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ギリシャのユーロ圏離脱について、そうなった際に想定される事態や、様々なシナリオが多くのメディアで伝えられている。事態が落ち着くまではどう考えてもギリシャ国民には今以上・・・というより今より遥かに厳しい状況が待っているというのが大勢的な見方で、これはそうだろう。そんなことになったなら、周りも無傷でいられないのだから、逆説的に離脱はないという見方をする米証券会社もある。人口1100万人で経済規模(GDP)にして埼玉県より少し大きいくらいの国にしてこんな感じ。ただし、これらは机の上の話であって、現実は様々な想定外もありどんな出方をするかはわからない。
そこで思うのは、我らが日本のこと。近い将来日本国債が暴落し、金利は急騰、いよいよ日本国破たんで円も暴落というシナリオを解いた書籍は複数あるとのことで、セミナーなどでその類の本を読み心配になったと質問される参加者は少なくない。確かに今の政府債務の規模だけを見れば、これは限界点が近い、あるいは超えているとうことは否めない。そうかも知れぬ。しかし、だからといって近い将来に暴落して日本国経済が大混乱いうふうにも見えぬ。
そもそも、日本が混乱に陥るような事態の時には、他の主要国が安泰ということはなかろう。少なくとも断トツの海外純資産保有国の日本ゆえに、日本が危機ということになれば資金のレパトリ(引き上げ)が起きることになる。該当国からのジャパンマネーの引き上げは、それらの国に混乱を巻き起こすことになろう。
国債暴落で日本の金融機関が損失を抱えるとすると、損金処理や自己資本比率の関係で米国債を売ることが考えられる。いわば強力な“貸しはがし”が、国際規模で起きることになるのではないか。売られた米国では長期金利が上がってしまう。外貨準備では80兆円からの米国債を保有している。日本国政府は米国からのプレッシャーで米国債など売れない、という話をする人もいる。しかし、国が危機に陥るという究極の環境で気兼ねもプレッシャーもあったもんじゃない、国益優先ということ。
こうしたシナリオも机の上の話だが、日本国債の暴落や円暴落を指摘するものに、こうした反対側で起きることを検証しているものはあるのだろうか。読みもしないで書くと叱られそうだが、どうなのか。こうした反対側で起きると思われることも、考慮すべきと思う。確かなのは仮に日本がそのような危機的状態に至るときは、世界もギリシャやスペインの比ではないくらい混乱しそうだ。
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