http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/233.html
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http://www.mag2.com/o/kinyukeizai/2012/0518.html
デフレの真の恐怖は、物価が下落することそのものではない。何しろ、所得が変わらないという前提が成立するのであれば、物価下落は実質所得の上昇になる。一定の所得で購入できる財やサービスが増えていくのであれば、それは国民が次第に豊かになっていくことを意味するのである。とはいえ、現実には上記のような甘い話はなく、デフレ下では物価と共に所得も下がっていく。しかも、デフレ下では物価以上に所得が下落していくのである。すなわち、国民は減り続ける所得で購入できる財やサービスが「少なくなっていく」というのが現実なのだ。より分かりやすく書くと、貧乏になっていくのである。
【日本のコアコアCPIと平均給与(対95年比%)】
上図は、日本のコアコアCPIと平均給与の推移を見たものである。コアコアCPIとは、「需要と供給能力」の乖離であるデフレギャップとは無関係に物価が変動する食料品(酒類を除く)とエネルギーを省いた物価指数になる。例えば、天候不順で生鮮食料品の価格が高騰したり「外国の事情」でエネルギー価格が変動する影響を省いた消費者物価指数というわけだ。
日本のコアコアCPIは、デフレが深刻化した98年以降「着実に」下がり続けている。2010年の物価指数は、95年と比較するとマイナス3.38%となっている。それに対し、平均給与はそれ以上のペースで減り続けているのである。2010年の平均給与は、95年比で何とマイナス9.85%だ。日本のデフレが継続し、確かに物価は下がり続けている。とはいえ、平均給与の方はその三倍近いペースで減少しているのである。これはまさに、日本国民が名目的にも「実質的にも」貧しくなっていっていることを意味する。
さらに、下がり続けているとはいえ、「給与」という所得を得ている国民はまだマシなのだ。デフレ期には実質金利が上昇し、企業は投資を減らす。企業が投資を縮小させると、当然ながら雇用環境は悪化に転じる。無論、デフレによる実質金利上昇は円高をもたらし、企業の海外移転に拍車をかける。デフレ期には必ず失業者が増えるわけだが、彼らは一切の「所得」を得られない。失業者は物価が多少下落しようとも、そもそも財やサービスを購入する所得を得られないのである。
デフレの真の恐怖は、物価が下がることではなく、所得が減ることなのだ。しかも、物価下落以上のペースで所得が下がるわけだから、最悪だ。さらに、企業の投資減により、そもそも職を得られない国民までもが増えるのである。
大恐慌期に活躍したアメリカのFRB議長マリナー・S・エクルズは、「デフレは底なしである」という名言を残した。デフレ深刻化で労働者の給与水準が下がる、あるいは失業者が増えると、国内の消費は必ず落ち込む。結果的に、供給能力と需要の差であるデフレギャップが広がり、企業はさらに投資を抑制せざるを得なくなり、人件費削減や人員解雇が進む。すると、当然の話として、ますます国民の給与水準が下がり、失業率が上昇する。結果、国内の消費が落ち込む。需要と供給能力が互いに互いを減らしあい、ひたすら国民経済の規模が縮小し、国民が貧しくなっていくからこそデフレは「危機」なのだ。
日本国内ではデフレについて、単純に「財やサービスの価格が下がる」と理解している人が少なくない。いわゆる「消費者目線」で見ると、価格下落は普通にありがたいことであり、「デフレの何が問題なの?」という思考に陥りがちになってしまう。
デフレの真の恐怖は物価下落ではなく、所得水準の低下なのである。しかも、名目的に平均給与が下がるのみならず、所得の下落ペースが物価下落ペースよりも大きくなり、国民は実質的にも貧しくなっていく。
上記について理解すれば、さすがに「デフレでも構わない」などと主張する国民の数は激減すると思うのだが、いかがだろうか。
『週刊三橋貴明』05/14号より抜粋
▓ 三橋 貴明
東京都立大学経済学部卒業。外資系IT企業ノーテルをはじめNEC、日本IBMなどを経て2008年に中小企業診断士として独立。経済評論家、作家としても活躍中。
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意外と知られていないことだが、いわゆる長期金利とは新規発行十年物国債──
2012/05/05
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『金融経済まぐ!』に関するご意見を募集
前述したように今週末にはフェイスブックの上場が予定されていて、世界中の投資家が同社株を買おうと大期待しているといえます。若い世代を中心に実際世界中から買いが入り、日本の投資家の中にも買う人が結構いるでしょう。
しかし最近明らかになった情報では、フェイスブックの米国での利用は頭打ち傾向にあるとのことです。フェイスブックに少々飽きて来たということのようです。
それでも世界的にはどんどん利用者が増えてすでに9億人を越えていて、日本でも1000万人以上の人が使っている状況です。私も使っているのでその一人ということになりますが、発展性という点になると、拡大の限界が近く来てしまいそうな気がします。
「友達」との交流が大事ということであり、次々と「友達」になっていくシステムになっているものの、私は職業上、多くの方々に名前を知っていただいていて、少しずつ「友達」が増えているものの(といっても3カ月ほどかかって220人ほど)、増加スピードは超スローペースです。
そしてほとんどの利用者は10人〜50人であり、そこからはなかなか増えないとされています。当然でもありますよね。「友達」がどんどん増えるというのもおかしなことですからね。(実際には「友達」は数人でよいのでは)
こんな事情を考えても、フェイスブックの株価は上場後あまり伸びないような気がします。気がするのであって、実際は伸びたりしますけど・・・(笑)
ただあの有名なウォーレン・バフェット氏もフェイスブック株は買わない。こう言っていますので、株価がどんどん上がるようだったら、バフェット氏も見通しを間違ったのだから北浜も当然だ、こう思って下さい(笑)
要するにフェイスブック株は今週から来週にかけて世界でもっとも人気のある銘柄。こうなりますけど、まあ、眺めているだけにしようってことです。買うなら、上場後上がって(仮定ですが)、そして下げたらOKです。上場後上がることなくすぐに下げてしまったら先行きも暗く、買い見送り。こうなります。
『北浜流一郎の株リッチ進化大学★「損小利大」投資法で永続収入』05/14号より抜粋
▓ 北浜 流一郎
株式評論家。週刊誌記者、作家業を経て株式アドバイザーへ転身。20年以上にわたって儲かる個人投資家を育て続ける。
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やっかいなのはギリシャの政局で、先週は第3党の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)の──
2012/05/11
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(1)〜ニュースから見る違和感〜
この一年くらいの間、「無料ですGREE」というCMあたりから、GREEがどうなっていくのか気になっていた。そのような意識で情報を集めていたら、まずは4月27日の任天堂の決算資料に関しての記事で『構造的に射幸心を煽り、高額課金を誘発するガチャ課金型のビジネスは、仮に一時的に高い収益性が得られたとしても、お客様との関係が長続きするとは考えていないので、今後とも行うつもりはまったくない』と任天堂が発言していることが分かった。
これは、明らかにPCや携帯電話で人気となっているソーシャルゲーム内で、昔はやった「ガチャガチャ」と言うおもちゃの出る機械のように、ユーザがレアアイテムを手に入れるまでガチャガチャをやり続ける可能性があるビジネスモデル、すなわち「ガチャ課金」を否定している発言である。8000億円近く売上が落ち込んでいる任天堂が、「ガチャ課金」という手法に乗り出さないのは、企業として経済活動をしていく上で自分たちがどう存在するべきかを己に問うた結果であろうと思ってこの記事を読んでいた。すると、5月2日に、グリーに関する記事が次のように出ていた。
『日本のゲームの巨人、GREEは、ミッドコア・モバイルゲーム開発会社のFunzioを2.1億ドルで買収し、欧米向けゲームの開発能力を強化すると発表した。 Funzioの商品には、Crime City、Modern War、およびKingdom Ageがある。いずれもグラフィックRPGで、iOS、Android、およびFacebookで好調な実績を上げている。』とある。「グリーがわざわざ海外のゲーム開発会社を買収する、しかもこの連休中に任天堂の決算発表の記事が出た後に、発表するのはなぜだ?」と思った。まるで、急成長を求められた過去の某IT社長のように結果を急いでいるように思えた。やはり、ここでGREEを分析しておこうかなと思いながら、街を散歩している途中で喫茶店に入った。その喫茶店は昔ながらのコーヒー専門店で、入り口に新聞が置いてあった。たまたま読売新聞があったので、目を通そうと思い手に取ると、『携帯ゲーム新商法「違法」−消費者庁、中止要請へ』と、一面にガチャ課金の解説図入りの記事が出ていた。慌てて、他の新聞もチェックしたが、取り上げているのは読売新聞だけであった。
ここ一週間くらいで、ソーシャルゲームVS非ソーシャルゲームのような記事が飛び交っている。しかも、この記事の影響が出るのは連休明けである。一つ一つの記事の出方と出る順番を見ていくと何か見えない力の攻防のようなものが透けて見えるような気がする。今回は、あえてGREEに注目しているので触れないが、当然モバゲーを運営するDeNAにも影響があることは必須であろう。
(2)〜アメリカの会社を買収した目的は?〜
では、なぜグリーは海外企業であるゲーム開発会社を買収しようとしたのかを改めて考えてみよう。一つ目の理由として考えられるのは、ユーザ数を増やすために海外進出を実行したが、GREEプラットプラットフォームを宣伝していくよりは、既に多くのユーザを抱え技術者もいる企業を仲間にしたほうが、急速に売上が伸びたように見えるということだろう。もう一つの理由は、今のグレーゾーンであるガチャ課金に規制が入る前に、グローバルカンパニーとしていち早くブランド化して、純粋なアイテム課金で成長を伸ばしていきたいと考えたのではないだろうか?
ここで、純粋なアイテム課金という言葉にもあいまいさが残る。フィッシングゲームで釣竿を有料で買えば大きなが魚が釣れるというしくみは、そもそもガチャ課金に当たらないのかという疑問も残る。つまり、リアルな世界ではどんなに道具が良くてもその人の実力が伴わなければ魚が釣れる確率は上がらないだろうから、大きな魚を釣るためにアイテムを買うという行為は、どうなのだろうかということだ。ソーシャルゲームで魚が釣れる確率は運営者側が握っているだろうから、やはり純粋なアイテム課金とはいえないのではないかと思うのである。買収した企業のビジネスモデルまでは詳細に追いきれていないが、有料ゲームというのは、「欲しいものを手にいれるため」ではなく、「プレーをするため」の対価として「有料」であるのが、本来のビジネスモデルではないだろうか?
話を戻すと、買収は国内での自分たちのビジネスモデルへの危うさからきている要素を含んだグローバル戦略であり、純粋に今のGREEのビジネスモデルをグローバルに展開していこうというものではないのではないだろうか?
『【就職】Dr. 西野の 失敗しない会社えらび』05/07号より抜粋
▓ 西野 嘉之
企業プロファイリングのプロフェッショナル。企業価値検索サービス「Ullet(ユーレット)」を開発し、無料公開。プレジデント、日経マネー、アエラ、日刊ゲンダイなどで執筆、テレビ東京のワールドビジネスサテライトなどにも出演。
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【就職】Dr. 西野の 失敗しない会社えらび【投資】
840 円/ 月額
5月11日の日経新聞の朝刊一面を見て、ついに来たかと思った。 「ビックカメラがコジマを買収」とあった。 コジマの上場は維持したまま──
2012/05/14
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<図1 国際投資銀行による2012年のブレント原油価格予測>
(1)地政学的リスクを背景とする原油価格上昇
イラン問題など地政学的リスクの緊迫を受け、2012年の原油価格は史上最高水準を突破し、150ドルを超える可能性がある。
地政学的リスク、特に中東地域では巨大で潜在的な危機感が高まっている。石油市場の供給が現在乱れている。その他、南スーダン、イエメン、シリアやリビアが石油供給を途絶したことで、市場の緊張感が深まった。潜在的な石油供給危機感、特にイランのホルムズ海峡封鎖懸念が、イラン革命とイラン・イラク戦争(第1次海湾戦争)が終わって以来の30年間で最も重大な脅威である。
(2)世界石油需要の増加、供給の下落で原油価格が上昇
石油輸出国機構(OPEC) が3月9日に発表した月次報告書では、2012年の世界石油需要が日量90万バレル増となり、前回とほぼ同じ予想である。2012年市場はOPEC加盟国からの原油需要が日量3000万バレルと予測されている。それに、OPECは2012年のOPEC非加盟国の産油量増加見通しを日量13万バレル引き下げて60万バレル増と見込んでいる。同月次報告書では、OPEC加盟国の2月産油量は日量14万バレルるが、当月イランから輸入した石油が毎日平均9万バレル減となった。データによると、今年の後半原油市場は更なる困難に直面する見通しである。その際、米国及び欧州の石油精製会社が季節的なメンテナンスを終えて運営を再開するに従って、原油需要が増加するだろう。また、欧州連合(EU) の対イラン石油禁輸措置が完全に実行されることによって、イランに対する制裁がピークに達する。国際エネルギー機関(IEA) は、今年の夏にEUの対イラン石油禁輸措置、及び米国の対イラン措置が実行された後、イランの石油輸出量は日量100万バレル減と予測している。世界の原油需要が上昇している一方、供給が低下した局面は短期的に変わらないことが、原油相場の中長期的な買い材料となるだろう。
(3)米国のQE3政策は大口商品の価格を後押し、原油価格が含まれる
最近発表された経済指標が強い内容となったことを背景に、米連邦準備理事会(FRB)が緩和政策に対する態度が変わったが、全体的には、緩和金融政策の規模を拡大するのは時間の問題と見られている。但し、FRBが何時QE3(量的緩和第3弾)を実施するかに対しては、国際投資銀行は異なる答えを出した。ゴールドマン・サックスは、FRBの追加資産買い入れプログラムは今年の前半に実施するとの予測を出した。FRB の金融政策委員会が現在実施した「逆転操作」は2012年で終わる。モルガン・スタンレーは、FRBが実施する政策のうち、可能性が最も高いのはQE3であり、その確率は75%である。内容は、総額5,000-7,000億ドルの米国債とモーゲージ担保証券(MBS)を買い入れすることである。同社はまた、QE3の代替案として最も魅力があるのは「逆転操作」を続けること、つまりOT2である。注意すべきなのは、FRBの判断は今後変わる可能性がある。バーナンキFRB議長は以前、FRBがある段階で米国の完全雇用水準は既に変わっていると予測できると、それに応じる金融政策を調整することも必要とされると述べた。もしFRBが追加量的緩和金融政策を実施すると、原油を含む大口商品の価格が必ず後押しされるだろう。
<表1 国際投資銀行がFRBの金融政策に対する予測>
(4)ユーロ圏の2回LTROが、市場に流動性を供給、商品価格を押上げる
去年の末頃及び今年の頭頃、ユーロ圏は連続2回のLTRO(3年物資金供給オペ)を実施したことで、ユーロ圏金融システムに流動性を供給した。国際投資銀行は、欧州中銀(ECB)が実施した2回のLTROに対して積極的に評価した。国際投資銀行は、ECBがLTROで導入した1兆ユーロ超は、銀行業界の今後2年間の融資需要を満たすとの見解を示した。但し、ECBが経済を刺激するため、利下げする可能性が高い。LTRO と対ギリシャの第2次支援策が順調に実施され、欧州金融市場と実体経済が徐々に回復しているものの、ECBはまだ経済を支援するため、刺激策を講じる必要がある。ECBが経済を刺激するために実施する緩和政策も、大口商品の買い材料となるだろう。
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