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http://www.nikkei.com/markets/shohin/view.aspx?g=DGXNMSDJ12003_13052012000000&df=1
原油、金で目立つ「売り仕掛け」 ----(日本経済新聞)
2012/5/14
原油や金などの国際商品相場が下げ足を速めている。新興国景気の先行き不安や欧州危機の再燃で投資マネーが商品市場から流出している、というのが最も平均的な解説だろう。ただ、商品市場には参加者の不安感をあおりながら売りを仕掛け、下がったところで買い戻して利益を稼ごうともくろむファンドも多い。足元の市場データはこうした「売り仕掛け」の増加を示す。
米商品先物取引委員会(CFTC)が11日発表した大口の売買動向は、米原油先物の買い越しが8日時点で18万3960枚(1枚=1000バレル、オプションを除く)となり、1週間で4万2683枚(19%)も減少した。依然として高水準の買い越しには変わらないが、直近で見れば2月7日以来、3カ月ぶりの水準まで減少した。
買い越しの減少=投資マネーの流出という見方は少し単純だ。買い越し幅はあくまで先物市場の買い残高から売り残高を引いた数字だからだ。中身を見れば、たしかに買い残は5月1日時点の37万4537枚から35万6626枚へ5%減っているものの、注目すべきなのは売り残高の急増だ。前週の14万7894枚から17万2666枚と17%も増えている。売り残高の多さは、昨年10月下旬以来になる。
投資マネーがどれだけ市場に入っているかを見る総建玉は8日時点で約159万枚と前週から1万1千枚しか減少していない。マネーの動きが買いから売りへと大きく変わったのだ。売り仕掛けはどこかで「買い」に変わる。昨年秋は売り残高が20万枚を超すファンドの売り攻勢で米原油先物の期近限月は10月4日に一時1バレル74ドル台まで下げ、その後は買い戻しで急速に相場が上昇していった。
金先物の売り仕掛けはもっと激しい。4月30日のニューヨーク先物市場では朝8時半のわずか1分間に7500枚(1枚=100トロイオンス)、量に換算して23トン強の売り注文が殺到。取引は一時停止に追い込まれた。市場には「ファット・フィンガー(誤発注)」か、との声も上がったが、取引再開後の相場は急落を演じた。
アジア市場の時間帯は実需の買いが下支えても、ニューヨーク市場に入るとまとまった売り注文が舞い込んでズドンと下げる場面がその後も頻繁に起きる。マーケット・ストラテジィ・インスティチュートの亀井幸一郎代表は「ファンドのHFT(高頻度取引)を狙った売り仕掛けではないか」と推測する。
現在の市場では、プログラムに従ってコンピューターが自動売買する取引がかなりの割合を占める。まとまった売りを仕掛け、下げのモメンタム(勢い)を引き出せば、そこにHFTの売りが追いかけて相場の下落に勢いが付く。下値のメドとなるチャートポイントなどは格好の仕掛けどころだ。仕掛けたファンドは、思惑通り下がったところで買い戻せばひともうけ、という戦略だ。
もちろん、上昇相場でも同じような動きは起きる。HFTには市場の売買を活性化する効果もあるが、相場の振幅を必要以上に大きくしてしまう側面が現在の市場では顕著だ。しかも、それが新たな「仕掛け」を誘発している。
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[コメント]
この記事で触れられていない事があります。それはHFTの売りを誘っているのが実はHFTだという事です。
実はHFTは「売り」だけとか「買い」だけではありません。
肝心なのはHFTは超高速で「売りこし」、「買いこし」を行うプログラムだと言う事です。
超高速で取引を行う「目的」は相手より先に注文を出す為です。
そうでなければ、相手にロス・カットさせる程に価格を動かせません。
相手より先に安い値段で大量に買い、高くなり売り注文が少なくなった時点で相手よりも先に売り注文を出す。
相手より先に高い値段で空売りし、安くなり買い注文が少なくなった時点でば相手よりも先に買い戻す。
こうすることによって、相手よりも有利に売買を行います。これがHFTの目的ですが、単純に厚い売りを出すだけでは、それよりも多い買い注文が入れはば価格変動はそこで終わってしまいます。
相手の買い注文よりも1株でも売り注文が多ければ価格は下がります。
つまり価格を変動させる為には、相手よりも1株でも多い注文を連続して出すことができなければ、価格の変動は一瞬で終わってしまうことです。
その点でHFTは有効で、超高速で相手よりも多い注文を連続して出すことができます。
ある程度価格が下がれば、自動的に利食い注文を超高速で出すので、最小限の手元資金で相場のイニシアティブを取ることができます。
相場を動かすのに最も嫌われるのは資金の固定化だが、相手よりも格段に高速なHFTを使用し、相手よりも多額の資金を保有している場合は、超高速で売り・買いの注文状況を判定しため、自ら「買い上がり」ながら「売りこす」ことや「売り崩し」ながら「買い戻す」ことが比較的容易だと言われている。
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