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JPモルガン損失問題でリスク計測モデルの有効性に疑問符  リスク管理者ゴールドマン氏の損失歴認識
http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/264.html
投稿者 MR 日時 2012 年 5 月 21 日 19:31:10: cT5Wxjlo3Xe3.
 

【コラム】
JPモルガン損失問題でリスク計測モデルの有効性に疑問符
HEARD ON THE STREET
2012年 5月 21日 18:32 JST 
 誰が、いつ、何を知っていたのだろうか。この問いは依然として、20億ドル(約1600億円)もの損失を出した米金融大手JPモルガン・チェース JPM -1.30% に向けられている。その一方で重要なことは、これとは逆の問いである。つまり、誰が何を知らなくて、それはなぜか、ということだ。

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AFP/Getty Images
 両方の問いに対するヒントは、損失を出したチーフ・インベストメント・オフィス(CIO)のリスクを測る難解なモデルの調整にありそうだ。JPモルガンによると、今年の第1四半期に、CIOは信用リスク計測モデル「バリュー・アット・リスク(VaR)」を変更した。

 VaRは、企業全体や事業部門、また商品タイプごとに日々予想される最大の損失を計測するものだ。この計測モデルにはあまたの欠陥がある。たとえば、先の金融危機では役に立たなかった。しかし銀行はこれを取引のパフォーマンスを測る指標として、また発生しかけている問題を見つけ出す手段として利用している。皮肉にも、VaRは1990年代半ばにJPモルガンによって考案されたものだ。

 銀行では、計測モデルの変更はそう簡単に行われない。だからJPモルガンが第1四半期の初めに変更し、その後で損失を公表し、さらにまた、JP モルガンによると、計測モデルを元の形に変更したのは注目すべきだ。

 結果どうなったか。JPモルガンは当初、CIOが抱える平均リスクは前四半期より200万ドル少ない6700万ドルと報告していた。しかし元のモデルへ戻した後、JPモルガンは数字を1億2900万ドルへと修正した。CIOが抱える潜在的な損失が急激に膨らんだことがわかる。

 VaRの何が具体的に変更されたかという点に加え、測定モデルの変更については、さらに2つの疑問が湧いてくる。第1は、なぜ変更されたのか、という点だ。安全だと思われる取引に対するリスクを誤って高く見積もってしまうと誰かが考えたからだろうか。それとも、取引がうまくいかず、VaRが警告を発し始めるのを誰かが嫌ったからだろうか。後者であれば、不正行為の可能性が出てくる。

 第2に、たとえ変更が妥当な理由から行われたとしても、銀行幹部のなかで誰がこれを知り、許可を与えたのだろうかという疑問だ。CIOはジェームズ・ダイモン最高経営責任者(CEO)に直属しているのではなかったのか。

 仮に幹部が適切に相談を受けていなかったとすれば、内部管理およびリスク管理システムに深刻な欠陥があることになる。さらに経営者と規制当局は、何かがおかしいという初期の警告サインを知る機会を奪われていたのかもしれない。

 これまでのところ、JPモルガンは損失に関して詳細をほとんど明らかにしていない。また第2四半期終了後まで、さらなる情報の提供はしないとしている。さらに、ダイモン氏は先週、上院銀行委員会で証言することに合意した。

 議会にとって、銀行のリスク計測モデルはことのほか重要である。これを巡る問題は、銀行による資本の管理方法や投資家に対するリスクの開示にも関係するからだ。

 VaRは取引中の資産に対して銀行がどの程度の資本を持っているかを判断する一助となる場合もある。ただ、この計測モデルは内部で作られたものであるため、銀行側に裁量の余地を与えている。危険な面は、銀行側にとって「所要資本額を低く抑えるために計測モデルを使う意向が働く」ことだと、連邦預金保険公社の前総裁、シーラ・ベアー氏は指摘する。JPモルガンの例がその可能性を示すように、銀行が計測モデルを変更することができるなら、危険は増すことになる。

 また、JPモルガンのケースは、計測モデルが銀行によって異なることを思い出させることになった。実際、米通貨監督庁(OCC)はデリバティブ(金融派生商品)取引に関する年4回発行のリポートの中で、リスク計測モデルは誤った数値を示すこともあると「警告」していた。

 OCCによると、JPモルガン、ゴールドマン・サックス GS -1.64% 、モルガン・スタンレー MS -0.82% は 信頼区間を95%として計算していた。仮に「バンク・オブ・アメリカ BAC +0.57% やシティグループ C -1.51% のように」、信頼区間を99%で計算していれば、「VaRの予測は有意に高かっただろう」とOCCは指摘している。

 JPモルガンの問題は、銀行と投資家の双方にとって、リスクを測ろうとすることが――それを操作することは言うに及ばず――危険をはらんでいることを浮き彫りにする結果となった。

[ハード・オン・ザ・ストリート(Heard on the Street)は1960年代から続く全米のビジネス・リーダー必読のWSJ定番コラム。2008年のリニューアルでアメリカ、ヨーロッパ、アジア各国に 駐在する10人以上の記者が加わり、グローバルな取材力をさらに強化。刻々と変わる世界市場の動きをWSJ日本版でもスピーディーに紹介していく]

記者: David Reilly

http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Heard-on-the-Street/node_446090?mod=WSJ3items

JPモルガン、リスク管理者ゴールドマン氏の損失歴認識

  5月21日(ブルームバーグ):米JPモルガン・チェースのチーフ・インベストメント・オフィス(CIO)部門でリスク管理を担当していたアービン・ゴールドマン氏は、前の勤務先の米キャンター・フィッツジェラルドで損失を計上した投資をめぐって2007年に解雇されていた。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。この問題ではキャンターが監督当局の調査を受けていた。
JPモルガンは今年2月に同氏をCIOのリスク管理責任者に起用した。同行は当時、ゴールドマン氏のキャンターでの行為が当局による同社制裁につながったことを認識していたと、事情を知る関係者は述べた。
20億ドル(約1600億円)を超す損失を出したCIO部門のリスク管理は重大な問題として注目されており、米監督当局が今回の損失問題を検証しているほか、議会は預金者を危険にさらしかねない銀行のリスクテークをどう防止するかを議論している。事情に詳しい関係者1人によると、ゴールドマン氏は義理の兄弟のバリー・ズーブロー氏(59)が1月にリスク管理担当トップから退任したのを受けて、リスク管理の職に就いた。JPモルガンは損失公表から1週間足らずのうちにゴールドマン氏を解任し、チェタン・バーギリ氏を後任としたと事情に詳しい関係者は話している。
キャンターは2010年に、ゴールドマン氏が同社の自己勘定部門で取引していたのと同じ株式を個人口座で売買していたのを監督しなかったとして、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の電子株式市場Arcaの法規執行部門から25万ドルの支払いを命じられていた。同氏による株式投資は06年12月に一部銘柄が急落した。NYSE・Arcaは同氏の個人的投資が利益相反に当たり、投資の判断に影響した可能性があると指摘したことがNYSEのウェブサイトに掲載された和解文書に示されている。
和解
この件についてキャンターは不正行為を肯定も否定もせずNYSEとの和解に応じた。NYSEの文書では、ゴールドマン氏は当時の役職名でしか言及されておらず、違法性を直接追及されてはいなかった。解雇の経緯を知る複数の関係者が退社理由は非公開だとして匿名を条件に語った。キャンターはトレーダーが自己勘定取引で買った銘柄を個人的に投資することを社内で禁止している。
JPモルガンの広報担当、クリスティン・レムコウ氏はゴールドマン氏のキャンターでの行動や同行でのリスク管理責任者への起用決定にに関してコメントを控えた。ゴールドマン氏からのコメントは現時点では得られていない。
複数の関係者によると、JPモルガンは現在、トレーディングリスクを隠そうとした人物がいるかどうかを調査している。関係者1人によれば、同行はゴールドマン氏に何らかの不適切な行為があった事実は発見していない。
原題:JPMorgan CIO Risk Chief Said to Have History of TradingLosses(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Lisa Abramowicz labramowicz@bloomberg.net;ニューヨーク Dawn Kopecki dkopecki@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:David Scheer dscheer@bloomberg.net;Alan Goldstein agoldstein5@bloomberg.net
更新日時: 2012/05/21 16:09 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M4CGA36K50Y701.html  

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コメント
 
01. 2012年5月21日 23:10:36 : 3CNLte9sGM
【コラム】燃え尽きバンカーが崩すウォール街神話−コーハン

  5月21日(ブルームバーグ):米紙ニューヨーク・タイムズがゴールドマン・サックス・グループのバイスプレジデントだったグレッグ・スミス氏の退社を注目の的にした3月以来、出版物やインターネット上のブログではウォール街脱出物語を一人称で語るという「家内工業」が花盛りだ。
例えば、英紙ガーディアンは「ボイシズ・オブ・ファイナンス(金融界の声)」というシリーズで60本のコラムを掲載した。ここでは、ウォール街の現・元バンカーやトレーダーらが匿名で、業務の実態やウォール街を去ることを決めた理由などを説明する。ロンドン在勤の株式デリバティブ(金融派生商品)セールス担当者は、ウォール街で正しいことを行うのはトップからの命令でなければならないと記した。
かのスミス氏と同様の職務だが勤め先はゴールドマンではないこのセールスマン氏は「結局、組織の価値観に行き着く。自社の商品を2倍の値段で売れるとき、売るかと言われれば、ビジネスの世界では、顧客が適切な情報を持っている限り、それは合法だと言えるだろう」と記述。
さらに、「仕組みデリバティブの世界では、顧客があえて危険を背負って無視する重要なルールがある。これらの商品を買う際は、小さな字で書かれた説明をよく読まなければいけないし、買う前に弁護士を雇って説明してもらわなければならない。そうしなければ情報の不均衡が起こる」と説明した。
これらの匿名の情報発信は、ウォール街で働くとはどんなものかを読者に垣間見させる点で有用だ。しかし、栄光と富を約束して世界で最も頭脳明晰(めいせき)な人材を誘惑することに長けた業界を大声で無条件に否定するエピソードに匹敵するものではない。
リドリー氏の強烈な告白
それに対し、元バンカーのスティーブン・リドリー氏のエピソードは強烈だ。同氏は欧州のある「一流」投資銀行で若手バンカーとして1年4カ月を耐えた後、2011年10月に金融業界でのキャリアに見切りを付け、シンガー・ソングライターになった。英ロックバンド、コールドプレイのクリス・マーティンばりのアーティストに転身を遂げたリドリー氏は先月、投資銀行時代の苦労話を公表することを決めた。ウォール街で働こうかと考えている人は投資銀行業界のブラックホールに落ち込む前に、同氏の物語を読むことをお勧めする。
それによると、リドリー氏は2010年に英国の名門大学を哲学と政治学、経済学の学位を得て卒業。卒業前の夏にインターンとして働いた「欧州の」銀行に1年後に就職した。インターンとしての経験で投資銀行の仕事がどれほど非人間的かは知っていたが、できるだけたくさんの金を稼ぐということを唯一の動機に就職を決めた。お金があれば幸せになれ、周囲の人々の尊敬も得られると考えたという。
金さえあれば幸せか
「自他ともにひとかどの人間として認められたかった」と同氏は「ウォール・ストリート・オアシス」というブログに書いている。「しかし、何よりもまず金が欲しかった。なぜかと言えば金は自由そのものだからだ。金があれば好きなものを着て好きなところに住み、好きなところに行き、好きなものを食べられる。自分がなりたい人間でいられる。お金は人間を幸せにする。そうだろう」と同氏は問い掛ける。
間違っていた、と同氏は続ける。「実際には、お金はバンカーたちを幸せにしているようには見えなかった。銀行業界で私が出会った200人ほどの中で、幸せな人間は1人もいなかった。全員が全国平均の何倍もの金を稼いでいたにもかかわらずだ」という。
同氏はさらに、なぜ自分が不幸せだったかを説明する。「皆そうだが、私も骨の髄まで疲れ切るほど働いた。頭がぼうっとなるほど退屈な仕事だった」という。「1日の労働時間は15時間が最低で16−17時間はざら、20時間以上もたびたびあった。月に1、2回は誰もが恐れる徹夜もあった。私は4回の週末のうち2回は何らかの形で働いた。自由というものがなかった。常にブラックベリーを携帯し、従って決して完全に仕事から離れることができなかった」と同氏は振り返った。
リッチで優雅な生活?
いろいろな特典やリッチな生活スタイルはどうだろうか。同氏の語る「客観的な事実」は、「モデルと名の付くもので縁があるのはエクセルの分析モデルだけ、ボトルと言えばコーラのボトル」というもので、「コーラは眠気覚ましのために大量に飲んだ」という。バックパッカーとして南米を貧乏旅行していた方が、華やかと見なされる投資銀行の世界にいるよりも幸せだったと気付いた同氏は、投資銀行のキャリアを捨て、かねてから望んでいたシンガーの道を進むことを決めた。
投資銀行が分け合うパイの縮小と業界への規制の劇的な変化を考えると、ウォール街は今や重大なパラダイムシフトの瞬間を迎えているようだ。リドリー氏や他の大勢が気付いたように、ウォール街はもはや面白おかしい街ではなく、必ずしも金銭的に有利な働き場所でもない。
そして、ここ数十年で最良のニュースはこれだ。もしかしたら、社会の中で最も優秀な若者たちは今後、大学を卒業した後、名声と富を夢見て当然のようにウォール街に吸い込まれる代わりに、それぞれの夢を追求するようになるかもしれない。それは彼ら自身にとっても社会にとっても良いことだ。
リドリー氏が言う通り、「人生は短い。若い日があり、歳を取り、そして死ぬ。これを知って行動しよう。失うものは何もない」のだから。
原題:Banking Burnouts Blow Away Wall Street Myths: William D.Cohan(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク David Henry dhenry7@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Toby Harshaw tharshaw@bloomberg.net
更新日時: 2012/05/21 21:15 JST


02. 2012年5月22日 05:35:58 : UtzuRYm9kE
リスク計測モデルがいくら精緻にできていようとも、過去の統計データをもとに組み立てられたモデルだ。現在のようにリスク資産の保有割合が急拡大してしまった
なら、過去の経済と今の経済との連続性がなくなり、時間軸の整合性が取れなくなってしまった。根本的にリスクの定義がおかしかったのだ。

リスクの顕在化していないときは、統計的に信頼性のあるリスクの量を計測できる。これに基づいてリスクを引き受けるだけで利益が確実に手に入る。リスク資産もリスクをヘッジできて、利鞘を確実に稼ぐことができる。

市中に流れるお金の量が多くなって行く状態が続く限り、リスクは顕在化しないのでで、リスクヘッジにあまりコストがかからない統計データの下で、金融機関は目いっぱい金融と利益拡大に走るだろう。

金融業は漁業と同じだ。魚(利益)を取りすぎれば、漁業資源(お金)は再生産できないほど枯渇する。また金融は会計学と密接に関連しているので、将来返済しなければならない債務を、資産価格の上昇で覆い隠して、債務が消えたかのように市場関係者を誤認させた。

債務の継続的な返済は債権者にとって、過去に計上したの利益の実現の整合性をとるための行為でしかないので、債務者に返済してもらわないと、利益がただちに損失に変貌する。債務者にとって、その返済額は将来の消費や投資に回す金融資源を減少させる。


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