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グラス・スティーガル法の復活を---ウォール・ストリート・ジャーナル
http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/210.html
投稿者 梵天 日時 2012 年 5 月 17 日 11:52:17: 5Wg35UoGiwUNk
 

http://news.finance.yahoo.co.jp/detail/20120517-00000003-wsj-bus_all

【コラム】グラス・スティーガル法の復活を---ウォール・ストリート・ジャーナル

10時09分配信 ウォール・ストリート・ジャーナル

 【ニューヨーク】JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)の「規制がウォール街をだめにする」という主張は正しい。

 米金融規制改革法(ドッド・フランク法)は、銀行に多額のコストを強いたが、いくつかのことを回避できなかった。

 たとえば、JPモルガンによるデリバティブ取引の巨額損失。MFグローバルの破綻と16億ドルもの顧客資金の損失。四半期に一度のペースで発生するゴールドマン・サックス・グループのスキャンダル。

 もういいかげんに、ウォール街をなるがままにさせておくべきだ。自由市場は自由に任せる。JPモルガン・チェースは、ダイモンCEOが「馬鹿な取引」と称した20億ドルの損失を出してよいではないか。20億ドル稼げばよいのだ。

 とどのつまり、それがウォール街のやり方なのだ。ウォール街では、高報酬のためにはハイリスクも厭わないパワフルな市場システムが求められる。午前の取引で銀行の利益が数十億ドル吹っ飛んでも、午後にはそれを取り返せばいい。

 そのパワーをどうこう言っても始まらない。どんなに規制をかけても抜け穴は常に見つかる。欲望(すなわち楽をして富を生むこと)という動機はあまりに強すぎる。

 だから、効果があまり見込めず、簡単に操作できるような規制を導入するよりも、いっそのこと制度を分けてはどうか。こちらは通貨経済面の伝統的銀行業務、あちらは投機的なカジノ資本主義というように。

 つまり、グラス・スティーガル法を復活させるのだ。

 グラス・スティーガル法を覚えているだろうか。投資銀行とトレーディング業務をリテール、商業銀行業務から分離した大恐慌時代の法律だ。この法律により、JPモルガンは銀行部門のJPモルガンと証券部門のモルガン・スタンレーに分かれた。

 1999年の同法廃止に伴い、証券会社と銀行は再び一緒になることが認められた(注)。そしてもちろん、それが問題の始まりだった。最大の問題は、伝統的な銀行資産を投機的な賭けに使ったり、住宅ローン資産を住宅ローン担保証券(MBS)に使ったりしたことだった。

 (注)実際には、多くの伝統的な商業銀行は、1999年までに90年代に設けられた法の抜け穴を利用して証券取引のような取引を行っていた。すでにJPモルガンの経営実態は投資銀行に近く、ビジネスの割合としては商業銀行業務が投資銀行業務を下回っていた。

 2008年から09年にかけての金融危機の後、規制当局と議員らは、「金融の近代化」によってもたらされた自由競争を縮小しようと動いた。基本的に金融市場の細部まで規定することを意図したドッド・フランク法は、法律の書類が849ページと膨大だ。

 これに対して、グラス・スティーガル法は37ページ。経済に打撃を与えると弁護士が騒いだ米企業改革法(サーベンス・オクスレー法/SOX法)でさえ66ページだ。

 今、起きているのは、金融業界に対する、微に入り細にわたる規制の横行だ。

 当局は、こうした細かな規制を強制したくないし、制定にも積極的というわけではない。また、銀行と証券会社は当然、ドッド・フランク法が定める線に収まるつもりはない。ボルカー・ルールは、グラス・スティーガル法よりも弱腰で、有効性よりも政治に配慮して作られている。米連邦準備理事会(FRB)議長を務めたボルカー氏にはそれがわかっているのではないか。

 誰もが問題の本質を避けようとしている。

 それならば、なぜ銀行業界はグラス・スティーガル法の復活に反対なのか。

 銀行はまず、自分達は1930年代の無知なバンカーとは違い、もっと高度な技能を備えている、と主張する。そして、1兆ドルを超える保証と救済を受けた同業界は、世界基準を満たすには銀行と証券が同じ傘下である必要があり、米銀だけが別な行動を取れば競争力を失う、と言う。

 この主張は明らかにおかしい。第一に、クレディ・スイス、UBS、バークレイズ、ドイツ銀行と、影響を受けるグローバルな大銀行は、ほんの一握りしかない。第2に、こうした金融機関はすべて、米国に投資銀行業務の過半を保有している。

 つまり、もし米国がグラス・スティーガル法に戻れば、世界もカジノ銀行業務から伝統的な銀行業務を事実上分離せざるを得なくなるということだ。

 そうしたシステムは、銀行・証券双方にとって魅力的だ。我々のローン、預金、債務、資産を抱える銀行システムは、自由で乱暴な市場から切り離される。一方、証券部門は銀行監督当局から開放され、リスクを常に警戒する必要がなくなる。

 それならばなぜ、大手金融機関はグラス・スティーガル法の復活を支持できないのか。答えは簡単。彼らは、我々の資金を「カジノ」で賭けたいのだ。

 最近、資産担保証券(ABS)やクレジットカード債務、デリバティブへの依存体質を強める銀行にとって、預金が、そうした変動から身を守る緩衝剤となっている。銀行からすれば、個人のキャッシュと政府の保険――米連邦預金保険公社(FDIC)とFRB――を放棄するくらいなら、800ページ超の新規制と格闘した方がましなのだ。

 これは、ウォール街のモチベーションについての個人的な考察でしかない。しかし、欲望よりも強いモチベーションといえば、自己防衛本能くらいだろう。デリバティブやクレジットリスクの上に成り立つ金融市場が、欲望なしでは存在し得ないとはいえ、我々の経済には強い自己防衛本能がどうしても必要だ。

 だからこそウォール街を自由にしてやるべきだ。あるいは、トレーダーを首にして、銀行をもう一度銀行らしくすべきではなかろうか。

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コメント
 
01. 2012年5月17日 16:56:35 : FijhpXM9AU
「七人の侍」の野武士集団と同じ

40年後の第3次世界恐慌=最大の収奪機会に備えて、農民が富を蓄積できるように(正義の味方月光仮面のふりをして)「投資銀行と商業銀行の垣根を高くして金融業界の正常化を行う」べきだとのたまうのである。ちょうど1930年代の大恐慌の後もそうしたようにね。

何度同じトリックを繰り返しても歴史を読まない大衆には絶対ばれないとふんでいるわけね。

もういいかげんに豆腐の角に頭をぶつけて死んでくれねえか。


02. 2012年5月17日 16:58:00 : FijhpXM9AU
大衆が完全に忘れた頃に、多分2040年くらいに「投資銀行と商業銀行の垣根は金融界の自由な発展を阻害する」とかほざいて、また自由化する超長期シナリオなんだろ。

03. 2012年5月17日 17:44:05 : pvof4Q27Fo
WSJがグラス・スティーガル法を復活させようというのは奇妙な感じがするけれど、これがジャーナリストとしては当たり前の見識というべきかな。 1999年にグラス・スティーガル法を抹殺したのはビル・クリントンだから、それが正しかったか間違っていたのかについて彼を呼んで、WSJ誌上で対論を試みては如何かな。 出来ればソロス氏も同席させれば、多分面白い議論になるでしょう。 N.T

04. 2012年5月17日 19:05:37 : FijhpXM9AU
ビル・クリントンは1999年にその後のITバブルとサブプライムバブルのためのインフラ作りをすることを独裁者主人様から命令されてたんだろ。今世界中で中央銀行の総裁が「バブルの生成と崩壊はどうしようもなかったのだ。誰の責任でもない」と言い始めた(2004年の段階でこういう言い訳をすることを私は予言してたけどね)けど、もちろん彼らは120%知ってて低金利政策をとって親方独裁者様がぼろ儲けする手助けをしたのである。市場が激動しないと親方独裁者様はアホな大衆を食い物にしにくいからねえ。バブル経済は何億人もの大衆を死や不健康や苦痛においやる悪徳であり、引き起こした責任者は終身刑か死刑にするという、こればかりは中国並みの野蛮なアプローチが必要だろう。

05. 2012年5月18日 00:48:53 : sUpHQ8Q75g
>>03
> 1999年にグラス・スティーガル法を抹殺したのはビル・クリントンだから、それが正しかったか間違っていたのかについて彼を呼んで、WSJ誌上で対論を試みては如何かな。


クリントンが真実を吐露すれば面白い

モニカ・ルインスキーが油堕菌から派遣されたハニートラップで
オーバルオフィスでシャブらせたとマスゴミに喧伝され
連日の破廉恥報道が嫌ならグラス・スティーガル法廃案に署名しろと
署名すりゃマスゴミの方は抑えてやると


06. 2012年5月18日 02:09:13 : yfczRWnbX6
金融業界のロビイストがいかに強力か、日本の政治家に危機感はあるのか?オバマでは金融規制を骨抜きにされるし、ロムニーは規制に反対だ。
TPPには金融サービスが入っているのに関税だの農業だの言ってる場合か?邦銀の預金残高しかアメリカ金融はヘッジできない。博打禁止のアラブのオイルマネーは投機に回せないから日本にロックオンしたんだよ。AIGがリーマンで破綻した時も日本法人だけはケロッとしてたのもジャパンルールがあったから。国内法より国際条約の方が優先される事を知らなかった豚にTPPを語る資格無し。

07. XP 2012年5月18日 16:04:28 : iPwDChqPe4Q5k : dMS0nOqKfg
グラス・スティーガル法はそもそも銀行の信用創造でバブルが膨らむのを防ぐのが目的じゃないのかね、既にバブルが膨らんでから復活させても意味が無いどころかバブルを破裂させる作用をするんじゃないの?

WSJはバブルを崩壊させて、世界金融恐慌→世界的な戦争経済を目論んでるんじゃないの。


08. 2012年5月18日 16:26:13 : v7a8Ab2mMw
>グラス・スティーガル法はそもそも銀行の信用創造で
>バブルが膨らむのを防ぐのが目的じゃないのかね、
>既にバブルが膨らんでから復活させても意味が無い
>どころかバブルを破裂させる作用をするんじゃないの?

 全然違いますよ。
 金融自由化前の日本がほとんど同じ状態だった。
 証券業務と銀行業務を分離し、金融機関が絶対につぶれないように当局の監視と統制により、管理するのが目的。
 だから銀行の破綻はなく、信用不安による取り付け騒ぎもなかった。
 従って金融秩序は維持され、貸し渋りや貸し剥がしもほとんど無かった。

 当局におんぶにダッコと言えるが、そもそも大量の資金を持つ銀行は本業以外の危険な取引はできないから、今のように顧客から預かった資金をデリバティブ取引などに突っ込んで博打を打つなんてことはできなかった。

 結果的に地道に業績を伸ばすことのできる企業を発掘し育成することに金融機関の活動が向いていた。
 今のようにカネを稼ぐためにリスキーに博打を打つ必要は無かったし、そうしてお金を回すように努力していた時代だった。

 それから、信用創造による通貨の創造は金融機関が本源的に行わなくてはならないものです。
 信用創造そのものは単にお金を流用し、多重利用しているだけです。
 信用創造により見かけ上の通貨が増加しないと経済活動に必要な資金が回らず、取引の決済などに必要な通貨が大量に必要となり、通貨の発行高は現在よりも相当に大量に必要となります。それは結果的に強力なインフレ圧力となります。
一部の阿修羅の投稿者はそこが分かってませんね。


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