前期比で3倍以上、LNG(液化天然ガス)も2割増となった。これに原油 価格高騰も相まって、燃料費は前期比2倍の7768億円に上り、営業費用の4分の1を占めるまでに増大した。

 原発停止による燃料費増大というのは、多かれ少なかれ全電力会社が抱える問題だが、関電には収益を圧迫する“特殊要因”がさらにある。それは関電管内の火力発電の「質」の問題だ。
 図(4)を見ていただきたい。関電管内の火力発電所を一覧にしたものだが、運転開始が1980年代以前のものも目立ち、しかもその多くが石油火力だ。発 電コスト(1キロワット当たり)は「石炭が6円、LNGが17円程度、石油が20〜22円」(森貴宏・メリルリンチ日本証券アナリスト)となっており、コ ストの高い石油への依存度が高いことは業績悪化に直結する。今夏の電力不足に対応するため、関電は海南火力発電所2号機の運転再開を急いでいるが、これも 石油火力であり、供給力の足しにはなってもコスト面だけで見ると圧迫要因でしかないともいえる。

 現在、各電力会社で主流となっているLNG火力でも、関電の苦境が見える。LNG火力では高効率の「コンバインドサイクル」と呼ばれる発電方式の導入が進んでいるが、関電にはまだ従来の蒸気発電が多く残っている。タービンを回す熱効率で見ると、従来型が40%前後なのに対し、コンバインドサイクルは60%強と20%程度の差がある。関電ではコンバインドサイクルを堺港と姫路第1で導入しているが、追加供給力として期待される姫路第2と和歌山の運転開始は13年からで、需給が逼迫する今夏には間に合わない。
 この結果、関電の12年3月期の1キロワット当たりの発電単価は11.7円と前期から3.5円も高くなった。一方、販売単価は0.5円増の16円で、差は4.3円。「差が5円を切ると、減価償却費や送配電の費用で赤字要因になる」(森アナリスト)ため、大幅赤字は必然ともいえる。
次のページ>> 社内留保取り崩しも限界 料金値上げ避けられず
関電幹部は「原発が止まったままだと、石炭には量の限界もあり、石油やLNGのウエートが高まる。そしてこれらの燃料単価は今はどうしても高くなる」と認める。裏を返せば、ここにも火力増強を「後回し」にしてきたツケが回ってきている。
 補足しておくと、関電に不利な要素があったのも事実だ。東日本大震災を受け、東電と東北電力管内では、平時なら発電設備の増設に必要な環境影響評価(アセスメント)が例外措置として免除されたのに対し、関電は例外措置が適用されなかったのだ。
 このため、東電、東北電管内は今夏の需給にいくばくかの余裕ができたが、関電管内では今夏の追加電力として姫路第1のLNGガスタービン(6万5000キロワット)しか準備できず計画停電も視野に入っている。
社内留保取り崩しも限界
料金値上げ避けられず
 八木社長は燃料費や他社からの購入電力料の増大など原発停止のインパクトについて、「今期も原発が再稼働しなければ、さらに費用が4000億円増える」と説明している。政府が示した試算でも、関電の13年3月期の純利益は7020億円の赤字になるとしている。
 再稼働が見通せない場合、収支を安定させるには、大幅なコスト削減と、電気料金の値上げしか手段はない。コスト面は、すでに設備投資や修繕費などで2000億円超の削減を実現したが、数千億円単位で増大する燃料費を相殺するには至らない。
 値上げはどうか。東電が4月以降、電気料金を値上げするのは賠償とは関係なく、燃料費の急増に対応するための措置だ。関電の場合はさらに原発比率が高く、リスクが高いのは示した通り。「現時点では考えていない」(八木社長)と当面は内部留保の取り崩しで対応する方針だが、社内からは「再稼働が行き詰まれば早い段階で決めることになる」(幹部)との声も聞こえだしている。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 森川 潤)
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2012年5月31日 21:28:51 : U3yN6c6aqg
関西電力は配電事業に使っている電柱を活用して、eo光と呼ばれる光通信事業を行っており、NTTより安いことで人気を集めている。当方はNTTの光通信を早くから利用しているが、高い。しかし、今なお利用している。eo光を使うことは、関西電力の原発事業を認めることになる…と、昔から「反原発」の意思を示すため、関西電力のセールスを断ってきた。今日、原発に依存してきた関西電力が苦境に陥っている。因果応報だ。

関西電力も今後、付帯事業からの大幅撤退も迫られることになろう。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民76掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民76掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧