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世界からさまざまな叫びが聞こえてきそうです。今日は、そんな国々、地域のきしみ具合を考えてみたいと思います。
ヨーロッパのシナリオはフランスの選挙結果とギリシャの与党の苦戦までは読み込んでいたもののギリシャの再選挙の可能性、更にはギリシャ国内からの声を大にしたユーロ撤退論は想定外で、ユーロ圏を不安に陥れています。さらにフランスの新大統領、オランド氏がドイツとどのような形で新しいEUを形作っていくのか、その歯車がかみ合わないと不安が増長される公算が大いにありそうです。
一方、ロシア。ヨーロッパ選挙で目立たなかったプーチン大統領就任。しかし、就任前のデモは以前にはなかった規模でプーチン政権の舵取りの難しさを物語っているようです。実際、プーチン氏が前回大統領だった時は資源バブルでロシア経済も極めて順調に廻っていた時代です。ところが今回は困難の最中に出てきたようなもの。経済、資源開発などのプランは日本からの援助が喉から手が出るほど欲しいと思う中、北方領土というカードをしょっぱなから切らなくてはいけないところに苦しさがにじみ出ているような気もいたします。
中国もこのところ、かなり静かになっています。薄熙来氏の問題で上層部の対応に注目が集まる中、秋の党大会に向け国内の一層の統一感、経済の一定速度での巡航、更には外需から内需型経済への移行など極めて難しい舵取りを行っていく必要があります。ある意味、外交どころではないといった感じもいたします。
韓国は先の総選挙での結果を受けて年末の大統領選挙対策が今後、重点課題となってくるでしょう。韓国も大手企業の華やかな国際的イメージとは別に国内では深刻な経済、社会的問題を抱えているわけで、韓国が抱えている本質的問題、中国と日本に挟まれ人口だけを考えれば内需だけでは経済が支えきれない構造的状況、及び、北朝鮮という地政学的脅威を抱えなくてはいけないところはこの先も長く続く頭痛の種でしょう。
アメリカは安定的な低空飛行と抗生物質的金融対策による効果がとりあえず効いている状態で金融市場では米ドルは最近、二つのセーフヘブンと言われる一角となっています。(もう一つは日本円です。)大統領選挙は世界の流れが強い民主化方向であることから個人的にはオバマ氏有利と見ています。ちなみにロムニー氏は個人的にはいくら金持ちでも選挙資金となるとオバマ氏の足元にも及びません。
最後に日本ですが、こう言っては失礼かもしれませんが、最近、一種の諦めに近いものを感じてきました。リーダーが日本のあり方、向かう道をまったく示せず、政治は完全に空回りし、世界の中で存在感がほとんどなくなってきました。産業育成も金のばら撒き体質ですし、育ちつつあった携帯ゲーム産業は下手な叩き方をしてしまいました。経済回復のプログラムは皆無に等しい状態です。こんな日本の通貨が世界の中で何故セーフヘブンのもう一つの片割れかといえば、それぐらい特長がなく、変われない国が故の安定性ということだろうと思います。
どの国もそれなりに病は抱えております。が、ヨーロッパは外科手術で対応可能だと思いますが、日本はかなり転移が進んだがんの様相がいたします。
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