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ソニー、今期はエレキ収益化で5年ぶり最終黒字を「必達」  パナソニック生き残り懸けた“海外移転”の勝算
http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/126.html
投稿者 MR 日時 2012 年 5 月 11 日 01:10:16: cT5Wxjlo3Xe3.
 

ソニー、今期はエレキ収益化で5年ぶり最終黒字を「必達」
2012年 05月 10日 23:21

[東京 10日 ロイター] ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)は10日、2013年3月期の連結当期純損益が300億円の黒字になると発表した。液晶テレビ事業の赤字の圧縮とともに、東日本大震災やタイ洪水の影響がなくなることでデジタルカメラやパソコンの回復を見込む。堅調な映画・音楽・金融に頼るだけでなく、不振のエレクトロニクス事業の黒字化を図って、5年ぶりの最終黒字化を目指す。

過去最悪の最終赤字4566億円を計上した前期からの回復を計画するが、会社側の300億円の最終黒字予想は、トムソン・ロイター・エスティメーツによる主要13人のアナリスト予測平均711億円の黒字を大幅に下回った。

13年3月期の想定ドル/円レートは80円前後、(12年3月期は78.1円)、ユーロ/円レートは105円前後(同107.5円)。今期は、1円の為替変動が与える営業利益への影響は、ユーロが60億円。これに対してドルはインパクトはゼロという。

記者会見した加藤優最高財務責任者(CFO)は「今期はエレクトロニクス(エレキ)の立て直しが喫緊の課題」と述べて、今期は、(1)エレキ事業の黒字化、(2)最終黒字化、(3)キャッシュフロー黒字化―を「必達目標」として目指していく考えを示した。

<今期エレキの黒字額は非開示>

今期の連結売上高予想は、前年比14%増の7兆4000億円を見込む。連結営業損益予想は、映画・音楽・金融事業の好調を持続するとともに、エレキの黒字化で1800億円の黒字(前期は672億円の赤字)を計画。営業損益は、アナリスト13人の予測平均1694億円の黒字を上回っている。

営業損益に含まれる構造改革費用は、人員削減にかかる費用中心に750億円(前年同期は548億円)を計画。また、12年3月のエレキ事業の営業赤字額の合計は2500億円だったが「これを今期は黒字にする」(加藤CFO)方針。ただ、今期の連結営業利益1800億円に占めるエレキ事業の利益額は「開示していない」(同)とした。

<テレビは9年連続赤字へ>

13年3月期の液晶テレビ販売は1750万台を計画。12年3月期は1960万台の実績だった。先進国の成熟化や価格下落を受けて数量を絞り込む。営業損益は12年3月期の2080億円(液晶合弁解消の減損損失含む)の赤字に対し、今期は800億円の赤字に圧縮する計画。9年連続で赤字の見込みだが、オペレーションや固定費改善などで収益改善を図り、来期の黒字化を目指していく。

13年3月期の据置型ゲーム「プレステ3」と「プレステ2」の販売計画は1600万台(12年3月期実績は1800万台)、携帯型ゲーム「VITA」と「PSP」販売計画は1600万台(同680万台)とした。昨年12月に発売したVITAは12年3月期に180万台を販売。12年3月期のプレステ3の値下げやハッカー攻撃などによる事業悪化を受けてゲーム事業全体は減収減益だったが、13年3月期は、VITAの売り上げ拡大で増収増益を見込む。

携帯電話事業は、スマートフォンの販売台数増を見込むが、営業損失は残る見込み。12年3月期の携帯事業は、旧ソニー・エリクソンの完全子会社化で評価差益を計上したことで314億円の黒字だったが、この評価差益の特殊要因を除くと、スマホの競争環境悪化で赤字だった。13年3月期のスマホ販売台数は3330万台を計画。前期は2250万台だった。

<前期は非エレキで2000億円超の営業利益>

12年3月期の連結業績は、東日本大震災、タイ洪水、円高進行で売上高が9.6%減の6兆4932億円。さらに営業赤字の672億円は、液晶テレビ事業の赤字計上と携帯事業の損益悪化のほか、リストラなど構造改革費用548億円を計上したのが響いた。これに加え、米国子会社の繰り延べ税金資産の取り崩しで過去最悪の最終赤字に陥った。

12年3月期のエレクトロニクス事業の営業損益は赤字に陥ったが、映画・音楽・金融の「非エレクトロニクス3事業」で合計2024億円の黒字を稼いだ。13年3月期については、映画事業は「増益(前年同期は341億円)」(加藤CFO)、音楽事業は「ほぼ前年並み(同369億円)」(同)の水準を見込む。12年3月期に1314億円を計上した金融事業については「前期比で減少を見込んでいるが引き続き高い利益貢献を見込んでいる」(同)という。

<業績予想の達成可能性に疑問との指摘も>

松井証券のシニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏は「営業利益の会社予想が市場予測を若干上回り、株価にはポジティブ。液晶テレビ事業で採算重視の戦略を採っていることは評価できる。ゲーム事業もソーシャル系に押されるなかで携帯ゲーム機『VITA』などを中心にまずまずの販売計画。同社株価は年初来安値圏に沈んでおり、全般相場が落ち着けば、今期見通しを評価して切り返しの動きが期待できるだろう」と評価する声が出ていた。

一方で、インベストラスト代表の福永博之氏は「数字的には頑張っている印象はあるが、具体的に何をやって収益を上げていくのかが見えない。達成できるかどうか疑問がまだ残っている」との指摘も出ていた。同氏は、液晶テレビの収益改善について「固定費改善などでテレビの収益を改善するということだがこれまでのソニーの動きや前期の実績をみる限り信憑性に欠ける」とみていた。

(ロイターニュース 村井令二 布施太郎 取材協力:杉山容俊 ソーフィ・ナイト 編集:宮崎大)

*情報を追加して再送します。

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ソニー<6758.T>営業利益

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE84903V20120510?sp=true


【企業特集】パナソニック
三洋買収の是非を問う電池事業
生き残り懸けた“海外移転”の勝算
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今年1月、三洋電機、パナソニック電工との事業統合を完了させた新生パナソニック。赤字が続く薄型テレビなど従来の家電分野から、環境やエネルギーといったBtoB領域に新たな成長を求める。ところが三洋電機を買収した“大義”の電池を中核としたエナジー社は、2011年度決算で赤字に転落する見通しで、早くも正念場を迎えている。(「週刊ダイヤモンド」編集部 後藤直義)

「営業利益は“赤字”から、2桁(営業)利益率へと非常に高い目標です」

 4月3日、大阪府守口市にあるパナソニックエナジー社では、2012年度の経営方針が発表された。伊藤正人社長が掲げた中期目標は、現在7000億円の売上高を15年度に約1.6倍の1兆円超まで引き上げ、赤字に沈んだ営業利益率を2桁に乗せるというものだった。

 パナソニックが三洋電機との資本・業務提携を発表したのは08年11月のこと。8000億円の資金を投じた理由は、バリエーション豊かな「電池事業」の高い将来性にあった。


 上図は、そうして生まれたエナジー社の商品ポートフォリオを、売上高の規模(円の大きさ)、成長性(横軸)、収益性(縦軸)の3要素で表したものだ。

 商品群は手堅く稼ぐ「基盤事業」と、これからの成長が期待される「成長事業」の二つに大別される。

 前者には、電動工具や非常灯に使われる「ニッカド電池」、小さなボタン形の電池や汎用乾電池など「一次電池」が分類される。規模拡大は望めないが、着実に10%前後の利益を上げている。

次のページ>> 成長エンジンとして期待される「柱」は三つ

 繰り返し充電できる「エボルタ」や「エネループ」など「ニッケル水素電池」や、「充電器」も手堅いビジネスだ。

 一方、グローバルな市場拡大に伴って、成長エンジンとして期待される「柱」は三つある。

 一つ目は、パソコンや携帯電話に内蔵される「民生用リチウムイオン電池」。二つ目は普及が広がっている「HIT」シリーズの「太陽電池」。そして将来的に巨大市場が期待されるエコカー向け「車載用電池」だ。


ノートパソコンに内蔵されている「18650」型のリチウムイオン電池。いまや1本1.5ドルほど
 ところが、である。

「太陽電池の利益を、民生用リチウムイオン電池が食いつぶしている」(パナソニック幹部)という非常事態が起きている。

 背景には、買収時には想定もしていなかったスピードで起きている、民生用リチウムイオン電池の価格下落と収益性の悪化がある。支えの太陽電池も、中国製パネルの台頭により、価格下落が激しい。

 11年度第3四半期の決算では、民生用リチウムイオン電池の収益性悪化を認め、約1600億円分ののれん代を減損処理するという、苦渋の決断に迫られた。そして、11年度通期決算では赤字に転落する見通しである。市場関係者から「三洋買収は失敗だったのでは」との声すら上がった。

 エナジー社は、この難局をどう乗り切るのか。

 その答えの一つとして決断したのが「脱日本」、つまり生産拠点の海外シフトだった。

次のページ>>中国・蘇州で立ち上がる
“背水”の新工場

 ついに生き残りを懸けた「引っ越し」が始まった──。

 12年5月、パナソニックが中国・蘇州で建設しているリチウムイオン電池の新工場が完成する。これまで国外に出さなかった“企業秘密”の極板作りから、パッキングまで一貫生産する。

 主な生産品目は、ノートパソコン向けの円筒形リチウムイオン電池「18650」(直径18ミリメートル、長さ65ミリメートル)。月産3000万個まで生産能力の拡大を目指し、いずれ同社最大の生産拠点となる。

 高いコスト競争力が狙いで、「最新設備で安い中国製素材を使えば、材料コストは2〜3割下がる」と、同社幹部は話す。

 これまで「安全性」などを理由に使ってこなかった中国製素材も50%以上取り入れる。それで価格攻勢でシェア拡大を続けている、サムスンSDIやLG化学など韓国メーカーへの対抗策とするためだ。

 そして、この工場についてはエナジー社では“公然の秘密”がある。「新工場とはいうものの、日本で競争力がなくなった生産ラインをかき集めた」と、パナソニック関係者は経緯を話す。


拡大画像表示
 上図を見てほしい。今年1月に完全統合したパナソニックと三洋電機には、大阪湾岸部を中心に計10ヵ所のリチウムイオン電池工場があった。

次のページ>> 三洋電機の民生用リチウムイオン電池事業は、みるみる失速


 ところが08年秋のリーマンショック後、世界シェア1位、2桁の営業利益率が当たり前だった三洋電機の民生用リチウムイオン電池事業は、みるみる失速。円高ウォン安の為替環境の悪化もあり、韓国メーカーが一気にシェアと利益率を伸ばしている(右図参照)。

 何が起きたのか。

 元サムスン電子の材料メーカー幹部は「サムスンは05年ごろから、中国の素材メーカーに社員を送り込み、安い電池を作る供給体制を着々とつくってきた」と振り返る。

 2000年代前半まで、韓国メーカーは主要4部材(正極、負極、電解液、セパレーター)の大半を、日本の大手化学メーカーに頼っていた。「円で買って、円で売るしかなかった」(同幹部)という。“円経済圏”が韓国製のリチウムイオン電池も支配していた。

 そこで中国の素材メーカーを育てつつ、安く電池を作るノウハウを蓄積してきたという。

 実例の一つが、パナソニック蘇州工場でも採用するとささやかれる、中国の負極材メーカー最大手になったBTRニューエナジーだ。「製造時に混入する異物をどう取り除くかなど、過去にサムスンがじっくり教えて成長させたメーカー」(関係者)といわれる。

 さらに韓国勢は生産効率を上げるための装置開発も徹底した。

 調査会社B3のアナリスト、竹下秀夫氏は「サムスンは1分間当たり300〜400個、日本メーカーの2倍近いスピードの生産ラインを追求した。これがコスト競争でボディブローのように効く」と指摘する。

 結果として、08年に1本約2.5ドル(250円前後)だった円筒形の汎用品は、みるみる値段を下げ、「最近は1.5ドル(120円)で、日本メーカーは絶対つけられない値段」(業界関係者)まで落ち込んだ。

次のページ>> 携帯電話向けでは米アップルに食い込めていない

その結果、11年度、パナソニックの民生用リチウムイオン電池は赤字に沈む見通しだ。

 追い詰められたパナソニックは国内外の工場再編に動いた。

 パナソニック系の住之江工場は、総額1000億円の投資のうち、400億円分を凍結。和歌山工場と守口工場のラインを集約した。

 三洋電機系では、南淡工場と洲本工場のラインは蘇州、北京へ。さらに貝塚工場まで「すべて蘇州に輸送するのでは」(業界関係者)との見方が強まっている。

 問題は今後の市場動向だが、住之江工場は、米テスラ・モーターズの電気自動車「モデルS」への電池供給が決まり、今後4年間で8万台分が見込まれる。「テスラの売れ行き次第で、住之江は生き返る」(証券アナリスト)との期待もかかる。

 しかし、携帯電話向けでは、上表の通り、米アップルに食い込めていない。急成長するiPhoneやiPadへの納入はゼロである。これは「05年ごろ、 アップルから電池供給の依頼があったが、リスクが高いとして何度も断った」(三洋電機OB)のが遠因といわれる。一方、お得意さまだったノキアは、価格競争によりシェア低下が決定的になっており、今年中にもゼロになる可能性もある。

 昨年、かろうじて出荷シェアの世界首位の座をサムスンSDIから守ることができたパナソニック。

 国内で敗北したラインは、蘇州工場でよみがえるのか。“背水”の民生用リチウムイオン電池の生き残りが懸かっている。

次のページ>> 高収益の“日本の屋根”中国メーカーから守れるか


マレーシア工場では、より高効率な「次世代ヒット」の生産も計画される
Photo:JIJI
高収益の“日本の屋根”
中国メーカーから守れるか

「月次ベースでは、国内トップシェアという数字も上がっている」(吉田和弘・エナジー社副社長)

パナソニックの太陽電池の出荷台数が伸びている。後押しをしているのは、全国13万店の工務店ルートを抱える旧パナソニック電工の販売網だ。国内の住宅向けを中心に、今期は約1400億円(前年比25%増)の売り上げを見込む。営業利益率も1桁台後半を期待できそうだ。

商材は、旧三洋電機が独自に開発してきた「HIT」シリーズ。他メーカーより値段は張るが高効率故に、“太陽電池のポルシェ”のあだ名もついたほど。面積が小さい「日本の屋根」というニッチ市場に狙いを絞り、高収益を維持する構えだ。

一方、世界の太陽電池メーカーは、まさに死屍累々の状況だ。

昨年9月には、オバマ政権のグリーンニューディールの象徴だった米ソリンドラムなど3社が次々と経営破綻。そして、2008年に世界シェア1位だった独Qセルズも、昨年920億円の最終赤字を出して今月2日に破綻し、大きな衝撃を呼んだ。

背景にあるのは中国メーカーによる価格破壊。世界の出荷台数でトップ3の座(米ソーラーバズ調べ)を独占し、日本でも「国内メーカーより3割ほど安く売っているケースもある」(業界関係者)。

日本では今年7月、再生可能エネルギーの買い取り制度が始まるため、その中国メーカーが虎視眈々と市場参入を狙っている。

一方、パナソニックは今年度内にマレーシアの新工場を稼働させて、いずれ国内2工場(二色の浜、鳥取)の2倍近い生産規模にする予定だ。

高収益の「日本の屋根」を守る戦いは、これからが本番だ。

次のページ>> 本命「プリウス」のPHVが発売 車載用は全方位戦略で拡大狙う

本命「プリウス」のPHVが発売
車載用は全方位戦略で拡大狙う

 2012年度は、パナソニックの車載用リチウムイオン電池の量産出荷がいよいよ始まる。


トヨタが発売した新型の「プリウスPHV」。パナソニックの大きな追い風になるのか
 今年1月末、トヨタ自動車が発売した新型「プリウスPHV」。家庭用電源から充電できるプラグイン・ハイブリッド車で、ガソリンを一滴も使わずに26.4キロメートルを走行できる。搭載されているリチウムイオン電池(4.4キロワット)は、すべてパナソニック製だ。

 廉価な「モデルS」でも1台約320万円するため、年間の販売目標は6万台(国内3.5万〜4万台)と控えめだ。しかし業界関係者らは「エコカーの“象徴”であるプリウスのPHVは、今年最注目のクルマ」と口をそろえる。

 さらに米フォード・モーターからは「C−Max Hybrid」や「Fusion Hybrid Electric」など、パナソニックのリチウムイオン電池を搭載したエコカーが続々デビューするのだ。

「長年クルマと付き合ってきた経験から、“安全”だけでなく、“安心”という価値まで提供できる」(池内弘・HEV BU長)という言葉を裏づけるように各社の看板商品への採用が続く。

 パナソニックは、車載用リチウムイオン電池の年間売上高を15年度に1300億円まで引き上げる。兵庫県にある加西工場(月産300万個)では足りず、すでに新棟建設や、中国・蘇州の新工場建設など、複数の拡大プランを検討中だ。

 さらに20年度には、民生用電池を超える約1.5兆円の巨大市場が現れることを想定して、最大で40%のシェアを目指すと公言している。


 右表は、週刊ダイヤモンド取材により、主要自動車メーカーのエコカーの電池供給関係をまとめたもの。まるで“陣取りゲーム”のように、日韓3社がしのぎを削っている。

 パナソニックはすでに5メーカー10車種以上に採用されていると発表しているが、基本はトヨタと独フォルクスワーゲングループの2社が核になる。

 一方で、韓国メーカーはLG化学が「ボルト」など米ゼネラル・モーターズの他、韓国の現代自動車や仏ルノーとも供給関係にある。サムスンと独ボッシュの合弁会社、SBリモーティブは、独BMWの他に米クライスラーにも納入するもようだ。

次のページ>> 伊藤正人 パナソニック役員 エナジー社社長インタビュー 

注目点は、自動車メーカーの調達戦略が、合弁会社への「出資」から、独立メーカーとの「分業」にシフトする気配があることだ。

 例えば、三菱自動車はGSユアサと、車載用電池をつくるリチウムエナジージャパンを合弁で設立している。当然100%調達をすると思われたが、「ミニキャブ・ミーブ」では東芝製を採用した。

 つまり「よい電池なら、子会社でなくても、問題なく採用する流れ」(山本連三・テクノ・システム・リサーチアナリスト)が、広がっているのだという。

 そうなれば、独立系のパナソニックは幅広く受注を狙えるチャンスがある。実際に「ホンダの新車種について商談中」(証券アナリスト)という情報も上がっている。

 一方で、分業化は新たなコスト競争の引き金になるとの見方もある。「自動車メーカーは基本的に複数購買が基本」(業界関係者)のため、民生用のように、韓国メーカーとコスト比較されるシーンが想定できるからだ。

 この舞台では負けられない。


Photo by Yusei Ueda/REAL
伊藤正人 パナソニック役員 エナジー社社長インタビュー 
海外で一気通貫のビジネスが
“ボリューム勝負”で引かない

電池というのはボリュームだ。ボリュームがなくてはいけない。小さなメーカーと、大きなメーカーが価格で勝負したら、生産コストで肩を並べることはできない。

民生用リチウムイオン電池はまだ成長事業だと思うが、韓国、中国メーカーと戦えるコスト競争力を付けなくてはいけない。中国・蘇州の新工場は計画通りに進んでおり、2012年度上期中に量産に入れる。ここでは電池の極板作りから最終工程まで一貫してやる。

「メード・イン・チャイナ」の電池を現地で作り、現地で売り切る。今は20%ほどの現地生産比率を、13年度中には50%まで引き上げる。そのために国内の生産拠点は再編しなくてはならない。

また中国産の素材を使うことで、2〜3割のコストダウンが見込める。現地はコバルトやリチウムなど原料が豊富だ。電池の素材メーカーがあるのは、世界でも日本、韓国、中国くらいだ。円高による為替差損もヘッジできる。

リスクもあるが、「虎穴に入らずんば、虎児を得ず」だ。ブラックボックス化はするが、技術の流出は一定程度ある。中国政府の政策により、急な逆風下に置かれることもあり得る。しかし、それを恐れては始まらない。

電池事業は設備産業なので投資も大きい。回収期間を5年、3年と短くしないと、設備はすぐ陳腐化する。ボリュームを抑え、15年度までに、必ず2桁利益率を出す。

一方、太陽電池の「HIT」シリーズも、コスト競争力を重視していく。世界の太陽電池メーカーの決算を見ても、ほとんど赤字だ。市場の値下がりに、メーカー側のコストダウンが追い付いていない。

そのため、マレーシアに新工場を立ち上げる。原料のシリコンウエハーのスライスから、組み立て作業まで一貫生産する。コスト競争力を付けながら、不足分の供給力を上げていく。15年度に1.6ギガワットの出荷が目標だ。

そして車載用リチウムイオン電池は、いよいよ今年から量産に入る。すでに5メーカー、10車種以上に供給する契約を結んでいる。15年度に1300億円の売上高を目指す。

加西工場(兵庫県)だけでは十分なボリュームは稼げない。新しい拠点は、自動車メーカーの戦略によっても決まってくる。中国を重視していくなら、私たちも、中国に出て行きますということ。

新体制のエナジー社は、小さなボタン電池から車載用電池、太陽電池までをそろえている、世界にも類を見ない総合電池メーカーだ。

15年度に売上高1兆円、2桁利益率を達成して、「環境革新企業」の成長エンジンになる。(談)

http://diamond.jp/articles/-/17971  

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コメント
 
01. 2012年5月11日 17:54:51 : TkLDIwGHLs

海外移転で経営陣は儲かっても国民にカネは回らない。 長い目で見れば日本は衰退する。


02. 2012年5月12日 13:56:36 : QIv5LPYuJc
パナソニックは、松下未熟生とともに日本から出ていけ!
腐りきって悪臭を放っている。

真似下では技術進歩しない。
パナソニックは消滅が望ましい。


03. 2012年5月12日 22:24:26 : EypVuclbbY
違うだろ、元関係者の本当の話ではパナソニック電工の人員を含めての会計で処理したこと。
 これから本当の攻めになります。

04. 2012年5月14日 15:33:19 : sgolhP60mA
パナソニックが海外に出て行かないで倒産したら、大勢の失業者が出る。
どちらが良いかは、自明。

05. 2012年5月25日 17:54:44 : 3qzPpLjqGQ
「海外に出て行かないで倒産」
海外に出て行くと必ず生き残れるのか。なんで国内で生き残る方法を模索しないのか。

06. 2012年6月05日 22:57:20 : U3yN6c6aqg
Nevadaに、ソニーの死亡記事が書かれていました。

http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/archives/4212245.html

(一部転載します。)

ソニーの株価が1,000円大台を割り込みましたが、時価総額は1兆円を割っています。これは、アップルの41分の一、サムソンの13分の一となっており、もはやソニーは韓国企業の「目的」でも「敵」でもない状態に陥っています。

数年前には韓国企業はソニーを追い越し、追い抜けと述べていましたが、今やソニーは終わった、目標はアップルと述べるになっており、世界の機関投資家も、今や<ソニーを売って、サムソン買い>となっているのです。

(中略)

ソニーがそのうちに市場から消滅する日も案外早く訪れるかも知れません。

(転載終了します。)

当方のコメント

ソニーの株と言えば、国際優良株として有名でした。3,000円以上していたような。何でこんなに高いのか子供の頃に株屋に聞いてみたら、「ラジオでも性能が違うでしょう。日本より外国の方が人気が高いです。日本から輸出して稼いでいるのです。日立、東芝、三菱電機、松下電器などのつくる冷蔵庫や洗濯機は大きいですよね。輸出商品ではありません。ソニーの作る製品は、どれも小さい。輸出に向いているのです。」このように言っていたように思う。

自国で消費する性格の強い白物家電は、欧州でもエレクトロラックスとかAEGとか、コンチネンタル・エジソンとか、生き残っているメーカーが多い。これに対し、ソニーは製品が全体に小さい。主要市場は輸出市場だ。ライバルもアップルとかサムスンだ。今やソニーは、これらのメーカーに商品力で劣勢に立っている。日本ではアンドロイド・ウォークマンの人気が高いが、欧米ではiPod Touchが完全に市場を押さえてしまった。ソニーなど、植木等氏じゃないが、「お呼びでない。」状態なのだ。

ソニーのラジオを受託生産しているEMS大手メーカー、十和田オーディオもソニーに頼っていては将来が危ないと思ったのか、太陽光発電とか他の事業に積極的に進出している。現にソニーのテレビの部品を生産していた電子部品メーカーが閉鎖されているし、明るい見通しは全くない。ソニーは、いよいよ正念場に立たされている。


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