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JPモルガンCEOが言い当てた事(巨大銀行は『ヘッジ』と呼ぶものに関わるべきでない)
http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/174.html
投稿者 墨染 日時 2012 年 5 月 15 日 03:51:30: EVQc6rJP..8E.
 

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M3ZUK66K50XS01.html

5月11日(ブルームバーグ):米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、同行が誇るチーフ・インベストメント・オフィス(CIO)部門がリスクヘッジ戦略に絡んで20億ドル(約1600億円)の取引損失を出したことを明らかにした10日の電話会議で、話が3分の2ほど進んだころで調子が出だし、ダイモン節の本領発揮となったようだ。

同CEOは「とても間が悪い」とした上で、銀行の自己勘定取引を制限するボルカー・ルールの強化を目指す「評論家らの思うつぼにはまることになるが、これに対処する必要がある」と語った。

それなら元JPモルガンのマネジングディレクターで評論家となった私も、ダイモン氏に言い返そう。同行の予想外の損失とそれをバタバタと急いで発表した問題点は、その損失の規模ではない。巨額の資産を保有する同行が乗り切れない規模ではないからだ。本当に問題なのは、ロンドンの鯨というあだ名を持つトレーダー、ブルーノ・イクシル氏の巨額の自己勘定取引によるリスクは大した事がないと、ダイモン氏らが数週間も言い張ったことだ。

ブルームバーグ・ニュースは4月5日付記事で、同行のロンドンオフィスが取っているポジションの規模を報じたが、同CEOは「取るに足らないことを騒ぎ立てている」と述べ、報道した記者らに冷笑を浴びせた。私のかつての上司、ダグ・ブラウンシュタイン最高財務責任者(CFO)は4月13日に、CIO部門は「当行のリスクを均衡させる。下方リスクのヘッジがバランスシート保護の本質だ」とメディアに語り、さらに「現在のポジションに非常に満足」しており、全てのポジションは「本質的に極めて長期のものだ」と説明した。

・さらなる問題発言
ダイモンCEOは2月にも、取材陣を小ばかにする発言をした。2月29日に開かれた投資家向け説明会(インベスター・デー)で、米ウォール街の銀行は収入のうち大きな割合を従業員の報酬に充てているが、なぜそれが必要なのかとの質問を混ぜ返し、新聞社ではジャーナリストの報酬が売り上げの42%を占めると反論。これは「とんでもないことだ」とした上で、「それに加えて新聞社は利益を上げていない。当行の報酬の割合は35%だが、多くの利益を生んでいる」と述べた。これは間違いではない。JPモルガンは2011年に190億ドルの利益を上げ、ダイモン氏は2300万ドル(約18億4000万円)の報酬を受け取った。

ただ同CEOも10日の電話会議で、反省を述べる良識は持ち合わせていた。想定最大損失額の新たなモデルが不十分だったことが分かったので以前のモデルに戻すとしたほか、損失を出した取引には「欠陥があり、複雑な上に再検討や実施、監督が不十分だった」と述べた。また「ずさんさ」を認め、「あらゆる適切な」措置を講じると言明。「最悪の過ちで、自ら招いたもの」だったが、「これを認め、そこから学び、正して次に進む」とした。

・「ボルカールールに反せず」
また、損失を出した同行のヘッジはボルカー・ルールに反するかとの質問に対し同CEOは、「反しないが、私自身の原則には反する」と発言。また尊敬されている銀行アナリスト、マイク・マヨ氏の、振り返ってみると何にもっと注意しておけばよかったかとの質問に、同CEOは「トレーディング損失だ」と答えた後に「新聞も」と付け加えた。

今回の出来事の前までは、ダイモンCEOは常に自信満々だった。自行の「難攻不落のバランスシート」やリスクマネジャーとしての自らの技量を自慢し、米ゴールドマン・サックス・グループやブランクファインCEOのように世間のひんしゅくを買うことはないと余裕綽々だった。また事あるごとに、ベアー・スターンズとワシントン・ミューチュアルの救済役に政府から同行が指名されたことを強調してきた。そして、金融危機を受けて導入されたバーゼル3や金融規制改革法(ドッド・フランク法)、ボルカー・ルール、デリバティブ規則といった規制を厳し過ぎると批判した。

・それでもダイモンCEOの発言のうち、一つは正しかった。
彼は評論家と政治家に口実を与えたのだ。レビン米上院議員は同CEOの会見後、ブルームバーグに対し、「JPモルガンが10日発表した巨大損失は、銀行が『ヘッジ』と呼ぶものの多くが、いわゆる『大き過ぎてつぶせない』銀行が関わるべきでない危険を伴う賭けであることをあらためて示した」と述べた上で、「この日の発表は当局者らに、厳しく効果的な基準を設定する必要性を強く再認識させた」と指摘した。(コーハン)

*****
(ウィリアム・D・コーハン氏は元投資バンカーで、「Money andPower: How Goldman Sachs Came to Rule the World(マネー・アンド・パワー:ゴールドマンはどうやって世界の支配者になったか)」の著作があるブルームバーグ・ビューのコラムニスト。
 

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コメント
 
01. 2012年5月16日 09:10:35 : UtzuRYm9kE
予期せぬ損失をカバーするヘッジは誰かの損失で補てんされるから、同じ金融空間内では、予期せず発生した損失は絶対に消滅しないで、必ず被ることになる。金融商品がヘッジされてリスクがなくなるのは正しいが、このリスクを他の誰かが引き受けていることの事実は変わりない。リスクはカバーできるという間違った安心感だけが脳裏に焼き付けば、自然とリスク資産は増大してゆく。

リスク資産は増大、リスクが顕在化すると引き受けてはいなくなるし、高い保証料を払ってまで利鞘を稼ぐことのできる金融商品は成立しなくなる。

JPモルガンの損失は自分で自分を保証するような自己完結型の信用保証が巨大な金融機関で行われてしまったことを示すものだ。


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