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各国が露骨に国益を追求する「地政学の時代」に日本はどうする?
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投稿者 MR 日時 2012 年 5 月 18 日 02:22:29: cT5Wxjlo3Xe3.
 

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20120516/232178/?ST=print

企業・経営>池上彰の「学問のススメ」
各国が露骨に国益を追求する「地政学の時代」に日本はどうする?

日本経済新聞社編集委員 鈴置高史さんに聞く朝鮮半島情勢【番外編最終回】

2012年5月18日 金曜日 池上 彰

2012年は朝鮮半島を巡る情勢が急変することになりそうだ。韓国は大統領選を控え、与野党ともに左傾化傾向が強まっている。そして、北朝鮮は政権を握ったばかりの金正恩第1書記の下、ミサイルの発射に踏み切り、さらには核実験の実行までも懸念されている。米国や中国などの大国の論理に翻弄されてきたこの2国はこれからどう動くのか。日経ビジネスオンラインで「先読み 深読み 朝鮮半島」を連載中の、日本経済新聞編集委員、鈴置高史さんに聞いた。

池上:韓国では、総選挙がありました。なぜこの時期に、左派が伸びたのでしょうか。

鈴置:それはいい質問ですね(笑)。

池上:ああ、お株を奪われてしまいました(笑)。解説をお願いします。

鈴置:韓国では、なぜ、こんなに左派が強いのか――。今年4月の総選挙では中道保守の与党、セヌリ党が勝ったと報じられました。でも、事前の予想ほどには議席を減らさなかったということに過ぎません。議席数は162から152に減り、全300議席の過半数をかろうじて確保したにとどまりました。得票率でも保守・中道保守の合計と左派の合計は互角でした。

 さて、韓国で左派が驚くほどに力を持つ理由ですが、まずは日本とのアナロジーで説明できると思います。昭和30年代から40年代にかけて日本は「左」の時代だったと思います。「軍国主義はもうこりごり」という雰囲気が根強く、たとえば防衛大学校に進学する高校生は都市部では「少し変わった子」に見られたりもしました。旧軍部に対する反感から、誰が国を守っているのか現実をまっすぐに見る人が少なかったのです。もちろん、当時は左派の学生運動も盛んでした。

池上:そうですね。その時代の空気はよく覚えております。

昭和30年代から40年代の日本と同じ空気が

鈴置:韓国は1960年代初めから長い間、いわゆる「軍事独裁政権」下にありました。民主化宣言が出されたのは87年です。今もなお、軍事独裁政権時代への反発が色濃いのです。右寄りの発言をすると怪訝な目で見られる空気があります。


池上 彰(いけがみ・あきら)
ジャーナリスト1950年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。科学文化部記者として経験を積んだ後、報道局記者主幹に。94年4月から11年間「週刊こどもニュース」のお父さん役として、様々なニュースを解説して人気に。2005年3月NHKを退局、フリージャーナリストとして、テレビ、新聞、雑誌、書籍など幅広いメディアで活躍中。主な著書に『伝える力』(PHPビジネス新書)、『知らないと恥をかく世界の大問題』(角川SSC新書)、『そうだったのか! 現代史』(集英社)など多数。
(写真:丸毛 透、以下同)
池上:なるほど。今は2012年ですから、1987年からは25年が経っている。太平洋戦争が終わったのは45年で、その25年後は70年。70年と言えば、よど号ハイジャック事件が起きた年です。そう考えると、左翼にあらざれば人にあらずとでもいうような雰囲気が漂っているのは理解できます。

鈴置:軍事政権下での人権侵害は相当にひどかった。こいつは共産主義者だと思われたら捜査令状もなしで拘束され、拷問され、時には殺されました。家族も事実上、連座しました。左派と見なされた人々は家族も含め、今も怨念があって「強力なアンチ保守」を続けています。

 日本人は、韓国に親・北朝鮮の人々がいるという現実をなかなか信じられません。豊かな民主主義国の国民がなぜ、人権なぞかけらもなく、恐ろしく貧しい北朝鮮を支持するのか、理解するのは難しい。

 彼らは必ずしも北朝鮮の現状にシンパシーがあるのではありません。自分を拷問にかけた軍事政権の敵、つまり「敵の敵は味方」という心情によるところが多いと思います。

 韓国の持病たる激しい内部抗争は「左右対立」と呼ばれたりします。でもそう呼ぶから誤解を与えるのでしょうね。イデオロギー対立よりも怨念(おんねん)による対立と言った方が正確だと思います。

 私は韓国が民主化した1987年から5年間ソウル支局に勤務しました。当時から韓国の知識人は「対立は当分の間、続くと思う」と語っていました。「あなたの国、日本で例えれば、会津の人々が長州を少なくとも一世代は憎んだのと同じです」とも。

池上:なるほど。それは説得力がありますね。

鈴置:もう一つ、今の韓国の経済状況は、血盟団事件で團琢磨が暗殺された当時の日本に似ています。

池上:團琢磨というのは、昭和初期の日本の実業家ですね。三井鉱山を率い、後に三井財閥の総帥を務めましたが、昭和恐慌では三井がドルを買い占めたとして財閥批判の矢面に立つ格好になり、暗殺されました。

跋扈する財閥が閉塞感を強める

鈴置:今も韓国では財閥が跋扈しています。韓国の大企業は、旧国営企業を除いてほとんどが家族支配の財閥です。もし日本で、NTTとJRと新日鉄以外が全て同族会社だったらと考えて下さい。きっと大変な閉塞感に襲われるでしょう。


鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)
日本経済新聞社編集委員。1954年、愛知県生まれ。早稲田大学政経学部卒。77年、日本経済新聞社に入社、産業部に配属。大阪経済部、東大阪分室を経てソウル特派員(87〜92年)、香港特派員(99〜03年と06〜08年)。04年から05年まで経済解説部長。95〜96年にハーバード大学日米関係プログラム研究員、06年にイースト・ウエスト・センター(ハワイ)ジェファーソン・プログラム・フェロー。論文・著書は「From Flying Geese to Round Robin: The Emergence of Powerful Asian Companies and the Collapse of Japan’s Keiretsu(Harvard University, 1996)」、「韓国経済何が問題か」(韓国生産性本部、92年、韓国語)、小説「朝鮮半島201Z年」(日本経済新聞出版社、2010年)。「中国の工場現場を歩き中国経済のぼっ興を描いた」として02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。
 韓国でなぜ、財閥がこれだけ力を持つのか。答えは簡単です。日本と同じような相続税制があるにもかかわらず、ちゃんと税金をとっていないからです。2004年に日本で発覚した、旧・西武鉄道グループの有価証券報告書虚偽記載事件のような手口を使って、ファミリーが財閥の支配権を維持し続けています。

 私は30年前「韓国の財閥も世代交代によりオーナーの持ち株比率も下がって、家族支配の財閥から、いずれ、普通の投資家が株式を分散して持つ普通の企業集団に変わるだろう」と考えていました。でも、それは美しい誤解でした。役所はもちろん、司法もほとんどのメディアまで財閥に取り込まれていて、10年間続いた左派政権でさえ、財閥の正常化に取り組みませんでした。

池上:国民に不満はないのですか?

鈴置:もちろん、財閥はけしからんという声は常にくすぶっています。韓国の保守派の中には「財閥の言語道断の行いにより、世論が左傾化する。北朝鮮は大喜びだ。財閥こそが北を助けている」と怒り心頭に発している人もいます。

池上:その点は、戦後の日本とは少し違うところですね。1960年代から70年代にかけての学生運動では、アメリカによって経済が民主化され財閥が解体されてしまっているため、目に見える巨大な敵が存在しませんでした。

鈴置:目に見える敵がいるかいないかは大きな差ですね。一昔前、日本の左翼は「太った社長が葉巻をくゆらして労働者を踏みつけにしている」マンガをビラに描いたものです。しかし、現実には絵に描いたような資本家は大かた消滅し、しがないサラリーマン社長ばかりになったので、労使対立も左右対立も韓国と比べればおとなしいものに終わりました。

 現在の韓国人は、戦後25年が経過した時点で日本人が旧軍に対し抱いていた不信感を保守派に対し持ち、財閥に対しては日本人が戦前に抱いていた憎しみをくすぶらせているといえます。

 以下は半分冗談ですが、韓国の激しい社会対立の原因がもう一つあります。韓国では日本以上に格差が拡大しています。そのうえサムスン電子と現代自動車がとても儲かっています。

 一方、日本では多くの大企業の業績が低迷しています。日本人は格差に対する不満を大企業にぶつけようにも、企業も赤字だったりするのでそうもいかない。日本企業のふがいなさこそが、日本の社会的安定に役立っている、という構図です。

 先日、大手企業の幹部が集まる席で「なぜ、韓国は社会的葛藤が激しいのか」という質問を受けました。この説を披露し「商売下手な日本のトップのおかげで日本はとても平和です」と申し上げたら、皆さん苦笑しておられました。

池上:うーん、本質的に考えると日本にとっていいことではなさそうですね。

鈴置:元々、韓国経済の中で占める比重の大きかった財閥が、さらに強くなったのは1997年以降です。

池上:アジア通貨危機ですね。IMF(国際通貨基金)による韓国の救済は、97年から始まりました。

IMF危機を乗り越えたのに財閥が全部持っていった

鈴置:あのとき韓国は価値観も大きく切り替えました。それまでの日本モデルから米国モデルに、です。韓国は終身雇用、年功序列など日本を忠実になぞっていましたが、IMF危機で企業は従業員を大量に馘首せざるを得ませんでした。当然、日本モデルは廃棄するほかはなく、代わりに激しい社内競争と超合理主義をむねとする米国流を取り入れました。

 また、企業は正規従業員を馘首した後、作業量が戻っても非正規雇用の採用でしのぎました。これで所得格差は一気に広がりました。日本の格差問題とは比べものにならないほど激しいものです。社会全体に「生き残りのためには何をやってもいい」という空気が根付きました。それは米国発の「新自由主義」として認識されたのです。

 IMF危機から15年たちました。現在の状況は以下の通りです。サムスン電子や現代自動車は大儲けする。なのに、若者の失業率は上がる一方。年金制度も整っておらず、退職の始まったベビーブーム世代の生活難が顕在化した。というのに、財閥の息子や娘の違法・脱法相続は見逃されたまま……。

 韓国人の今の心情をひとことで言えば、以下と思います。
 「企業の身勝手な馘首も受け入れて、皆で力を合わせてIMF危機を乗り切った。だが、果実は財閥だけが持って行った」。

 IMF危機に陥ったのも米国の陰謀のためと信じられています。格差社会も米国式の新自由主義導入の結果と見られていますから、こうした社会的な不満が反米ムードを醸し出していく可能性があります。

池上:お話を伺っていると、マスメディアの韓国についての報じ方について、反省しなくてはならない点が多々あることに気づきますね。「サムスンはすごい、なのにソニーは、パナソニックは何をやっているんだ」とか「韓国のエリート学生はサムスンに憧れている」というような韓国企業礼賛論を描くのは実に簡単なのですが、なぜサムスンが短期間のうちにここまで強大になったのか、そのプロセスを韓国国内から見ると、必ずしも手放しで賞賛できる話ばかりでないことに気づきます。

 実際、韓国には、憧れのサムスンに入っても「こんなはずじゃなかった」「もう嫌だ」と、自ら去って行っている人もたくさんいるはずなのに、それがなかなか伝わってきませんね。

鈴置:日本の企業や経営者がだらしない、という点は間違っていないと思います。ただ、韓国も大きな問題点を抱えていることを見逃しては判断を間違えます。例えば、個人の間だけではなく企業の間の格差も広がっています。

 最近、毎日経済新聞と言う韓国紙が面白い記事を載せていました。今年1〜3月の上場会社の決算を集計すると増収増益。しかし、サムスン電子と現代自動車グループを除くと、増収減益。「ビッグ2」の好調さに隠れて見えにくいけれど、実はほとんどの会社の利ザヤは薄くなる一方、というのです。

 財閥の強さだけではなく問題点も知るべきと思います。今年2月に邦訳が出た『サムスンの真実』(金勇K著、バジリコ)がとても参考になります。

池上:読んでみます。今回の鈴置さんとのお話をまとめましょう。入り口は、北朝鮮のミサイル発射問題でした。でも、裏を返すとそれは韓国の微妙な国際政治の問題とセットだった……。

鈴置:そうです。1998年から10年間続いた韓国の左翼政権が北朝鮮を甘やかした。もし、韓国が多額の援助をしなかったら、北朝鮮はミサイルや核兵器を作る資金を確保できなかったでしょう。そもそも、北は90年代半ば以降、経済的に息も絶え絶えの状態でしたから、韓国の左翼政権が助けなければ国家が崩壊していた可能性もあったと思います。

 朝鮮半島を俯瞰してみれば、北の核ミサイル問題の背景には南の左翼政権があり、左翼政権誕生の根には韓国特有の激しい国内対立があったわけです。半島からズームを引き視野を世界に広げれば、北の核ミサイル問題の根には冷戦体制の崩壊に伴う北の孤立・困窮化があり、さらには最近の米国の退潮・中国の台頭があります。

池上:そもそもアメリカが弱体化して、他国の安全保障に積極的ではなくなりつつある、という変化も、この問題を複雑にしています。


鈴置:まったくその通りと思います。2000年ごろまでは、北朝鮮も中国も米国の顔色を必死で窺っていました。9・11の際の米国への弔電でも、日本より北朝鮮の方が早く打ったという記憶があります。北朝鮮は犯人と間違えられては困る、と考えたのかもしれませんが。それが今では中国も北も、舐めたものです。

池上:そういった状況を踏まえた上で、では、日本はどちらの方向へ進むべきでしょうか。

超大国のコントロールが解け、各国が国益を露骨に追求

鈴置:困ったことに、講演しても最後には必ずそれを聞かれます(笑)。私には「どうすべきだ」などという大それた話はできません。ただ、アジアの先行きを読むのも仕事の一つですから、それを申し上げます。実は、2010年に書いた『朝鮮半島201Z年』はまさに「これからの展開を読む」本なのです。

 まず、ずっとお話をしてきましたように、世界は地政学の時代に戻ったということです。冷戦時代は超大国が傘下の国をコントロールしましたから、個別の国は国益をむき出しにしにくかった。ところが地政学の時代に戻ると、国益の追求が露骨になる。

 例えば竹島問題。冷戦の最中、実効支配する韓国は日本を挑発しなかった。そんなことをすれば「身内で戦うのはよせ」と米国に怒られてしまうからです。しかし、1990年代になって冷戦の終結が確認されると、韓国の歴代政権は「独島――竹島の韓国名ですが――は我々が取り返したぞ」と、国民の前で快哉を叫ぶようになりました。もう誰にも怒られない。

 韓国では「対馬も取り返せ」という声があります。日韓首脳会談で韓国の大統領が「対馬を返せ」とは言わないでしょうが、仮に日本の首相が「対馬は日本の領土だとこの場で認めろ」と言った際、さて、素直に応じるかどうか。大統領が簡単に「イエス」とは応じられない空気が韓国には生まれました。

 こうなると、日本は近隣の国々に対して過去に比べより強い態度を見せて行くだろうと思います。日本の、リベラルを自任する人々は「日本が右傾化した。まだ我々は過去への反省が足りない」と大騒ぎするでしょうが、世界全体が「右傾化」していくのです。

 中国に対しては、韓国に対して以上に明確にファイティングポーズをとるようになるでしょう。中国による脅威は、韓国のそれとは異なり日本の死活がかかるからです。今後、日本は韓国という国を、日中関係の文脈の中で認識し対応するでしょう。例えば、韓国が現在建設中の済州島の海軍基地に中国海軍の艦艇を引き込んだら、日本も韓国を明確に敵と認定することになるでしょう。

池上:尖閣諸島の問題に関しても、まだまだ弱腰な面は否めませんが、以前よりは強硬な態度をとるようになっています。

鈴置:気をつけるべきは、日中戦争の際に犯した過ちです。

池上:それはどういうことでしょうか?

中国の拡大路線と戦前の日本、なぜか似ている

鈴置:これは『朝鮮半島201Z年』の最後で、韓国人の登場人物に言わせたことなのですが「日本人は団結心が強い。これからは対中国で団結するだろう。しかし、日本人はすぐに調子に乗ってワナにはまるから気をつけろ」(笑)。

 日中戦争は、軍事的には日本が勝ちましたが、戦略的には負けた戦いでした。局地戦では次々と勝利を収めるものだから、日本の軍隊は調子に乗ってどんどん攻めていく。そしてついに上海租界という欧米の利権を侵してしまう。これで世界中を敵に回してしまった。大局観がないといいますか、戦略性がないといいますか……。軍事的に弱かった中国が、そこを突いて政略で勝ったのです。

 昔の日本のように今、中国が調子に乗って世界中を敵に回し始めました。日本がこの状況を上手に生かし、中国のオウンゴールを誘っていけばいいのだけれど、戦略的思考が苦手な日本人に、それができるのか……。拙著もこの疑問を投げかけるところで終わっています。

池上:尖閣諸島問題がそれですね。中国側にも、今後こそという気持ちはあるかも知れませんね。先日、東京大学の加藤陽子教授も新聞に書いていました。今の中国には、戦前の日本の空気が漂っていると。

 成長期ですから、イケイケどんどんで、端緒さえつかめれば、これまでのいろいろな恨みやコンプレックスを晴らしてやろうという気にはなっているでしょう。

鈴置:かつて、高橋亀吉というエコノミストがいました。

池上:ええ、東洋経済の編集長も務められた、かなりリベラルなイメージのある人です。

鈴置:彼が1936年に出版した『支那経済の崩壊と日本』という本があります。当時の日本人の心境が率直に語られています。要約するとこうです。

 「西欧と比べ近代化に遅れをとった日本。それを挽回するために日本人は驚くべき安い賃金で働き続け、ようやく独り立ちした。さあ、これから世界に伸びようとすると、既得権を持つ西欧国家が邪魔して来る。それを打破しないと我々は生き残れない」。

 今、中国人と話すと全く同じことを言うので驚くばかりです。

池上:悪いのは自分たちではなく、そういう状況に追い込んだ存在こそが悪い、ということですね。だから自分たちには、多少のことは許されると。

 そう考えると、中国がこれからどうなるかを予測するときに、戦前の日本はどうだったのかを分析すると、全部がアナロジーにはなりませんけれども、学ぶべき点が多々ありそうですね。

鈴置:“日中アナロジー”をある中国人にしたら嫌な顔をされました。てっきり「軍国主義の日本」と「社会主義の中国」を比べるな、ということかと思ったら、別の理由でした。日本のような「小国」と中国のような「大国」を一緒にするな、ということでした。最近の中国人の自信のほどがうかがえます。

池上:なるほど中国はそこでへそを曲げてしまうわけですか。北朝鮮に端を発し、韓国、中国、アメリカ、ブータン、そしてミャンマーとアジアの国際政治の見取り図が地政学的な視座で理解できるようになりました。
 どうもありがとうございました。

(この番外編は今回で終了します)


鈴置高史さんの近著
『朝鮮半島201Z年』
(日本経済新聞出版社、1900円+税)

朝鮮半島の近将来を予測したシナリオ小説。
「すでに一部は現実のものとなっている」
「最近の事件や政治情勢の現実とリンクして書かれており、冷や汗をかいてしまった」(amazon.co.jpのブックレビューから)。

池上彰の「学問のススメ」

池上彰さんが、さまざまな分野の学者・研究者を訪ねて、日本と世界が直面するさまざまな問題を、各界を代表するプロの「学問の目」でとらえなおす。いわば、大人の大学、それがこのシリーズです。池上彰さんがときに「生徒」となり、ときに「対話相手」となり、各界の先生方とこの問題を論じます。

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池上 彰(いけがみ・あきら)

1950年長野県生まれ。慶応義塾大学卒業後、1973年NHK入局。1994年よりNHK「週刊こどもニュース」でお父さん役として出演。2005年3月にNHKを退社し、現在はフリージャーナリストとして活躍。著書に『わかりやすく〈伝える〉技術』(講談社現代新書)、『高校生からわかる「資本論」』(集英社)、『14歳からの世界金融危機。』(マガジンハウス)など多数。
 

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