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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35240
Financial Times
預金流出に揺らぐギリシャの銀行システム
2012.05.18(金)
アテネの銀行関係者らによると、ギリシャの預金者は5月14日、15日の両日で銀行口座から推定12億ユーロを引き出したが、ユーロ圏やギリシャの銀行当局者らは、金融機関での本格的な取り付け騒ぎは起きていないと主張する。
だが、6月17日の再選挙後に政府が樹立されるまで、ギリシャの銀行システムは金融安定化を図る同国の取り組みにおいて、最も弱い部分になる恐れがある。預金者のパニックの兆しが見られたら、ユーロ圏諸国の指導者は、ギリシャ政府が発足していない中で救済に関する重大な決断を迫られるかもしれない。
4400億ユーロ規模のユーロ圏の救済基金、 欧州金融安定機関(EFSF)は先月、ギリシャの銀行のてこ入れに乗り出し、1740億ユーロの追加支援策の一環として、銀行の資本増強を管轄するギリシャの機関に250億ユーロの救済資金を送金した。
資金が送られたのは4月19日。5月6日の選挙でギリシャ国民が大挙して救済策の合意内容に反対票を投じることが明らかになる前のことだ。
ECBが一部銀行に対する資金供給オペを停止
ECBは通常のオペで、ギリシャの一部銀行に対する流動性供給を停止した〔AFPBB News〕
だが、この資金はまだギリシャの4大銀行の手に渡っていない。現金注入と引き換えに政府がどれほど支配権を持つかを巡り、ギリシャ政府と銀行幹部が交渉していたためだ。
ギリシャの当局者らは、救済資金のうち180億ユーロは週末までに分配される見込みだと話している。
しかし、ギリシャの銀行の財務の健全性に対して、ユーロ圏の当局者らが懸念を深めている兆候が見られる。欧州中央銀行(ECB)が資本増強の遅れを理由に、一部の銀行に対する、日常業務を賄うための低利融資の供給を停止したのだ。
現状では、ECBの通常の資金供給オペから締め出されたギリシャの銀行は、ギリシャ自身の中央銀行から予備の資金供給を受ける。「緊急流動性支援(ELA)」として知られるプロセスだ。だが、こうした資金もECBの政策理事会による承認の対象となり、ECBは法律で、支払い不能状態に陥った銀行への資金供給の承認を禁じられている。
ギリシャでは選挙管理内閣が発足したが、再選挙まで事実上の無政府状態が続く(写真は16日、アテネで就任宣誓を行うパナギオティス・ピクラメノス暫定首相)〔AFPBB News〕
こうした「流動性オペ」がないと、ギリシャの銀行部門全体が崩壊し、ユーロ圏の各国政府はさらに救済資金を注入することを余儀なくされる。
ユーロ圏の政府が二の足を踏んだ場合、ギリシャ政府は独自通貨を印刷せざるを得なくなる。
その結果、自分たちのユーロがドラクマに転換される可能性に怯えたギリシャの預金者が予想を上回る規模で逃避すれば、欧州連合(EU)の指導者はすぐに運命を左右する決断を迫られる恐れがある。
その場合、ECBやユーロ圏の政府は、ギリシャの新政府から救済支援の条件に従うという言質を一切得られないまま、追加資金を承認せざるを得なくなる。現行の救済プログラムでは、全体で480億ユーロの資金がギリシャの銀行に渡ることが見込まれている。
ECBは支払い不能状態の銀行に対しELAの資金供給を継続することを禁じられているものの、どの段階でギリシャの銀行が支払い不能と判断されるのかは明白ではない。このためECBには、政治空白の最中でも、ギリシャの金融システムが機能し続けるようにする余地がある。
パニックには至っていないが、昼までに現金が尽きる支店も
地域の銀行の監視に携わるユーロ圏の高官らは、ギリシャの銀行からの預金流出は管理可能であり、パニックを示唆する規模には及んでいないと話している。
アテネ在勤のあるプライベートバンカーは、16日は以前より緩やかなペースでの預金流出が続いたとし、「今日(16日)は助言を求める顧客からの電話が増えたが、預金の引き出しは減った」と言う。
ギリシャ銀行(中央銀行)の当局者からはコメントを得られなかったが、銀行システムが疲弊し始めたことを示す断片的な証拠がある。アテネの商業・住宅街マルーシ地区にある銀行の顧客は、いくつかの支店で昼までに現金が尽きたと話している。
「今では、1000ユーロ、2000ユーロ以上のお金を引き出したければ、前日に注文を出しておかなければならない」と、あるレストラン経営者は言う。
また、あるギリシャの銀行関係者は「今のところ管理可能だが、銀行システムは極めて資金が漏れ出しやすくなった」と指摘する。
ECBの自己資本が吹き飛ぶ事態を誰が織り込んだのか?
世界的な金融機関の団体である国際金融協会(IIF)のチャールズ・ダラーラ専務理事は16日、ギリシャがユーロから離脱すれば、ギリシャ政府はECBから受けている流動性融資を全額デフォルト(債務不履行)し、中銀が莫大な自己資本増強を余儀なくされると述べた。
「ギリシャの銀行システムは今以上に大々的に崩壊するだろう」。ダラーラ専務理事はダブリンで開かれた会議でこう語った。
「欧州はギリシャ離脱への備えができており、市場は離脱を織り込んだという記事を読んだ。とんでもない。一体ベルリンの誰が、フランクフルトの誰が、ロンドンの誰がECBの自己資本が吹き飛ぶ事態を織り込んだのか?」
By Peter Spiegel in Brussels, Kerin Hope in Athens and Ralph Atkins in Frankfurt
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35241
ついにユーロ安が始まった?
危機にもかかわらず底堅かった相場に異変
2012.05.18(金)
ギリシャのユーロ離脱の可能性が幅広く議論されるようになる中で、単一通貨が下落し始めた。だが、欧州の一部の株式・債券市場の不安定な動きとは対照的に、これまでのところユーロの下落は小幅にとどまっている。
ユーロの対ドル相場は今月に入って4%下落したが、まだ1月の安値を上回っている。
ユーロの強さを説明する3つの説
危機にもかかわらず、不思議なほど強かったユーロ相場だが・・・〔AFPBB News〕
この1年間というもの、ユーロの抵抗力は為替トレーダーたちを悩ませてきた。2010年夏に債務危機が勃発して以来、ユーロは7%上昇している。
5月16日にはユーロの対ドル相場が1月以来初めて1.27ドルを下回ったが、ロンドン市場で最大の為替ディーラーの1つであるシティグループは、顧客はユーロを買い越していると話していた。
だが、アナリストたちは今、ユーロが転換点を迎えている可能性があると考えている。投資家の行動は、ここ数カ月間ユーロを支えてきた支柱が弱くなっていることを示唆している。
債務危機の悪化に直面する中でもユーロが強さを保っている理由を説明する説は、主に3つある。
1つ目は、国債の投資家は手持ちの国債を、いわゆる欧州「周縁国」からドイツやフランスなどの「中核国」に切り替える傾向があり、これによって単一通貨に下落圧力がかかることはなかった、という説。2つ目は、各国中央銀行が今年、ドルからユーロへの分散化を続けてきたという説だ。
そして第3は、投機筋は依然ユーロを大きく売り建てたままで、先週はユーロ売りのポジションが2月中旬以来最も高い水準まで増加している。こうしたポジションはユーロが下落した時に手仕舞いされる傾向があり、それがユーロ反発を引き起こす、というものだ。
中核国資産の購入が減少
1つ目の説は有効性を失いつつある。今週公表されたフランスの国際収支統計は、外国人によるフランス資産の買い越し額が3月に277億ユーロとなり、前月の188億ユーロから増加したことを示している。
このことは、投資家が今年早い時期に資産をスペインやイタリアなどの周縁国から中核国に移したという説を裏づけている。ただし、統計はその資金がユーロ圏内から来ているのかユーロ圏外から来ているのかという内訳は示していない。
だが、ユーロ建て資産を最も大量に買う外国人である日本の投資家に関する野村証券の最近の分析では、この傾向が次第に弱まっている可能性がある。
日本の投資家は今年初め、世界的にリスク選好が改善すると、一斉に欧州債券への投資に回帰し、1月に138億ドル、2月に115億ドルの債券を購入した。この時期にはユーロが3%上昇している。だが3月になると、投資はわずか22億ドルまで減速した。
野村証券の試算では、日本の投資家は4月に海外資産を記録的なペースで売却し、差し引きで327億ドルの資金を日本国内に引き揚げたという。
「外国人投資家が中核国の資産を買っているというこの考え方は2月と3月の話であって、今の話ではない」と、野村証券の為替ストラテジスト、イェンズ・ノードビック氏は言う。
中銀のユーロ買いにも鈍化の兆し
各国の中央銀行も、ユーロの購入ペースを落としているように見える。
国際通貨基金(IMF)が公表する中央銀行の外貨準備に関する公式統計は不完全で(中国のデータが含まれていない)、遅れ気味だ。12月末までの直近の統計は、世界のユーロ建て外貨準備の大幅な減少を示していなかった。このことは、昨年のほぼ一貫したユーロの抵抗力を説明する助けになる。
さらに、新興国の中央銀行も年初は、世界的に経済成長率が高まる中で外貨準備を膨らませた。多くの新興国はコモディティー(商品)を輸出しているため、これがドルに偏った外貨準備を生み出し、中央銀行はその資金をユーロのような他通貨に分散化しようとしてきた。
だが、その後は伸びが鈍化している。実際、野村の試算では、新興国の外貨準備は1月には839億ドル増加したが、2月は570億ドル、3月はわずか164億ドルの増加にとどまったという。
さらに、中央銀行の中には、今年ユーロにあまり乗り気ではなかったところもある。スイス国立銀行(SNB)は今月、ユーロの代わりに英ポンドへの分散化を優先して、ユーロ建ての外貨準備を昨年第4四半期の1205億ユーロから今年第1四半期の1030億ユーロまで減らしたと述べた。
ドイツ銀行の為替ストラテジスト、アラン・ラスキン氏は次のように話す。「中央銀行のような長期の投資家がユーロ圏内にとどまるすべての国に対する信頼を失い始めたのだとすれば、我々は物語のページをめくったことになり、新たな展開はユーロにとって大きなマイナスとなる可能性がある」
「ギリシャの混乱の最中に各国中央銀行がユーロを違った目で見始めることを懸念している。不確かな状況でも、中央銀行が今のようなユーロへの配分を維持するという甘い考えを持てるとは思わない」
「弱いギリシャが抜ければユーロは上昇」にも疑問符
投資家や中央銀行によるユーロ買い意欲の減退を示すこうした兆候が続けば、もう1つの通説にも疑問符が付く。つまり、投資家は最も弱い加盟国がいなくなればユーロは強くなると考えているために、ギリシャによるユーロ離脱の可能性にもかかわらず欧州の資産を喜んで購入する、という説だ。
ユーロ建て資産に対する投資家の需要は、これまでユーロ安が比較的抑えられてきたことを意味している。だが、アナリストたちは今、ユーロのゆっくりとした転落が始まったと考えている。年末までに1.15ドルか1.10ドルまで下落すると予想する向きもある。ついにユーロにひびが入ったのかもしれない。
By Alice Ross
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M466NC6JTSE801.html
ムーディーズ:スペインの銀行を17日に格下げへ−関係者
5月17日(ブルームバーグ):米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、スペインの銀行の信用格付けを17日に引き下げる見通しだ。事情に詳しい関係者2人が、未発表であることを理由に匿名で明らかにした。
ムーディーズのロンドン在勤広報担当は、電話での問い合わせにコメントを控えた。
原題:Spain Banks Said Set for Downgrade by Moody’s InvestorsService(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:Madrid Charles Penty cpenty@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Frank Connelly fconnelly@bloomberg.net
更新日時: 2012/05/17 23:02 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M465QL6JTSE801.html
英国は緊急策を準備中、ギリシャのユーロ離脱に備え−財務相
5月17日(ブルームバーグ):オズボーン英財務相は、ギリシャがユーロ圏から離脱した場合に「必要となる」緊急時対応策を英国は作成していると述べた。
オズボーン財務相は17日に議会下院で、欧州各国の財務相や中央銀行関係者がギリシャのユーロ圏離脱について「憶測を公言する」ようになったいうことは、「後戻りできない事態になったこと」を意味すると述べた。
同財務相はさらにユーロ圏分裂がもたらすリスクを過小評価すべきではないと述べ、「英国はどのような事態が起きようとも準備を整えているだろう」と続けた。その上で財政赤字削減策の放棄はしないと言明した。
原題:Osborne Says U.K. Is Making Contingency Plans For GreekExit(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Andrew Atkinson a.atkinson@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Andrew Atkinson a.atkinson@bloomberg.net
更新日時: 2012/05/17 22:59 JST
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