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http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20120510/231854/?bpnet&rt=nocnt
中国と韓国がFTA交渉開始で合意した。日中韓のFTAを目指す日本は置き去りにされかねない。TPP交渉も停滞し、日本企業への甚大な影響が迫る。
中国、韓国の両政府が5月2日、2国間のFTA(自由貿易協定)の交渉開始で合意した。北東アジアの自由貿易圏作りでは日中韓3カ国FTAの準備も進んでいたが、中韓が先行する構図が鮮明になった。
「韓国は最近、日中韓より中国との2国間FTAの推進に舵を切ろうとしていた」。外務省幹部はこう漏らす。日本政府は日中韓FTAの早期交渉入りを目指してきたが、「日本外し」の状況に危機感を隠さない。
日中韓より中韓のFTA交渉が先行する背景について、アジア経済研究所の奥田聡・動向分析研究グループ長は「まず第1に、韓国の対中政策の変更が推進力になった」と指摘する。
これまで、日韓両国は日中韓3カ国の枠組みによる政治・経済対話を重視してきた。「北東アジアで影響力を増す中国に対抗するには、単独より日韓が協調する方が得策」(外務省幹部)との共通の思惑からだ。
その意義はなお重要だが、ここにきて、韓国には対中関係深化に踏み込まざるを得ない事情があった、と奥田氏は見る。「不安定な情勢が続く北朝鮮や軍事的脅威を増す中国に対処するには、日本や米国などの力を頼みにするより、直接FTA交渉をテコに中国の懐に飛び込んで話をつけた方が早いと判断したのだろう」(奥田氏)。FTA先進国としてその政治的効果も知り尽くした韓国ならではの選択というわけだ。
★最も打撃を受ける日本
もちろん、韓国が経済的な実利を追求しての判断であるのも間違いない。日韓のFTA交渉は2004年以降中断したまま。早稲田大学の浦田秀次郎教授は「対日貿易赤字の拡大などが懸念され、韓国政府は日本とのFTAはやりたくないのが本音」と指摘する。
一方、韓国政府の統計によると、2011年の中韓の貿易額は約2200億ドル(約17兆6500億円)。韓国にとって中国は輸出全体の24%を占める最大の取引先で、その巨大市場の取り込みは大きな魅力だ。韓国は既に米国、欧州連合(EU)とFTAを締結済み。日本に先んじて中国とFTAを発効できれば、中国国内で関税などで日本企業より競争力が増すと同時に、日本を除く主要経済圏とのFTAが完成する。世界的に活動する韓国企業にとって、さらに有利な状況を作ることができる。
こうした韓国の姿勢は、中国にとっても好都合だったとの見方が広がる。米主導のTPP(環太平洋経済連携協定)に対抗し、アジア太平洋地域での自由貿易圏作りを狙う中国にとって、TPP交渉に参加していない韓国を自陣に引き込むメリットがあるためだ。
中韓接近の影響を最も受けるのは日本だ。奥田氏の試算によると、中韓FTAが発効すれば、1年目で韓国の対中輸出は277億6000万ドル増え、日本の対中輸出の約53億ドル分が奪われる。電機、自動車部品など広範な日本製品が韓国製品に取って代わられる。これに韓EU、韓米のFTA発効による影響も含めれば、日本からの輸出減少額は計110億ドル(約8800億円)近くに達する。
さらに、内閣府の試算では、日本がTPPやEU、中国とのFTAを締結しない中、韓国が米、EUに続き中国とFTAを結べば、日本の実質GDP(国内総生産)は6000億〜7000億円も減少するという。
TPP交渉参加でアジア太平洋地域の自由貿易ルール作りで主導権を確保する。それをテコに、中韓などとのFTA交渉加速を狙う。そんな日本のシナリオは崩壊寸前だ。政治の怠慢で、日本の国力とその源泉となる企業の競争力が一層損なわれようとしている。
●日本がTPP交渉に参加するチャンスまだある−米交渉当局者
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M3ZH266TTDVD01.html
5月13日(ブルームバーグ):日本とメキシコ、カナダの3カ国は、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する可能性があるとの認識を米交渉当局者が示した。ただ、3カ国はすでに成立した協議の内容を変えることはできないとしている。
米ダラス近郊で行われているTPPをめぐる協議中に、記者団に対し背景説明を行った同当局者は、3カ国が参加する機会はまだあると語った。
9カ国の代表団は今週、TPPをめぐる協議を実施。米国と最終合意に向けて作業を進めているのは、オーストラリアとブルネイ、チリ、マレーシア、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム。日本とメキシコ、カナダの当局者も参加への関心を示しており、この3カ国が加われば米国史上最大の貿易協定となる。
同当局者によると、すでに交渉に参加している国は候補国とそれぞれ話し合いを行っているが、参加国の拡大について最終的な決定には達していないという。
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