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総選挙の結果、ギリシャが混迷しています。これまでギリシャは、次の2つの政党が連立を組んで政権を支えてきたのです。
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1.新民主主義党(ND) ・・・・・・・・ 中道右派
2.全ギリシャ社会主義運動(PASOK)・ 中道左派
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本来は主張が対立しているNDとPASOKですが、国家破綻の回避に協力し、首相としてギリシャ中央銀行総裁でECBの副総裁を務めていたル―カス・パパデモス氏を首相に担ぎ出したのです。
しかし、総選挙においてNDは第一党を確保したものの、第二党には、急進左派連合が入ったのです。これでは連立を組むことは困難で、NDは組閣を断念したのです。
パプリアス大統領は急進左派連合に組閣を要請したものの、左右両極の小党だけでは連立を組むのは困難であるとして断わっています。こうなると、6月中旬に再選挙を行うしか、方法がなくなってしまったのです。
このギリシャと似たようなことをやっているのがイタリアなのです。昨年の11月にシルビオ・ベルルスコーニ首相が辞任し、マリオ・モンティ氏が首相に就任したのです。この人は国会議員ではなく、学者なのです。首相に就任すると、14人の閣僚を任命したのですが、全員が国会議員ではないのです。つまり、選挙で選ばれた人が一人もいない内閣ができたのです。この国では、大統領の緊急勅令でそんなことができてしまうのです。
ところが、このモンティ首相はただ者ではないのです。就任から約6ヵ月の間に、消費税の増税、年金受給年齢の引き上げ、既得権益に切り込む競争促進策など、痛みを伴う改革を次々と仕上げているのです。野田政権と大変な違いです。そして現在は、正社員の解雇条件を緩和する労働市場改革に取り組んでいます。
2012年4月16日付の日本経済新聞「核心」欄「イタリアに出来るなら」には、このマリオ・モンティ内閣についての作家・塩野七生氏の評価が掲載されています。
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イタリア在住の塩野七生さんが月刊「文芸春秋」の巻頭随筆で 4回続けてモンティ改革を取り上げた。辛口の作家らしく、最初は、有権者ではなく市場に選ばれた内閣で「(税金を)取れるところならばどこからでも取る、という会計士内閣」、と酷評していた。ところが3回目には「この3ヵ月間の成果は、一
言で言えば目ざましいにつきる」「多くの政策が、ハイ次とい う感じで実現されている」と手放しに近い好評価に変わった。
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このマリオ・モンティ首相の首相就任は2011年11月のことですが、同じ月にEUの重要職に就任したもうひとりのマリオがいるのです。マリオ・ドラギECB総裁です。
モンティ首相は「スーパーマリオ」の異名があるそうですが、2人のマリオの出現は、スーパー・マリオ・ブラザーズそのものです。
副島隆彦氏の情報によると、この2人のマリオとギリシャのパパデモス氏の3人は、いずれも後ろに米国の影が指している人物のようです。その経歴を見ると、歴然としています。
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マリオ・モンティ ・・・ 米イエール大学に留学
マリオ・ドラギ ・・・ MITで経済学博士号
パパデモス ・・・ MITで経済学博士号
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・マリオ・モンティ氏は親米派で、日米欧三極委員会のヨーロッパ委員長を務め、ゴールドマン・サックス社の国際的顧問も務めている親米派です。
・マリオ・ドラギ氏は、MIT──マサチューセッツ工科大学で経済学の博士号を取り、2002年〜2005年まで、ゴールドマン・サックス社の国際部門の副会長など役職に就いています。
・パパデモス氏は、ドラギ氏と同様にMITで経済学の博士号を取り、コロンビア大学教授を経てギリシャ銀行総裁を務めているのです。
この2人のマリオは、ゴールドマン・サックスに深く関与しています。
ギリシャがユーロに加盟するときの粉飾のデリバティブに関わったのがゴールドマン・サックスなのです。朝倉慶氏はこれについて、自著で次のように書いています。
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元々ギリシアのユーロ加盟はギリシアの国家財政の粉飾決算による賜物だったのです。財政赤字をデリバティブ取引でごまか し、ユーロ加盟という権利を得ました。
この時使った手法は、いまオリンパスで問題になっている飛ばしの手法そのものだっ たのです。
ギリシアの借金を、為替のレート操作によって一時 的にゴールドマン・サックスに付け替えたわけです。
まさに飛ばしたのです。これには裏契約があって、その後ギリシアの中 央銀行がゴールドマン・サックスからこのデリバティブ商品を 引き受けるということでした。そして、この取引を遂行し、まとめてきたのが当時ギリシアの中央銀行総裁だったこのパパデ モス新首相なのです。
──朝倉慶著/徳間書店刊『もうこれは世界大恐慌/超インフレ時代に備えよ』
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このように、欧州危機には、米国財務省と2人のマリオ、そして、ギリシャのパパデモス首相の親米トリオが深く関わっているのです
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