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東電、標準家庭月480円値上げへ
2012年5月9日 22時25分
東京電力は9日、実質国有化を柱とする総合特別事業計画の政府認定を受けた。10年間で総額3兆3650億円超の経費削減を掲げた。一方で、福島第1原発事故の賠償や廃炉を進めるため、収益改善策として家庭向け電気料金の平均10・28%値上げと柏崎刈羽原発(新潟県)の2013年度の再稼働を明記した。標準的な家庭では、値上げ適用後の料金が月額480円(値上げ率は6・9%)上がり7453円となる。
東電は枝野幸男経済産業相に10日にも7月からの値上げを申請。値上げに伴い電力の使用時間に応じた料金抑制策を導入する。経産相は9日、東電の西沢俊夫社長に「電気事業法に基づき厳正に審査する」と述べた。
東電は原発再稼働へ向け地元の同意を目指すが、経産相は原子力規制庁の安全確認が条件とし「経営計画を立てるための仮置き」と指摘。前提が変わった場合には計画を見直す可能性を示した。
政府は7月にも公的資金1兆円を資本注入し議決権割合の過半を握って東電を実質国有化。社外取締役を増やし経営監視を強める。将来的な電力改革を見据え、燃料・火力部門、送配電部門、小売り部門を社内分社化し、さらに持ち株会社制へ移行する方向性も打ち出した。
計画の対象は21年度までの10年間で、期間を3つに区分。12年度は「改革導入期間」とし、社外取締役が過半を占める委員会設置会社に移行。各部門の採算を独立させる社内分社化も実施する。13年度から10年代半ばは「改革加速期間」とし、社債発行の再開が柱となる。10年代半ば以降は「改革展開期間」とし、小売部門で新ビジネスを創出する。
政府は東電の改革の進展や社債発行の再開を条件に、議決権割合を2分の1未満に減らして国有化を終結させる。
東電は今回、電気料金への算入対象を絞り込み再計算した。この結果を、既に値上げを実施している企業向けにも適用し値上げ幅を圧縮する。
民間金融機関も新規融資など1兆円を資金支援する。新会長に就任する原子力損害賠償支援機構の下河辺和彦氏と新社長に内定している広瀬直己氏が直轄する経営改革推進チームも発足する。
(共同)
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012050990221955.html
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